『Windows Vista SP1』でVAIOは速くなったかな?
ところで、3月19日にマイクロソフトで公開されたWindows Vista サービスパック1ですが、皆さんはお試しになっていますか? 私も使っているPCにはSP1をインストールしているんですが、どうもイマイチ効果がわからないというか、ニュースサイトの説明でも、先に夏頃から当てているパッチで徐々に高速化されてきていて、効果がわかりにくいかも、なんて目にしています。
ということで、やってみました。昼休み時間を利用して、毎日コツコツと手動ベンチマークをしていたんですが、07年春モデルのVAIO type Lを使って、発売直後バージョン、SP1適用前バージョン、SP1適用後バージョンのWindows Vistaのスピード計測です!
今回、実験に使ったのは「VGC-LA92S」という、07年春モデルのVAIO type Lです。Windows Vista登場直後で、元々このボードPCはかなり人気のあるモデルだったし、VAIO全モデル中、一番最初に完売したのもそのシーズンではこの19型モデルでした。
当店のお客様でもお使いいただいている方はかなり多いと思います。
オーナーメードスペックはベースモデル3だったと思うんですが、地上アナログチューナーを搭載したCore 2 Duo T5500(1.67GHz)搭載、グラフィックボードに「NVIDIA GeForce Go 7400」を搭載したモデルになっています。当店でオーダーした仕様ではメモリが1GBになっており、ぶっちゃけますが、開梱当初はかなり動作が重く苦労しました。(^_^;) Windows Vistaはメモリ2GB以上を搭載しないとだめ!というのは、このときの実機レビューをしてからです。
確かに当初はブラウザを開くのも一苦労みたいな待たされ方をしつつも、これが当店の店頭注文端末になるので、Readyboostを使いつつ利用しているわけですが。。。
あ、Readyboostというのは、Windows Vistaマシンに搭載したメモリが少ない場合に利用する機能で、高速タイプのUSBメモリを挿して、これでHDDへのスワップ(仮想メモリ)利用を高速アクセスのUSBメモリで代替えして動作を軽くしようという、Windows Vistaから搭載された新機能。
メチャクチャ速くなる、ということはありませんが、それなりに効果があるようなので、1GBメモリしか搭載していないVistaマシンでは試してみると良いかも。通常のUSBメモリでは効果がなく高速タイプのUSBが必要になります。ソニーではポケットビットというシリーズでUSBメモリを販売しており「USM-LX」というのがそれに該当します。2GBで3,880円。4GBで5,980円となっているので、それくらいがオススメです。
★ソニースタイル USBメモリ ポケットビット 高速タイプ「USM-LX」のご案内はこちらから
すみません、ちょっと話が脱線しました。
そういうわけで昨年春モデルのVAIO type L 1GBメモリにReadyboostでパワーアップ状態の当店展示マシンですが、これでWindows Vistaのベンチマークをしてみました。
計測は3段階で行います。
まずは一旦リカバリーをして、初期状態のWindows Vistaにし、アップデートを一切行わずに素のままで計測。2段階目としてWindows UpdateとVAIO Updateを使って、現行の最新版のWindows Vista状態にして計測。3段階目として3月19日に公開された最新版のWindows Vista サービスパック1をインストールして計測です。
普通にベンチマークソフトを使って効果を見ても、ふだんからそういうベンチマークソフトの数値を目にしながら使っているわけではないので、どれくらい速くなったモノなのか効果が私にはわかりません。
なので、いつものごとく、非常にアナログなんですが腕時計のストップウォッチ計測で各項目を手動計測します。3回同じ動作をして時間を計って、異常値が出たらそれは無視。3回の平均タイムを出しました。
Windowsの起動時間については、何をもって起動したのか基準が曖昧になるので、今回はVAIOにインストールされているPhotoShop Elements 5.0を使って上記の状態で開くようにスタートアップにプログラムデータのショートカットを入れました。このPhotoShopの作業画面が完全に表示された瞬間を起動した時間とします。(自動起動ソフトも同じ条件にしていて、今回ノートンインターネットセキュリティはアンインストールして実験しています。)
またVista サービスパック1をインストールするとファイルコピーが速くなると聞いているので、これにはαで撮影した写真を用意。ローカルディスク内でのコピーの際は583枚、1.2GBのデータを使用。ネットワークディスクへの書き込みは100MB、73枚のやはりαの写真を使っています。
まぁ、なんせ時間がかかる手動ベンチマークテスト。今回、途中でWindows Updateをかけたら合計45個の更新プログラムがあります、なんて表示されています。(^_^;) この1年で登場したアップデートプログラムの数はこんなすごいことになっているんですね。
ノーマル状態からWindows Updateにするのに約3時間。サービスパックのインストールは1時間かからないくらいの時間で更新作業をしていますが、公平を期すために、アップデート作業をしたらデフラグをかけた上で、一晩VAIOをつけっぱなしにして、最高に安定した状態で計測を行っています。
その結果がこれ!!
