『SAL70400G2』で撮る『レッドブル・エアレース in 千葉 2015』
昨日は千葉県・幕張海岸で夢のような時間を過ごしてきました。待ちに待った、日本初のエアレース世界選手権「レッドブル・エアレース in 千葉」の決勝大会が開催されました。
予選とは打って変わっての快晴の空の下、丸一日楽しませてもらってきました。予選の日はα6000と、4KハンディカムAXP35で臨みましたが、決勝はやはりAマウントカメラに当店の最強望遠レンズ「SAL70400G2」を担いで行ってきました。
私が撮ってきた写真でイベントレポートです。
予選は「Bエリア」というコースの真ん中に近いエリアでの観戦でしたが、チケット購入のタイミングが遅くて買おうと思っていた時にはBエリアの決勝が取れませんでした。それなので決勝は「スタート・ゴールエリア」という一番隅になる(その後、追加で検見川浜エリアが登場しましたが)、スタートゴール地点での観戦。
ちなみに東側からスタートして西に向かっていき、折り返してまた東に向かってくるんですが、一番東にある「幕張ターン」でもう一度折り返します。スタート地点は都合3回通ることになり、結果、一番シャッターチャンスが多いエリアとも言えます。
ソニーαファンであれば、やはりスタート地点を狙わなくては! という話も地元の方に事前に聞いていたんです。今回のレース開催が日本では初ですが、今までも地元の方への協力、理解を求めて、ここでデモ飛行のイベントが何回かあったそうで、それでスタート・ゴールエリアのほうが楽しめる、という話を伺っていたわけです。
当店のα cafeサークルや店頭でその話をしていて、それで臨んでいます。
直前になって、というか予選開催で、このスタートゴールエリアというのはエリアが横に長いのですが奥行きはほとんどなく、一列目を陣取れないと写真撮影が難しくなる、というのも当店のα cafeサークルで前日にわかりました。
そんなわけで予定よりも1時間早く集合して、しかも混んでいる海浜幕張ではなく一駅先の検見川浜駅まで行って、そこからタクシーでアクセスして時間をかせぐという方法をとっています。おかげでかなり早い時間にエントランスに来ています。
開場と同時にダッシュして最高の場所を確保。列に並んでいるときに仲良くなってしまった人も含めて7人でずらっと並んでいます。
理想はBエリアに近い右のエリアのほうがレースは楽しめそうなんですが、昨日Bエリアで観戦したこともあって、今回はちょっと離れて検見川浜エリアに近いところで場所を確保。背もたれもある特等席で観戦できました。
10時にオープンして、レースが始まるのは12時から。席の確保ができたら場内を見学。
ここら辺がBエリアに近いところ。ゲート開場時に最初に入れるのは2日券をお持ちの方で、そちらの方が先に入ってから1日券の入場でした。そういうことがあるなら、もしも次回があるなら2日通し券で買ったほうがいいですね。
ここのあたりの前列は皆、2日券を持っている人たちだと思います。すでに何重にも列ができています。ここは大型スクリーンもあるしアナウンスの声もよく届くし、スタートフィニッシュゲートも近いし、良いんですよね。
こちらはウォーターが500円、ビールが600円のドリンクバーです。レッドブルも販売されていて250ml缶が500円です。ほかに水場がなく、こういう値段なので高い!というところですが、これがレッドブルイベントのビジネススタイルですからね。
今日はレッドブルヘネシーというウイスキー割りをいただきました。レッドブルウォッカなどもあって、レッドブルとお酒って合うのかな?というところですが、そういえば昔はオロナミンCをお父さんはウイスキーで割って飲んでいるのでした。ありです、あり。
朝はそれほど並んでいませんでしたが昼過ぎになってからは大行列だったそうです。
そして、今回は食事がひどかった。スタートゴールエリアにはふたつの出店しかなくて、ケバブ屋さんとタコス屋さんだけなんです。ご飯ものがあるのは「ケバブライス」だけで、これが昼時になると1時間待ちになるという惨状。
飲食持ち込み不可なんですから、もうちょっとどうにかしてほしいところ、というのと、なぜケバブとタコスという似たようなお店が。。。せめて片方は日本食にしてくれたらいいのにと思わずにはいられません。お好み焼きとか焼きそば屋さんをぜひ。
