α77ユーザーが乗り換えるデジタル一眼“α77 II”

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新型デジタル一眼カメラ”α77 II”がいよいよ出荷になりました。当店にも実機がようやくやってきて、これでお客様にもようやく店頭で実機のご案内ができるようになります。

そしてショールームではなかなか比較ができなかったので、今回は開梱レポートというよりも旧型のα77との違いを探しつつ、新たに搭載された新機能などをレポートしてみたいと思います。

はい、そうです。私もα77ユーザーなんです。これから乗り換えてα77 IIを使い始めるんですが、新しい機能をまず最初に全部学習してみたいと思います。

 

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α77が登場したのは2011年の秋でした。東日本震災のあとにタイの大洪水があり大変な年だったのをすぐに思い出します。あれからもう3年が経ちます。

α77の発売から3年経って、その後継機である中級機が登場するのですが、今回はボディデザインはほぼそのまま。一部仕様が変わっていますがマイナーチェンジと言えなくもないくらい外観上は変更がなく、しかし中身はソニー”α”の3年の進化をすべてつぎ込んだモデルになっています。

どんなカメラになっているのか、細かくチェックをしていきたいと思います。

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写真左は新型のα77 IIにSAL1650を装着しているところ。これが標準ズームレンズになります。F2.8通しで使える大口径のレンズになります。写真右は旧型のα77で私は常時カールツァイスのSAL1670Zを装着して使ってます。写りの評判も良いのですが、それよりも最短撮影距離が短く、カールツァイスにしてはやや小ぶりなレンズなので取り回しも気に入っています。

こうして並べてしまうとSAL1650の大口径レンズの方が収まりは良さそうな感じになってしまいますね。レンズは気にせず、ボディだけ見てください。

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写真左が新型α77 II。写真右がα77です。寸ぷん違わぬほど同じデザインでボタンの配置や数も全く一緒です。バリアングル液晶の仕組みも同じだしポップアップフラッシュなどもおそらく同じパーツを使っているはず。

わざわざ微妙にデザインを変えるのではなく、こうしてパーツを共有化させると開発費とかも安くなり、最終的には製品の価格の抑えめにできたりするんですかね。

では、間違い探しみたいになっていますが、それぞれの違いを見てみます。

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まずはこちら。写真左のα77 IIはマルチインターフェースシューでα77はインテリジェントシューになっています。互換アダプターが発売されていますのでアダプターを介してフラッシュなどを利用することはできますが、α77からα77 IIに乗換をするときはここが最大のネックになるはず。

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ダイヤルはロックボタンがつくようになりました。ボタンを押しながらダイヤルを回す仕組みになっていて誤動作というか、知らないうちにモードを変更していた、ということはこれで起こりにくくなります。

α77についていた3Dスイングパノラマモードはα77 IIには搭載されていませんでした。

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ボディ左側面の文字も変更されています。α77 IIではWi-Fiロゴが。α77ではGPSロゴがついています。Wi-Fi機能の搭載によりスマートフォン、タブレットとの無線通信ができたり、スマートフォンでのリモート接続などもできるようになるんですが、GPSでの位置情報記録もそうですが、自動で時刻補正をしてくれるというメリットも見逃せませんでした。

GPS機能はいいから時刻合わせだけ自動でやってくれたらいいのに。。。Wi-Fiで。というのは私だけでしょうか? とはいえ、個人的にはGPSとWi-Fiとどっちかしか搭載できないけどどっちを選ぶ?と、言われたらWi-Fi一択になるのは間違いありません。

これも3年間の進化のひとつになっちゃいます。

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そして、これも大きな違いの一つになります。写真右のα77ではここに赤外線ランプがついていたんですが、写真左のα77 IIではすっきりしてしまいました。

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メニューを見ると「AF補助光」というのはそのまま残っていて、従来は赤外線を使って暗部でのAFを補助していたんですが、この機能がなくなってしまっています。赤外線を使わずにAF補助光を出すというというのはどういうことをするのかというと。。。

