単焦点レンズ『SEL24F14GM』で撮れる11月の天体イベント
10月27日に発売される24mm単焦点レンズ「SEL24F14GM」ですが、出荷された後にちょうどよい天体イベントがいくつかあります。当店でも撮影に挑戦してみようと思って調べてみました。
11月に全国で撮影挑戦できる天体イベントを紹介します。
■SEL24F14GM発売後にすぐやってくる流星群撮影チャンス!
こんにちは、店員佐藤です。
小型軽量の単焦点レンズ「SEL24F14GM」ですが当店では順調にご予約をいただいています。SEL24105Gの様に一般的なレンズではなく広角24mmの単焦点レンズです。爆裂大ヒットするようなレンズではありませんが、軽量コンパクトな設計と、それと公開されているサンプル作例のシャープさが圧倒的で、この写りなら!ということで、当店では大ヒット中です。
ズームレンズの多くが24mmスタートになっていて、普通にスナップを撮影するときはワイド端を使うことが多いので、そのまま使っても自然に使えそうな画角というのも魅力です。スナップ撮影に、風景撮影に、そして星景写真に開放F値1.4が大きな武器になると思います。
サンプル作例作品の中に星景写真も1枚含まれています。こうした星景写真の場合も絞り値がF1.4まで使えるのでシャッタースピードをその分、速くすることができます。星が流れないシャッタースピードというのは500÷焦点距離と言われていて24mm単焦点レンズだと20秒までシャッターが開けることになるのですが、現在の高解像度が進んでいるカメラ&レンズでは、これよりももうちょっと短くしないと星が線状に流れる気がします。今は400÷焦点距離くらいが目安になるでしょうか。
絞り値が小さいとその分、光を取り込める量も増えるのでシャッタースピードを短くすることができます。SEL24F14GMは星景写真でも期待ができそうです。
☆流星電波観測国際プロジェクト 流星群観測展望(2018年)はこちらから
SEL24F14GMの発売日10月27日以降の天体イベントを探してみると11月上旬におうし座流星群、11月下旬にしし座流星群があります。それほど流星の数は多くありませんが、12月のふたご座流星群のための練習撮影にはちょうどよい天体イベントになります。
☆アストロアーツ「2018年11月上旬 おうし座南・おうし座北流星群が極大」
おうし座というと星占いの星座的には4月下旬頃の星座になります。それが今頃?というところですが、星占いの星座は太陽が位置している星座で決まるのでおうし座生まれの方がおうし座を観ようと思っていても誕生日には観られません。太陽と重なっているので昼間、太陽と重なっている星座になるんです。
それが夜観られるようになるのは今頃の時期になり、そのおうし座のあたりに重なる流星群がやってくるので「おうし座流星群」と呼ばれるわけです。毎年ほぼ同じ時期に同じ流星群が見られます。
おうし座流星群は南群と北群に分かれていて南群は5日(月曜日)頃、北群は13日(火曜日)頃が見ごろになります。11月8日が新月で前後は月明かりがないので今年は条件がとても良い流星群となります。1時間に10個程度ほどの小規模な流星群ですが明るい火球が多めの流星群なんだそうです。
天気次第ですがマンションのベランダからでも南方向が見られればチャンスがあります。
11月18日(日曜日)の明け方にはしし座流星群も見ごろを迎えます。月も夜半には沈むため夜明け前がチャンス。日曜日の明け方になるので土日がお休みの方にはチャンスです。
■流星群をソニーデジタル一眼カメラ”α”で撮ろう
“α7S”+SEL1635Z 15秒 F4.0 ISO3200
流星群の撮影についてですが、ちょっと特殊な撮り方をする必要があります。流星はいつやってくるのかわかりません。シャッターチャンスを待って、流星が見えた瞬間にシャッターボタンを押しても間に合わないため撮影できるチャンスがある時間に長時間露光を連続で撮影して、あとから流星群が撮れているかどうか、というのをチェックします。
撮影には独特の設定が必要になります。
まず、撮影に必要なものですがソニー”α”、出来れば高感度の撮影をしたいのでフルサイズセンサー搭載機がオススメ。