そして、こういうところがさすがだな、と、思ったんですが、昨日はトイレはあったんですが手洗い場がありませんでした。ネットでクレーム続出だったらしいですが今日は散水車が来て手洗い場を急造。
トイレはほぼ待ちなしで利用ができたのはありがたかったです。
雨が降っていた昨日はこういうものがほとんど目に入らなかったんですが、グッズ売り場もあったんですね。レジャーシートは持ち込み禁止なんですが、ここで買うと、それは使ってもOKとなっています。私は昨日買ったものを持ってきたので再利用。1日250円で場所取りできます。
来年もこれ使えるかな?と、思ったら、なんとこのイベントは来年はまだ開催自体があるかどうかわからないんですって!? なんだ、日本開催の1回目でこれから毎年あるのかと思っていたらそうではないんですか。
人気グッズは朝から完売、キャップが4000円というのはこれまたアベノミクスな感じですが、そうではなくて、このレッドブルビジネスの形。
だって、それはそうですよ。これから思い切りお金がかかったイベントを堪能しますが、このイベントのメインスポンサーであるレッドブルってジュースだけ売って成り立っている会社ですよね。シュガーフリーと2種類ありますが、たった2種類のジュースだけでこんな世界的なイベントを繰り広げられるってすごいですよね。
イベントの規模感で、なんかこういうのは仕方がないんだな、と思ってきました。
ということで10時に開場して11時までにお昼ご飯をゲット。お昼までこれで時間をつぶすわけです。
しかし、天気が良かった。昨日はあいにくの雨模様で飛行機の写真をとってもモノクロームの世界みたいになっていましたが、今日は青空で、背景に色がありますからね。
朝から思わず乾杯したくなるわけです。
前日はあのスタートフィニッシュゲートの真横でしたが、今日はやや斜め方向から狙えます。ちょっと距離がありますが、良いんです。なんせ今日は昨日よりも焦点距離2倍のレンズを持ってきています。
ジャジャーン、今回は「SAL70400G2」を持ち出しました。これにカメラボディは私の業務用撮影メインマシンα77を装着しています。
当店blogで店内でのブツ撮り写真の99%がこのカメラ。いつもは室内でしか使っていないんですが、今日は外に連れ出してきて、新鮮な風景をたくさん見せてあげようと思います。
α6000+SEL70200Gの場合は、正直言ってカメラの性能限界まで引き出して撮らないといけない感じなんですが、さすがAマウント。位相差AFはこういうところでは強いですね。一度食いついてくれれば細かく外すこともないし、見失っても復帰が早い。
昨日今日で違いをまざまざと見せてもらいました。ただ、バッファがα77は少ない。。。α77IIであれば最長で10秒くらいの連写ができるんですが、α77はバッファがすごい少ないのを思い出しました。その点はα6000のほうが便利だったかも。
それと、写真撮影と同時に4Kハンディカム+4Kアクションカムも持って行っています。こちらは脚付きの一脚を使って一番短い状態で岩場におろして使用。三脚不可ですが、迷惑をかけないこと長尺のものでなければ利用はできそうだったので、このスタイルで撮影。
こちらも後日編集してみたいと思います。
さて、ここからはα77+SAL70400G2の写真になります。クリックするとハイビジョンサイズの画質でご覧になれます。(特に断りがない場合はトリミングを多少しています。)
順を追ってレッドブル・エアレースの撮影の私なりの楽しみ方を紹介します。
まず最初はチャレンジカップという3人だけのミニレースが行われます。ここで機材の動作チェックと流し撮りに慣れるための練習撮影をします。ここはバッテリーとメモリーをセーブしながら使用。
最初はシャッタースピードも速めにして撮影。シャッタースピードが速ければ、誰でもこんな風にピタッと止まった写真は取れます。間違いのない写真はこういう撮影でOK。α77の場合は速度優先の秒12コマ撮影モードがあるので、これで撮れば間違いは起こりにくくなります。
ですが、これだと写真作品としてはちょっと物足りません。背景がなにもないしゲートもピタッと止まってしまっていて立体感が感じられません。
