「Xperia 1 VI」で使うWi-Fi7対応ルーター『Buffalo WXR9300BE6P』の話
10月10日に本体ソフトウェアアップデートがあり、無線LANの最新規格「Wi-Fi7」に対応したXperia 1 VIなんですが、対応する無線LANルーターがないとWi-Fi7が宝の持ち腐れになってしまいます。
せっかくなので店頭で使っている無線LANルーターを「Wi-Fi 7」対応のモデルに入れ替えて、Wi-Fi 7での通信を試してみることにしました。導入したのはBuffaloさんの新製品「WXR9300BE6P」です。実機の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
今年6月に発売された「Xperia 1 VI」は発売時から「後日アップデートによりWi-Fi 7に対応予定」となっていました。10月10日にそのアップデートがあり現在はXperia 1 VIは無線LANの最新規格である「Wi-Fi 7」に対応しています。
耳にタコができるほど、ご覧になっているとは思いますが、無線LAN規格は以前は「802.11g」とか「802.11n」とか呼ばれていましたが、現在はよりユーザーにわかりやすく世代違いが理解できるように「Wi-Fi 4」「Wi-Fi 5」などの数字で表現されるようになっています。
一昨年には6GHzが使える様になった「Wi-Fi 6E」が登場していますが、そのときは使える周波数帯が増えただけ。Wi-Fiが混雑しているところでは広い周波数が使える様になるので混雑緩和になるというメリットがありましたが、通信速度についてはWi-Fi 6と同じでした。
今回の「Wi-Fi 7」は使える帯域が広く取られるようになるため通信速度が速くなる、というのが大きなメリットになります。
名称 | プロトコル | 利用周波数帯 | 最大転送レート | |
802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | ||
802.11a | 5GHz | 54Mbps | ||
2003年 | 802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | |
2009年 | Wi-Fi 4 | 802.11n | 2.4GHz/5GHz | 600Mbps |
2013年 | Wi-Fi 5 | 802.11ac | 5GHz | 1.5Gbps |
2019年 | Wi-Fi 6 | 802.11ax | 2.4GHz/5GHz | 9.6Gbps |
2022年 | Wi-Fi 6E | 802.11ax | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 9.6Gbps |
2024年 | Wi-Fi 7 | 802.11be | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 36Gbps |
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こちらがWi-Fi規格の歴史表になります。「802.11be」というのが「Wi-Fi 7」の正体になります。
帯域幅を160MHz幅から320MHz幅へ倍増させることにより大幅なスピードアップが可能になっているのと、マルチリンクにより同時に複数の周波数帯を利用する通信が可能になっています。
2.4GHzと5GHzに加えて6GHz帯も使える様になったWi-Fi 6Eでしたが、通信する際はシングルリンクという、ひとつの周波数帯での通信になっていました。
マルチリンクの場合、複数の周波数帯を同時に利用することで干渉波を受けても通信を安定させることと、通信速度の向上を実現します。
このマルチリンクというのがXperia 1 VIでWi-Fi 7を使う上での一番のメリットになりそう。というのも、スマートフォンなので、それほど大容量データのやりとりを瞬時に行いたいとかいうシーンはあまりなく、それよりはYouTubeをスムーズに見たい、動画配信の際の映像をより安定して送出したい、という要望の方が多いでしょうからね。
