【レビュー】超望遠G Masterレンズ『SEL400F28GM』体験レポート
9月上旬出荷となっていたG Masterレンズ7本目の『SEL400F28GM』を屋外で試す機会をいただきました。非常に短い時間でしたので、それほど枚数はありませんが「SAL300F28G」との比較撮影などもさせてもらってきましたので、紹介したいと思います。
■人気大爆発の146万円レンズ『SEL100400GM』
こんにちは、店員佐藤です。
ソニーストア価格:146万円(税別)のソニー“α”の最高額レンズを試させてもらってきました。9月上旬から出荷予定とアナウンスされていましたが、現在、ソニーの販売店向け商品データベースをみると発売日は2018年9月7日となっていますので、どうやら7日から出荷は始めまっていたみたいです。
受注生産のレンズとなっており納期目安としては7月12日までにオーダーされた方は2ヶ月以上、7月13日以降に受注確定された方は6ヶ月以上とアナウンスされています。
お客様からは「売れてますか?」と、よく聞かれるのですが当店ではまだ1本もオーダーをいただいていないので実際の納期目安などもわかりません。ただ、これだけの納期アナウンスになっていますのでメーカーさんの想定以上のご注文をいただいているのは間違いありません。納期が「2ヶ月以上」の後に「6ヶ月以上」と切り替わっているところをみると、当初見込んでいた数以上にパーツが必要になり、そのパーツの生産納期がかなりかかるということなんだと思います。蛍石レンズなど、特殊なパーツをふんだんに使っていますので急な量産は効かないんでしょうね。
製品が発表された直後にソニーショールーム/ソニーストア銀座にて、期間限定で展示されたことがあり、当店でもその際にレポートをお届けさせていただきました。
☆当店blog「『SEL400F28GM』ソニーショールーム/ソニーストア銀座で先行展示スタート」
どんなに写りの良いレンズでも価格が価格だけにおいそれと購入する事はできないレンズですが、ソニー“α”の技術をすべて注ぎ込んだレンズになります。ソニー”α”初のファンクションリング搭載や4カ所のフォーカスホールドボタン、動体撮影時に使うモード切替でも初の「モード3」搭載など目新しい物満載です。
機能紹介や製品についての解説はショールームでのレポートをご覧いただくとして、ここでは実際の使用感を中心にご案内したいと思います。
今回は体験比較と言うことで「SEL400F28GM(写真左)」の他にAマウントレンズの「SAL300G28G(写真左から2本目)」や「SEL100400GM(写真右から2本目)」なども用意して比較してみました。
軽い、軽いと評判の「SEL400F28GM」は重量は世界最軽量の2,895gを実現しているのですが、持った感じはもっと軽くなります。
重量のあるレンズを手前に配置することで、振り回した時に遠心力がかからず取り回しが楽になる工夫がされています。
レンズ構成図を見ても前玉は1枚のみ。中央部分に使われている蛍石レンズも軽量化に一役買っているんだとか。
蛍石レンズが使われるのはEマウントではSEL400F28GMが初めてとなります。色収差を抑える働きがあり、軽いレンズなんだそうですが、素材としては柔らかいレンズで加工しにくいんだとか。加工しにくいということもあり、価格が高くなるのが欠点。
そういえば、先日観戦しに行ったラグビーの試合でもプロのカメラマンさんがいましたが、プレイエリアに合わせて常にフィールドを移動し続けていました。選手並みにフィールドを左右へ行った来たりしていましたが、あれだけの大口径レンズ&カメラですので、相当な負荷になると思います。
単に高いだけのレンズではなく、こうしてフィールドでの実際の撮影を想定して徹底した軽量化をしているんでしょうね。
とはいえ、サイズは大きくレンズフードまで装着するとかなりの長さになります。SEL400F28GMには専用のストラップがつきます。
G Masterのロゴが入ったストラップで、SEL400F28GMのレンズ筒に専用のストラップホールがつきます。ストラップホールに通す部分のベルトは“α7”の三角環よりもさらに太い物で15mmほどあります。肩部分も厚めのクッションが入っており、扱いやすさを考えられた作りになっていました。
■『SEL400F28GM』で撮ってきた新幹線
実際の試し撮りでは新幹線の撮影が数回できましたので、その写真を数枚ですが紹介したいと思います。