それと三脚、レリーズ(リモートコマンダー)、そして開放F値の小さい明るいワイドレンズが必要になります。開放F値が1.4になるSEL24F14GMはかなり理想的なレンズ、ということになります。
花火などは絞って撮影するので開放F値はあまり重要ではないのですが、星景撮影では基本的に絞り開放で撮影します。明るいレンズであればそれだけシャッタースピードを短くしてISO感度も下げて高画質な撮影ができます。
撮影時のコツですが、まずはシャッタースピードの設定が独特のものになります。星の撮影ですが地球は自転しているため星は常に動いています。長時間露光なので星がグルッと回るように軌跡を長くしている写真などをみることがありますが、それは地球の自転のためです。
短時間の撮影でも星は動いてしまっているため長時間露光などをすると星は点ではなく流れて見えて写ることがあります。画角によって許容されるシャッタースピードは変化するのですが、目安としてシャッタースピードを割り出す公式があります。
「500」÷焦点距離=シャッタースピード
というものです。これを当てはめてみると。。。
85mmレンズの場合 500÷85=5.8秒
35mmレンズの場合 500÷35=14.2秒
24mmレンズの場合 500÷24=20.8秒
16mmレンズの場合 500÷16=31.2秒
12mmレンズの場合 500÷12=41.6秒
となります。ここまでのシャッタースピードであれば星がぶれているようには見えない、という公式なのですが、最近の高感度カメラ、高解像度レンズだと、この数値よりももうちょっと短くしないと流れているように見えてしまいます。私の感覚だとこれよりも3割くらい短い時間にするか500ではなくて400で計算した方が良い気がします。
絞り開放でシャッタースピードが決まるとあとはISO感度の設定で明るさを調整するのみとなります。
ISO感度は実際に現地で撮影してみて空が明るくなりすぎない、ギリギリのところまであげることになります。街中で光害が多いところだとISO感度400とか800くらいまですると空がかなり明るくなってしまいますが、光害の少ないところで月がなければISOは3200、6400くらいまであげられます。
このあたりは実際に撮ってみてその場で設定をしていくことになります。
その他、ホワイトバランスは好みで設定。太陽光で撮ると空全体がオレンジっぽくなり、電球/白熱灯にすると、昔からイメージしている青い宇宙になります。見た目に近い色にする際は色温度設定で4000K前後にすると良いようです。
星景写真の主な設定 | |
カメラボディ | フルサイズセンサーがオススメ |
レンズ | できるだけ明るいワイドレンズ |
シャッタースピード | 500÷レンズの焦点距離の3割引きくらい |
絞り | 開放(一番小さい数値) |
ISO感度 | お好み(実際に撮影してみて設定) |
ホワイトバランス | お好み(4000K前後がオススメ) |
フォーカスモード | マニュアルフォーカス |
上記の設定で、連続撮影をすることになります。
以上の設定で撮影すれば星景写真が撮れますが、今回は流星群といういつ飛んでくるかわからない物を撮影します。
“α7II”や“α7R2”、“α7S2”時代はCamera App機能にインストールする「タイムラプス」アプリを利用することで自動で連続撮影をすることができましたが、“α7III”や“α7R3”世代になるとカメラアプリが使えなくなっています。
そこで利用するのがプログラム機能付きのレリーズです。amazonで1,500円前後で購入する事ができます。
“α”を連続撮影モードにして純正のレリーズを使ってレリーズロックして連写させても良いのですが、こちらのプログラムレリーズを使うとリモコン側でシャッタスピードを1秒単位の任意の時間にしたり、撮影枚数の設定などを行うことができます。価格も安いのでオススメです。
ちなみにロワジャパンとNEEWERのリモコン見かけはまったく同じ様なものなんですが、ボタンの感触が違っていてロワジャパンンのモノの方がやや固めになっています。操作性はまったく一緒なのでどちらを使われても同じだと思います。
