新『Giga Pocket Digital』を使ってみました

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先週末から出荷の始まったVAIO Jに搭載される新「Giga Pocket digital」の紹介エントリーです。先週木曜日にセットアップを行って興味のありそうなものを片っ端から予約録画。それを再生してみて、一通りの機能を試してみました。

従来バージョンとの比較もしていますが、今時の最新型VAIOでのデジタル放送録画の様子を紹介したいと思います。

 

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さて、ご存じない方のためにちょこっと紹介しておくと「Giga Pocket Digital」というのは、VAIOに搭載されるデジタル放送の録画のためのソフトウェアです。この夏に新バージョンにアップグレードされています。

ソフトウェア改善がメインではなく、実は搭載されるテレビチューナーボードが新開発のものになっていて、チューナーボードに富士通さんと共同開発したAVCエンコーダーチップを2基搭載。これにより、ソニーのBDレコーダーでもまだ実現していないAVC録画の2本同時実行を可能にしてくれているんです。

さらに、そのAVC圧縮する際にPSPやウォークマンなどのモバイル機用書き出しファイルも同時生成。そのモバイルファイルを使って各種解析作業を行うようになったため、全体の動作も反応速度、解析ソフトの作業時間圧縮など、圧倒的なパフォーマンスアップを図っているんです。

ソフトウェアの見かけはまったく同じ「Giga Pocket Digital」ですが、その中身はついに本家BDレコーダーを超えているのでは!?という、VAIOならではのソフトウェアになっているんです。

 

簡単に様子をお伝えしていくと。。。

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これは番組予約のための番組表画面です。従来のGiga Pocket Digitalはソフトウェアが「テレビを見る」「ビデオ番組」「番組表」という3つのソフトウェア群でできていて、プログラムアイコンも3つ。ウインドウも3つだったんですが、新バージョンでは「テレビを見る」のアイコンひとつだけになっています。

テレビ画面を最初に呼び出して、そこから番組表のウインドウを開くことになります。

開いた番組表が上の画面になります。これは地上デジタルの番組表ですが、すごいんです。12局同時に7時間分の番組表を表示可能。7時間もの幅があるので、その日の夜の番組を一覧で全部チェックすることが可能。

プライムタイムまでの番組を全部一目で確認できるわけで、これはさすがにパソコンならではの機能になると思います。うちのBDレコーダーではここまでできません。

で、これはPCモードでの表示。VAIO Jにはリモコンも付属していて、そのリモコンの方から番組表を呼び出すと、テレビモードのウインドウが開くんです。

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これがテレビモードの番組表です。全画面表示を前提にしていてウインドウ状にはなっていません。また表示されるデータ量もやや抑えてあり12局5時間分にして文字をやや大きめにしてくれています。

このテレビモードの番組表ですが、こちらはリモコンだけですべての操作ができるように工夫されています。おうちの方にテレビビデオとして使ってもらうなら、このリモコンの操作だけを教えておいてあげると良いかも。

普通にVAIOを使われる方でしたら、リモコンを使うよりはマウス、キーボードを使った方がはるかに楽に使えると思います。

たとえば。。。

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こういう番組検索のシーンではテンキーを使って文字入力をしなくても直接キーボードからキーワードを入れることができるわけで、こういうところもBDレコーダーよりもVAIOが優れている点。検索シーンでイライラすることがないんです。

ジャンル検索をしているときも、1週間分の映画放送がこうして一覧で見られるわけで、閲覧性については敵なし状態です。

 

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さて、続いては再生シーンを見てみます。こちらも操作性は従来Giga Picketと同じです。ビデオ一覧を見ると録画した番組がずらっと並んでいます。

違うのは「番組」フォルダと「おでかけ番組」フォルダの2つが用意されていて、録画した番組のすべてがモバイル用書き出しファイルを同時に生成してくれているところ。以前はワンセグ用の放送データを記録しておいて、それをお出かけ番組ファイルに利用していたため、15フレーム/秒のカクカクした映像だったんですが、新ギガポでは30フレーム/秒の普通のMPEG4ファイルを作ってくれます。

そのモバイル用のファイルを使って番組解析をしているので、番組解析もリアルタイムで終わっているようです。

番組の解析をしてなにをするの?というのがこれまたいっぱいあるので、また次回、詳しくご案内したいと思います。でもわかりやすいものを一つだけここで紹介させていただくとしたら「ダイジェスト再生」でしょうか?