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通常のフラッシュをプリ発光させてこれを補助光として使う仕組みになっています。試しに使ってみましたが、プリ発光するためには自分でフラッシュを立てる必要があり、フラッシュを収納しているときはプリ発光せずにAFを合わせることができます。

ふむ、赤外線の補助光もまったく見えない光ではなく思い切り赤い光が出るので、プレゼンテーション中の暗いところで使うとやけに目立ったりしていました。機能を切るにはメニュー操作からAF補助光オフにするしかなかったんですが、プリフラッシュであれば使いたくないときはフラッシュを収納すればいいだけの話で、この方が撮影場所で赤い光を出して目立ってしまうよりは良いかも。ハードウェアで制御が出来るのってやっぱり安心なんです。

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なお、この赤外線発光部がなくなったからかどうかはわかりませんが、グリップが新型α77 IIの方がやや深めになっています。これは普段からα77を使っているのですぐに違いがわかりました。

外観上の違いはこれくらいになります。機能面の違いも見ていくのですが、その前に。。。

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縦位置グリップ「VG-C77AM」がそのまま使えるとのことで試してみました。

縦位置グリップってそれなりに良い値段がして、VG-C77Aもソニーストア価格で27,000円+税という価格。バッテリー2本の収納ができるんですが、バッテリー2本分よりもまだ高い価格になっています。

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装着してみると、本当にそのままつきました。α77の登場したときに購入した縦位置グリップがそのまま後継モデルで使えるって嬉しい。

α77の縦位置グリップは十字キーの装備もあるしボタン配列も可能な限り横位置グリップと同じところに合わせて用意してくれています。縦位置撮影でも違和感なく撮影に集中できる環境を用意してくれてます。

うん、これはポイント高いですよ。αロゴがシナバーカラーになっていて、新型α77 IIはシルバーカラーに変更されているのがしいてあげれば残念なくらいです。

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バッテリーは2本利用することができて右上のバッテリーマークを見ると2本分の表示があります。結婚式もそうですが、他にも鉄道写真、飛行機写真、モータースポーツなどで連写撮影をする機会の多そうなモデルです。バッテリーの2本装備が助かるシーンもα77 IIだったら多そうです。

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ファンクションメニューの操作もやや変更になっています。写真左下がα77 IIで下に2段表示でクイックメニューが表示。写真右上のα77では撮影時のアイコンを十字キーで操作して設定変更をしていきます。α77 IIでは6列×2段で12項目。α77はおや、7行が2列で14項目の配置ができるようです。

すっきりしたメニューに見えてちょっと整理された感じです。

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AFの測距点は79点になりました。位相差AFでこれだけの測距点があるのは世界最高と聞いたのですが、すごいことになりました。測距点の数もすごいんですがカバーするエリアがまたとても広くなっています。

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フォーカスエリアの点数はメニュー操作で変更することができて、61点に減らすことも可能。これは79点のAFエリアに対応出来ないレンズが一部あるそうで、そういうレンズを併用して使う時に意図せずにAFエリアが変更されるのを防ぐための機能なんだそうです。

79点のAFエリアに対応しないのは『SAL75300、SAL1118、SAL55200、SAL1855、SAL18552、SAL55200-2、SAL30M28、SAL55300』というレンズ。これらが装着されると自動で61点のAFエリアに限定されるそうです。(SAL500F80というレフレックスレンズでは中央1点のみとなります。)

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こちらが61点のAFエリアになった場合の測距点です。左右外周の測距点がなくなりAFエリアがやや狭くなります。

なお、いろいろ試してみたところ秒12コマの速度優先連写機能を使ったときもAFエリアが61点になります。こうして外周のAF測距点が使えなくなるシーンってけっこく多いのかも。

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そして、最近のαというかNEX系などにも搭載されている「ロックオンAF」ですが、これ、使ってみたらα77にはまだ搭載されていない機能でした。

