【レビュー】ソニーの新感覚スポーツギア『Float Run』実機レポート
本日発表されたソニーの一番新しいスポーツヘッドホン「Float Run」の実機レビューレポートをお届けします。一時的にラインナップから消えていたソニーのスポーツヘッドホンですが、私の知る限り最強モデルとして登場です。
最近は言われなくなりました(^_-)が「ソニーから骨伝導ヘッドホンでないの?」の答えがこのモデルかもしれません。
こんにちは、店員佐藤です。
2年前の11月にクラウドファンディングで登場したのが「オフイヤーヘッドホン」でした。当時はまだギリギリでソニーのクラウドファンディング「First Flight」のサイトも存在したのですが、その後、First Flightサイトはなくなり、昨年夏に「オフイヤーヘッドホン」のクラウドファンディング製品が届いたモノの、製品化の話が出てこなくてどうなったのかと心配だったのですが、やっと製品化されて登場しました。
コロナ禍の中での開発は大変だったと思います。その後も上海ロックダウンや物流コストの急上昇などもあり、大変な開発環境だったと思うのですが、これは開発者の方々にすると、ひとまずのゴールなんでしょうね。
こちらは2年前の秋にお話しをうかがった開発者の中村歩己さん(写真左)と田中一平さん(写真右)です。当時うかがったところでは、本当に二人だけで開発を進めていて、こうした体験会も二人しかいないので二人で企画立案実行をしているとのこと。
麹町のJOGLISで特別体験展示をされていましたが、本当に二人だけで応対をされていて、その後の製品化についても二人で進めて行く予定なんだと話をされていました。
ソニーのスポーツヘッドホンで、私が初めて購入したのは「MDR-AS700BT」というモデルでした。まだインナーイヤースタイルではなくオープンイヤーで外の音もある程度聞こえるモデル。独特の形状をしたネックバンドスタイルだったのですが、こうした従来のソニー製のスポーツヘッドホンから派生したモデルではなく、まったく新規で二人で立ち上げたモデルなんだというお話しでした。
まったく、ソニーの諸先輩方に相談をせずに開発を進めたわけではなく、社内のバックアップはもちろんあったけど、まったく新しいゼロから開発されたヘッドホンということのようです。
クラウドファンディングの「オフイヤーヘッドホン」を経て、製品化された「Float Run」のパッケージがこちらです。
製品型番は「WI-OE610」となっているのですが「LinkBuds」同様にペットネームが付けられて製品としては「Float Run」という名前での紹介となります。「オフイヤーヘッドホン」でも個人的には良かったように思えるんですが、一般的にはイメージしにくいとか、もっとわかりやすいネーミングにしよう、ということになったのかも。
せっかくクラウドファンディングのパッケージもあるので並べてみました。写真左がクラウドファンディング時のパッケージ。写真右が「Float Run」です。
パッケージカラーの他、若干フラップの形状なども違うのですが、サステナブルなプラスチックを一切使っていない包装になっています。
オフイヤーヘッドホンの時は付属品はなにもなく、ヘッドホンが入っているだけだったのですが、製品版はやや豪華になっています。
同梱品としてUSB type Cケーブルとキャリングポーチが付属しています。このキャリングポーチにかなりゆとりをもってヘッドホンを収納することができます。
こうしたポーチですが、ヘッドホンで使わなくても、持っていると便利なんですよね。私はカメラ撮影に出かける際の予備バッテリーとかクロスやUSBケーブルなどの小物入れとして使っています。
取説などもほぼ同じ内容で違いがあったのは型番くらいです。クラウドファンディングの際は「WI-OE600」でしたが製品版は「Float Run (WI-OE610)」となっています。
本体に違いはなにも見つけられません。まったく同じモノ。着るクーラー「REON Pocket」ではクラウドファンディングモデルにだけSONYロゴが入っていない、という違いがありましたが、今回はクラウドファンディングの時からしっかりとSONYロゴが入っています。
開発途中というか、クラウドファンディンが成功したところから製品化の道は決まっていたのかもしれませんね。
製品版との唯一の違いを見つけました。写真左がクラウドファンディング、写真右が製品版Float Runで、刻印された品質表示部が色つきになっているみたいです。ちょっとずつ手がかかっている部分があります。
さて、独特の形状をした「Float Run」ですが、この形になることで非常に大きなメリットがあります。
大きく4つのメリットがあると思うのですが、一番大きいメリットはランニングや歩行時の着地音がまったくしないことだと思います。
ランニングヘッドホンあるあるですが、イヤホンをしていると走行時、歩行時に足にある衝撃音が聞こえてしまい、ヘッドホン使用中にずっとその音を聞かないといけない、というのがあります。