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ダイジェスト再生というのはソニーのBDレコーダーでもおなじみです。音声や各シーンごとの盛り上がり度を分析して数値化。ダイジェスト再生という盛り上がったシーンだけ再生することで早見をすることができるという機能。

先日のサッカー日本代表vsオランダ戦を分析してもらって、ダイジェスト再生の短めバージョンにしたものがこちらです。青いグラフが上にグンと伸びているところが盛り上がっているシーン。その下の青い横方向のバーに青い色がついているところが再生シーンになります。

最初の大きな山は試合開始前のシーン。選手入場から始まって、国歌斉唱などをダイジェストで見せてくれました。ブブセラが鳴りまくっていて、盛り上がりの判断が難しい試合だと思うんですが、それでも試合内容はきちんとダイジェストを見せてくれています。

試合中、最初の盛り上がりはオランダのシュート。オーバーヘッドが失敗したシーンがあったと思いますが、まずはそこをチョイスしてくれていました。

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その次の盛り上がりは後半始まってすぐのオランダのゴールシーンです。なるほど、きちんと見どころを押さえてくれます。一体、どういうロジックで、こんなブブセラが鳴り響く試合から盛り上がりシーンを機械が検出するんでしょうね?

その後、後半30分から試合終了までの20分くらいはずーっとダイジェストシーン。確かに最後はチャンスシーンの連続だったし一番ドキドキしながら見てました。松木さんの「まだ時間はあります! チャンスはあります!」に励まされて、手に汗握ってたなぁ。

と、これがサッカーのダイジェス
ト再生です。野球などもそうですが、こういう試合の盛り上がりがわかりやすい番組は同じロジックで解析をしているそうです。

 

で、ここからは裏話。特殊な番組については今回の新バージョンのギガポから特殊な解析をしているんだそうです。その一つがゴルフ番組。

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「ゴルフ」「フィギュアスケート」「卓球」などのスポーツでは番組表データから属性を読み取って、それぞれ特殊なダイジェスト解析をしています。

ゴルフでは独特の動きがありますよね。そうです、スイングでクラブを振る姿はゴルフだけのものなんですが、ここでハンディカムなどに搭載されるゴルフショット解析を利用して、どこでスイングをしているのか、などを検知。そのスイングシーンを中心に抽出することで試合のダイジェストをより正確に読み出しているそうです。

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確かに見ると、ゴルフ番組を録画したものだと、横方向の下の青いバーですが、ものすごく短く細切れになっているのがわかると思います。各選手が歩いているシーンなどが多いゴルフ番組ですがそれらのシーンをばっさり切り落として、スタンスを取っているところからショットするシーンを中心にバンバン、早送りして見せてくれます。

なるほど、話には聞いていましたが、これはすごいですね。

シーズン的にフィギュアスケートなどを行っていない時期なので試せないんですが、真央ちゃんが滑っているところとか、このダイジェスト再生を試してみたいなぁ。フィギュアスケートも録画下モノを見ると飛ばすのが大変ですもんね。(^_^;)

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こちらはバラエティ番組だとどうなるんだろう?ということで試した「水曜どうでしょう」です。この番組に限らず、こうしたバラエティ番組を短くダイジェスト再生すると番組後半に重きをおくみたいです。

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こちらはルビコンの決断、先週は町田の家電店のお話をしていました。同業ということもあって番組を見ていたんですが、なぜか、一番と二番目に盛り上がっているシーンは、社員が飲み屋さんでお店の様子を話しているシーンでした。確かに盛り上がっていると言えば盛り上がっているんですが、そのまんまですね。

なんか、こうしてダイジェスト再生の様子をレポートするの、楽しいぞ。ちょっと時間ができたら、他の番組でも試してみましょう。「お試しか!?」とか、どうなっているのか気になる、気になる。

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これは土曜日に放送していた「踊る大捜査線 番外編」です。ダイジェスト再生の短めとかにしてしまうと、ドラマの場合は意味がないというか、これでは全然ストーリーがわからなくて楽しめないんですが。。。

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ダイジェスト再生の長めを選択するとご覧の通り、CMだけを除外してくれるんです。メーカーさんでは「TVCM飛ばし」とか「CMカット」とかの表現はできないんですが、思い切り、こうしてやれてしまいます。(^_^)v

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さらに番組の編集画面でもこの情報が利用できて、チャプターが自動で切られるんですが、ダイジェスト再生のデータをそのまま流用しているんです。なので、編集シーンでオートで切られたチャプターの中から自分でTVCMを見つけて、そのチェックを外していけば、それだけでCMカット編集は終了。

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私が試した「踊る大捜査線」では1シーンだけ正確なチャプターが切られず自分で手直しをする必要があったんですが、それ以外は完璧でした。(ドラマを見ればわかると思うんですが、ドコモ動画のTVCMがあって、これが本編とほぼ同じ、切れないようなシーンになっているみたいです。)

ここで編集を完了してもBDレコーダーと違って実際のファイルにははさみは入りません。あくまでもこれで再生プレイリストを作るだけ。

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再生の際には「お気に入り区間再生」を利用する事で編集した番組の再生ができます。

ディスクに書き出す際はしっかりとはさみが入って、番組全部を書き出すか、お気に入り区間だけを書き出すかが選択できます。

ソニーのBDレコーダーの場合は編集でCMカットをすると直接オリジナルのファイルにはさみが入ってしまうので、間違えてカットしたときに取り返しがつかないんですが、VAIOならそれが救い出せる、というメリットがあります。

逆にBDレコーダーならこまめにはさみを入れることでちょっとだけ容量を稼ぐことができるんですが、VAIOではそれはできません。このあたりは一長一短あるかな?

