3分でわかる4K HDR撮影対応のハンディカム『FDR-AX700』プレスリリース

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AF性能を大幅アップし、グレーディングなしに4K HDR映像を楽しめる4Kハンディカムのフラッグシップモデル「FDR-AX700」が日本国内向けに発表されました。

今まではS-Log撮影にてカラーグレーディングが必要だったHDR映像ですがこれで大幅に4K HDR映像が身近なところにやってきそうです。

プレスリリースになった内容にてカメラの要点を簡単にお伝えしつつ、大注目の4K HDR録画機能についてご案内をしたいと思います。

 


☆ソニー(株)ニュースリリース「高い動画AF性能を273点像面位相差検出AFセンサーの搭載により実現 4K HDR記録対応 1.0型積層型CMOSイメージセンサー搭載カムコーダー3機種を発売」

こんにちは、店員佐藤です。

今回はソニーマーケティングのプレスリリースでは無く、ソニー(株)のニュースリリースとして発表があり、業務用カメラの「PXW-Z90」「HXR-NX80」と同時発表になっています。

「FDR-AX700」はこれら業務用機器と一緒に開発されたモデルだそうで、UIなどもデジタル一眼カメラ”α”と共通のものではなく、これら業務用カメラのUIでメニュー構成がされているとのこと。

当店は民生用機器の契約のみのお店ですので、これら業務用機器については取り扱いもなく情報も入ってこないためどんなものなのかはさっぱりわかりません。商品情報サイトの説明を見る限りは確かに見たことのないメニュー画面になっています。

モデルの位置づけとしてはFDR-AX100の後継モデルではなく上位機種となっています。FDR-AX100もこれで販売が終了するのではなく、まだ販売は継続する現行製品になります。

AX100も1インチセンサーを搭載した高画質モデルですが、AF性能については従来のコントラストAFになるので静物などを三脚に据えてMFで撮影するのが基本。AX55、AX40は空間光学手ぶれ補正を搭載し、ラフに手持ちで4K動画を撮影するモデル。

AX700はハイアマチュア向けのAF性能が向上したスポーツ撮影にも使えるモデルということになります。

 

■4Kハンディカム「FDR-AX700」の特徴

最大の特徴は像面位相差AFを配置したイメージセンサーの搭載です。撮影した映像のコントラストの差からフォーカスを合わせるのではなく、位相差AFでは距離を測定してフォーカスを合わせることができます。フォーカスが迷ったような動きが少なく、狙ったところにスッと合わせに行けるのは動画撮影だとかなりの武器になります。

高速に移動する被写体も粘り強く追随するなど、2017年モデルのソニーデジタルイメージング製品のAFの進化は大きな一歩になっている様子がうかがえます。

詳しい性能についてはメーカーさんの商品情報サイトをご覧いただくとして、ちょっと変わった点をピックアップして紹介します。

4K動画を撮影しながら低解像度のXAVC S プロキシーファイルの同時記録が出来る様になりました。従来モデルではMP4同時記録機能というのがありましたが、プロキシー記録では24Pでの記録ができたり、メイン映像とフレーム単位でスタートストップのタイミングが同期するなど、よりプロ向けの機能に進化しています。

搭載する有機ELファインダーは0.39型 236万ドットになります。AX100の144万ドットと比較すると1.6倍アップ。

ワイド液晶もAX100の92万ドットから1.7倍アップで156万ドット。

フォーカス合わせがシビアな4K撮影に必要な機能です。4K撮影をしながらのHDMI出力にもAX700は対応しているそうですので、外部モニターを使う際にも有利です。

さて「4K HDR」撮影の対応ですが、ご存じの方は知っての通りの「HDR」です。知らない方には説明が難しいのがこのHDR。

ハイビジョンと4Kの差、というのは解像度で縦横のドット数が違うので説明がしやすいのですが「輝度」と言ってもなかなかぴんと来ないんですよね。しかも最近のダイナミックレンジの広いテレビはSDRの映像を擬似的に輝度差をつけて表示出来る機能がついているので、店頭でSDRとHDRの映像をお見せしてもぱっと見では理解ができなかったりします。