「ロックオンAF」は任意の図形をカメラに覚えさせて、それをずーっとAF追従させる機能です。正直言って私はあまり使ったことがない機能なんですが、α77 IIくらいのAFエリアの広さがあれば使いどころって結構多そう。

ロックオンAFの機能を入れて使ってみようとするのですが、これもまたいろいろ制約があるんです。12コマ/秒の速度優先連続撮影モードにしたときは利用ができなかったり。。。

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アイスタートAFをオンにしていると、この場合もロックオンAFが使えなかったりします。何かの機能とかち合ってしまうんでしょうね。

ただ、速度優先連写の時にロックオンAFが使えないのって変じゃないですか? 連写時こそロックオンAFの出番なのに。。。と、いじっていたら、どうやらその解決策も見つかりました。

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フォーカスエリアにロックオンAFというのがあり、ここでロックオンAF:ワイドとか選択すればロックオンAFが利用できるようです。

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ロックオンを認識したときに白い四角枠こそ表示されないモノの、十字キースティックのセンターボタンを押してドセンターでロックオンさせてあとはシャッター半押しにするとAF測距点のマークでロックオンすることを確認できます。

なるほど、このロックオンAFについてはいろいろ覚えなくちゃいけないことがいっぱいありそうです。使い方をひとつ覚えて得意技にしてしまえば良いだけの話ではあるんですが、ふむふむ、奥が深いですよ。新型α77 IIは。

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フォーカスエリアの選択をすると「拡張フレキシブルスポット」という見たことのないモードも発見します。

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フレキシブルスポットAFは自分で任意のポイントを選んでそこにフォーカスを合わせる機能です。拡張フレキシブルスポットAFは任意の1点を選んでそこにAFポイントを置くのですが、もしもその1点でAFが取れなかった時は周囲の8ポイントのどれかでAFを合わせる、というルーズなAFポイントの選び方をしてくれます。

79点モノ測距点がありそれぞれのポイントが細かくなったからこその機能と言えそうです。

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画面下に横方向の棒グラフが表示されているのは「AFレンジコントロール」という機能です。画面右に再生ボタンがあり、そのさらに右隣に「C」というボタンがありますが、これが初期設定では「AFレンジコントロール」を呼び出すボタンになります。

ダイヤルの手前側を回すか十字キーの左右で近い距離のどこまでフォーカスを合わせるかを設定することが可能。奥のダイヤル、もしくは十字キーの上下で遠い距離はどこまでフォーカスを合わせるかのレンジを決められます。

ちょっと極端な例ですが上記の様に合わせると距離30cm~70cmのものしかフォーカスが合わない、という設定になります。

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設定が終わったところで「C」ボタンを押すと撮影モードに入ります。AFは指定したレンジでしか動かないので前ボケを作りたい手前の被写体にはフォーカスは合わないし、70cmよりも遠いものにはフォーカスは会わないので、遠いところにフォーカスを探しに行ってゴーガーゴーとレンズのフォーカスが行ったり来たりすることもなくなるというわけです。

普段はこんな機能を使うことなんてありませんが、特定の撮影条件で絶対に失敗したくない撮影のときとかにはこういう機能が成功率を上げてくれるんです。

こういう機能も従来モデルのα77にはついていませんでした。

AF性能がグッと上がったという話ではありますが、それに合わせて、AFの操作機能が数多く搭載されたイメージ。従来のα77というと堅牢性だったり信頼性がエントリーモデルとは大きく違い、機能面ではより使いやすく、というイメージだったんですが、α77 IIはより細かい機能がどっさりと用意されたイメージ。

数少ないシャッターチャンスをいかにものにするか、撮影に関しての失敗率を下げるるための努力を惜しみなく注げるようになっている様に思えます。これは使いこなせるようになるまでちょっと時間がかかりそう。(と、言っても利用しなくても撮影はできるわけで、必要に応じて機能を覚えていけば良い、というのは今までのモデルと一緒ですけどね。)

