【レビュー】LE Audio接続対応『INZONE Buds』実機レビュー PS5もPCもAndroidもiOSでも使えるUSBドングル付き

INZONEからものすごい製品が登場しました。WF-1000XM5と同じ8.4mmドラバー搭載、USB Type Cドングル付属でPS5でもPCでもAndroidでもiPadでも超低遅延音声が楽しめるゲーミングギア「INZONE Buds」の登場です。
しかもソニーの音楽向けワイヤレスイヤホンよりも早くBluetooth LE Audio専用イヤホンとして製品発売されることになりました。
早速、実機の様子をレポートします。

こんにちは、店員佐藤です。
昨年登場したソニーの新ブランド「INZONE」ですが、ソニーとして新ブランドの導入を行ったのは2005年の「BRAVIA」、2006年の”α”、2008年の「Xperia」以来のものになります。実に14年ぶりのブランド導入で昨年はモニター2モデルとヘッドホン3モデルが投入されています。今年になって製品群に新たにインナーイヤータイプのイヤホンが追加されたんですが、これがものすごい製品になっています。
あ、ちなみにパッケージのこのバイオレットカラーですが、地味に最新型スマートフォン「Xperia 5 V」にも波及しています。

こちらはXperia 5 Vに搭載されている「Game Enhanser」アプリの設定画面ですが、従来はブラックカラーだったものが、なにげにINZONEカラーに変更されています。
PlayStation 5もグループ内の製品として存在しますが、ソニー全体でゲーミング製品について同じ方向に向かい始めている感じがします。

さて、新製品の「INZONE Buds」ですが、製品としての同梱品は上記の通り。4サイズのイヤーチップとUSB Type Cケーブル、それと取説類の中にINZONEのステッカーも入っていました。
イヤーチップはデフォルトで装着されているのはMサイズで他にSS、S、LLサイズが付属します。

ヘッドセットはケースの中にすべて収納されていて左右のイヤホンの他にUSB Type Cのドングルもケースに入っています。ドングルはUSB端子から給電されるので充電する必要はないのですが、持ち運びを考慮してこういうスタイルになっているんでしょうね。
イヤホンは脅威のスタミナ性能12時間と、ケースにも12時間分の充電バッテリーが内蔵されており合計24時間使える仕様になっています。
ドングルには「PC」と「PS5/MOBILE」の切替スイッチがついています。

まずはPlayStation 5のUSB Type C端子に接続します。切替スイッチは「PS5/MOBILE」にしています。「PC」に切り替えると音は出ません。

イヤホンとはすでにペアリングされているので、これだけで音声が聞こえてきます。
なんの設定作業もせずに普通であればUSBにドングルを挿して充電されたイヤホンを用意すればそれだけで音が鳴ります。

こちらはPlayStation 5と接続して設定メニューから「サウンド」を開いたところになります。
「3Dオーディオ(ヘッドホン)」のところに設定メニューがあります。

ここで3Dオーディオの出力にするかステレオ出力にするのかを選択可能。

3Dオーディオプロファイルの調整では3Dオーディオが聞こえる音の上下方向の高さの調整ができます。
私の耳ではすべてのタイプが自分の耳よりも上方に聞こえるのでタイプ5の一番低いものが良いようです。どういう仕組みで音の上下方向の高さを調整できるのか毎度不思議に思うんですが、これはソニーさんにとっては長年利用している技術。昔のカーステレオの時代から装備されていて、ドアの下方についているスピーカーの音像をフロントガラス付近の高さまで持ち上げるという機能は数十年前から提供されています。
安定した技術で、この効果は絶大です。

そしてプレイ中の音量についてはPSボタンから音量調整のメニューを操作するか、PCとの接続が必要になるのですが、INZONE Budsの設定メニューでイヤホンタップに音量調整機能を割り当てる事で、イヤホンの長押しとタップで音量調整ができるようになります。

