『Sony CES 2017』プレスカンファレンスまとめ
アメリカ・ラスベガスで開催される国際家電見本市「International CES」に先立ち、先ほど日本時間の10時よりプレスカンファレンスが開催され、この春に登場するソニーのアメリカ向け製品が一挙発表になりました。
まとめてご案内します。
新年明けましておめでとうございます。店員佐藤です。
当店も本日11時より2017年の営業を開始します。本年もよろしくお願いします。
さて、今年のソニーのCESのプレスカンファレンスですがメインの発表は有機ELパネルを採用したブラビア「A1Eシリーズ」を皮切りにしたHDR対応4Kブラビアみたいです。
昨年秋に登場した直下型LEDバックライトを採用した「Z9D」に続き、有機ELの「A1E」シリーズと、現在のメインモデルである「X9300D」シリーズの後継になるであろう「X930E/X940E」シリーズが発表になりました。
まず、最初に登場したのが有機ELパネルを搭載した「A1Eシリーズ」で、800万画素の4Kパネルを1画素ごとに自発光体で映像を作るということをします。
「X1 Extream」などの映像エンジンについてはZ9Dと同じ説明をしており画質面での説明は海外サイトを見てもそれほど多くは無い様子。スピーカーレスのテレビになっているのですが「アコースティックサーフェス」というディスプレイ自体を振動させてテレビの画面から直接音声を出力する方法を採用。
Android TVを採用していることも明記されており、またドルビービジョンHDR形式のサポートも案内されています。
画面サイズは海外では77型、65型、55型の3モデルをラインナップするとなっています。
さらに続いて発表になったのがX94EシリーズとX93Eシリーズになります。同時に発表されたヨーロッパサイトの情報によると75型モデルがX94Eシリーズで、65型、55型モデルがX93Eシリーズとして展開するそうです。
従来のスリムバックライトドライブよりもさらにコントラストを上げるべく、クワッドエッジLED構造を採用となっています。9300Dシリーズでは両サイドのエッジLED駆動をしているという話でしたので、それに加えて上下のエッジLEDも使うんでしょうか? 英語発表文なので細かいニュアンスがわかりませんが、4K HDRの映像をより鮮やかに映し出してくれそうです。
4Kブラビアのセッションでは、この「HDR」についての紹介にずいぶん時間を割いていました。
そしてソニーUKでは、これらの2モデル以外の下位クラスのラインナップについても発表があります。日本では昨年秋に8000Dや8300Dシリーズが発表になったばかりですが、今年はテレビのモデルチェンジが若干速く行われるのかもしれません。
77型 | 75型 | 65型 | 55型 | 49型 | 43型 | |
Z9Dシリーズ | ○ | ○ | ○ | |||
A1Eシリーズ New | ○ | ○ | ○ | |||
XE94シリーズ New | ○ | |||||
XE93シリーズ New | ○ | ○ | ||||
XE90シリーズ New | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
XE85シリーズ New | ○ | ○ | ○ | |||
XE80シリーズ New | ○ | ○ | ○ |
こういうラインナップを見ても、今は海外でも55型モデルが主流になっているみたいですね。
日本向けのプレスリリースによると、これらの4Kブラビアの展示コーナーでは4K HDRに対応したPS4ソフトウェアとして『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』、『グランツーリスモSPORT』そして『Horizon Zero Dawn』でのデモを行っているそうです。
そうそう、ウチもわかります。4K HDRの威力を今のところ一番簡単に体感できるのは4K対応のPlayStation 4 ProによるHDR体験なんですよね。
☆ソニーUSA 公式blog「Sony Electronics Introduces All New BRAVIA OLED 4K HDR TVs with Unparalleled Black Levels, Contrast」
☆ソニーUK「Sony Expands its 4K HDR (High Dynamic Range) TV Line-up with New X Series and A Series, Conveying the Reality with Unparalleled Contrast」
☆AV Watch「ソニー4K有機ELテレビ「BRAVIA A1E」発表。画面から音を出力」
☆AV Watch 本田雅一のAVTrends「OLED TV元年。
パナソニックやソニーの“憧れテレビ”の実力は?」
☆Phile-web「ソニー、4K有機ELテレビ「A1E」シリーズ。同社の高画質技術を結集」
☆マイナビニュース「ソニー、有機EL「BRAVIA OLED」など4K HDR製品で強烈インパクト – CES 2017」
☆Stereo Sound ONLINE「ソニーが待望の有機ELテレビとUHD BDプレーヤーを発表」
☆AV Watch「ソニーが有機ELを選んだ理由は“音”だった? 他のOLEDとの違いを体感した」