07年1月出荷当時 | Windows Update後 | Windows Vista SP1 インストール後 |
|
Windows 起動 | 3分21秒 | 2分17秒 31.8%高速化! |
1分30秒 55%高速化 |
1.2GBファイルコピー | 1分30秒 | 1分30秒 変わらない |
1分34秒 変わらない |
100MBファイル ネットワークコピー |
48.5秒 | 54.9秒 13.2%低速化 |
4 8.84秒 変わらない |
待機状態への移行 | 20.1秒 | 4.9秒 75.6%高速化 |
3.8秒 81.0%高速化 |
待機状態からの復帰 | 29.0秒 | 21.9秒 24.5%高速化 |
17.7秒 39.0%高速化 |
Windowsの シャットダウン |
36.9秒 | 37.1秒 変わらない |
33.5秒 10.1%高速化 |
手動計測でやっていますのでなにぶん誤差が出やすい状況だと思いますので、あくまで参考までに、ということになりますが。。。いやいや、参考にするどころの騒ぎではないくらいの高速化というのもあるんですね。
結局、ファイルコピーなどについては全然差がないというか誤差の範囲内での差しかないんですが、Windows の起動時間とかスタンバイモードへの移行とかはかなり速くなっていることがわかりました。(ネットワークドライブのコピーについては無線LANを使っているのでそこがボトルネックになってしまっているのかもしれません。)
確かに昨年春に使い始めていたときよりも、ブラウザを使ってもフォトショップを使っても、何をしても動作が軽くなっているのは実感しているんですが、こうして自分で実際にベンチマークしてみると「おお!こんなに高速化していたのか!」と思えます。
しかし、待機状態への移行とかって、目立たないのは目立たないんですよね。VAIOノートを使っている最中に「あ、駅に着いた! 降りなきゃ!」で、ぱたんと液晶を閉じてスタンバイモードに移行させますが、スタンバイ状態になるまで待っているわけではなく、オフにした瞬間にしまっちゃいますからね。
ということで、Windows Vistaのサービスパック1ですが、機会がありましたらお手持ちのVista VAIOに試してみてはいかがですか? 個体差はあると思いますが、やはり確実に動作は軽くなっているんですよ!というお話でした。
実際のサービスパック1導入に際しては、VAIO公式ホームページに関連情報がまとめて掲載されていますので、こちらで動作条件をご確認の上、インストールしてみてください。ちなみにtype L 19型では1時間かからずにアップデート出来ましたが、type TZでは1時間半くらいはかかっていたと記憶しています。インストーラーを使ってのインストールでは普通のアップデートとは違って時間がかかりますので、ご注意を。
★VAIOサポート Windows Vista サービスパック1 関連情報についてはこちらから
☆当店blog「Windows Vista サービスパック1関連情報」
☆当店blog「間もなく登場『Windows Vista SP1』の話」
☆当店ホームページ VAIOレビュー満載「VAIO商品紹介ページ」はこちらから