私もいろいろなタイプのイヤホンを試してきましたが原因は、イヤホンが耳の穴に乗っかっているので、イヤホンの重量でイヤーピースに負荷がかかり、そこで音がする、というもの。
モデルによってはイヤーフックなどイヤホンの重量を分散させる仕組みにしていたりしますが、それも衝撃音を軽減させるものになっていて完全にゼロにはできませんでした。
「Float Run」の場合は耳の穴には入らず、一番近いところにスピーカーを置いているだけで、全く衝撃音はしません。軽減できるというレベルのものではなくて、まったく衝撃音が発生しないのでゼロです。
写真で見るとイヤーハンガーが耳にかかっているように見えますが、これで衝撃音はしません。
クラウドファンディングの試作機を試させてもらったときから思っていました、まったく衝撃音がしないので、スポーツヘッドホンとしてはこれが最適解になると、信じて疑いませんでした。
これ、速く自分のジョギング、ランニングで使いたい!と思っていました。
第2のメリットは耳を塞がない「オープンイヤースタイル」で、外の音がそのまま聞こえる、空気がこもらないので耳の中が蒸れない、長時間付けっぱなしでいられる、というもの。
オープンイヤースタイルとしては昨年2月に発売されて大ヒットした穴あきイヤホンの「LinkBuds」がありますが、ジャンルとしては同じ「オープンイヤー」ヘッドホンということになります。
「LinkBuds」をすでにお使いの方でしたら、もうすっかりご存じのことと思いますが、マイクを通して聞こえる音ではないので外の音の「気配」まで伝わってきます。ヘッドホンからの音楽再生を一時停止すればヘッドホンを外さなくても生の音がそのままの音質で聞こえます。変な違和感も感じることなく、普通に会話をすることができるのも大きなメリットだと思います。
音楽を聴かずに音声ガイダンスだけを聞くという使い方も出来て、例えばですが、ランニングを楽しまれている方のほとんどがマラソンアプリ、ジョギングアプリを利用していると思います。
音声フィードバック機能をオンにしておくと、指定した時間、距離でそこまでのペースを読み上げてもらうことができます。1kmごとにフィードバックをもらうように設定しておくと1km走ったところで、距離と時間、累計のペース、その区間のペースなどを日本語でアナウンスしてもらうことができるんですが、音楽を流さずに音声フィードバックをもらう、なんて使い方もできます。
それで走ると、大会の際などは距離標識ごとに腕時計のストップウォッチ機能を使ってペースを確認するとかせずに、普通に音声だけでペースを知ることができます。
たまにスマートフォンのスピーカーで音声フィードバックを流している人がいますが、ペースが遅いとそれがちょっと恥ずかしくて。。。(^_-)
それと、大会のときなどは声援を送ってもらえるので、それを聞かないで音楽を流すのはもったいない!というのもあります。
昨年秋に開催された「東京レガシーハーフマラソン 2022」の時はオフイヤーヘッドホンを装着して、音楽を流さずに音声フィードバックだけで使わせてもらって完走したことがあります。
こちらが証拠写真です。ちゃんとゴールしたときにオフイヤーヘッドホンを装着しているのが写っています。w
3時間弱のレースで使えるだけではなく、バッテリーは連続再生10時間となっているので、テレワーク時のヘッドホンとして使うことも可能。私もテレワークの時に使い続けています。
マイクも内蔵しているのでスマートフォンと接続しておけば、着信があったときの通話に利用するコトも可能。BGMを流しながら仕事をすることができます。
なお、音漏れなんですが、見た目に反して意外と音漏れは小さいです。インナーイヤーヘッドホンではないため完全密閉になっていて絶対に漏れない、ということはなく、最大音量にすると、それなりに音は周りに漏れるのですが、そこまで音量を上げないのであれば、気にならないレベルです。
直進性の高い「シャカシャカ」した音は耳の中に向かっているので、それで見た目ほど音が漏れない、という感じなのだと思います。
マネキンにつけて試してみたのですが、音量を上げなければ空いている電車で使えるかな?という感じです。
そして第3のメリットは「外れない」ということです。ネックバンドスタイルのヘッドホンは今までもありましたが、それよりも形状が工夫されているというか、ネック部分がかなり下の方に位置していて、これで頭の形の個人差をかなり吸収してくれているようです。
ここだけの話ですが、私は顔も頭もやや大きめでNW-WS413というネックバンドスタイルのウォークマンだと、ネックバンドがちょっと短く感じるんです。ギリギリ装着出来ている感じで、割とバンドがピンピンになって使っています。
しかし「Float Run」のこの形状は、そうした頭の形の差異を吸収してくれるようで、私の大きな頭でも問題なし。
