4Kハンディカム『FDR-AXP35』ファーストインプレッション
明日、金曜日20日から出荷が始まる新型の4Kハンディカム「FDR-AXP35」が当店に1日早くやってきました。今回もまた一足早く開梱させていただきました。
ショールームでは試せなかったアノ事やコノ事。FDR-AX100と比較して試し撮りを一気にしてきました。昼間だけの撮影で高感度撮影はしていないのですが、それ以外の個人的に気になっていたポイントは全部試してきました。
これはなかなか悩ましいモデルの登場なんです。
新型4Kハンディカムの基本的な情報についてはプレスリリースやショールーム展示レポートなどでご覧いただくとして。。
☆当店blog 15.1.14「新型4Kハンディカム『FDR-AXP35』『FDR-AX30』プレスリリースまとめ」
☆当店blog 15.1.15「新型4Kハンディカム『FDR-AXP35』ショールーム展示レポート」
目玉機能は「空間光学手振れ補正」の搭載。4K映像がソニーの最強手振れ補正システムを使って撮れるようになる! もう、それだけで購買意欲全開になるモデルです。
ご自身で4K映像を撮影して4Kブラビアで観ると全員思うのが「手振れは4Kでは耐えられない」ということ。4K撮影は基本、三脚必須!というのが今までのモデルだったんですが、空間光学手振れ補正だとどうなのよ!
ということで、待望の製品版AXP35の出荷開始です。さっさと開梱セッティングを済ませて試し撮りして4Kブラビアで観てみましょう。
パッケージに入っているのはハンディカム本体の他にACアダプターとバッテリー、USBの延長ケーブル、マイクロHDMIケーブル、という内容です。
AXP35の本体カラーがブラウンっぽくみえますが、このカラーはハンディカム30周年記念カラーになっています。ボルドーブラウンというですが写真で見ての通り、なかなか品のある色になっています。
AX100は別途メモリーカードを購入する必要がありましたが、AXP35は本体に64GBのメモリーを内蔵しているため、これだけで完結。なにも買い足す必要はなく、これだけで4Kブラビアに4K映像を撮ってきて映し出すことができます。
バッテリーは本体内充電をします。ACアダプターを使って約3時間半弱、パソコンのUSB端子からの充電にも対応していてその場合は9時間以上かかるそうです。
4K撮影は電力を食うんです。
付属の「NP-FV70」で撮影できるのが実時間で約1時間程度。
内蔵メモリーにXAVC Sの4K映像を60Mbpsで撮影したとして2時間の記録ができます。なので予備バッテリーとしてはNP-FV70をもう1本買っておきたいところです。
なお、NP-FV70の上にさらに大容量のNP-FV100というバッテリーもあるんですが、このモデルではFV70の方がいいかなぁ。。。
というのも。
こちらがNP-FV70を装着したところです。ファインダーを引っ張り出してもバッテリーよりこちらにアイカップがやってきます。
ところがNP-FV100を使うとご覧の通り。アイカップに目が届かないという。
どうやってこれ使うんだ?というと、アイカップを上に向けることでバッテリーに干渉せずに接眼することはできるんですが、ちょっと見た感じが使いにくくなりますね。
ちなみにFV100を使った時のスタミナ性能ですがFV70使用時のほぼ倍になります。
FDR-AXP35にはいろいろ説明しなくてはいけないことが山盛りで、例えば、これらのアクションカム、レンズスタイルカメラQX1と連携してすべてのカメラを同時コントロールしてハンディカムと連動させての撮影などもできるし、プロジェクター機能を搭載していてハンディカム単体で撮影した動画を見ることとかもできるんですが、それらはまた後日ご案内します。
今回はとりあえずのファーストインプレッションということで、気になる部分だけをピックアップして紹介します。
さて、まずはなんと言っても「空間工学手振れ補正」です。まさに三脚いらず。三脚を使わなくても三脚を使っているのと全く同じ様に撮れる。。。ということはないのですが、4Kブラビア=超大型画面で観ても酔わない映像が撮れます。
これがでかい。
