35mmフルサイズ コンパクトカメラ『DSC-RX1』スペシャルトークショー
3月24日(日)に35mmフルサイズコンパクトカメラ「DSC-RX1」スペシャルトークショーが開催されるとのことで、行ってまいりました。
2部構成になっていて第一部は「プロカメラマンが語る RX1の魅力」とのこと。
まずは第一部のプロカメラマン桃井一至さんのお話からレポートしたいと思います。
ちなみに開催場所は今回はいつもの銀座ソニービルショールームではありません。ソニーストア大阪での開催とのことで大阪まで日帰りの旅で行ってきました。
最近大阪に来たのはいつだったかなぁ。。。と、思い出してみると、2009年にトワイライトエキスプレスに乗るためにやってきているんですが、時間がなくてソニーストア大阪に立ち寄ることはありませんでした。
ソニーストア大阪にお邪魔したのは2005年お正月のオープン直後以来。なんと8年ぶりのソニーストア大阪訪問でした。あのときはソニーストア限定発売のVAIO type Tカーボンモデルの発表直前のこと。懐かしいです。
ソニーストア大阪は「ハービスエント」というブランドショップが入った超高級ビルの一角にあるんです。
店構えも高級店そのもの。以前やってきたときは「ソニースタイル・ストア」でしたが、現在はロゴがSONYになっています。
店頭にはこんな風にα cafeのマンスリーフォトコンの入賞作品の展示もありました。銀座ソニービルショールームと一緒ですが、ここの方が人通りは絶対に多いですよ。
中は銀座ソニービルショールームに入っている、ソニーストア銀座のフロアがそのままどばーっと広くなった感じです。ソニーストア銀座はソニーストアの限定販売製品を中心に展示をしていますが、そのままソニー製品も延長して置いてある、というイメージ。
総床面積を考えると、おそらくビルの4フロア分を使っている銀座ソニービルショールームの方が広いはずですが、ひとつのフロアで全部見渡せるところにソニー製品全ジャンルが飾ってあるというのは一体感が合って良いかも。
そうだ、思い出しました。お台場にあったソニースタイルショールームもこんな感じでしたね。
そして、その一角にカメラコーナーが集まられていて、スペースを作って、ここで今回のトークショーを行うようです。形としてはαコミュニティ銀座みたいな感じです。
私は10時半に到着して11時の開店と同時にお店に入っていたんですが、すでにトークショーの開催をお待ちになっている方がちらほら。
発売からすでに半年経っていますが、35mmフルサイズセンサー搭載のサイバーショット「DSC-RX1」人気の高さがうかがえます。
さて、そのサイバーショット「DSC-RX1」のプロカメラマントークショーですが、私はこれで4回目の参加になります。最初は小澤忠恭先生の発売前のトークショーで見させてもらったのが最初。
☆当店blog 12.9.15「ソニーデジタルイメージング新商品体験会 in 銀座ソニービル」
下町写真散歩というようなテーマで身近なものを撮影してこられていたんですが、この時はボケのきれいさ、フォーカスがあっているところのシャープな描写など、次々と「このカメラを使うとこんなに写真がきれいに楽しく撮れるんだぜ!」というのをガンガンアピールされていました。
まだこの時はショーケース展示だけで、誰一人、実機を手にすることができず、もう、ただ羨ましく見させてもらっていただけ。
2回目の体験はCP+2013で、三好和義氏の「RX1で撮る日本の楽園」でした。
沖縄竹富島での楽園風景でとにかくきれいにシャープに映るRX1の画質をこれでもか!という状態で堪能させていただきました。
☆当店blog 13.2.6「三好和義氏セミナー映像 RX1で撮る日本の楽園」
カメラの性能もさることながら、CP+2013会場ではハイビジョンの4倍の解像度を誇る「4Kブラビア」を使っての写真展示をしていて、RX1ご自慢の解像感のすごいこと、すごいこと。
4K解像度の高さに驚き、さらにそれを使って表示される画像がこんな小さなRX1で撮られた写真だということで2重の驚き。ボケの美しさとかではなく、とにかくその解像感の高さを目の当たりにしました。
そして3回目は広田尚敬氏の鉄道旅の様子を紹介してもらう、やはりこれもCP+でのトークショーです。
☆当店blog 13.2.6「CP+ 2013 広田尚敬氏セミナー映像 広田尚敬が語るRX1の魅力」
DSC-RX1をモーツァルトにたとえて、優しく、楽しく、そしてややクラシカルだけど幅広い支持をしてもらえるカメラとして、伊予鉄道をはじめとする鉄道旅を通してのカメラの楽しさを伝えてくださっていました。