続いて、PCと接続を試してみます。USB Type C端子に接続するのですが、VAIO Zなど一部のノートPCではUSB Type C端子が2つしかないなど条件の厳しいケースがあるかも。
ここではVAIO SX14に接続してみました。

ドングルの切替スイッチは「PC」にします。

専用ソフト「INZONE Hub」を使うとイヤホンの詳細設定を行うことができます。イコライザー機能の他、ノイズキャンセリングと外音取り込みなどの選択項目、さらに立体音響の詳細設定が可能。

こちらは一般設定からタッチセンサーの機能設定を見ているところですが、デフォルトではなにも機能は割り振られていません。一般的にはこうして左に外音コントロール、右に音量調整などを割り当てると便利かも。
ソニーの最新型ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」にもありましたが、最適なイヤーピースのサイズを判定する機能なども搭載されています。

立体音響についての調整も可能で、これはPS5やモバイルではできず、PCでしか設定ができません。なのでINZONE Budsを手にしたら、ゲーミングPCだとかPCでゲームをするしないに関わらず、一度はPCと接続して立体音響の設定をする必要があります。(なくても使えますが、これは設定しないと損!)

ソニーの「LinkBuds S」や「WF-1000XM5」の立体音響設定と同じ仕組みを使っているんですが「360 Spatial Sound Rersonalizer」を使って、耳の形をスマートフォンで撮影し、その画像を使って耳の外側の自分だけの音響分析を行い、それを取り込むということをここではしています。

ここで詳細の案内は省きますが、同期を取るのに「My Sony ID」を使います。事前にWF-1000XM5やLinkBuds Sなどを使っていて、一度、耳の形を測定して音響データがMy Sony IDに登録されている場合はここの第1ステップは飛ばして、第2ステップへ進めます。

この第2ステップはINZONE Budsにしか設定はなく、ソニーの従来のイヤホンWF-1000XM5やLinkBuds Sには設定はありません。イヤホンを装着した状態で「測定開始」ボタンをクリックすると、ソニーのサウンドバーやサラウンドセットで聴けるサラウンドの調整サウンドが流れて、ここで耳の中の音響を測定しているとのこと。
先ほどのスマートフォンアプリを使った耳の形の測定は耳の外側で、ここの第2ステップの音響測定で耳の内側についても音響測定をしていることになります。
これにより音楽を聴くよりも、さらに精度の高い360サウンドの再現を目指している、というわけです。

さて、今度はAndroidスマートフォンと接続してみます。これで音が鳴るのかどうか、手探りで試しているんですがスイッチに「PS5/MOBILE」という項目があるので、それならつながるだろうということで、Xperia 1 Vに挿してみたのですが、普通に音が鳴りました。
このドングルを使った状態でならLE Audioに対応していないスマートフォンでも接続が可能。まずはドングル付きで試してみます。

ドングルを使った低遅延2.4GHzワイヤレス接続ですが、人間の耳には遅延はまったく感じられません。
ここでは有名な音ゲーということで「アイドレイッシュセブン」(先月までソニーストアでコラボモデルが販売されていました)をインストールし、タイミング調整画面で遅延計測をしてみるのですが、調整値は「0:00」です。まったく遅延がない状態ということになります。

試しに店員よねっちにプレイを試してもらうのですが、完璧とのこと。
以前。Xperia TouchでBluetoothのワイヤレススピーカーとの接続で「大画面」+「ワイヤレスオーディオ」の音ゲー環境構築にチャレンジしたことがあるんですが、SBCやAACなどの通常のBluetooth接続だと遅延が大きいのと遅延時間が一定でなく調整するたびに調整値がずれてしまうため、結果、音ゲーはワイヤレスオーディオではプレイ不可という結論になっていました。
ですが、先日からLE AudioをLinkBuds SやWF-1000XM5で利用できるようになり、それを試したところ遅延幅が一定なので調整すればプレイが可能。
今回のINZONE Budsに至っては遅延が感じられないレベルまできています。
と言っても、当店にはそうした音の遅延についての測定器などは用意できないので、店員よねっちにプレイしてもらっているところを動画で撮影してみました。
カメラのマイクにイヤホンを押しつけて録画するという荒技で収録しています。「通常のスピーカー出力」>「AAC接続のワイヤレスイヤホン」>「INZONE Buds」の順でプレイしていますが、映像と音のズレはどなたが見てもわかるかと思います。
ドングルがちょっと邪魔ではあるんですが、USB Type C搭載のスマートフォンであれば、このプレイが可能です。

