全面位相差AF搭載 新型デジタル一眼“α6000”実機レポート
昨日、ソニーさんから日本国内向けにも正式発表された新型デジタル一眼カメラ”α6000”については昨日の「CP+2014ソニーブースレポート」でも興奮しながらお伝えしましたが、今日は冷静にモデルのご案内をしていきたいと思います。
先に海外で発表になっていてスペックだけみて「ふーん」とか思っていたんですが、このカメラ、とんでもないモデルになっています。もしかしたらライブビュー液晶を搭載したα350とか、トランスルーセントミラー搭載のα55級のインパクトを持ったモデルかもしれません。
動画を加えてそのあたりをご案内したいと思います。
ソニーさんのプレスリリースはこちらです。私はCP+会場に行っていてWEBを見ていないんですがおそらく開場にあわせて10時にプレスリリースされていると思います。
事前に公開されていた内容の通りで、昨年末にはフルサイズEマウントカメラのα7シリーズが発表されて大ヒットしてしまったため、今からAPS-Cモデルなの?という方も多いかと思います。α7シリーズを手に入れてしまった方はおそらくみなさん、食指は動かなさそうですが、いやいや、その直後にこんなすごいモデルを持ってくるって、ソニーさん、どうかしちゃったんじゃないですか!?
CP+会場でα6000を手にして10秒経ったところで「これ、すげー!」って絶叫してしまいました。
絶叫してしまった機能というのがこちら。
えーと、プレスリリースや商品情報ページを見ても「だからどうしたの?」としか思えないと思うんですが、この179店像面位相差AFってのがすごいことになっているんです。
ミラー構造を持たないEマウントカメラではコントラストAFと言って、撮影した映像を解析してフォーカスを合わせます。像の明暗の境がくっきりしているところを見つけて、それでAFが合焦しているというのを判断するんですがNEX-5Rというモデルが登場したときに「像面位相差AF」というセンサーの中にAFセンサーを埋め込む仕組みを開発。ただ、画面音中央付近で面積にして4割くらいのエリアでしかAFが効かず、補助的な役割でしかなかったんですが、全面で位相差AFが使えるようになるととんでもないことが起こるんです。
百聞は一見にしかずというか、私もこれを言葉で伝えるのは難しいと思うので、動画を用意したんですが、まずはこちらをご覧になってみてください。
ね、すごいことになっているんです。
シングルAF、ワイドエリア設定の際は今まで通りの動き方をするんですが、コンティニュアスAFというフォーカスを常に追い続けるモードに切り替えると、コントラストAFではなく像面位相差AFだけで駆動するようになり、その際にはこうして合焦ポイントが画像全面179ポイントを移動し続けてくれるんです。
どこに被写体があるのかをカメラが自動で判断するんですが、まるでロックオンAFみたいに正確に追ってくれるというか、このカメラが何を追っているのかが手に取るようにわかるのが超面白い!
また、コントラストAF機でコンティニュアスAFモードで使うと、単焦点レンズとかでたまに画像がブヨブヨと動いてしまうことがあります。これはコントラストAF特有の動きでAFが合っているかどうかをピントをわざと外さないと判断ができなくてやってしまう現象なんですが、これもα6000の場合、像面位相差AFだけで動くようになるので起こりません。
ミラー搭載のAマウント“α”であれば位相差AFで動作するのでそういうことは起こらないんですが、いやぁ、α6000みたいにTTL位相差AFを画面全面に配置するなんてできません。そういう点ではα6000の全面位相差AFの方がメリットも大きいかも。
なんせ、被写体がここにあると判断すれば画面の一番隅でもAFをあわせてくれるわけです。
飛んでもないAFシステムを作ってしまいました。これだけのシステムが搭載されているのに特にこれに名前があるわけでもなく説明するときは「全面像面位相差AF」くらいしか名前がないというのがなんとも。。。なにかの必殺技みたいな名称、これはつけないといけないんじゃないですかね!?