三脚を使わなくてもいいんです。昔のハンディカムみたいに手軽に持ち歩けて手軽に撮影ができるんです。
手振れ補正の設定をみてみると「アクティブ」と「スタンダード」の2種類があります。ここは当然アクティブを選択。やや撮影画角が小さくなるんですが、それでも手振れ補正の効きは全開にして使いたいところ。
デフォルトでは「スタンダード」になっていますので、これをアクティブに切り替えて使います。
そしてAX100と比べるとみるからに弱くなってしまうのがマニュアル機能です。AX100はデジタル一眼”α”ばりにアイリス、ゲイン、シャッタースピードという3つのボタンを用意してそれらにすぐにアクセス出来る様になっていましたが、AXP35ではレンズのリング一つに全ての機能を割り当てて使う仕組み。
マニュアルリング設定でどれか一つの機能を振って使うことになります。デフォルトでは「ズーム」になっていますが、ズームレバーが別途ついているので、このままで使うのはもったいありません。
今回はテレマクロ撮影をしまくる予定なので「フォーカス」に割り当てますが、普通だったら「カメラの明るさ」あたりが良いでしょうね。カメラの明るさは”α”で言うところの露出補正です。
動画撮影はフォーカスも大事ですが同じくらい露出も大事なんです。
これで撮影準備は完了。
ちなみに今日の日のためにこんなものも用意していました。ヤジロベエタイプのステディカムシステムです。
バランスを調整して、こんな風にして使います。これを使ってFDR-AX100で撮影するのと、空間光学手振れ補正のAXP35とどちらが効果があるのか!というのをやってみようと思っていたんですが、AXP35に軍配はあがりまくりでした。とてもこれではAXP35にはかないません。
これ、使いにくいというか空間光学手振れ補正にはまったく歯が立ちません。見比べるまでもないので、今回は説明は割愛。というか、これ、ちゃんとした使い方があるんだと思うのでもうちょっと練習してから再挑戦してみたいと思います。
ちなみに見ての通りバラストを開くことができません。FDR-AX100で使っても、カメラが軽すぎてバランスを取るのが難しいんです。もっと重たいカメラ向けみたいで要はデジタル一眼カメラで重量級のレンズをつけているときに使う物みたいです。
レンズスタイルカメラ「QX1」に使えたら面白いかなぁ、とも思っていたんですが、その考えはまずなさそうです。
ということで夕方まで近所の浜離宮に行ってきて、AXP35とAX100の2台のハンディカムで撮影を楽しんできました。
普段はこういう撮り方はしないんですが、歩きながら撮影しての手振れ補正の効果を試してきたりしています。
立ち止まってじっとしているときにテレ側にして撮影しての手振れ補正効果はほぼ完璧で、完全に三脚撮影と同じ、というところまではいきませんが、4Kブラビアで観ているときに酔わないレベルでの固定ショットは撮れます。
わずかに画角がジリジリと変わっていってしまうのですが手持ちなのでそれは仕方がありません。完全に固定されているかどうかよりも、見苦しくないかどうかの方が重要で、そういう意味では合格。さすが空間光学手振れ補正です。
続いてはテレマクロでの撮影。望遠いっぱいにして最短撮影距離でどれくらい被写体を大きく写せるのか、ということなんですが、これもAXP35はすごいんです。
光学10倍ズームでテレ側最短撮影距離0.8mとなっていて、紅梅の小さな花もここまでクローズアップできます。
同じ花をAX100で撮影するとこんな感じ。AX100は最短撮影距離が1mとなっています。ボケの基本はなるべく望遠で撮影すること、被写体に近づくこと、などでAXP35でもこうしたテレマクロ風の撮影はできます。
というかAX100よりも単純に撮りやすくなります。
ちなみにワイド端ではどこまで寄れるのかというと、信じられないことにAXP35もAX100もここまで寄れるんです。レンズ前0cmでレンズにピッタリと被写体を近づけてもフォーカスが合ってしまうんです。
知らないところで、こんな驚異的な機能があるんですね。
ちなみにレンズ性能、センサーサイズの違いはボケ描写に歴然と差がでます。上はAXP35でテレマクロにて背景に木漏れ日の点光源を入れたところです。ボケに絞り羽根の形が出てしまっています。
