【レビュー】『SEL400800G』レンズの実機イベント展示レポート
3月4日(火)予約販売開始、3月19日発売、想定市場価格:約41万円前後(税込)の超望遠ズームレンズ400-8000mm F6.3-F8の「SEL400800G」がCP+2025及びソニーストア店舗にて展示を開始しています。
「CP+2025」にて拝見させてもらってきましたので、実機の様子を詳細レポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
ソニー”α”レンズで初めての焦点距離800mmという超望遠ズームレンズが登場しました。従来のSEL200600Gに1.4倍テレコンを装着すれば撮影出来る焦点距離ではありますが、F8で撮影ができるというメリットがあるのと、SEL400800G自体もテレコンバーターレンズ対応になっているので、最長で1600mmでの撮影ができるというレンズになります。
ここまで長い焦点距離になると被写体も絞られてきますが、野鳥撮影をされている方にはかなり魅力的に見えるはず。
実機の様子をレポートしていきたいと思います。
まずはレンズフードを装着した状態から。CP+2025のソニーブース会場でのハンズオンでは望遠レンズ撮影コーナーに三脚固定された状態で、レンズフードも装着されていない状態での展示になっています。こちらは各種ボディ&レンズを見せていただけるカウンターにて出していただいて試させていただいています。
SEL200600Gもそうですが、レンズフードを装着するとサイズ感が一気に1.5倍くらい大きくなった様に感じてしまいます。(^^;)
こちらはSEL400800GとSEL200600Gを並べていただいたところです。焦点距離が600mmから800mmに3割も増えているんですが、サイズはさほど長くはなっていません。外観上はSEL200600Gから1割増しくらいになった感じです。(実際には8%増) 重量も1割ちょっと増えるくらいになります。
レンズフードを外して並べたところがこちらです。SEL400800Gが全長346mmで、SEL200600Gが318mmになります。
SEL100400GやSEL70200GM2くらいなら普通のカメラバッグに収納できるサイズなんですが、このクラスの超望遠ズームレンズになると、専用のカメラバッグを用意する必要があります。
※写真左はSEL300F28GMのケース 写真右はSEL200600Gに2倍テレコンを装着した図です。
メーカー推奨ではありませんがSEL300F28GMのレンズケースの底のクッションを抜くとSEL200600Gも収納できます。大体の長さを合わせるように2倍テレコン(約26mm)を装着したSEL200600Gで試したところ、本当のギリギリでなら収納できました。
かなりキツキツなのでオススメはしませんが、SEL200600Gから買い換えられることを検討されている方の目安になれば幸いです。
軽量化を実現しながら十分な強度を備えたエンジニアリングプラスチック製を採用した新設計のレンズフードが同梱になります。「フードの内側にも植毛を施すことで、高い遮光効果も実現しています。」となっていますが、毛の長さはほとんどなく黒塗装なのかと思えるくらい。
屋外で使われることが多いレンズなので、この方が汚れが付きにくくて良いかもしれません。
またフードの先端は黒のシリコンっぽい塗装がされていて、これが滑り止めみたいな効果を生み出します。フード先端を下にしてテーブルなどに置いたときに滑らないようにデザイン的な配慮がされているようです。
Gレンズとしては初めてだと思うのですが、ねじ込み式ではなくロックボタン式になっていて、G Masterレンズの様な脱着を行います。
レンズフードがかなり大きいので、確実に止められるようにする工夫なんでしょうね。
円偏光フィルターや可変NDフィルター装着時に操作がしやすいよう、フィルター操作窓も搭載。正しい向きにフードを装着するとレンズの下面に窓がくるので、操作しやすいところに窓が配置されます。
レンズ本体を見るとスイッチ類にふたつの違いがあります。ひとつは「フルタイムDMF」のスイッチが増えたこと。これはオートフォーカスで使っている時にフォーカスを被写体を見失ってもフォーカスリングをユーザーが操作することでフォーカス位置を自由に変更できる機能。
野生動物を撮影しているときに手前にある枝などにフォーカスが来てしまっても、フォーカスリングで送ってあげればすぐにマニュアルフォーカスで追従して、被写体をカメラが見つけたらまたすぐにオートフォーカスに戻る、ということができます。
近年発売された”α”ボディにはカメラ側にも機能が搭載されていてどのレンズででもDMFが使えるのですが、それに対応していないカメラボディでもDMFが使えるようになります。
それとフォーカスレンジリミッターの距離設定がSEL200600Gから変わっています。
![]() |
SEL200600G | |
全域モード | FULL | FULL |
近距離専用モード | 10m~NEAR | 10m~NEAR |
遠距離専用モード | 無限遠~8m | 無限遠~10m |
.