連続撮影も最高で秒11コマ。メモリーバッファも従来より多めに積んでいるようで、感覚的には従来の倍くらい連写ができるような気がします。(ちゃんと数は数えていません。)
シングルAFとコンティニュアスAFを自動で判断する「AF-A」モードも搭載ってことでAFについてはまさにAマウント“α”みたいになります。AF-Aも試してきましたが、通常はシングルAFで動いていて、被写体が動いている、とわかるとコンティニュアスAFに切り替わります。
切り替わるまでワンテンポあるので、動くとわかっている被写体であればAF-Cに最初からしておくのが良いんですが、AF-Aにしておけば基本シングルAFで使えていざというときにAF-Cになるわけで、これが実用的には一番使いやすいんじゃないかと思えます。
スペックを見ていて二つほどNEX-7、NEX-6よりも劣る部分があるんですがそれがEVFの解像度。以前の機種では235万ドットだったものがα6000では144万ドットになっていて、ここだけスペックダウンしてしまっています。
しかし、ファインダー内のレンズは従来機種で3枚だったものを4枚にしておりファインダー内の視認性はアップ。私の様にめがねをしている人は特にそうさんですがファインダーをのぞいても像面が全部見られなくて、端の方を確認するときはアイポイントをちょっとずらしたりする工夫が必要だったりします。
それが改善されてα6000では端まで一発で視認できます。まるでこれはヘッドマウントディスプレイの進化と同じ感じ。初代HMZ-T1よりもHMZ-T3Sの方が遙かに見やすくなっているんですけど、これもレンズを改善したという話でした。エレキの部分だけではなく、こうして光学系も改善されているところがさすが。
235万ドット→144万ドットの違いですが、これは比べてみると確かにわかるレベルで、情報表示されている文字のフォントを見るとややドットが荒くなっている気がする、というのはあるんですが、映像自体はそれほど差があるとも思えません。というか、サイバーショットDSC-RX10もEVFは144万ドットなんですが、気にならなかったですからね。(^_^;)
それよりはこうして視認性が上がったことの方がでかいかな。あとは考え方次第なんですが背面の液晶モニターの92万ドットはそのままです。この背面モニターの解像度が下がったときの方がショックは大きかったかも。
あともうひとつスペックダウンしたのは水準器の搭載が見送られたこと。私は方眼グリッドとか表示して映像で水平を取るので水準器は使ったことがないんですが、水準器を利用している方はご注意を。
そのほか、操作系はNEX-6の方に重心を置いて開発されたみたいですね。ラインナップ的にはNEX-6とNEX-7を統合したモデルみたいになるんですがNEX-7のトライダイヤルは搭載が見送られたみたいです。
独特の操作体系で面白かったんですけどね。。。
そのほか、バッテリーがα5000同様にシルク印刷のないブラックバッテリーに変わっています。このバッテリーなんですがどうやらバッテリーの仕様が変更になるそうで、今後は順次こちらのバッテリーに切り替わっていくそうです。予備バッテリーもこの新しい仕様のものになります。
バッテリー容量に変化はないんですが、若干軽量化されているとのこと。
予備バッテリーを購入するのでしたらちょっと待った方が良いかもしれません。(^^)/
さて、そのデジタル一眼カメラ”α6000”なんですが、ソニーストアでは今回は気合いを入れてキャンペーンを組んでいるようです。
初代中級機のα700の時にもありましたね。あのときはメーカー純正のキットでしたが台数限定でカールツァイスレンズをセットにしたモデルを用意してくれていたことが。
ソニーストアもメーカーさんの一部、と考えればそのとき以来のセット販売になるのかも。
カールツァイス「SEL1670Z」をセットにしたソニーストアオリジナルキットを用意。販売価格161,600円は本体ボディ価格(67,800円)とレンズ代(93,800円)を単純に足した価格になっているので価格的なお得度はないんですが、ドライボックス、レンズペンがついてくるところがお得。3,000円ほどお得になるかな?
