『CP+ 2012』レポート
昨日、2月9日からパシフィコ横浜で開催されている「CP+」のレポートです。今回のソニーのビッグニュースは超望遠500mmF4単焦点レンズの登場!ということになるんですが、それ以外の見所などをレポートしたいと思います。
以前はカメラ用品ショーとかいう名称だったのかな? 詳しい事情は調べたことがないんですが、業界団体さんのいろいろな都合で「CP+(シーピープラス)」というイベントになり、今回で3回目になります。
場所は横浜みなとみらいにある「パシフィコ横浜」になります。2月9日(木)からスタートして2月12日(日)までの4日間の開催。
初日の9日は一般の方が12時からの開場となっていたんですが「プレミアムタイム」という特別招待状を持っている人だけが入れる時間が10時から用意されていて、ありがたいことにそのチケットを入手することができたので、お言葉に甘えて10時からお邪魔してきました。
で、結果からいうと12時からすごいことになっていました。10時からの2時間はまさに夢の時間というか劇的に空いている時間だったことが一般入場時間を迎えてから思い知ることに。なんか、今年は入場者数もかなり多かった様で、確かに12時に入り口まで行ってみたらパシフィコ横浜の一番奥に入り口があるにも関わらず、入場待ちの列が一番手前側まで延びて、そこからさらに折り返すくらいの勢いだったんです。
写真熱は年を追うごとにものすごい盛り上がりを見せてくれますね。
ということで、写真はプレミアムタイムのものがほとんどです。なんか会場内がガラガラに見えると思いますが、もう今日も明日も明後日も、こんな状態にはならないと思います。その辺り、ご了承の上、ご覧ください。
で、毎度のことながら今回もソニーさんのブースを中心にレポートするんですが、今年はソニーさん、すごく良いポジションにいます。なんせ、入り口入ってすぐ右のところにあるので、迷わずにすぐ入れる様になっていますから。
で、入り口から右前方をみるとこんな黒い空間が見えます。ここからソニーブースがスタートします。
中に入ると4Kテレビを中心に、三好和義さん、小澤忠恭さんの作品が展示されていました。
「写真」ってなにをもって「写真」って言いますか? シャッターを切ってイメージャーに像が写った瞬間に「写真」になりますか? それとも撮影したデータがJPEGなりRAWで記録された瞬間にそのデータ自身が「写真」ってなりますか? 「写真」ってやっぱりこうしてプリントされた形になったときに「写真」ってなるのかな?というのを感じさせてくれるスペースでした。
真ん中に4Kの液晶テレビがあり、α作品を写しだしているんですがこうやって並べて見てみるとプリントペーパー品質というのを体感できます。昨年のCEATEC JAPANで4Kテレビが急に各社から登場してきていましたが、まずはデジタル一眼カメラによる圧倒的な高画素映像が4Kテレビ普及段階での最大のコンテンツになるんですかね。
そのギャラリーブースを抜けると、ソニーさんの商品展示ブースになります。2年前の「CP+ 2010」ではミラーレスカメラのモックアップ(後のNEXシリーズ)が登場。昨年の「CP+2011」では中級機コンセプト機のモックアップ(後のα77)が展示されていたりするんですが、今年はそういうモックアップ、コンセプトモデルの展示はありませんでした。
デジタル一眼カメラ、サイバーショット、ハンディカムすべて合わせてもすでに既発表の製品の展示のみとなっています。モデルによってはショールームでもすでに触れる製品がありますので、貴重な機会、初めての機会、というものはそう多くはありません。
が、出る物は出ています。
まずは、こちらが2月8日に発売になったばかりの単焦点超望遠レンズ500mmF4のGレンズ「SAL500F40G」です。
ナノARコーティングという特殊なレンズコーティングをしているそうで、その効果を確かめる暗室ボックスが用意されていました。箱の上部に灯りがついていて、その反射をコーティングしたもの、していないもので見比べることができるんですが、この写真、向かって左がナノARコーティングレンズになります。
ガラスに反射光がある、ということはその分だけ光がガラスを通り抜けていないことになるわけで、そこで画質の劣化が起こる可能性が出るわけですが、こうして反射光を出さないことで高画質化されていくと。
こういうのを体験できるケースってなかなかありません。
ハンズオン用にGレンズが4本並んでいるコーナーがあるんですが、その一番奥に500mmレンズも用意されています。昨日見ていた限りでは行列になることもなく、スムーズに試すことができていました。
私も試させてもらってきたんですが、肝心の写りの良さについては自分で屋外に持っていて撮ってみて、そのデータを見てみないとなんともいえません。腕の立つ人、経験のある方はこの背面液晶でみるだけでそれを確かめちゃうんでしょうか?