ということで、無線LANルーター選びをするわけですが、ながらく私も使っている業界シェアナンバーワンのBuffaloさんで調べて見ると、Wi-Fi 7ルーターは2機種発売されている様子。というか、新型モデルが11月5日発売になっていて、それを待って購入しました。
こちらの「WXR9300BE6P」というのが今回、うちのお店で導入したモデルになります。
上位機種に「WXR18000BE10P」というモデルがあるのですが、こちらの価格が64,980円、新発売の「WXR9300BE6P」が31,480円と、倍くらい違っているのも理由のひとつですが、性能面で違うマルチリンクのアンテナ数がオーバースペックだった、というのもあります。
こちらが理論値になりますが、それぞれのモデルの最大転送速度です。上位機種「WXR18000BE10P」の方が倍も速いじゃん!というところですが、冒頭に紹介したXperia 1 VIの最大通信速度が実はそんなに速くないんです。
こちらがXperia 1 VIの商品情報サイトに掲載されているWi-Fi 7についての案内で、ニュースサイトの情報によると、マルチリンクオペレーションでの接続は2.4GHzと6GHzの同時利用で上記のスピードが理論値最大通信速度となります。
無線ルーターは下位機種の「WXR9300BE6P」で充分なわけです。
Buffaloさんの無線ルーターでは「Eazy Mesh」という機能があり、Buffalo製品同士の無線ルーターを複数配置して電波の届きにくいところをなくすという使い方ができます。その際に無線ルーター同士の接続でもマルチリンクが使えるので複数の「Wi-Fi 7」ルーターを設置するなどのときに威力を発揮するモデル。もしくは職場でたくさんの接続機器があるなどで利用するためのモデルで、パーソナルでXperia 1 VIで使うなら「WXR9300BE6P」でOKなわけです。
では、新しい無線LANルーターを設置するために、今まで使っていた無線LANルーターでの通信速度を改めて計測してみます。
こちらは今まで使っていた「Wi-Fi 6」対応の無線ルーターです。Wi-Fi6の規格が出たばかりの時の買っていると思うので、5年ほど使っているモデルになります。
店内での無線LANとしてお客様にもお使いいただいていましたが、こちらは撤去します。新しいSSIDを設定しますので、ご来店の常連さんはご注意ください。
5年間お世話になった「Wi-Fi 6」ルーターの最後の仕事はスピードテストです。Xperia 1 VIで接続して目の前で計測した結果がこちらです。
店頭展示のBRAVIAで「SONY PICTURES CORE」を最高画質で再生するのに110Mbpsのスピードが必要なのですが、楽々クリアしています。狭いお店ですのでこれで店内はどこででもつながるし、考えてみたらWi-Fi 7に切り替える必要もないような。。。(^^)
こちらはついでなので計測。自宅の「Wi-Fi 6E」対応ルーターです。2年前にたまたま無線LANルーターが壊れてしまい、タイミング良く新規格の「Wi-Fi 6E」対応モデルが発売になったので入れ替えました。
こちらが自宅の様子。集合住宅で20年前に引っ越してきた時は、我が家しか無線LANを使っている家庭はなかったんですけど、今は混雑マークが出るほどになっています。とはいえ、混んでいるのは2.4GHz帯だけで5GHzもガラガラ、6GHzは今のところ使っているのは我が家だけです。
Wi-Fiの速度は1085Mbps出ました。帯域幅が広いわけでもないんですが6GHz帯のスカスカ状態の威力かもしれません。
なお、自宅のWi-Fiルーターですが「バンドステアリング」機能というものがあり、従来、周波数帯ごとにSSIDを分けて設定していたモノをひとつの共通SSIDにして、ルーター側で利用する周波数帯を振り分けるということが可能。
これを使って設定しているので接続する周波数帯は無線ルーター任せ、という使い方をしていました。Wi-Fi 7のマルチリンクではどういう設定をするんでしょうね?