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中級機のシンボルとも言えるのがグリップの前後についているダブルダイヤル。ミノルタ時代からこれが中級機以上の機種に搭載されるシンボリックな機能なんだそうですが、私もこれはα77で利用させてもらっていてすっかり手になじんでいる部分。

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機能の割り当てをカスタマイズすることができて、私はシャッター側の前ダイヤルを絞りにして、手前側の後ダイヤルは露出補正に使うという設定をしています。

α77 IIでも同様の設定ができて、ブツ撮りをするときはこれが楽なんです。マニュアルモードをまだ使いこなせないモノで、こうして適宜、被写界深度と露出を調整して私はα77を使っているんですがα77 IIでも同様の使い方ができます。

そうか、こういうカメラってカスタマイズ項目が人それぞれで、同じ設定のα77なんてあまりないのかもしれませんね。

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この重量級のAマウント“α”にもついにNFCが搭載。スマートフォンにタッチするだけで決定的なシーンの転送ができるようになりました。

まさに伝統のα77にこの3年間のαの進化がつぎ込まれた感じがします。惜しむらくはCamera Appsの搭載もあれば。。。というところだったんですが、あれはEマウントカメラだけの機能にこれからもなっちゃうのかなぁ。

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最後は着せ替えショーです。α77 IIにで使いたいレンズと言えばやはり望遠ズームですよね。昔から定評のある「SAL70300G」を装着したところです。

APS-Cセンサー搭載モデルですのでこれで焦点距離は450mm相当になります。このスタイルで利用される方、多いでしょうね。

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ただ、この進化したα史上最強のAF性能を利用するならこれくらいにしないともったいない?と言えるかも。SAL70400G2とか装着して、これ1本で撮影旅行というのが良いかも。スナップは全部DSC-RX100M3任せにして、ここぞというのは全部「α77 II」です。

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連続撮影時の撮影可能枚数も大幅にパワーアップしているのですが、それは再三ご案内しているので、表の掲載だけで今回は済ませてください。

速度優先AE時
秒12コマ
 EX-Fine  Fine  Standard  RAW+JPEG  RAW
 α77  13枚  17枚  17枚  11枚  13枚
 α77 II  53枚  60枚  64枚  25枚  26枚

BIONZ Xによる処理速度向上の威力なんだと思いますが12コマの連続撮影でJPEGなら60枚前後の撮影が可能。従来の3.5倍の枚数になります。

連続撮影Hi時
秒8コマ
 EX-Fine  Fine  Standard  RAW+JPEG  RAW
 α77  13枚  18枚  18枚  11枚  13枚
 α77 II  56枚  75枚  93枚  26枚  28枚

連続撮影HiモードならJPEGスタンダードで100枚近い撮影も可能。11.6秒間の撮影ができるのでアスリートの100m走なら最初から最後まで全部連写で撮れてしまいます。

写真撮影に慣れている方ならここぞというシーンの切り取りを短時間で済ませられると思いますが、私みたいな超素人は大体待ちきれずに早めにシャッターを切り始めてしまい、ここぞというシーンでは連写枚数を撮影しきってしまっている、ということになります。

これも実戦でどんな感じの恩恵を受けられるのか試してみたいなぁ。

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ということで、当店にやってきた「α77 II」の店頭展示がスタートです。次回は実際に撮影に挑戦してきたときのお話をレポートする予定です。

このカメラは当店での展示もスタートするし、使いどころがかなりありそうなので長期レポートをすることになりそうです。おつきあいのほど、是非、よろしくお願いします。

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☆当店blog 14.5.24「ソニーデジタルイメージング新商品体験会イベントレポート」 
☆当店blog 14.5.20「中級機『α77 II』ショールーム展示レポート」 
☆当店blog 14.5.16「3年分の進化 中級機”α77 II”日本国内販売が発表」
 

 

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