これがAX100になると。。。
こうした円形絞りのおかげで丸くて柔らかい描写になります。
それと、同じカールツァイスレンズではあるんですがレンズ径が違うしセンサーサイズの違いもあるし、やはり全体にシャープな映像が撮れます。デジタル一眼カメラ”α”で言うとキットレンズの望遠レンズと、Gレンズの違いみたいな感じ。
ハイビジョンテレビではわからないかもしれませんが4Kブラビアだとこういう差はかなり出ます。カメラに詳しい人の目ではなく、普通の方の目に観てもこれはわかるかな。
ただ、それでも「空間光学手振れ補正」の威力がそれを払拭してくれるかも。いくら描写がシャープでも手振れしていたら一緒です。
そして、3点目はセンサーの高速読みだし。AXP35では1/60秒での読み出しが可能になっているとのこと。AX100の1/30秒の倍くらいの性能になると思われます。ハンディカムで搭載しているCMOSセンサーなんですが、これはもともと読み出しに時間のかかるセンサーで動くモノを撮影した時に豆腐現象とかこんにゃく現象とか呼ばれているみたいですが、下から上に読み出しているウチに被写体が動いてしまい左右方向にずれてしまう現象。スピードの速いモノだとこれが目立つことがあります。
AXP35ではそれを軽減できるというのでどれくらいの効果があるものなのか試してきました。まずはAXP35の動画から。
新橋ー浜松町間の山手線です。ちょうど真ん中あたりの区間になるのでそれなりのスピードで走行しているんですが、お豆腐、結構堅そうです。
こちらはAX100で撮影した動画をあとから静止画に切り出したモノ。これくらいの差がでます。
静止画で見るとAXP35のものも若干斜めっているんですが、動画でみるとほとんど気になりません。
こちらはAXP35で撮影した新幹線です。やや斜めになっていますが動画で観るとこれくらいは許容範囲というかほとんどの方はお豆腐現象に気がつかないはず。
こちらはAX100の新幹線。だいぶ斜めになっていますが、これは動画で見ると気づいてしまうレベル。
ふーん、なるほど。こういう違いですか。
ということで、これらの動画をまとめて編集したものがこちらです。
全部手持ちで撮っているのと、店員とはいえ、所詮素人なもので素敵な作例にはなっていないのですが、これで私が気になっていたことはほぼ試してこられました。
お子さんの撮影、あとは鉄道などの動体の撮影であればAXP35の方がいいでしょうね。なんせ手軽ですし、ビデオ用の三脚を持って行こうとすると、カメラを持って歩いているのか三脚を持って歩いているのかわからなくなることがあるくらいで、それをやめて旅行に集中したい、ということであれば、AXP35の方が幸せになれそう。
かたやAX100についてはボケ描写もそうですが、レンズの力があって4Kらしいシャープな映像が撮れます。作品を作る、という撮り方をしたいのであれば、やはりAX100の方が満足度は高いと思います。
AXP35はAX100の後継モデルという位置づけではなくAX100も並行して販売は続きます。AX100に空間光学手振れ補正がつけば最強なんですが、そもそものレンズ、センサーのサイズの違いがあまりにも大きいのでそれは難しいでしょうね。ヤジロベエ型のステディカムの練習は私もこれから続けてみようと思います。
なお、今回の動画編集には「VAIO Z」と「Vegas Pro 12」を使っています。VAIO Zすごい。超快適編集ができたのと、レンダリング時間もいつものVAIO Fit 15Aだと軽く4時間コースになるところがVAIO Zは2時間ちょっとで済みそうです。すんごい速さ。さすがcTDP 35W!
先ほどからオーバークロックして全開でレンダリングしてくれていますが、これは頼もしい♪ VAIO Zがなかったら、今回のこのレビューレポートはその日のウチには公開になっていなかったと思います。
4KハンディカムとVAIO Zの最強タッグで、今年は何を撮ってこようかな。
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