SEL200600Gでは距離レンジを10mを境にして手前用と無限遠用で使い分けるのですが、SEL400800Gでは遠距離撮影時に10mからではなく8mに変更されています。
これにより8m~10m近辺の被写体を撮影する際は全域を使うしかなかったものが、遠距離モード、近距離モードのどちらかに設定をすることができます。
最短撮影距離も短く作られていて最短撮影距離1.7m(ワイド端)、最大撮影倍率0.23倍を実現。表現の幅をさらに広げます。
フォーカシングレンズのアクチュエーターにはリニアモーターを2基搭載し、動きの速い被写体を逃さない高速・高精度・高追随かつ静粛なフォーカシングを実現。α9 IIIの最高約120コマ/秒のAF/AE追随高速連写にも対応し、ズーム操作中も追随し続けることで重要な一瞬を逃しません。
なんだ、XDリニアモーターは搭載してないんだ、という方もいらっしゃるかもしれませんが単焦点の大口径レンズでは重量の大きなフォーカシングレンズを動作する必要があり大トルクのモーターが必要になるのですが、SEL400800Gは軽量なフォーカシングレンズを使っていて、そこまでのトルクは必要なく、リニアモーター2基で動作させている、ということなんだと思います。
実際の野生動物などの撮影で試したわけではありませんがAFが遅い感じはなく、それどころか400-800mmという焦点距離のレンズとは思えない、爆速感のあるAFが体感できます。(SEL200600Gも速いですしね)
三脚座は固定式で取り外しはできない、という仕様になっています。
このサイズのレンズ、焦点距離だと手持ち撮影をするケースは多くなく、ほとんどが三脚や一脚に固定して使われることになると思います。
SEL200600Gをはじめ、SEL100400GMやSEL70200GM2などは取り外し可能な三脚座になっていますが、より高い安定性を提供するためSEL300F28GMと同様に固定式になっているとのこと。
なお、下からみるとネジは見えるので、これを回せば取り外しをすることは可能そうです。
インナーズーム機構になっているため800mmのテレ端にしてもレンズの全長は変わりません。また、ズームリングですが400mmから800mmまでの回転角は90度ないくらいの狭い角度で操作できます。
ズームリングを握り直さなくてもワイド端からテレ端にスピーティーに移行できます。
野鳥や野生動物などの被写体を探す際に、ワイド端で場所を確認してからテレ端の800mmにズームして撮影する、というのが快適に行えるのはSEL200600G同様です。
SEL100400GMと比べると、軽く回せるので長時間の撮影とかでも楽にこなせそう。
レンズ構成は19群27枚で、比較的手前側にレンズが配置されているので、これもソニーの最近の望遠レンズ同様に扱いやすそうな感じがします。
超望遠域で発生しがちな色収差などの諸収差を、ED(Extra-low Dispersion)ガラス6枚を含むエレメントの効果的な配置により抑制。加えて、フレア・ゴーストも効果的に抑制し、球面収差を最適化することで、Gレンズならではの自然でやわらかなぼけ描写が可能になっています。
非球面レンズの採用も少ないのが特徴です。
参考までにCP+2025のソニーブースで撮影してきたショットで800mm望遠の威力をご覧ください。
まずは望遠レンズ撮影コーナーからポートレート撮影コーナーを狙って撮影してみます。
これは焦点距離400mmでノートリミングで撮影したカットです。あまりにも寄れてるので、これで800mmだと思っていたら、400mmでした。
こちらは等倍拡大したものです。800mmのものを掲載したかったんですがすみません。これは400mmです。
しかし、この解像度、ヤバイですよね。等倍にして、こんなに写っちゃって良いんですか!?
こちらはブースの天井に設置されていた青い鳥です。照明もないので暗いのですが、これを狙ってみます。なお、これを撮影したのはSEL2070Gの焦点距離70mmの写真です。
赤い丸囲みのところに野鳥がいます。
400mmで撮影したモノがこちら。やや離れたところにいる野鳥を撮影するときって、大体こんな感じですよね。
野鳥撮影は焦点距離が長ければ長いほど有利で、400mm程度だと近寄らないと撮れないイメージです。で、野鳥はすぐに逃げて行ってしまうので、なかなか撮影が難しいんですよね。
テレ端の800mmにしたものがこちら。
野鳥観察のコツは、野鳥を見つけたら近寄らないで逆に遠ざかりながら身を隠す、ことなんだと、野鳥の会のイベントで教わったことがあります。焦点距離が長くないとそういうことはできないんですよね。800mmあると、ここまで寄った撮影ができるのかー、というのを体験出来ます。
さらに! 4本あるSEL400800Gのうち、1本には2倍テレコンがついています。これに当たったらラッキー♪ 1600mmでの撮影体験ができますよ。
2倍テレコンを装着して1600mmで撮影したものがこちら。これなら野鳥を見つけたときに後ろに下がりながら身を隠すことができますね。
なお、ここは照明が当たっているわけではなく、ISO12800まで感度を上げて撮影しています。それでもピントバッチリ。
いやー、1600mmの威力はすごい!
