【レビュー】スタジオモニターヘッドホン『MDR-M1』実機レポート
本日、ソニーさんから発表になった新型のスタジオモニターヘッドホン『MDR-M1』の実機レビューレポートです。クリエイター向けの密閉型ヘッドホンですが、本当のプロ向けのモデルとしては「MDR-M1ST」があるので、こちらのモデルはやや一般向けのモデルで、クリエイター向けに発売されるとのことなので、これはDTMやボカロでの音楽制作をされている方向けのモニターヘッドホンと言えるかもしれません。
実機の様子を写真を中心にお伝えします。
こんにちは、店員佐藤です。
海外では2024年10月に発売されているスタジオモニターヘッドホン「MDR-M1」が日本国内向けに販売開始になりました。スタジオで使うモニターヘッドホンは、いかにも業務用という雰囲気ですがソニーストアで販売されているので、意外にも簡単に手に入ります。
現在、ソニーストアで購入できるモニターヘッドホンのラインナップの仕様を比較すると下記の通りとなります。
![]() MDR-CD900ST |
![]() MDR-M1ST |
![]() MDR-MV1 |
![]() |
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価格 | 24,860 円 | 36,300 円 | 59,400 円 | 45,100 円 |
発売日 | 1988.5.21 | 2019.8.23 | 2023.5.12 | 2025.9.19 |
用途 | Recording | Recording Mixing |
Mixing | Recording Mixing |
型式 | 密閉型 | 密閉型 | 背面開放型 | 密閉型 |
ドライバー ユニット |
Φ40mm | Φ40mm | Φ40mm | Φ40mm |
周波数特性 | 5Hz~30kHz | 5Hz~80kHz | 5Hz~80kHz | 5Hz~80kHz |
インピーダンス | 63Ω | 24Ω | 24 Ω | 50Ω |
音質 | – | Hi-Res | Hi-Res・360RA | Hi-Res |
重量 | 200g | 215g | 223g | 216g |
ケーブル | 2.5m 着脱式 | 2.5m 着脱式 | 2.5m 着脱式 | 1.2m/2.5m 着脱式 |
付属品 | – | – | 3.5mm/6.3mm アダプター |
3.5mm/6.3mm アダプター |
メーカー保証 | なし | なし | あり | あり |
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「MDR-CD900ST」はTHE FIRST TAKEでもおなじみの赤いラインの入ったおなじみのモニターヘッドホンです。音質が特別良いとかいうのではなく、古くからレコーディングスタジオで使われていて業界ではどこのスタジオへ行っても同じ音が聞けるスタンダードなヘッドホンということで使われています。
もっと音質の良いヘッドホンにうちのスタジオだけしてみよう、としても、他と音が変わってしまうのではアーティストに使いにくい結果になるので変えるに変えられないアイテム。おかげで1988年発売から37年経っても使われ続けているわけです。
2019年にはハイレゾ対応になった「MDR-M1ST」が発売になっていて、どれくらいミュージックスタジオで普及しているのかはわかりませんが、これが次世代のモニターヘッドホンという位置づけなんだと思います。その後、立体音響向けに「MDR-MV1」という開放型のモニターヘッドホンが発売されていますが、こちらは360 Reality Audioなどの編集のために特化したモデル。
今回発売される「MDR-M1」はそうしたスタジオユースのプロ向けのヘッドホンを、もう少し一般向けに振ったモデルでMDR-M1STより厚いイヤーパッドにして長時間使用がしやすいようにしたモデルと聞いています。
MDR-CD900STやMDR-M1STはソニーミュージックが販売元になっており通常1年ついているメーカー保証もありません。使い始めて1年経たずに壊れても有償修理となるところが「MDR-MV1」と新製品の「MDR-M1」はソニーマーケティングの販売になるため1年保証もついてきます。そういった意味でもより一般向けの製品と言えます。
※ソニーストアでは3年ベーシック保証が付帯し、ワイド保証へのアップグレードも可能です
実機の様子を紹介します。
パッケージを開くと、こうしたプロユースの製品でもプラスチックフリーの地球環境に配慮した梱包になっているのがわかります。
それはもう徹底していて、ヘッドホンのくぼみを利用して、隙間にケーブルを収納して、パッケージの中には区切りを一切、作らない形での梱包をするほど。すごいうまいこと収納されています。
同梱されているのはヘッドホンケーブル2種と本体のみです。これに取扱説明書が入っています。
ヘッドホンのイヤーパッドを保護するパーツも紙製で、イヤーパッドとハウジングの隙間に紙の爪を差し込んで固定されています。
付属するヘッドホンケーブルは1.2mのものと、2.5mの2種類です。MDR-M1STは2.5mの長さのものが1本入っているだけなんですが、MDR-M1では短めの1.2mケーブルが追加されているのと、3.5mmステレオミニの他に6.3mステレオ標準ジャックが使えるようにアダプターがひとつ追加されています。
4.4mmのバランス標準には対応していません。プロユースの世界では、まだ4.4mmバランス標準とか使われることはないんでしょうね。