一番楽しそうな話が広田氏のトークショーで、RX1の35mm単焦点レンズ1本でここまで撮ることができるのか。。。広田氏に挑戦ではないんですが自分でもこんな写真が撮れるのか試してみたい!って思わせてくれるトークショーでした。
蛇足ではありますが、先日、ショップ店頭でのセミナー用に資料が送られてきて、主にWindows 8の店頭でのミニセミナーのための資料だったんですが、ついでみたいな感じで写真データの作例もいくつか届いているんです。
「花」とか「ポートレート」とかの被写体別にたくさんの写真データが入っているんですが、その中に
「鉄道」というフォルダがあって、それを開いたら、まさに広田氏のトークショーの時の写真が全部入っていたんです。全部というか、トークショーでは使われていない写真もたくさん入っていて、広田氏がどんな旅をされて、プロの鉄道写真家がどんな写真を撮って歩かれているのかが、ここから全部読み取れるんです。
すごい素敵なプレゼントで写真の好きなお客様がお越しになると店頭でこっそりとスライドショーにしてご覧いただいています。
残念ながらEXIFデータは抹消されているので、どんな設定で撮影をされているのかまではわからないんですが、当店の宝物コレクションなんです。
こんな話を半年かけて聞いてきてサイバーショット「DSC-RX1」についてはもうかなり頭でっかち状態。発売時からソニーさんに実機を一度貸してください!ってお願いしているんですが、半年経った今でも人気があるようで、お借りすることができないということもあって、妄想もかなり膨れ上がっているんですが、さて、今回はどんなトークショーになるんでしょう。
今回、トークショーで語ってくださるのは桃井一至先生です。テレビ、雑誌などでお見かけすることも多い桃井氏ですが、α99のカタログではジェットスキーの作例を掲載されているなどソニーを始めて多数のメーカーさんで活躍されているプロカメラマンさんです。
α99などのトークショーはされていたみたいですが、私の知る限りサイバーショット「DSC-RX1」のトークショーをされるのはこれが初めて。
どんな作例を見せていただけるのかわくわく。
まず最初はどのプロカメラマンさんもそうですが、解像感の高さ、特にレンズ周辺部までしっかりと映る画質の良さを話されます。
レンズの中央部分が写りが良いのは当たり前としても、画像の一番端の部分を拡大して、ここまでしっかりと映るカメラは他に見たことがないかもしれない、とのこと。
これはマクロ撮影の作例。ワイヤーの束を撮影しているんですが、サイバーショットRX1には、マクロモードが搭載されていて、リングを回すとレンズ全体が前に繰り出して近接撮影ができるようになります。
ノーマルで30cmが最短撮影距離になるところがマクロモードでは約20cmになります。無限遠が撮れなくなり最長撮影距離も35cmまでと制限されてしまうんですが、これがRX1のマクロ撮影の方法。
マクロ撮影にすると被写界深度という、ピントが合っているように見える範囲が狭くなるので絞りをF8まで絞っています。するとシャッタースピードも1/20秒まで遅くなるので、これはぶれないようにしっかりとカメラを固定して撮影しているとのこと。
カメラの説明書には「太陽にカメラを向けないでください」という一文が入っていると思います。強い光のあるところにカメラを向けて、そのままにしているとセンサーが太陽の光で焼けてしまい、影響が出る可能性があるので、そういう注意をしているとのこと。
で、どうしてもこういうシーンを撮る必要があるときは、あらかじめ予想できる設定にしておいて、なるべく短時間で撮影してしまうのがコツ。
この場合は絞りをF16まで極端に絞って撮影をしています。絞りを極端に絞ると太陽にはこうして「光芒」という光の筋が長く伸びる現象も起きて、これで強い日差し、という雰囲気を演出することもできるそうです。
そして、こうして光源が画角に入っているとフレアやゴーストといったレンズ的な悪影響も出やすく、この写真も良く見るとビルの陰の部分にうっすらとゴーストが見えるそうですが、比較的そういう影響には強いカメラだったとのこと。
さて、そろそろお気づきの事とは思いますが、今まで開催された過去のRX1トークショーではDSC-RX1で撮影した作例を次々と見せて、カメラの性能の高さを伝えてくれていたんですが撮影データなどは公開されていなかったんです。
桃井氏の今回のトークショーでは撮影データがすべて公開になっているどころか、カメラの特徴を表現するような写真作例を次々と見せてくれつつ、それをどうやって設定すれば同じものが撮れるのか1枚1枚解説してくださっているんです。