さらに、こうしてPCやスマートフォン、タブレットなど、そのほとんどがHDRに対応していないディスプレイでご覧になっているblog上にて実際にはこういう違いがあります。というのも説明が難しいんですが。。。一応、イメージでお話をすると。。。

写真のHDRでよく説明がありますが、明るいところに露出を合わせると影の部分が黒く潰れます。

影のところに露出を合わせると、今度は明るいところが白く飛びます。

そこで明るいところも暗いところも映るように、それぞれを適正な露出にして1枚の写真にするのが写真の「HDR」です。ソニー”α”にはDレンジオプティマイザーという機能もありますが、同じ事をしています。これはハイダイナミックレンジの映像をSDRに圧縮していること。

動画の「HDR」というのはこうしてダイナミックレンジを縮めて画を作るのでは無く、その広いダイナミックレンジをそのまま記録して表示しようというものになります。

従来は「S-log 2」や「S-Log 3」というあとから「カラーグレーディング」という調整作業が必要な形式で撮影。これをSDRなりHDRなり出力する映像に合わせて調整をして映像を完成させています。こちらのモードもFDR-AX700」に搭載されているのですが、S-Logに加え、HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)方式での記録が出来る様になっています。

ソニーの”α”やサイバーショットには「ピクチャープロファイル」という映像の特性を決める機能が搭載されていて「S-Log 2」での撮影時にはこのピクチャープロファイルの7番を使ってます。「S-Log 3」の場合はピクチャープロファイルの8番と9番が割り当てられていて、従来モデルではピクチャープロファイルは最大9つまで搭載されているものだったんです。(”α7R2″、”α6300″など一部のモデルではピクチャープロファイル7まで搭載)

今回のFDR-AX700では10パターン搭載となっており、新たにピクチャープロファイル10番が用意されているようです。ここにHLGでのHDR記録モードが加わるんだと思います。

ちなみに「HDR」のことや、S-Logの事をサラッと概念だけ知りたい、ということであれば、現在ソースネクストにて販売中の「VEGAS Pro 15」のマニュアルを読むと理解が深まると思います。

こちらのマニュアルというのが800ページもある大作マニュアルなんですが、単にソフトの使い方を説明するだけでは無く映像全般の知識についても解説をしてくれています。こちらのマニュアルの500ページ前後にダイナミックレンジの広さについての解説があり、これが今のところ、一番わかりやすい解説になっていると思います。


★ソースネクスト「VEGAS Pro 15」のご案内はこちらから

☆当店blog 2017.9.14「『VEGAS Pro 15』体験版でファーストインプレッション 」
☆当店blog 2017.9.8「VEGAS PRO 15が9月14日発売」

VEGAS Proシリーズは、ソースネクストで
☆ソースネクスト「新発売 Vegas Pro 15」のご案内はこちらから

9月30日まではキャンペーンでお得な価格で販売しています。こちらの4K対応の編集ソフトも今が買い時です。

 

■HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)とは

さて、HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)についてですが、これはHDRの方式のひとつになります。現在、普及が始まっているHDR方式には主にふたつの方法があり、ひとつが「HDR10」というもの。こちらはNetflixや、4K UHD BDソフトなどで採用されている方法になります。

もうひとつ「HLG」方式というのもあり、こちらはイギリスのBBCと日本のNHKが共同で策定した方式。放送用に作られたHDRとなっています。

他にもうひとつ、これから普及が始まるのが「ドルビービジョン」という方式でHDR10に似た方式なのですがHDR10やHLGと違ってシーン毎に輝度を変えられるのが特徴となっています。