なので、ウォークマンなどに接続して使うヘッドホンではなく、あくまでプロユースの現場で使うモデルという位置づけになります。
こうしてヘッドホンとケーブルが別パーツになっているのは、ケーブルが断線してしまったときも、ケーブルだけ変えればすぐに使える様にするための仕様です。
ケーブルはねじ込み式になっていて、しっかりと固定して使うことができるようになっています。
ワイヤレスヘッドホンの「WF-1000XM6」同様にスイーベルで小さくすることができますが、このモデルは折りたたんでケースに入れるとかはありません。単純に道具として整理するときにスペースを取らないようにするための配慮なんでしょう。
ヘッドホンの左右は一目ですぐに分かるように「R」も「L」も他のヘッドホンにはないほど大きくわかりやすく表記されています。
これなら一目で左右を間違えずに装着できます。
イヤーパッドは厚みのある低反発ウレタンフォームを採用。写真左がMDR-M1で、写真右はWF-1000XM6なんですが、同じ様な感触のものになっています。WF-1000XM6は内側にテンションがかかるように設計されていて密閉性を高めていますが、MDR-M1はそういうことはなく、強い力で圧迫されるものでもありません。
ヘッドホン全体の軽量化もあり、6時間以上の長時間装着でも快適な作業ができるように配慮されています。
イヤーパッドはハウジングの周りに配された薄い溝のところにはめ込むタイプになっていて、脱着はしやすくはないのですが、誰でも簡単に交換ができるように設計されています。
専用設計のドライバーユニットは超広帯域再生を実現するために、複数回に渡る試作を経て完成したもの。
ちなみにシリアルナンバーは左側ハウジングのここに記載があります。イヤーパッドを外さないと確認ができません。
さて、MDR-M1はおそらく音楽制作をされる方向けに作られたモニターヘッドホンでどんな環境でも安定した音質での再現を狙ったモデル。アーティストさんと同じ音を聴くことができるヘッドホンになります。
音質については「クリエイターとの共創」をうたっているので、WF-1000XM6の音質チューニングの際にアメリカの有名スタジオのエンジニアに意見を求めたとのことでしたが、MDR-M1も同時にアドバイスをもらってチューニングをしていっているんだと思います。
私みたいな素人が、MDR-M1だけを聞いて音質がどうこういうのもおこがましいのですが、音質の違いがわかりやすくなるのかな?ということで、手持ちのウォークマンやXperia 1 VIIの音を聴いてみました。
ウォークマンの最高レベルモデル「NW-WM1AM2」と「NW-A300」「NW-A100」「Xperai 1 VII」で同じ音源の音を再生して聴き比べてみたのですが、これがわかりやすい。手に取るように再生機器による音質の違いがわかります。
WM1AM2の音ですが、アンバランスの3.5mmステレオミニで鳴らしてもこんなに音質が違うの!?と驚かされます。
Xperia 1 VIIもウォークマンの抵抗や金メッキを使うなど、音質がかなり良くなっているということで、すごい頑張っているのも理解。ですが、ウォークマンA100やA300には及ばず、こうしたステップをあがっていくようにできているんだなー、と、改めて理解しました。
しかし、これは音の違いがわかりやすいです。ウォークマンの聴き比べようにウチのお店も「MDR-M1」を展示しようかな。
重厚なヘッドホン、ということではなく、非常に軽いヘッドホンでもあるので、装着すると「あれ、こんなに軽いの?」とも思われるかもしれませんが、長時間の音楽制作に耐えられるようにするための軽量化です。
趣味で音楽制作をされている方が、プロユースの世界への扉をあけて「アーティストと同じ音」を聞くための第一歩になるかもしれませんね。
業務用ヘッドホンに見えますが、今回は一般のコンシューマー向けにソニーストアでは取り扱うため、My Sony ID取得でもらえるAV商品10%オフクーポンが使えるほか、3年ワイド保証の無料クーポンなども使えます。「ラッキー抽選会」のクーポンも4万円以上のお買い物で使えるクーポンの利用ができますのでお忘れなく。
自分の音の「軸」を固定すべく、こんなヘッドホンをひとつ持っておくと良いかと思います。
★ソニー ニュースリリース「スタジオ品質の音楽制作を幅広い環境で可能にするサウンドエンジニアと共創した密閉型モニターヘッドホン『MDR-M1』発売」
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モニターヘッドホン MDRーM1 |
ソニーストア価格: 45,100 円 税込 |
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発売日 | 2025年9月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:5,500円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:3,300円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
24回分割手数料【0%】 ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |

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