これはRX1をお持ちの方にはうれしいトークショーなのでは!? ちなみにトークショーの開始時点で参加者の方にDSC-RX1をすでにお持ちの方はいらっしゃいますか? と、やったら2~3割の方が手を挙げられていました。
DSC-RX1って248,000円もするカメラなんですよ。それがこれだけの確率でお持ちの方がいるって、すごいトークショーです。
絞りF2.8に開いた写真です。フルサイズセンサーはよりボケを作りやすいレンズで、ピントが合っているところはどこまでもシャープ。そこから距離が離れるごとに大きくぼけていく様子を解説してくださっています。
橋の名前はわかりませんが、これは隅田川にかかっている橋でしょうか? 私もこの下を歩いたことがあります。
空の色が印象的な写真ですが、こうした写真を撮った時も画像の四隅だけが光量が落ちていることもありません。電気的に補正をしているというのもあるんですが、昔のフィルムカメラとの違いを意識してそういう説明をされているのかも。
露出補正を-1.0EVまで下げて撮られた作例。これは車のフェンダーなんだそうですが、写したいのは光の形だったそうで、そういう場合はこうした極端な設定にすることもあるんですね。
サイバーショットDSC-RX1にはピクチャーエフェクト機能も搭載しています。まさかDSC-RX1でトイカメラモードを使おうとする方は少ないかもしれませんけど「ハイコントラス
トモノクロ」とかはRX1向けのエフェクトですね。
本来は滑らかになるはずのグラデーションが力強いものになっていて、荒々しい雰囲気の写真になっています。
なるほど、コントラストの高いシーンではそれに追従することもできるし、逆にコントラストの少ないシーンではこうしてメリハリのある写真にすることもできると。
スイングパノラマ撮影の作例も登場。まさにDSC-RX1の全機能を説明するような作例です。
本当はこういう明暗のあるシーンはスイングパノラマには向かないこと、さらにあまり近景などを入れず、遠景だけでそろえるのがうまく撮るコツなんだという説明もしてくださっていました。
さらに太陽がこうして真ん中に入っているのもポイントで、スイング撮影のスタート地点を覚えておいて、試し撮りしてからどれだけずらせば太陽がセンターに来るのか計算しながら撮影する必要があるんだそうです。
要するに、この作例は簡単には撮れないよ。でも、ちゃんと調整をすれば撮れる写真ということで、やはりすごい作例を見せてRX1ってすごいだろ!だけではなく、すごい作例を撮れるようにしてあげる解説付きのトークショーになっているわけです。
改めてここで写真撮影でのボケの作り方を解説。絞り数値を小さくする、被写体に近づく、背景と離れる、そして「望遠にする」というのが4つのボケ作りの原則なんですが、そうなんです。RX1では望遠ズームができません。
よってデジタルズームを使ってしまいがちですが、デジタルズームは電子的にトリミングしているだけなので、ボケ量は変わらない、という注意をしたかったようです。
写真のハウツー本を読むと絶対に出てくるのが「絞りとシャッタースピードの関係」、それと被写界深度というピントがあって見える範囲の話。
ここでは、その被写界深度の解説をしてくださっています。
人間の目は都合よくできていてピントが少し外れていてもピントが合っているように見えてしまうんです。ですが、カメラ的にはピントが合っている範囲というのはなく、ピントが合うのはただ1点のみ。
その前後にピントが合っているように見える範囲がありこれが絞りを絞ることによって増えていくということを語っています。
それを受けての前ボケ、後ろボケの解説です。
こうすることにより撮影者が意図的に写真の主役をこれだ、という演習ができます。普通のコンパクトカメラと、フルサイズセンサー搭載サイバーショットとの大きな違いのひとつです。
3Dテレビではありませんが、まるで浮き出ているように見える、そんな演出ができます。
そして最後になってやっと絞り開放(絞り数値が一番小さい)の作例が登場。
そうそう、あまり性能の良くないレンズとかだと、絞り開放にするとレンズのクセが出やすく、弱点も目立つため絞り開放の作例が出てこなかったりするみたいですが、これはそんなことないよなぁ、と、思っていたんですが、なるほど、最後の最後に登場するんですね。
フォーカスが合って見える範囲はすごく狭いんですが、この場合はグラスの水面が氷結しているところにピントが合っています。あとはホワイトバランスを電灯モードにしてブルーにしているようでクリアーな写真になっています。
で、普通はあまり失敗写真を見せることはないんですが、この後にもう一枚写真を見せてくれていて、それはグラスの表面にピントが合っているもの。そうするとグラスの表面にあるすり傷みたいなものが見えてしまって、全然、クリアではなくなるんです。