そこでシャッタースピードを落として撮影します。
今回のエアレースでは1/250~1/320くらいがちょうどよいみたいです。シャッター速度を遅くしてしっかりと飛行機の動きとレンズの動きがマッチすると飛行機だけはピタッと止まって見えるんですが、プロペラとゲートはぶれて映っています。
写真でぶれたらだめなんじゃないの?というところですが、いいんです、これで。こうやって動きをつけて見せることで止まっている飛行機ではなく、飛んでいる飛行機という表現をするわけです。
こういう撮り方を「流し撮り」というのですが、もちろん、こういう撮り方をしなければいけない、ということではありません。表現方法のひとつです。ちなみに失敗確率も高くて、飛行機の動きとレンズの動きを合わせられないとぶれまくりの写真ばかりになります。最初は10枚撮って1枚うまく撮れてそうなのがあればいっか!くらいの気持ちでいきます。拡大すると実際には微妙にぶれていて100枚に1枚くらいしかジャスピンのものがなかったりするんですが、それをチャレンジカップのところから練習して成功率をあげていくわけです。
ちなみにガイドブックを見るとプロペラはほとんどのものが止まって見えています。そう、プロは失敗写真がないようにシャッタースピードを速くして撮っているんです。失敗できないここぞというシーンではシャッタースピードを速めて、写真作品として挑戦したいときはこういうチャレンジをする、という使い分けをしましょう。
運動会でご自分の子供を流し撮りして全部失敗したりするとショックはかなりでかいと思いますので。
あとは飛行機単体だけで撮っても、これもあまり面白くないかも。背景にビル群があるとかなにかあれば画になりますが、海から海岸に向かって写真を撮るとほとんどのエリアがこういう写真になってしまいます。
ま、これはこれで楽しい撮り方もあって、上記の写真はスタートゴールエリアからほぼ最短撮影距離にいるときに撮った写真になります。これを高速シャッターで撮っておくと。。。
コックピットを拡大したところで、人の顔まで見えたりするので、こういうチャレンジもあり。ちなみにこのゼッケン55番の選手はポール・ボノム選手で、今回優勝した選手です。
SAL70400G2だと、ここまで撮れます。隣にSAL300F28をテレコンつけて使っている方がいらっしゃいましたが、そちらだともっと鮮明に撮れていて、こういうところがレンズの差としても出るのかぁ、と、勉強させてもらってきました。
あとはこうして目の前にあるスタートフィニッシュゲートと絡めて撮影するのが王道。動きを見せることができる私たちのエリアからは一番有利な撮影ポイントになります。ここをなんせ3回も通ってくれるので、会場で一番チャンスが多いところだと思います。
あとはこうして遠くに見える東京スカイツリーをパイロンに見立てて撮ってみたりもできました。もうちょっと空の透明度があってスカイツリーのシルエットだけなく展望デッキの窓とかも見えればよいのに、それはちょっと無理ですかね。
レース中はスモークを出し続けるというのがルール。このスモークを出した瞬間にアナウンスで「スモークオーン!」という声がしますので、それが聞こえたらシャッターチャンスの始まり。
レース中はこれをずーっと出し続けているので、それを計算に入れて動きを出した撮り方をするのもテクニックかな?
これは東側の折り返し地点「幕張ターン」です。ゲートをくぐるときは機体を水平にしなければいけないルールがあり、抜けた瞬間に大きくロールしていきます。スモークを見ているとこの近距離で!?というくらいの小さなターンをしていきます。
これは西側に向かっていくところ。ゲートの高さは25mでそこよりも低く飛ばなくてはいけません。
西側のターンをして戻ってくるところ。スタートゴールエリアからはかなり遠いんですが、ここも撮りどころです。レースは1分弱で終わってしまうので、もう大忙しなんです。
そして、トラブルも発生。というか、今回の私の写真の中でも一番の決定的瞬間になるんですが、一番近い、スタートフィニッシュゲートでパイロンタッチが発生! パイロンタッチというのはパイロンに飛行機がふれてしまってパイロンを切ってしまうことを言うのですが、これが今回は4回発生しました。3回撮り逃してしまったんですがここだけ奇跡的に撮れました!
