レベルチェッカーで4K BS放送をチェック! DST-SHV1の受け入れ準備中
12月1日から放送が始まる4K BS放送なんですが、以前、お話しした通り店員佐藤宅ではすでにマンション側で受信対応を進めており8月にアンテナ工事が終わっています。この後、個別に宅内配線についての工事があるのですが、もしかしたらすでに入ってきている電波は4K対応のものとかになっているのでは? ということで、新4K BS放送に対応したアンテナレベルチェッカーをお借りして自宅のアンテナ配線についてレベルチェックをしてみました。
BS放送についてどんな電波が来ているのかご存知ない方もいらっしゃると思いますのでNHKさんの資料をお借りしながらご案内してみたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
今回、ここで紹介するのはDXアンテナさんのレベルチェッカー「LC60WS」です。12月1日から始まる4K BS放送ですが全部の局を見ようとすると従来のBSアンテナや配線では受信ができず、「左旋」電波の受信ができる設備が必要になり、それをチェックするための機械ということになります。
「新しいアンテナを立てないと4K BSは見られない」というのも誤りで、NHKと民放5局の4K放送については今のBSアンテナのままでも見られます。「ほとんどの場合、大丈夫」という言い方になってしまうんですが、その後も当店でご案内しているお客様でBS放送が移っていたけど4K BSが移らなかった、という方はいませんので、ほとんど大丈夫みたいです。
ということで、放送開始2ヶ月前ですが4K BS放送のチャンネルがどうなっているのか、というのから調べてみました。
まずは現在のBS放送についてなんですが、実は今年1年かけてチャンネルがひそかに移動されているんです。今年の5月頃にチャンネルの移動があって、メーカーさんからひっそりと案内は来ていたのですが当店でも特にトラブルはなく案内はしていませんでした。というのもユーザーさんがやることは特になくてテレビやBSレコーダーが自動でチャンネル移動に対応していたからなんです。
なんでチャンネル移動をしていたのかというと、4K放送を開始するのにあたり、既存の右旋BS放送のチャンネルを増やす必要があったからなんです。
右旋で放送しているBS放送のチャンネル数を減らさずに4K放送を6局も増やすのですが、もともと4Kの試験放送をしている帯域があるので、それを使っているのと、あとは空いているところを全部集めて、あと民放局のBSハイビジョン放送をちょっとずつスロットを減らして実現しています。
詳しくチャンネルが移動した内容を示したものが下記の図になります。
テレビのBS局のチャンネル番号とBSchがあっていないと思いますが、これはBS衛星から発信されているチャンネル。トランスポンダのチャンネルで、それぞれ2つから3つの放送局をひとつにまとめてデジタル信号で放送しています。BSでは従来は民放局はひとつの局について24スロットをもらっていてこれでハイビジョン1chかSD放送3chのマルチ放送をすることができました。ハイビジョン放送では最大で1920×1080ドット、24Mbpsでの放送ができていたのですが、今回のチャンネル移動で16スロットに減らされているのがわかります。これにより1440×1080ドットでの放送しかできなくなります。
すでにもう移行しているので民放のBS放送は解像度が落ちて地上デジタル放送とおなじ解像度で放送されていることになります。NHK BS1も同様で1440×1080ドット放送になっています。NHK BSプレミアムのみ1920×1080ドットの放送が継続されていますがスロット数を見ると21.5スロットから18スロットに減っています。放送されるビットレートが下がるようです。
各局、4K放送はBSハイビジョン放送の延長線上にあるという考え方をしているので、もしかするとハイビジョン放送と同じ内容のサイマル放送があるかもしれませんが、より高画質に見たい、ということであれば、それだけでも4K BS放送を見る価値があるかもしれません。
そしてピンク色で区分けされた4K放送ですが、これがBS7chとBS17chに設定されています。この2chが受信できれば、今のBS受信設備だけで4K BS放送は受信できる、という話になるわけです。目安として「もっとも周波数が高いDlifeのチャンネルがテレビで見られれば4K放送も受信できますよ」という案内もあるのですが、それはBS23chが映れば17chも受信できているから、という意味があるわけです。
図を見ればわかりますがNHK BS1が隣のチャンネルにあるのでNHKが映れば、まぁ大丈夫、なわけです。
現在のBS放送が受信できていれば特にアンテナ設備を変更しなくても4Kテレビ+4Kチューナーがあれば4K放送を見ることができます。
なお、トランスポンダがすべて奇数チャンネルになっているところがミソで、右旋電波はすべて奇数チャンネルで放送されています。奇数チャンネルの間にある偶数チャンネルを使って左旋放送が行われます。
私も詳しい理屈は理解していませんが円偏波の違う放送をすることで周波数が密接していても混信せずに放送ができます。ただし、この電波をパラボラアンテナで受信して、同軸ケーブルにそのままの周波数で混ぜてしまうと周波数が近いため混信が起こる可能性があります。そこで偶数チャンネルの左旋円偏波の信号はもっと高い周波数に変調して同軸ケーブルに送り出すわけです。