なお、Xperia 1 IV、Xperia 1 Vに対応するゲーミングギア「Xperia Stream」(9月で販売終了)のUSB Type C端子に接続しても音は出ません。Xperia StreamのUSB端子は給電専用となっています。

さらに、このドングルですが、店員よねっち所有のiPadでも動作しました。この場合も音ゲーでのプレイで違和感無し。iPadで利用が可能なので、おそらく新発売のUSB Type C搭載のiPhone 15世代でも利用ができそうです。

専用ドングルでの通信の他、新世代Bluetooth規格のLE Audioにも対応しています。ドングルを使わない場合は背面のペアリングボタンの長押しでペアリングモードに入るので、LE Audio対応スマートフォンでペア設定を行うことでLE Audioによる伝送ができるようになります。

ソニーのスマートフォンで現時点でLE Audioが使えるのは「Xperia 1 IV」「Xperia 5 IV」「Xperia 1 V」「Xperia 5 V」の4機種になります。2022年モデルと2023年モデルのハイエンドモデルのみとなるのですが、2022年モデルではLE Audio接続の場合「グループ」という概念があり1セットのイヤホンを2台のイヤホンとして認識していたのですが、2023年モデルでは従来通りひとつのイヤホンとして認識するようになっていました。

一度認識すると、あとはLE Audio接続で、普通のBluetooth機器として利用ができます。ソニーのヘッドホン設定アプリ「Headphones Connect」には対応していないとのことで、設定はAndroid OSの設定画面から行うのみ。
なので、音質調整や機能設定などにはPCとのドングル接続による「INZONE Hub」を使うことが必須となります。
※記事初出の際にHeadphones Connect対応とご案内しましたが製品版では非対応になることが判明しました。お詫びして訂正させていただきます。

音声の遅延についてもドングル利用時とLE Audio利用時で比較してみました。
こちらは「デレステ」のタイミング調整画面になりますが、ドングル使用だと補正値は「+14」、LE Audio では「+26」という数値でした。
なおスピーカー出力の際は「+13」で、LDAC接続のワイヤレスイヤホンの際は「+32前後」となります。
ドングルを使った2.4GHz専用通信よりは遅延は大きいのですがLE Audioでも遅延は少なく、また遅延幅は安定しているので音ゲーのプレイには問題ないかと思います。
しかし、今までLE AudioでLinkBuds SやWF-1000XM5を使った事があるのですが接続するまでの手間がかかり安定して接続作業ができず、機能としてはベータ版ということになっていますが、その通りだな、と、思わざるをえない感じでした。
ですが、このINZONE BudsのLE Audio専用だと簡単にペアリングできるし再接続も安定しています。
なお、実測したわけではありませんが専用ドングル使用だとイヤホン単体で連続使用12時間のスタミナ性能になっていますが、LE Audio接続の場合は連続使用24時間になるそうです。LE Audioの方が省電力で駆動するそうです。
この「INZONE Buds」ですが、もしかすると、これから発売されるスマートフォンのベストパートナー的なアイテムになるのかも。