35mmフルサイズセンサー+絞り開放F2.0の世界ってこういうものなんですね。
こちらも絞り開放の作例。たぶん、これは自分の目で実際に見るよりもきれいな風景に見えるはず。と、おっしゃっていました。
そうか、マクロ撮影の写真とか、あとは超望遠レンズでの作例とか、人間の目では見えない世界の写真って人の目を引くものが多いんですが、絞りがここまで開いた写真というのも普段の人間の目では見えない世界なんです。
やっぱりいいなぁ、RX1。
クライマックスの絞り開放写真を過ぎてもまだ続いて、この後は最後のセッション。ISO感度3200の作例です。
ここでもフィルムカメラとの比較で話をされていましたが、フィルムカメラの世界にはISO3200なんてありえなかった、それが今はこうして普通に使えてしまう、という説明です。
これは恵比寿ガーデンプレイスかな? こんな夜景のスポットがあるんですね。ここではISO12800の作例を用意してくれています。
マルチショットノイズリダクションという6枚の連続写真を撮影して合成することによりノイズを軽減する機能も搭載しており、これを使うと2段分くらいのノイズ軽減ができるとのこと。
ちょっと時間オーバーをしまって最後はちょっとだけ駆け足になってしまいましたが、これでトークショーの第一部は終了。
その後もしばらくお客様との質問コーナーでRX1についていろいろ語ってらっしゃいました。
さて、いろいろお話を聞いて、ソニーストア大阪にはDSC-RX1の展示機もあります。これでちょっと試したいことが早速ありました。
実は私、DSC-RX1気分を味わうべく、NEX-5Rにカールツァイス「SEL24F18Z」を装着して持ってきているんです。同じカールツァイスレンズということと、焦点距離もAPS-CセンサーのNEX-5Rで使う場合、35mm判換算で36mm相当になるため、DSC-RX1の35mmとほぼ互角なんです。
絞りについてはRX1がF2.0に対して、こちらはF1.8まで開けます。それでも35mmフルサイズセンサーの方がボケ味って大きくなるんですかね!? 一度比較してみたかったんです。
まずはNEX-5R+SEL24F18Zで、ソニーストア大阪さんの照明を背景にして点光源ボケを作ってみました。
こちらはDSC-RX1で同じように点光源ボケを作ってみるんですが。。。むむ、RX1の方がなんか背景のボケ、大きいな。。。それよりも、なんかこの背面のモニターで見るサイバーショットDSC-RX1の画像が妙にきれいというか、NEX-5Rよりも明らかに何かが違ってて鮮やかに見えます。
なんだ!? この違いは!?
という、謎を残しつつ、トークショーは第2部の開発者トークショーに続くのでした。
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☆当店blog 13.2.6「広田尚敬氏セミナー映像 広田尚敬が語るRX1の魅力」
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☆当店blog 12.10.19「『DSC-RX1』当店オーダーレポート」
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★ソニーストア「じっくり聞いて、触れて、実感する カメラ・レンズ体験イベント」
※イベントはすでに終了しました
mae_n1623
2013年3月25日 @ PM 6:33
昨日はお疲れ様でした。 午前の部は参加できなかったので、貴重なレポート記事を読むことができてありがたいです。 作例はやっぱり生でみたかったなあ。
店員佐藤
2013年3月25日 @ PM 8:34
♪mae_n1623さん、こんにちは。
昨日はお声掛けいただきありがとうございました。
知っている方がいらしてとてもうれしかったです。
なんでしょうね。こういうトークショーも現場で
お話をうかがうのと、モニターを通しての話だと
ちょっと違ってきますね。
私も大阪までお邪魔してきた甲斐がありました。
Noir
2013年3月25日 @ PM 8:42
橋の名前は中央大橋です☆
店員佐藤
2013年3月26日 @ PM 12:32
♪Noirさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
駅からハイキングとかで何度も歩いて渡っているんですが
全然覚えなくて。(^^;)
リバーサイドウォーキング、いつか天気の良いときに
やって、橋の名前をはじから全部覚えてきます。