“α9”+SEL400F28GM F2.8 1/2000 ISO100
400mm F2.8の世界です。F2.8絞り開放で撮っています。すごいですねー。かなり距離の離れている被写体なんですがこの距離で被写界深度の浅さが出てミニチュアフォトみたいな撮り方ができます。
晴天の屋外での撮影ではありますが、シャッタースピードも1/2000まであげられます。スポーツ撮影で被写体を写し止めなければいけないシーンでは重宝するでしょうね。
この感動は、以前、一時的に借りて撮らせてもらったAマウントレンズの「SAL300F28G」に通じる物があります。あのときは多摩動物公園での撮影会だったと思うんですが、被写体がバッチリと浮き出てくる感じにビックリしました。
ちなみにLA-EA3を装着して撮影した「SAL300F28G」の写真もあります。
“α9”+SEL300F28G with LA-EA3 F2.8 1/1600 ISO100
重量感の違いを味わうために撮ったカットになるのですが、そうだ、思い出しました。多摩動物公園での撮影時も、レンズの重さに閉口したんでした。
SAL70400G2までは使った事があって、これも使い始めは重さを感じるのですが、使っているうちに段々慣れてきて、重たいレンズでも持ち方を工夫することで1日使い続けられる持ち方を身につけることができていたんですが、SAL300F28Gはそれを超える重量感だったんでした。
SAL300F28Gのオーナーさんは「大丈夫、そのうち慣れる~」と、笑っておっしゃっているのですが、もしかするとこうした重量バランスを知ってて持ち方を工夫されていたのかなー。
“α9”+SEL400F28GM F2.8 1/4000 ISO100
装着しているボディは最強AFモデルの“α9”です。秒60回の測距をしているモンスターカメラですので、出発したばかりの新幹線をAFで外すことはまずないのですが、すごい解像感です。無茶苦茶シャープです。
若干フォーカスがずれてしまっていますが右下にある非常用ボタンなど、文字が読めそう。ここまで映っちゃうと怖いくらいです。
“α9”+「SEL400F28GM」の組み合わせで使う時のみ利用ができる新機能もあります。それが「AF時絞り駆動」という機能になります。
EVFを搭載し撮影前に仕上がりに近い映像が見られるミラーレスシステムの特徴で、絞り込んだ時、絞りを開いた時に、実際に撮影される被写界深度の深さでプレビューしながら撮影ができるというのがあるんですが、スポーツ撮影の流し撮りの際に、これが裏目に出ます。
流し撮りをするためにシャッター速度を遅くして絞りを絞り込むんですが、“α9”の場合、像面位相差AFが使えるのは絞りF11まで。それよりも絞っているときはコントラストAFしか働きません。一般の一眼レフカメラではAFを利用する際は絞り開放にしており、撮影時にだけ設定した絞りにするため問題が起こらないのですが、プレビュー表示をするミラーレス一眼ならではのウイークポイントです。
絞りF11まで開かないと高速に働く位相差AFが利用できないんです。通常は。
“α9”+SEL400F28GMの場合は「AF時絞り駆動」を利用することで、デジタル一眼レフと同じ働きをして、ライブビューで見ているときはF11まで絞りを開いて像面位相差AFを利用。シャッターを切ったときだけ設定された絞り値に変更する、ということをしています。
これにより流し撮りのために絞り込んだ時も像面位相差AFを利用し続けることができるというわけです。
“α9”+SEL400F28GM F22 1/15 ISO100
それほど動きの速くない出発したばかりの新幹線ですので、その恩恵を感じる事ができないのですが、確かに数年前に行ったレッドブルエアレースで、コントラストAFだけで撮影したら飛行機が全然撮影できなかったのを思い出しました。
SEK400F28GMの操作ボタンです。モード切替は流し撮りなどの動体撮影の際に切り替えるスライドスイッチです。通常はモード1にしておけば大丈夫なんですが、流し撮りの際は「モード2」にすることで流している方向だけは手振れを補正せず、横方向に流しているときは縦方向だけ補正をかけてくれる機能になります。
これを使ったのと使わないのとでは写真の仕上がりに雲泥の差が出ます。