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そして、VAIOならではの機能というと、こうして番組の再生をして、見終わったあとに。。。

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二つのおすすめ画面を用意してくれているんです。まずは今見た番組が気に入ったら類似番組を10件ほどピックアップして教えてくれます。その中に気に入った番組があったら。。。

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そのまま予約をすることが可能。使ってみて、これが一番感激しました。

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さらに、自分で録画した番組の中からも類似番組を探し出してきてくれます。マイケル・ジャクソンとジェイク・シマブクロに共通項はあまりないと思いますが、これは音楽番組がまだ少ないから起こっている現象なのかも?

でもそのまま気になるときは続けてこちらの番組の再生に入ることができます。

こういうのはBDレコーダーにはできないVAIOならではの機能になります。

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続いてはウォークマン、PSPへのおでかけ転送を試してみたいと思います。土曜日のアップデートファイルでなんと、ウォークマン、PSPからのお帰り転送ができるようになったとのことですが、その詳細案内がこれです。

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現在のデジタル放送では「ダビング10」という規格で運用されていて9回のコピーの他に1回のムーブをすることができるようになっています。PSP、ウォークマンへのモバイルファイルの転送も1回とカウントされてしまうのでどんどん転送可能な回数が少なくなってしまいます。

最後の1回をコピーしたところで、本体ファイルの再生ができなくなるところなんですが、モバイル機器からそれを戻してあげると本体での再生がまた復活するそうです。

今までのギガポではできなかったことで、今回、新機能として搭載されてこれでBDレコーダーと肩を並べる様になったんですが。。。そんなにたくさんコピーすることはないかなぁ。(^_^;)

ダビング10ではなく、デジタルWOWOWではいまだにコピーワンスになっています。なのでWOWOWに加入している人で、試しにPSPに転送して番組をみて、面白かったら自宅で大画面で楽しむ、なんて時には活躍できそう。これはWOWOW、スターチャンネルユーザーさん向けの機能かも。

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転送できるのはQVGAサイズ(320×240ドット)のAVCファイルです。メインプロファイルを採用するPSP、ハイプロファイルを利用するウォークマンのどちらのファイルを生成しているのか気になっていたんですが、ウォークマンもPSPも転送速度に差はありませんでした。30分番組で約50秒、120分番組だと3分ちょっとで転送ができます。

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チャプター情報も引き継がれるみたいで、私が試したウォークマンX1000、PSPならCM飛ばしをすることができます。

なんだかんだ言っても、このCMのチャプター飛ばしができるかできないかで、相当使い勝手が変わります。これならばっちり! 

 

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そして、続いての最新機能実験です。外付けHDDへのデータ転送にチャレンジ。

あ、そうそう。新ギガポの動作の軽快感ですが、さすがに番組録画中は動作が重くなるんです。ま、AVC圧縮をしながらの録画でHDDランプもつきっぱなしになるくらいですから仕方がないな、と、思っていたんですけど、録画先を外付けHDDにすることで、それだけで動作がかなり軽くなりました。

どうやらボトルネックというか、内蔵HDDのCドライブで解析時には相当なデータのやりとりをするようで、そのデータ転送に追いつけずにPC全体が重くなってしまうみたいです。番組の録画データを外付けHDDにするだけでそれが防げるのは今日の新発見。

メーカーサイトにある、アイオーデータさんの対応HDDモデルを用意して、実験を進めてみます。

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先週末のアップデートで実装されたのがこの画面。保存先としてドライブ選択ができるんですが、その下に「ハードディスクへの移動設定」というものがあります。

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これが録画データの引っ越しツールになっていて、今までは録画ドライブを選択したら、そこに置きっぱなしにするしかなかったのに、今回はCドライブからFドライブにデータを引っ越しさせることができて、さらに移動先にデータを置いたままで再生などの利用もできるようになっています。

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さすが何十GBものデータを引っ越すだけあって、それなりに転送時間はかかりますが、これで「Cドライブが満杯になっちゃった! どうしよう!」という時に外付けHDDを買ってくれば、それで、解決をさせることができるようになったんです。

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ということで、HDDへの転送が終わった当店のVAIO Jなんですが、では、実験をしてみましょうか。外付けHDDにデータを移した状態で、VAIO J本体をまたまたリカバリーします。外付けHDDに録画しているマシンが、クラッシュしてしまった場合、番組データは復旧させることができるのか?という実験なんですが、無理そうな気はしつつも、やってみたくて。

こうご期待です。

また、他にも新Giga Pocket Digitalで試してみたいことなどがありましたら、コメント欄にご記入くださいませ。せっかく実機がありますので、できる事は試して、当店blogでレポートをしていきたいと思います。

 

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