そしてどう考えても日本人の平均的な頭のサイズの8割もないであろう、超小顔マネキンでも普通に装着することができます。
耳たぶの上をバンドが通っていて、不快そうに見えるかもしれませんがここは当たっていません。耳たぶの上を通っているので干渉していません。
というか、装着感も少なく重さも良い具合に分散しているみたいなので、終日、装着しっぱなしにしていても痛くなるところがない、という見事な形状をしています。
ちなみに見ての通りですがメガネをしても干渉しません。メガネのツルはFloat Runの内側を通って、これも当たらないようになっています。
この大きな膨らみのイヤーハンガー部分で支えている感じなんですかね。
キャップを被るときも干渉しないので帽子の脱ぎ着も自由にできます。
唯一、マスク装着の時はFloat Runの上からかけることができないため、先にマスクを装着してからFloat Runをかける形になります。マスクのひもは特に干渉しないのでマスクもFloat Runも長時間付けっぱなしOKです。
そして、第4のメリット。それは「音が良い」です。
無茶苦茶「高音質」です。スポーツタイプのヘッドホンとしては史上最高の高音質モデルになるんじゃないでしょうか?
走行時の衝撃音がない、外の音が直接聞こえるヘッドホンというと骨伝導タイプのヘッドホンと比較検討される方もいらっしゃると思いますが、音質の良さでは「Float Run」の方が断然上だと思います。
音質の良さについての感じ方は個人差もあるとはなりますが、骨伝導ヘッドホンも私は購入していて、確かに衝撃音はしないし外の音が聞こえるオープンイヤーを実現はしているのですが、低域も高域も弱く、音質を良くしようとするとボリュームを上げざるを得ない感じ。で、音量を上げていくと振動が大きく肌の表面でビリビリと震え始める、外に音がそのまま漏れる、という感じ。
私が購入したのが一番価格の安いモデルだったから、というのもあるかと思いますが、その後、スポーツショップで上位モデルも試しています。音量を小さくしているとそれなりに聞こえるんですが、骨を伝わってくる関係で左右の音が混ざりやすくステレオ感が損なわれる、というはどうにもなりませんでした。
比較すると「Float Run」の方に、私は軍配をあげてしまいます。
なお、ソニーには2007年に発売されたパーソナルフィールドスピーカー「PFR-V1」という製品もありました。こちらはスポーツタイプのヘッドホンではなく、純粋に高音質を狙ったヘッドホンスタイルのスピーカー製品となっています。
このスタイルでの高音質化というのは元々あったもの。これをスポーツ用に作り直したモノが「Float Run」と言えるのかも。
その他、気になる部分を試してみましたが、スマートフォンとの接続は通常のBluetooth通信によるものとなります。SBCとAACでの接続ができます。
いつものソニーヘッドホンお得意の「Headphones Connect」アプリには対応をしていません。クラファンモデルの時は仕方がないと思っていて、製品版になったときに対応しないかなー、とか期待していたのですが、それはありませんでした。
もっとも対応したとしてもノイズキャンセリングも外音取り込みもないし、ランニングアプリなどと連携させるだけですからね。
カラーバリエーションとかも出来るかな?と、思っていたのですが、カラーはそのままモノクロデザインです。そういえばpoiqもそうでしたし、今年はこうしたモノトーンのモノが流行ったりして!?
以上、新製品のスポーツヘッドホン「Float Run」の実機レポートでした。
価格は19,800円となっていますが、従来のソニーの左右独立ワイヤレスの価格と比べると、かなり安い設定になっています。2020年6月発売の「WF-SP800N」が26,400円(税込)だったり、2018年10月発売の完全防水モデル「WF-SP900」(生産終了モデル)が発売時は32,868円(税込)だったことを考えると、システムがシンプルになっている分だけおトクな価格設定になっていると言えます。
ランニング、ジョギングだけではなく、お散歩に、山歩きに、テレワークで快適に使えるヘッドホンだと思います。クラウドファンディングモデルは店頭展示していますので、是非、店頭でお試しになってみてください。
ワイヤレスステレオヘッドセット WI-OE610 Float Run |
ソニーストア価格: 19,800 円税込 |
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発売日 | 2023年2月3日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:2,200円 3年ワイド/5年ベーシック:1,100円 3年ベーシック:無償 |
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