いつまで経っても流し撮りに慣れない私が撮ると縦方向に波打った写真しか撮れないのですがモード2のスイッチを使うだけでスカッと直線にしてくれますからね。縦方向、横方向の90度だけしか使えない物と思っていたら、斜め後方でも流し撮りのブレを吸収してくれることを今回は発見しました。
“α9”+SEL400F28GM F2.8 1/800 ISO100
最短撮影距離は2.7mになります。さすがに小物を撮ったりするテレマクロ的な使い方は難しいと思いますが焦点距離400mmとF2.8の開放絞りならファンタジーな写真が簡単に撮れそう。
上記の写真ですが当店Flickrでご覧いただければ、SAL300F28Gとの比較写真などがご覧になれます。ご興味ある方はご覧になってみてください。
以上、新型レンズ「SEL400F28GM」の実機レポートでした。
購入に際しての注意点ですが、お届けまで6ヶ月以上かかる見込みとなっています。また、こちらのレンズはソニーストアの「αあんしんプログラム」の対象外製品となっています。
他のレンズであれば、ソニーストアの会員サービスである「αあんしんプログラム」に加入したあとに会員専用ページから購入することで「3年ワイド保証」が無料でついてきますが、こちらのレンズは対象外製品となっていて、3年ワイド保証は+73,000円、5年ワイド保証ですと+146,000円で加入することになります。
AV商品10%割引きクーポンなどはご利用いただけますので、割引クーポンを最大限活用してご購入いただくのがベストとなります。クレジットカードをご利用になる場合も一般カードの限度額を上回る可能性があり、さらに納期が半年以上かかるため、決済した後に与信額が半年以上利用できなくなります。(ソニーストアでは注文時に決済をしますが、実際に決済されるのは納品時となります。)SEL400F28GM購入専用のクレジットカードを用意する必要があるかもしれません。
高額カメラボディ、レンズには設定がある「残価設定クレジット」についてもこのレンズについては設定がありません。通常の24回払い分割手数料0%のキャンペーン利用は可能なので、こちらを利用するとAV商品10%オフクーポンを使った上で月々59,000円のお支払いで購入いただけます。
クレジットカードではありませんが、ソニー銀行のVISAデビットカード「Sony Bank WALLET」を利用すると支払い額を3%オフにすることができます。現金で用意ができてすぐに支払いができるようでしたら口座開設、Sony Bank WALLETカードの発行は無料ですみますので、こちらを準備されると良いかも思います。レンズ本体額がすごいので3%オフでも4万円以上のオトクになります。
実際のご購入の際は、是非当店店頭にてご相談ください。
デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL400F28GM |
ソニーストア価格: 1,460,000円+税 |
|||
発売日 | 2018年9月上旬 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:146,000円 3年ワイド/5年ベーシック:73,000円 3年ベーシック:無償 |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 店頭購入特典あり(10/1~) |
差し込み式円偏光フィルター VF-DCPL1 |
sソニーストア価格: 39,630円+税 |
|||
発売日 | 2018年12月下旬 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 店頭購入特典あり(10/1~) |
☆当店blog 2018.7.20「『SEL400F28GM』ソニーショールーム/ソニーストア銀座で先行展示スタート」
☆当店blog 2018.7.3「超望遠Gマスターレンズ『SEL400F28GM』先行予約販売開始」
☆当店blog 2018.6.28「“α9”ソフトウェアVer.3.00アップデートでSEL400F28GM対応&機能アップ」
☆当店blog 2018.6.28「大口径超望遠レンズGマスター『SEL400F28GM』国内向けプレスリリース」
☆当店blog 2018.6.28「ソニーUKにて『SEL400F28GM』がニュースリリース」
☆ソニー銀行『Sony Bank WALLET』のご案内はこちらから