初日のソニーブーススペシャルセミナーは5講演を拝聴させていただきました。新レンズのことをお話しされる方が続々と登壇されるかと思いきや、私が受講させていただいたスペシャルセミナーの中で登場したのは山田芳文氏の野鳥での作例のみでした。
現在、ソニーさんがアーカイブでYouTubeにて公開していて、そのときの様子がもう見られます。23:28あたりから「SEL400800G」の作例が登場します。
ちなみに山田氏は、ものすごい独特の撮影をされる方で、野鳥を観察してやってきそうな場所にカメラを仕込んでリモートで撮影する、ということをされる方。その手法を取るので広角レンズで野鳥に超接近したショットなどを撮られます。
望遠レンズは300mmくらいまでしか使わないそうなんですが、そこをあえて「SEL400800G」で撮影されています。
こちらは400mmのワイド端で撮られたカット。
野鳥撮影を趣味で楽しまれている方だとよく撮られるのが焦点距離600mmくらいかな?ということで、600mmの焦点距離で撮影したカット。
そしてテレ端の800mmで撮影したカットを拝見させていただきました。
コメントでAFのスピードのことなどは話されていません。山田氏の撮影は観察9割で、野鳥の動きを予測して撮影されているので、私みたいにやってきた野鳥を急いで撮る、というスタイルではなくて、速いAFとかが必要ないんでしょうね。
野鳥のやってくる場所を予測して、完璧な構図を作って撮影されているんだと思います。
800mmの焦点距離で撮影されたこのカットですが、毛並みの1本1本までわかり、すごいレンズだとのこと。
今年のCP+2025のソニーブースのスペシャルセミナーのスクリーンですが、昨年よりもサイズがかなり大型化されているのと、反射がほとんどないマットスクリーンになっていて黒の締まりがすごいんです。
それなので、写りが綺麗になる、というのではなく、カメラセンサーやレンズの善し悪しがすごくわかりやすくて、このカットなどは、もう最上級のショットに感じられました。
2倍テレコンを使って800mmと1600mmの撮影データを並べて見せてくれたりもしました。縦位置で撮影したショットを並べたとのことなので、これでノートリミングなのかな? 2倍テレコンをつけても描写を損なう感じはなくバリバリに解像しています。
山田氏いわく「昔は望遠ズームレンズのテレ端で2倍テレコンをつけて絞り開放で撮影するなんて考えられなかった。使い物にならないからだったんですが、今は。。。」とのこと。
これはもう野鳥撮影される方には「魔法のレンズ」になるかも。
最後にSEL200600Gとのスペック比較表を紹介します。
![]() |
SEL200600G | |
ソニーストア価格 | 約41万円 | 301,400円 |
発売日 | 2025.3.19 | 2019.7.26 |
レンズ構成 | 19群27枚 | 17群24枚 |
開放絞り | 6.3-8.0 | 5.6-6.3 |
最小絞り | 36-45 | 32-36 |
絞り羽根 | 11枚 | 11枚 |
最短撮影距離 | 1.7m~3.5m | 2.4m |
最大撮影倍率 | 0.23倍 | 0.2倍 |
アクチュエーター | リニアモーター2基 | DDSSM1基 |
インターナルフォーカス | 〇 | 〇 |
フローティングフォーカス | × | × |
フルタイムDMFスイッチ | 〇 | × |
レンズフードロックボタン | 〇 | × |
フィルター径 | 105mm | 95mm |
テレコンバーター | 対応 | 対応 |
全長 | 346mm | 318mm |
最大径 | 119.8mm | 111.5mm |
質量 | 2475g (三脚座含む) |
2115g (三脚座なし) |
.
フィルター径は105mmという大口径のものになります。ソニーから純正のPLフィルター、NDフィルターなどの発売予定はないとのことなので、フィルターメーカーのものでお探しいただくことになります。
焦点距離がSEL200600Gよりも3割増しになっていて、価格も約3割増しになるので、コストパフォーマンスはSEL200600Gと同等と言えるかも!?
このレンズの使い道としては、やはり野鳥撮影が一番の威力を発揮しそうですけど、距離のあるスポーツ競技などでも武器になりそうですね。
野球やサッカーなどの広いフィールドでプレイする競技もそうですが、スキーやスノーボード、サーフィンなどにも向いていると思います。
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G レンズ 超望遠ズームレンズ SEL400800G |
ソニーストア価格: 約41万円 税込 |
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![]() 3月4日(火)より予約販売開始 |
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発売日 | 2025年3月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド: 3年ワイド/5年ベーシック: 3年ベーシック: 無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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