しかもシャッター速度はα77最速の1/8000秒で!(設定いじっている最中に撮ってしまったんです。)
これ、よくみると翼にパイロンの記事の一部がついてしまっているのもわかります。すごいシーンを撮れました。
で、切れたパイロンはどうなるのかというと、エアゲーターという専門チームがすぐに急行して2分で直してしまうんです。この黒ずくめの集団がエアゲーターさんたち。
パイロンは9か所にチャックがあり、切られた場合はその下にあるチャックを外してすぐに新品と付け替えてしまうそうです。これもレース中の見どころのひとつ。あっという間にニョキニョキと復活します。
見どころといえば、こんなウォータースポーツもレースの間に繰り広げられます。なんていうスポーツなのかわかりませんが、足から水が噴き出していて空中を飛んでいるんですが、空中ででんぐり返しまでしてしまうんです。
席の高いエリアだと、こういうのも楽しめるそうです。スタートゴールエリア、Bエリアからはほとんど見えません。
そして、レースの一番の撮りどころといえば、こちら日本人選手の室屋選手です。インディジャパンの時の佐藤琢磨選手と一緒で、ここが一番の撮りどころになります。室屋選手の出番ですが「ラウンド14」という一回戦目で敗退してしまうと、1回しか今日は見られません。そこで勝ち上がってくれるともう1回、決勝までいうとあと2回見られるんですが、最初の1回目は失敗ができないので。。。そうです、シャッタースピードを上げて撮りました。w
こういう「ここぞ!」という一番に私は弱くて。もっと練習して腕を上げてから臨めばよかったと、毎回思っているなぁ。
室屋選手のベストショットはこれかな。
午後になってからこのエリアはコース中のほとんどが逆光になってしまっています。そういう意味では予選の日の雨空のほうが撮りやすかったとも言えるんですが、スタートゴールエリアから唯一順光になるところもあります。幕張ターンがそうです。
東側のターンの部分が旋回しきらなければ、そこまでは順光で鮮やかな機体の色が撮れます。
チャレンジカップはすべてレッドブルカラーですが、マスターズカップは全機種が違う機体になっています。こうした機体のカラーの違いを撮っておくのも記念になります。
最後は優勝したポールボノム選手のターンで終了です。
あっという間の決勝レースでした。
帰りは混雑を避けてまた検見川浜駅へ向かいます。チケット完売後に最後に追加販売された検見川浜エリアも見学。
なるほど、こちらのゾーンからだとコースが一望できるので動画撮影とかだとフィックスで全部撮ることができたのかも。機体がこちらまでこないので距離が遠そうに思えたんですがスタートゴールエリアも、Bエリアもちょっと距離がありましたからね。
こちらのエリアも盛り上がってたんだろうなぁ。
ということで、駅から帰宅。来年の開催もぜひお願いしたいところですが、レッドブルって常に新しいことを求めているというか、開催するとしたら、また別の地域になってしまうんですかね。
せっかく選手の名前もちょっと憶えてきたし、レースの興奮を覚えてしまったので、今年はレースをこの後も続けて観戦したいと思います。(って、NHKで全戦中継してくれるですかね?)
それと、最後になりますが、テレビ取材の件、カットになってしまったようです。放送前にディレクターさんから連絡をいただいて、急きょ他のニュースがあり短くすることになってしまったそうです。番組を楽しみにチェックしていただいたみなさん、すみません。
でも、実は写真だけは使われていて、福澤さんの背後のこんないい場所に私の写真が使われているんです。
使っていただいたのはこちらの写真です。名前まで入れていただいて気を遣われたみたいで、かえってすみません。
番組もそうですが、取材くださったNさんの今後のご活躍をお祈りしています。
最後に一緒にご参加いただいたα cafe サークルメンバーさん、お付き合いいただきありがとうございました。傑作フォトは例によってα cafeサークル「東京タテヨコマル」まで投稿をお願いしまーす!(同行されていない方でもエアレースにいかれた方の写真、お待ちしています!)
☆同行のkozyさんblog「日本初上陸のエアレースを見てきた!」
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