HLG HDR10 ドルビービジョン
放送 NHK、BBC
他スカパー!4K
ネット YouTube amazonビデオ、Netflix、YouTube
UHD BD × ×
ダイナミックレンジ ~1000nit ~10000nit
カラーモード BT.2020
ガンマカーブ HLG PQ

ダイナミックレンジを見るとHLGの方が不利に見えますが、HDR10も今のところは上限を1000nitもしくは4000nitにしているらしく、我々が見る分にはそれほど大きな差はなさそう。

この夏、発売になった4K HDRの映画「君の名は。」も彗星のシーンで700nitまでしか使っていないそうです。

色域はどれも広色域の「BT.2020」を採用しています。

では、なにが一番大きく違うのかというと、HDR10やドルビービジョンは「カラーグレーディング」という色調整の作業が必要になるため即時性を求められるスポーツ中継やニュースでは利用ができません。

HLGは放送での生中継にも対応すべく、撮影時にHDR信号にいきなりしてしまうのが特徴。

すでにHLG方式でのHDR放送も見ることができて、それがCSの「スカパー!4K」での放送番組なります。

私も知らなかったのですがすでに1年ほど前からHDR放送をスカパー!4Kでは行っていて、これがHLG方式になるんだそうです。

当店の店頭展示しているブラビアですが2016年モデルでは「KJ-65X9300D」を置いていたのですが、こちらがHLG方式に対応していなかったためHDRで見ることができなかった、というのも気づきが遅かった原因でした。

2017年モデルの「KJ-65A1」は最初からHLG対応になっているので、スカパー!4KのHDR放送がHDR画質で観られます。

いろいろなHDR番組の放送があるのですが、中でもHDRの威力満点なのがサッカー中継です。

Jリーグのリーグ戦中継はDAZNに全部持って行かれてしまいましたが、以前、ナビスコカップと呼ばれていたYBCルヴァンカップは今年もスカパー!で放送しており、そのうちの一戦がHLG方式の4K HDRで放送されました。

録画番組を見ているときにブラビアの画質モードを呼び出すと、画質のところに「HDR」の文字が表示されていて、テレビ側がこの映像を「HDR」だと認識してHDRモードにして表示をしていることがわかります。

この番組の画質はスカパー!4KのHDR放送番組の中でももっともHDRらしさがわかるというか、輝度差については今までにない画質を見せてくれます。4Kによる高解像度な映像になっているだけではなく、明るさが超リアル。スタジアムを見ていると隅の方はあまり照明が当たっていなくて暗くなっていく様がわかったり、ユニフォームの白いところが素材のテカリ方を含めてとても立体的に見えます。

今までにないスポーツ中継になっていて、この画質で2020年に東京オリンピックを観ることができるようになると思うと興奮してきます。

 

FDR-AX700では、このHLG方式での4K HDR記録を出来る様になっていて、カメラから直接、HLG対応の4KブラビアにUSB接続をすることで4K HDR映像を再生出来る、となっています。

ハンディカムをUSB接続すると単なるUSBメモリーとしてブラビア側は認識するだけなので、その場合の表示はこういう感じになると思います。

こちらは「ビデオ」アプリを使ってUSB接続したサイバーショット「DSC-RX100M4」の中身をのぞいているところです。一昨日撮影した4K動画のファイルが見えます。

ここからリモコンで選択をすると4K動画の再生が始まります。

こちらは店頭でのデモ展示用にメーカーさんからいただいている4K HDR映像です。映画ソフトやステージ映像などで「4K HDR」のファイルをいただいています。(ブラビアの中にインストールされているので、これを取り出すすべがないのですが)

再生するとやはり画質に「HDR」の表示があります。こんな感じでFDR-AX700の映像も見られるようになるんでしょうね。

なお「HLG」対応の4Kブラビアですが、私の知る限り現在対応しているのは2016年の秋に発売された4Kモデル移行と2017年モデルのみ。「Z9D」を含む2016年モデル前期の機種も後日、アップデートによる対応予定となっていて、現在もアップデート待ちとなります。2015年モデルのC世代モデルは商品ページを見てもHLG対応について記載がないので不明です。