真ん中の「SET」ボタンを押してから5つのタブを順に操作していくのですが、左から「スタートから1枚目のシャッターまでの時間」「バルブ撮影時のシャッターを開く時間」「シャッターを閉じてから次のシャッターまでのインターバル時間」「撮影枚数」「動作音のオンオフ」となっています。
インターバルタイマーは最短が1秒設定になるので連続撮影的にはカメラの連写機能を使った方が有利なのかもしれませんが、15秒のバルブ撮影でのインターバル1秒程度であれば、あとから比較明合成しても切れ目は見えません。
DSC-RX100M6などもCamera Appの搭載がなくなってしまいましたが、今後のタイムラプス撮影では、こういうリモコンがあると便利です。
フォーカスについてですがマニュアルフォーカスで合わせる必要があります。イチイチメニューからピント拡大を使うと、毎回大変なことになるので、あらかじめカスタムキー設定で「AF-ON」ボタンにピント拡大を割り当てておくと楽です。
フォーカスを合わせる際は「AF-ON」ボタンを押して拡大し、あとは明るい星をみつけて星の大きさが一番小さく見えるところをひたすら探します。
一度合わせたらあとはそのまま撮影すればピントは合っているはずなんですが、うっかりフォーカスリングを触ってしまったりすると、それ以降に撮影した写真は全部ピンボケになってしまい使い物にならなくなります。
タイムラプス撮影中でも、止められるようであれば一度撮影をとめてフォーカスの確認をしておくと大きな事故が防げると思います。(誰しも一度失敗すると、こういうのを気をつけるようになります。)
そしてノイズリダクション機能ですが、普通だったら長時間撮影した時は「長時間NR」をオンにしておきます。
長時間の露光をするとセンサーが熱をもってしまい、ないはずの信号を受けてノイズを移してしまいます。そのため、同じ時間シャッターを開かずに撮影をして熱ノイズだけを写し、引き算してノイズを消すのですが、これをやってしまうと15秒撮影したあとに15秒のお休みが発生してしまいます。
流星群撮影でこれを使うと半分の時間しか撮れなくなってしまうので長時間NRはオフにして使います。その代わりレンズを手で塞いで真っ暗な状態のものを1枚撮影しておけば、あと処理で引き算をしてノイズを消すことができます。1枚だけ真っ暗な写真を撮っておけばOKです。
“α7S”+SEL28F20+SEL057FEC 15秒 F3.5 ISO3200 25枚比較明合成
こちらは3年前に撮影した「ふたご座流星群」の写真です。流星が写っていた25枚の写真をピックアップして比較明合成で重ねて作った写真です。本当に流星って放射状に降ってくるのがわかりました。
これはポータブル赤道儀を使って回転する天体を追尾させながら撮影しているので撮れた写真なんですが、枚数が少なければ自分で合成して作ることもできます。
このときは天候が悪くて雲がずいぶん出ていたのですが、その気になれば手動合成でこんなこともできます。
DSC-RX100M4 F3.5 15秒 ISO125 24mm画角相当
こちらはサイバーショットRX100M4で撮影した3年前のおうし座流星群です。埼玉県南部の空でも天気が良ければ流星群は撮れます。
☆当店blog 2015.11.4「DSC-RX100M4で撮る『おうし座流星群』タイムラプス」
拡大するとこんな風になっています。等間隔で点々となっている場合は飛行機で、流星は最初と最後がスッと切れるようになっています。RX100M4の場合はタイムラプス機能が使えるのでプログラム機能付きのレリーズがなくても撮影が可能です。三脚だけあればOKです。
ということで、ソニー”α7III”とSEL24F14GMがあるなら、あとは三脚とプログラム機能付きのレリーズがあれば流星群撮影は可能。
あと肝心なのは当日の天気になります。曇ってしまったらそれだけで天体撮影は終わりなんですが、今回は3回のチャンスがあります。きっとどれかひとつくらい晴れてくれるはずです。「SEL24F14GM」を手にしたら是非挑戦してみてください。
■G Masterレンズ「SEL24F14GM」先行予約販売中!ソニーストア価格は?!