☆ITmedia「日本でも販売へ!――ソニーの有機ELテレビ「A1E」を見てきた」
こちらは超短焦点プロジェクターの「VPL-VZ1000ES」です。業務用に販売されているデータプロジェクター「VPL-GTZ1」よりも25%の明るさを実現した2500ルーメンの出力を実現したレーザー光源のモデルとのこと。
超短焦点プロジェクターというと、LIfe Space UXの500万円のモデルが思い浮かびますが、こちらのモデルは2017年4月より24,999ドルで販売を予定しているとのことです。
日本円に直すと約300万円になります。2世代目になってグッと価格が安くなりましたが8Kの普及時代にはこうしたプロジェクターがもう少し手の届く価格になっているといいですね。
☆ソニーUSA 公式blog「Sony Electronics Launches a New Era of Home Displays with the VPL-VZ1000ES Ultra-Short Throw 4K HDR Home Theater Projector」
☆ソニーUK「Sony launches a new era of home displays with the VPL-VZ1000ES Ultra Short Throw 4K HDR home theatre projector」
☆AV Watch「ソニー、レーザー光源の100型/4K HDR映像を16cmから投写できる超短焦点プロジェクタ」
☆Phile-web「ソニー、4K/HDR対応の超短焦点プロジェクター「VPL-VZ1000ES」。25,000ドル」
☆Phile-web「ソニーの4K/HDR対応 超短焦点プロジェクターを体験。開発者にもインタビュー」
昨年の秋に発売が予告されていた4K対応の Ultra HD BDプレーヤーも具体的な製品として発表がありました。
4K映像のBDソフトが再生出来るほか、SACDの再生にも対応。DSEE HXも搭載しており元の信号のサンプリング周波数と量子化ビットをアップスケールします。ハイレゾ対応のホームシアターシステムにもDSEE HXが搭載されていたりしますが、そういう製品は音声モードをMUSICモードにしないとDSEE HX機能が使えなかったりという制約が若干あるのですが、このモデルではどうなっているでしょう?
ソニーピクチャーズから発売されている4K BDソフトとの連携も楽しみですが、日本では今年発売されるであろう「シン・ゴジラ」などの再生も楽しみ。4K SDRテレビ(2014年モデルまでのX9200Bシリーズなど)でも4K HDRコンテンツを再生するときには適切な明るさを再現し、グラデーションを可能な限り最高の画質にするという機能もあるそうです。
プレーヤーにはNetflixなどのストリーミングサービスの利用もできるとなっていますので、ネットワークプレーヤー的な使い方も可能。X9200Aシリーズのブラビアでもようやくこれで4K Youtubeの映像が楽しめるかも。
USAでは、この春発売予定となっています。ソニーヨーロッパのプレスリリースによると400ポンド(約57,000円)、520ユーロ(約63,000円)での販売予定となっています。割とリーズナブルな価格でですね。
☆ソニーUSA 公式blog「Sony Introduces Exciting new 4K Ultra HD Blu-ray Player, Home Audio and Home Theater Devices Designed to Surround Listeners and Viewers with Sound」
☆ソニーUK「Watch and listen in the highest quality with NEW Sony 4K Ultra HD Blu-ray Player and Dolby Atmos Sound Bar and AV Receiver for object audio」
☆ソニーヨーロッパ「UBP-X800」商品情報ページはこちらから
☆AV Watch「ソニー初のUHD BDプレーヤー「UBP-X800」は春発売。Atmos対応AVアンプ/サウンドバーも」
☆Phile-web「ソニーらしい画質・音質にこだわったUHD BDプレーヤー。「UBP-X800」開発者インタビュー」
ドルビーAtmosに対応したサウンドバー「HT-ST5000」も発表になりました。ドルビーAtmosは最近映画館で対応が始まった音声フォーマットで通常の7.1chに加えて天井に2chを加えた7.1.2chの立体サウンドフォーマットです。
☆ドルビーアトモス7.1.2の
スピーカー配置についてのご案内
サウンドバー「HT-ST5000」ではその天井に配置する2chのスピーカーの音をサウンドバー上面に配したスピーカーで体験させてくれるとなっています。
リアスピーカーだけではなく、今度は天井スピーカーまでバーチャルで聞かせてしまう、という技術みたいですね。
Chromecastを使用してワイヤレスマルチルームでの音楽再生にも対応となっているので日本ではSongPal Linkも使えると思うのですが「HT-NT5」で利用が可能となったワイヤレスサラウンド機能が利用できるかどうかはプレスリリースからは不明です。(ソニーヨーロッパの商品情報サイトにも掲載はないのでどうやらワイヤレスサラウンドはないみたいですね。)