ということで、実機の開梱&セッティングです。
amazonで1か月ほど前にオーダーしていて、発売日お届けで到着するはずだったんですが、開店時間前に持ってきて、再配達は翌日になってしまい1日遅れでの開梱になってしまいました。
同梱されているのはACアダプターと、LANケーブル、スタンドと無線ルーター本体でした。アンテナが4本付いていて、すごく仰々しくなっています。
4本のアンテナは6GHz専用が2本と、2.4GHz/5GHz兼用が2本になっています。上位機種の「WXR18000BE10P」は4本が5GHz/6GHzになっているようですね。こうしたアンテナから水平方向に電波が発射されるそうなので、すべてのアンテナは違う向きにして使うのが正解です。
従来使っていたWi-Fi 6対応ルーターと比べるとだいぶ大きくなります。
10Gbps対応のLAN接続端子と、4つのLAN端子を装備。ここにはnasneなどの無線LAN非搭載のネットワークドライブを接続。あとはBRAVIAもPS5もAVマルチアンプ「STR-AN1000」もすべて無線LANで接続します。
設置が終わったら、PCから無線LANにアクセスして、Wi-Fi設定をしていきます。
設定画面を開いてみると2.4GHz、5GHz、6GHzにそれぞれSSIDが振られていてるんですが、SSID2として、MLO(マルチリンク)機能がオンになったSSIDがあり、こちらは暗号化モードがWPA3になって、さらにSSIDが3つの周波数で共通化されています。今までのバンドステアリングみたいなことが最初からできるようになっていました。
SSID1、SSID2ともにID値を自分で変更するコトができるのと、パスワードも自分で設定ができます。暗号化モードがWPA2に対応していない機器もある(義務化されたのは2020年からなのでその前に発売されている製品はWPA3に接続できないモノがあります。例:α9、VAIO A12、などなど)ので、SSID1の方も使える様に設定をしておきます。
製品そのままのMacアドレスでも良いのですが、自分でわかりやすいSSIDとパスワードの方が設定が楽ですしね。
ということで、設置が終了。早速、Wi-Fi 7対応のスマートフォン「Xperia 1 VI」で接続テストをしてみます。「Wi-Fi ミレル」アプリで測定した結果がこちら。
すごいスピードアップしました。
最高理論値の5764Mbps+688Mbpsには及びませんが、Wi-Fi 6の時のWi-Fi速度383MbpsやWi-Fi 6Eの1085Mbpsを大きく超える1844Mbpsを記録。
それに合わせてインターネット回線のスピードもダウンロード250Mbpsが853Mbpsにまで向上しています。どうやらWi-Fi速度よりも早いインターネット速度は計測できないようです。Wi-Fi速度が速くないとインターネット速度も充分に活かせません。
Xperia 1 VIの無線LANのステータスをチェックして見ると、さすがWi-Fi 7対応モデルです。周波数は2.4GHzと6GHzに同時対応していて、最大リンク速度も2つの周波数が表示されています。さすがマルチリンク!
こちらは「Wi-Fi 6」で運用している「Xperia 1 V」です。通常はこういう表示になります。Wi-Fi 7対応スマートフォンとWi-Fi 7対応ルーターを揃えないといけないんですが、こうした高速通信が可能になっています。
なお、今日は「PlayStation 5 Pro」の発売日で、当店にも着荷しています。
こちらのPlayStation 5 ProがなにげにWi-Fi 7に対応していて、早速、新設置の無線ルーターの恩恵を受けてWi-Fi 7とマルチリンク接続をしています。ディスクドライブがないので、ゲームアプリは全部、オンラインで買い直し予定です。
無線LANルーターの設定画面にはバンドステアリングのところに「混雑状況モニター」があります。これは回線の通信量ではなく、電波の混雑状況のモニターになるのですが、なるほど、マルチリンクしているおかげで2.4GHz帯がずっと大混雑になっているみたいです。
PlayStation 5 Proは新規セットアップ中で、現在、ゲームアプリを絶賛ダウンロード中です。今日は1日、電波状況が混み合いまくるんだろうなー。
そして、こちらは11月6日にVAIO(株)にトピックとして掲載された情報になります。新発売の無線ルーター「WXR9300BE6P」と先週プレスリリースがあった新型モデル「VAIO SX14-R」による無線通信性能の確認をしたとのこと。詳細はBuffaloサイトにて確認となっていますが、6GHz帯にて最大帯域幅320MHzにて接続しているとのこと。
テレワークにて大量のデータのやりとりを会社と自宅で行う方なども、これは威力がありそうですね。
以上、新型のWi-Fi 7対応無線LANルーターのレポートでした。当店店頭にて運用していますので、ご興味ある方はXperia 1 VI、もしくはVAIO SX14-Rをお持ちいただきお試しください。
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