そのため「左旋円偏波」が受信できるアンテナと、従来よりも高い周波数が扱える混合器、分配器などが必要になり、アンテナ設備をすべて入れ替えないと4K放送がすべて見られない、という話になるわけです。
左旋BS放送で送られてくるのはJ Sports 4KやWOWOW 4Kなどの有料放送とショッピングチャンネル、そしてNHKの8K放送になります。これらの放送を受信するためにはアンテナ設備の入れ替えが必要なのと、変調された高周波というのが問題になるのですが配線をすべてF型接栓にする必要があります。
使用される高周波というのが2.2GHzから3.2GHzになるのですが、間にWi-FiやBluetooth、電子レンジで使う2.4GHzをはさみます。左旋電波を変調した高周波をそのまま流して、アンテナ線や壁にあるアンテナ端子から電波が漏れてしまうとWi-FiやBluetoothなどに悪影響を与える可能性があります。
そのため電波漏洩が起こらないようにする配線が必要になり、テレビなどに接続するアンテナケーブルも上記のF型接栓にしなくてはいけなくなります。
これらの対策をせずに電波漏洩させると違法行為になってしまうので要注意。
なお、総務省ではこれらの工事について助成金を交付しています。「中間周波数漏洩対策事業」として6月8日から受付を開始しているのですが集合住宅については7月24日には申請を一時中止しています。なんでも申し込みが殺到して予算上限に近づいてしまったんだとのこと。
私が住んでいるマンションでは運良く、その前に申請をしていて助成金の交付も受けられたようで8月に工事を済ませています。この後、戸別に宅内配線も対策していくそうですが、交付された予算を世帯数で割ってみると1世帯につき7万円ほどの交付になる計算。さすが全部の配線を引き直すとなるとかなりの金額になるんですね。
戸建て住宅の助成金申請は引き続き受け付けているそうで、認可された登録業者さんに工事を申し込み、予算を出して申請してもらい、交付を受けてから工事をしてもらう、という流れになるようです。総務省のホームページで案内がありますので、こちらも気になる方はチェックをしてみてください。
☆社団法人 A-PAB「衛星放送用受信環境整備事業 中間周波数漏洩対策事業」について
さて、前置きが長くなりましたが、そんなわけで8月に工事を済ませたマンションでのBS放送の受信状況をチェックです。
まずはBS 15chです。これがNHK BS1が放送されているトランスポンダで24.3dBとばっちり放送がきれいに映るレベルで信号が来ていました。
BS 23chが右旋円偏波の一番高い周波数になります。Dlifeが入っているのがこのチャンネルで25dB以上になっています。
BS 7chを試してみました。これは右旋円偏波の4K放送のトランスポンダでBS日テレ4K、BSテレ東4K、BS朝日4Kが放送される予定です。レベルはLoとなっていて測定限界以下。まだ4K 放送はされていませんし電波の放送もないとこうなるみたいです。
BS 17chです。NHK BS4KとBS-TBS 4K、BSフジ4Kが入る予定。7月末まではここで4Kと8Kの試験放送があったのですが現在は試験放送も終了してなにも放送されていないそうです。
レベルはLoとなっています。
レベルチェッカーのモードを切り替えて左旋円偏波の偶数チャンネルもチェックしてみます。
左旋円偏波のチャンネルで使われるのはBS 8chと12ch、14chの3つのトランスポンダで、それ以外のチャンネルは現時点では空いているそうです。2chから調べていってみたのですが8chで6.5dBという微弱ながら電波を発見。まだ放送はないと思うんですが、もうなにかしら信号が出ているですかね?
調べてみると14chまでの4つのチャンネルで6dB前後の信号を受信できました。
放送予定はない10chも反応があるので、もしかすると左旋円偏波対応のアンテナに入れ替えられていて、混合器、ブースターなども設置されていてなにかしらの働きがあるのかも? というのも、まったくまだ何の対応もしていないうちのお店のBS信号ではなんの反応もなかったからです。
4K 放送が始まる12月1日になると、これもメーターが振り切れるほどの受信状態になっているですかねー。
あとは放送される番組情報が気になるところ。10月下旬になると具体的な番組名などもNHKから発表されるということですし、年末年始のテレビジョンなどの情報誌の発行があるので、そこで民放各局(日テレのぞく)の4K放送番組なども発表になるかと思います。
10月に入りましたので、放送開始まであと2か月です。放送開始が楽しみですね。BS放送の受信環境があり、4Kブラビアをお持ちの方は是非ご検討になってみてください。
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菅田孝之
2019年8月28日 @ AM 11:34
詳細な4K8K電波の解説ありがとうございました。
現在、フレッツTVにて4K放送を楽しんでいます。
8Kも電波は来ていると思いますがTunerと8KTVはありません。
スペアナで電波を観測すると、2954MHzの大きな信号が観測されました。これは、何の信号か判りますか?
上記のチェッカーにて、現在の電波状況の測定結果があると有難いです。
可能でしょうか?
tecstaff
2019年8月28日 @ AM 11:58
コメントありがとうございます。
チェッカーは借り物だったため現在は手元にありません。機会があれば再測定してみます。
2954MHzですが、詳細はわかりませんが帯域としてはCS4K放送で使われている帯域ですね。