HDMI入力が3端子あるなど、こちらもHT-NT5同様にソニーのサウンドバーの主力モデルになりそうです。
ソニーヨーロッパによると1500ポンド(約215,000円)、1900ユーロ(約232,000円)でこの春発売となっています。
☆ソニーUK「HT-ST5000」商品情報ページはこちらから
☆Phile-web「詳報:ソニー、ドルビーアトモス対応旗艦サウンドバー「HT-ST5000」。Google Home対応も」
☆Phile-web「ソニーのアトモス対応サウンドバー「HT-ST5000」を試聴レポ ー 開発者の詳細解説も」
AVマルチアンプの「STR-DN1080」も発表になっています。海外ではすでに対応しているドルビーAtomsですが、上位モデルは現在日本国内向けには販売されていません。このモデルの現行機種である「STR-DN1070」は日本でも発売されていますので、ソニーのAVマルチアンプで日本向けのモデルとしては初のドルビーAtoms対応アンプとして注目できそうです。(現時点では日本国内向けの案内はありません。)
こちらも商品情報ページがあります。ハイレゾ対応についてもDSD 5.6MHzまで対応しており、Chromecastにも対応。SongPal Linkによるワイヤレスマルチルーム再生についての記述もあるのですが、こちらのモデルもワイヤレスサラウンドについては案内がありません。
SRS-HG1を使っての電源まで含む完全ワイヤレスサラウンドはこれから対応モデルが広がるモノと思っていたのですが、もしかすると「HT-NT5」の一世代だけで終わってしまうんでしょうか? こちらのモデルも日本国内向けの正式リリースが待たれます。
STR-DN1080はソニーヨーロッパにてこの春発売で650ポンド(約94,000円)、840ユーロ(約102,000円)にて発売予定です。
☆ソニーヨーロッパ「STR-DN1080」商品情報ページはこちらから
☆Phile-web「詳報:ソニー、ドルビーアトモス/DTS:X対応AVアンプ「STR-DN1080」」
製品としてではなくコンセプトモデルとして「Life Space UX」の新しいコンテンツも展示されるそうです。「It’s all here」として超短焦点プロジェクターを使って膨大な数の本を表示、そのウチの一つを選んでページをめくっていく、ということができるとのこと。
生活空間に新しい提案をしてくれるLife space UXの新しい体験がどんなものになるのか、これも興味があるところ。
☆ソニーUSA 公式blog「Sony Unveils its Latest Products at CES 2017」
☆ITmedia「ソニー「Life Space UX」の新コンセプトモデルは“全て”につながる4K短焦点プロジェクター」
こちらはプレスリリースなどもなかったのでプロトタイプとしての発表になると思うのですが、ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンのインナーイヤータイプのものや、ケーブルフリーデザインの左右独立型ノイズキャンセリング対応ワイヤレスヘッドホンも登場しました。
ネックバンドスタイルのものはわかるのですが、右のヘッドセットみたいなもの、これ左右連動して使えるとなると、もう無敵状態になるのでは!?
☆Phile-web「ソニー、ドルビーアトモス対応最上位サウンドバーとDTS:X対応新AVアンプ。左右独立イヤホン参考展示も」
☆Phile-web「ソニー、イヤホン一体型ウェアラブルウォークマンに外音取り込み機能搭載モデル」
☆ファミ通.com「『グランツーリスモSport』PSVR版を体験。レーシングゲームとVRの組み合わせはやっぱり最高」
主な発表製品は以上です。毎年、デジタル一眼”α”関連のニュースはCESでは登場しないモノのハンディカムについては発表があるんですが、それが今年はありませんでした。もしかしたらハンディカムについては今年はモデルチェンジがないのかもしれません。
昨年はワイヤレススピーカーやハイレゾ対応のレコードプレーヤー「PS-HX500」なども発表があり賑やかなプレスカンファレンスだったのですがホームAV製品中心の製品展開になっているのでモバイラーさんには物足りなかったかも。
ですが、他にもプレスカンファレンスでは登場しなかった製品などもあり、それらはUSA、UKのそれぞれのサイトで紹介がされています。
ご興味ある方は海外サイトでご覧になってみてください。
☆当店blog 16.1.6「『Sony CES 2016』プレスカンファレンスまとめ」
☆当店blog 16.1.6「ソニー『2016 International CES』出展について」
☆当店blog 15.1.6「『Sony CES 2015』プレスカンファレンスのまとめ」
☆当店blog 14.1.7「Sony International CES 2014 プレスカンファレンス」
☆当店blog 13.1.8「2013 International CES出展レポート」
☆当店ホームページ『Sony Bank WALLET』のご案内はこちらから
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