というわけで「FDR-AX700」の4K HDR再生ができるのは今のところ

2016年秋発売モデル以降のAndroid OS 7.0搭載モデルだけで、それ以外のモデルではアップデート待ち、という状況になります。

対応しているモデルであればUSB接続でHDR映像が見られる他、HDMI接続の際も手動で画質モードを操作しHDRモードを「HLG」に設定、色域を「BT.2020」に設定するとHDR画質で観られるようになるそうです。

なお蛇足ながらこちらは一昨日撮影した線路の保線工事の様子です。自宅のベランダからサイバーショット「DSC-RX100M4」で4K撮影しました。

ご覧になるとわかると思いますが引きのシーンでは照明が当たっているところが真っ白になって見えなくなってしまっています。露出を合わせて部分拡大すると線路を補修している様子がよく見えるんですが、輝度差が大きすぎて100nitを超えてしまっているところはこうして白く飛んでしまうのがSDRというわけです。

HDR撮影が出来ていれば、もっと鮮明に全体像が写るようになるのになぁ、というのを味わった瞬間でした。「FDR-AX700」でコレを撮り直してみたいです。

 

以上、説明の半分以上が「4K HDR」になってしまいましたが、カラーグレーディング無しでHDR映像が自分で撮影できるというのはこれが初めてのモデルになります。従来の”α”やサイバーショットによる「S-Log」撮影だと、どうしても編集技術が必要なのとHDR出力をするためにAdobe Premiere CCやダ・ヴィンチ・ディゾルブなどの業務用アプリが必要になっていたのですが、それらをすっ飛ばしてHDR映像が楽しめる様になるのは、4K HDRブラビアオーナーさんには超朗報。

今後、発売されるデジタル一眼”α”やサイバーショットにもこれが普及しないかな、と、願う反面、FDR-AX700はUIを含めて業務用カメラから派生したモデルとなると、コンシューマー機には4K HDR撮影機能は搭載されないのかな?とも予想されます。

大注目のハンディカムが登場しました。

ソニーストアでは9月26日10時より先行予約販売開始。10月13日(金)の発売予定となっています。価格は200,000円(税別)前後の予定です。

 

デジタル4Kビデオカメラ
FDR-AX700
ソニーストア価格:
199,880+税
ソニーストアのご利用はこちらから
発売日 2017年10月13日 メーカー商品情報ページこちら
延長保証 5年ワイド:20,000円
3年ワイド/5年ベーシック:10,000円
3年ベーシック:無償
ソニーストア
購入特典
ソニー提携カード決済で3%オフ
送料無料

当店店頭
購入特典
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中


☆当店blog 2017.9.16「4K HDR録画が可能な新型ハンディカム『FDR-AX700』が海外発表」

 

【先行機種 FDR-AX100 関連記事はこちらから】

デジタル4Kビデオカメラ
FDR-AX100
ソニーストア価格:
199,800+税
ソニーストアのご利用はこちらから
発売日 2014年3月14日 メーカー商品情報ページ
延長保証 5年ワイド:20,000円
3年ワイド/5年ベーシック:10,476円
3年ベーシック:標準付属(無償)
ソニーストア
購入特典
ソニー提携カード決済で3%オフ
送料無料

当店店頭
購入特典
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中

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☆当店blog 14.5.1「『Movie Studio 13 Platinum』日本語版リリース」
☆当店blog 14.4.3「旅する 4Kハンディカム TOKYO桜」

☆当店blog 14.3.14「4Kハンディカム『FDR-AX100』開梱レポート」

☆当店blog 14.3.13「『旅する、4Kハンディカム 鎌倉』」
☆当店blog 14.1.15「4Kハンディカム『FDR-AX100』発表&予約販売開始!」

 

DSC00004.jpg
☆My Sony Club「開発者が語る 4Kハンディカムに込めた思い」はこちらから

 

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