なお、音質ですが採用されているダイナミックドライバーは8.4mm径となっているので、おそらくWF-1000XM5(写真右))と同じものを採用しているかと思われます。
それもあってか、音質がムチャクチャ良いです。最初にPS5と接続して音を聴いたときに感動してしまいました。PS5って、こんなに音が良かったっけ!?と、思わされるんですがWF-1000XM5の高評価をそのまま引き継いだ感じ。
ただし、音楽用のイヤホンではなく、音の定位感や、微細な音が聞こえる様にチューニングされていて、いわゆる音楽向けイヤホンで感じられる「響き」みたいなものが一切ありません。ダイレクトに細い音が鳴る感じで、これがきっと立体音響に向いたチューニングなんだと思います。
いわゆる「刺さる音」というのもするんですが、これもいち早く敵を音で発見するためのチューニングなんだと思います。
未だ、チュートリアル部分しかやったことがない「APEC」なんですが、音の方向性は抜群でした。

装着感もWF-1000XM5とは違っていて、電波の受信性能をあげるべく、イヤホン本体は耳からかなり外に出ているデザインになっています。いかにも受信感度が良くなっていそう。
見たところ、マイクは外と内の2カ所にあるんですが、WF-1000XM5のトリプルマイクと比較するとノイズキャンセリング性能や外音取り込み機能は劣る作りになっているんだと思います。
| INZONE Buds | WF-1000XM5 | |
| ソニーストア価格 | 29,700円 | 41,800円 |
| 発売日 | 2023.10.27 | 2023.9.1 |
| ドライバーユニット | 8.4mm | 8.4mm |
| 外耳に合わせた立体音響最適化 | 〇 | 〇 |
| 内耳に合わせた立体音響最適化 | 〇 | × |
| イヤホン本体スタミナ (LE Audio接続時) |
12時間 (24時間) |
8時間 |
| ノイズキャンセリング/外音取込 | 〇 | 〇 |
| 通信方式 | 2.4GHzドングル/ LE Audio |
Bluetooth Classic/ LE Audio |
| イヤホン質量 (実測で2個) |
13g | 12g |
| INZONE Hub | 対応 | × |
| Headphones Connect | × | 対応 |
.
通常のBluetooth通信がINZONE Budsはできませんが、Xperia 1 IV以降のLE Audio対応スマートフォンをお使いの方には、8.4mmドライバーユニットの音を1万円も安く味わえるチャンスかも。
PS5やゲーミングPC利用を目的としたインナーイヤーヘッドホンではありますが、普段使いも全然OKだと思います。(というか、むしろスタミナ性能はWF-1000XM5よりも上です)

PlayStation 5、ゲーミングPC、そしてスマートフォンでの音ゲープレイに是非ご検討になってみてください。

★ソニーストアご利用感謝 ラッキー抽選会 のご案内はこちらから
なお、ソニーストアでは現在「ラッキー抽選会」を開催しています。My Sony IDを取得してAV商品10%オフクーポンをもらい、さらに、こちらの抽選会でお買い物券をゲット。2万円以上のお買い物で使える2,000円~800円のクーポンが利用できます。
ラッキー抽選会のクーポンは抽選日の翌日以降のプレゼントになるのでお買い物ができるまで少し時間がかかりますが、こちらも是非、忘れずにご利用ください。
1月16日までの期間限定で「INZONEでPlayStationを楽しもうキャンペーン」も発表になりました。対象製品を購入の上、スマートフォンを使って製品パッケージ画像などを写真に撮って送ることでもれなくプレイステーションストアチケットがプレゼントされます。
INZONE Budsの場合、2,000円のクーポンがもれなくもらえます。購入後、製品が到着したらこちらの応募も忘れずにどうぞ。
![]() |
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| ワイヤレスノイズキャンセリング ーミングヘッドセット INZONE Buds WF-G700N |
ソニーストア価格: 29,700 円 税込 |
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| 発売日 | 2023年10月27日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| 長期保証 サービス |
ヘッドホンケアプランワイド:3,300円(年払い) |
|||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 24回払いまで分割手数料無料 |
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| テックスタッフ 店頭入特典 |
5年ベーシック半額クーポンプレゼント テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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