絞りとシャッタースピード
一眼レフカメラを使ったことがある人でしたら、ほとんどの方が理解しているであろう、シャッタースピードと絞りの関係。カメラの撮り方を解説している本でもビデオでもwebサイトでも必ず、このシャッタースピードと絞りのことに早い段階でふれます。
カメラの場合はフィルムに、デジカメの場合はCCDに光を当てて写真データにするわけですが、そのフィルムなりCCDなりに光を当てるシャッターを通る光の総量を決めるものになるので、これが非常に重要な話になるんですよね。
で、シャッタースピードっていうのは私も感覚的によくわかるんですよ。シャッタースピードっていうのは要はシャッターが開いている時間です。1/1000だったら文字通り1/1000秒間だけシャッターが開いて光が通り、1/60だったら1/60秒間だけ光が通るわけですよ。でこの開いている時間が長ければ長いほど光がたくさん入るわけで、暗いシーンではシャッタースピードを遅くして長い時間開いてあげないと写真が写らない、っていうのは日光写真の様なものなんだから、ってことで納得できるんです。
が、絞りっていうのが意味がよくわかりません。もちろん、文章の意味はわかりますので、シャッターが開く面積だっていうのはわかります。絞りはF値で表現されるみたいですが、数字が少なければ少ないほどシャッターが開く面積が広くなり、いっぱい光が通り、数字が増えると「絞る」とも言い、開く面積が狭くなります。当然、面積が広い方が光がいっぱい通りますので、暗いシーンでは絞りを開いてあげる、数字を少なくする必要があるわけです。
ちなみに1枚目の写真が絞りF10.0でシャッタースピード1/50。2枚目の写真はF5.2でシャッタースピードは1/160。
絞りの値が大きくなるとシャッタースピードは遅くなり、絞りの値が小さくなるとシャッタースピードは速くすることができる。つまりシーソーみたいな関係になっているんです。
シャッタースピードを早くすることによるメリットって大きいですよね。まずシャッタースピードが早くなれば、それだけで手ぶれの可能性が少なくなります。1/60より遅いシャッタースピードになると、突然手ぶれしやすくなりますからねぇ。
じゃ、絞りの数値はなるべく小さくしてシャッタースピードを早くすればいいんだ。。。っていうとそうでもないんですよね。ちょっと理解しづらいのですが、絞りの数値も大きくすることによりメリットがあるんです。それは被写界深度という、ピントのあう範囲が広がることなんですねぇ。これが理解できないとシャッタースピードと絞りの関係がわからないんですよね。
見本の写真2枚を大きくして見て頂くと違いがわかると思うのですが、両方とも手前の花壇にピントを合わせて写真を撮影しています。1枚目の写真ではベンチやその向こうにある建物にもピントが合っていますが、2枚目の写真では手前の花壇以外はピントがぼけています。
絞りを開くとピントがあう範囲が狭くなるデメリットがあるわけですよ。なので、人物中心で背景をぼかしてみたい!ってことであればわざと絞りを開いて(数値を少なくして)シャッタースピードを早くして撮影してあげると、はっきりと人物が浮き立つ写真が撮れるんですねぇ。
従来のサイバーショットPシリーズにはこのような絞りとかシャッタースピードを自分で設定する機能がついていませんでしたが、この夏登場した「DSC-P100」「DSC-W1」はコンパクトデジカメにもかかわらず、これらを自分で設定できるマニュアル機能が搭載されています。ちょっと画期的なんですよねぇ。
今のところこうして実験で使うくらいしかしていないマニュアル機能なんですが、画作りを自分でできるようになったら、もうちょっと積極的に使ってみたいです。