単焦点24mm F1.4のG masterレンズ「SEL24F14GM」は9月27日からソニーストアにて先行販売開始となりました。現在もまだ発売日のお届け目安で予約オーダーができますが、担当セールスさんからはそろそろ納期に気をつけてください、という話をいただいていますので、初回出荷本数近くまで予約オーダーがきているかもしれません。
ストア価格は179,630円(税抜)でお届けは10月26日となっています。AV10%OFFクーポンを使えば161,667円(税抜)で購入できる計算です。昨年の4月以降、My Sony ID会員さんがお持ちの「長期保証割引きクーポン」がαレンズ適用外になっているため、ソニーストアで購入する特典のひとつであるワイド保証割引きが効かないんですが、その代わりに「αあんしんプログラム」に加入することで3年ワイド保証を無料にして購入する事ができます。
αあんしんプログラムは2017年3月1日からスタートしたサービスで、入会金が3,000円、年会費が6,000円かかるサービスです。入会すると5つの特典をもらえます。現在は入会金の無料キャンペーン中なので3,000円はかからないものの、年会費が6,000円もかかるのか、と思えてしまいます。しかしSEL24F14GMなどの約18万円クラスのレンズを1本購入すると、その時点ですでに元が取れてしまう計算。ソニーストアでαレンズを購入するなら絶対に入会しておいた方が良いシステムになっているんです。
SEL24105Gは3年ワイド保証が8,000円、5年ワイド保証が15,000円に設定されていますので、これ1本で元が取れます。
レンズ購入前に先に「αあんしんプログラム」に入会していただき、月払いの場合は翌日正午以降、年払いの場合は2時間ほどで会員専用ページにアクセス出来る様になり、そちらの会員限定ページでαレンズを購入すると3年ワイドが無料、5年ワイドは半額で購入できます。
☆当店blog 2017.7.4「ソニーストアでのレンズ購入前に『αあんしんプログラム』」
αあんしんプログラム (入会金+ご利用料金) ZZ/A-AP |
ソニーストア価格: 0円~+税 |
|||
発売日 | 2017年3月1日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 入会金無料キャンペーン |
☆当店blog 17.5.26「『入会金無料キャンペーン』期間延長!5年ワイド半額などお得な特典が追加!」
☆当店blog 17.3.28「『αあんしんプログラム』の入会は3月末までがおすすめです」
☆当店blog 17.3.1「ソニーストア新サービス『αあんしんプログラム』を発表」
こちらに入会してからレンズ購入をすることをオススメします。
当店店頭から「SEL24F14GM」の予約オーダーをいただいた方にはもれなくソニーロゴ入りステンレスボトルをプレゼントしています。また開店5周年記念のソニーロゴ入り手帳も差し上げています。WEB上でも当店経由でソニーストアへご予約いただき、後日、当店店頭へお越しいただければこれらの記念品をプレゼントいたします。
ソニー”α”を使って星景写真撮影に挑戦してみよう!という方、是非、こちらのレンズを使って星景撮影デビューをしてみてはいかがでしょう。すでに予約オーダーをされている方は三脚とプログラム機能付きレリーズの準備をどうぞ。
チャンスは3回です♪
- おうし座流星群 南群 11月5日(月曜日)夜
- おうし座流星群 北群 11月13日(火曜日)夜
- しし座流星群 11月18日(日曜日)未明~明け方
防寒装備の上、挑戦してみてください。
24mm単焦点レンズ SEL24F14GM |
ソニーストア価格: 179,630円+税 |
|||
発売日 | 2018年10月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:18,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:9,000円+税 3年ベーシック:無償 |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 開店5周年記念品プレゼント中 ソニーロゴ入りステンレスボトルプレゼント |
.
MCプロテクター VF-67MPAM |
ソニーストア価格: 7,880円+税 |
|||
発売日 | 2009年11月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 |
.
円偏光フィルター VF-67CPAM |
ソニーストア価格: 15,880円+税 |
|||
発売日 | 2009年11月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 開店5周年記念品プレゼント中 |
.
当店店舗「ソニーショップ テックスタッフ」の住所はこちら |
東京都港区新橋5-12-6 ヴェルディ新橋1F 電話番号:03-6809-1868 営業時間:11~20時(9/27は9:30より営業します) 定休日:毎週日・月曜および祝祭日 |
gigo
2018年10月14日 @ PM 6:17
佐藤さん、結露、霜対策も考えておいた方が良いです。
精神衛生に悪いので防滴性能の落ちるケーブルタイプではなくIRタイプのインターバルタイマーの使用も。
逆に有線でないと出来ないのですがインターバル機能のないレリーズでも本体を連写モード、S速30秒とかにしてレリーズロックするという手も。
後、最近のE-Mount αはかなり暗い星でもAF利くのでAF-Sで使う事も多いです。
二等星があればまず問題ないです。
毎回、姿勢や気温の微妙な変化で起こるアウトフォーカスを気にしなくて良くて楽。
お試しあれ。
tecstaffŔ
2018年10月15日 @ PM 1:25
gigoさん、コメントありがとうございます。
レンズヒーターは私も用意しています。湿度の高い日だと夜露がかなり
つきやすくなりますが、今回はご自宅のマンションのベランダ撮影を
前提にご案内しているので、そこまではご案内しませんでした。
シャッタースピードを遅くしてのレリーズロックも有効ですね。
星のAF撮影は今度挑戦してみます。
私も星景撮影経験はあまりないので勉強中です。
今回はまとめて3回も撮影チャンスがあるので楽しみです。
今後もよろしくお願いします。