あとはお手持ちのクーポン次第なんですが、今回はレンズの5年ワイド保証クーポンとかの配布はないみたいですね。α6000用の5年ワイドクーポンとかがあれば、このキットで購入するとレンズも5年ワイドにすることができるかも。
なお、このセットで購入する際もボディカラーの選択ができます。ブラックとシルバーのボディカラーがあり、カールツァイスレンズはブラックレンズなのでブラックでないと合わないかと思いきや。。。
こちらはシルバーカラーのα6000にSEL1670Zをセットにしたときの図です。グリップ部がブラックということもあり、これはこれで超かっこよい。。。というか、私は個人的にα100の時から選べるときは必ずシルバーカラーのものを選んでしまうもので、なんかこういうのに萌えてしまうんです。
うわー、これ、かっちょいいなぁ。SEL24F18Zとのセットでもこれは相当良い感じになりますよ。
お手持ちのクーポンをチェックしてみて計算してくださいね。レンズはやっぱり5年ワイドですよ。
そして加入時に15,000円で、12,000円のクーポン+レンズ購入5%オフ権を獲得できる「αフォトライフサポート」もα6000本体購入で加入できます。
ちなみに1月に規約が変わっており、本体のみならずレンズ購入でもライフサポートに加入できる、という様に案内文が変わっています。まもなく、もしかしたら高額レンズ購入でも入会できるようになるかも。。。と、言いつつも現時点ではα99、α7、α5000、α6000の4シリーズの購入時にだけしか加入ができない権利になっています。
私だったら迷わず入会します。12,000円のクーポンが帰ってくるのでたった3,000円の支払いでレンズ購入が5%オフになるんです。3年のうちに1本でも6万円以上のレンズを買えば元がとれますから。
そして、昨年から始まった残価設定クレジット。2年先に下取りに出すことを前提に2年分の分割クレジットを安く組むプランです。VAIOだと、そのまま持っておきたい可能性が高くなりますがαの場合は2年の残価設定クレジットって良い線いっているかも。
そして、同時購入のアクセサリーでソニーポイント5%を還元するキャンペーンもスタート。消費税5%が終了する3月31日まで続きます。ということは4月1日にはこのキャンペーンが終わるのと同時に消費税も8%にアップ。
その前までに購入しないといけませんね。
α6000発売記念の買い取りキャンペーンもスタートしています。 ダブルアップキャンペーンについてはソニー製カメラだったら全部適用になるので旧型”α”を下取りにするなら+5,000円は確実。さらにソニーストアクーポンにすると8,000円も高く買い取ってくれるってすごいお得です。
我が家にまだある”α550”なんてボディだけだと上限価格でもたった2,500円ですからね。キャンペーンなしには下取りは考えられません。(^_^;)
☆ソニー商品情報「”α6000”カメラクリーニングキットキャンペーン」
そして、こちらはソニーストアだけではなくオールソニーのキャンペーンで、先着2000名様にメンテナンスグッズをプレゼントしてくれるそうです。
こちらも”α6000”を購入したら忘れずにお申し込みください。
以上、駆け足で”α6000”のご案内でした。
全面位相差AFの威力、これは是非ショールームやCP+でご体感いただきたいところ。標準ズームレンズでしか試していませんが、望遠レンズと組み合わせて使ったらすごく面白そうですし、逆にSEL1018などの超広角レンズで使っても威力を発揮しそう。
もう、これからは一生”α7R”でフルサイズ一眼の世界を極めるんだ!とか、思っていたんですが、こうして新しいAFシステムを搭載したEマウントカメラが出てくると、ちょっと話は別。
APS-Cセンサーとは言え、これだと持ち運ぶレンズも小さくて軽くて済むし、経済的にも助かるし、特に望遠系の場合は焦点距離が1.5倍になるメリットもあるし。。。
”α7”シリーズをスルー出来た方は、これ、大検討大会を開催しちゃって良いんじゃないですかね!? 普段使いにするカメラにこれは超良いですよ!
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