私の持っている500mmレフレックスレンズでは中央重点でしかAFが使えないのが、500mmF4だと当然のことながら各ポイントのAFが利用可能。顔認識機能なども働くし、さすが価格差が10倍以上もあるだけのことはある感じでした。
そして、こちらは一昨日発表になったEマウントレンズの新しい開発ロードマップです。昨年は発売予定のレンズのモックを展示してくれていましたが、今年はそれはなくすでに発売になっているレンズと3月6日3月9日発売予定の50mm単焦点レンズが並べられているだけです。
すでに各所で話題になっていますが、今年、2012年に新しい標準ズーム、高倍率ズームレンズが発売されることになっています。すでにSEL1855やSEL18200があるのになぜまた同じ様なレンズを!?というところですが、こういうタイミングって、新しいボディが出るタイミングなんですよね。
今までのNEXシリーズとはちょっと違ったコンセプトのEマウントのボディが出るのではないか?という話なんですが、さてどんなボディなんでしょうね? センサーサイズの違うEマウントボディなんでしょうか? それとももしかするとボディ内手ぶれ補正を実現するEマウントボディが出るんでしょうか!?
うーん、夢が広がっちゃいますねぇ。
その他、サイバーショット、ハンディカムコーナーにも新型モデルがずらり。
大注目のサイバーショット「DSC-TX300V」の展示がサイバーショットではメインになっていました。PCとスマートフォンを用意して実際に接続するデモが用意されていたりします。
今年になってから販売店の商品撮影について、厳しい規制がかかるようになり、当店でもDSC-TX300Vを新製品勉強会などで撮影することが許されず、またソニービルショールームでもこのモデルに関しては撮影NGになっているとのことで、全然レポートする手段がないんですが、ここでようやくDSC-TX300Vの実機撮影をすることができました。
ちょっと話が長くなるので、DSC-TX300Vのレポートはまた別の機会に紹介をしっかりさせていただこうと思います。
そしてこちらはもしかして日本では一般公開が初になるんでしょうか? ハンディカム上位機種に装備される「空間光学手ぶれ補正」のデモを行っています。
従来機種の手ぶれ補正と、空間光学手ぶれ補正の効果の違いを揺らしている台に乗せたハンディカムの映像で見せてくれています。手ぶれ補正の様子はものすごくわかりやすいんですが、ここでの注目はそこではありません。上の台のところにあるハンディカム本体なんです。
レンズユニットをまるごと動かして手ぶれ補正を従来の13倍も効きをよくするという話でしたが、その様子がこれをみるとよくわかります。
動画で撮ってきました。
レンズ部を見るとレンズそのものが動いていることがわかると思います。歩きながら手ぶれ補正アクティブを使うことはないですが、画質劣化もなくこれだけの手ぶれ補正が可能になったのは驚異的です。
ここ数年、ハンディカムはモデルチェンジのたびに、もうこれ以上のモデルは作れないだろう?というくらいの進化をしてくれるんですが、今年はまた一段とすごいですね。
新しい試みとしてはこうしてブースの手前に「PlayMemories」の体験ツアーを案内するガイドガールさんがたくさんいらっしゃるところ。
ブースのあちこちに展示されているPlayMemoriesシステムのサービス、製品群を回ってサービス全体を紹介するというツアーを行っていました。10分くらいで終わるツアーだそうなので私も一回り参加したかったんですが、結局時間がなくて体験をできませんでした。もう一度CP+に行こうかな?
さらに、これはソニーブースでははじめて。αセミナーを今回は開催しています。
CP+、その前の写真ショーの時から、他メーカーさんのブースでは大盛況の各種セミナーなんですけど、ソニーブースでは開催がなくいつも製品展示のみとなっていたんですが、今回は初めてセミナー開催をしています。
午後からは馬場先生、小澤忠恭先生のセミナーを連続で参加させてもらってきました。馬場先生のセミナーではαレンズのボケにこだわったレンズ設計の話を。そして小澤先生のセミナーでは秋の京都の旅風景をNEX-7で撮影されていて、その撮影にまつわる諸々のお話を聞かせていただいてきました。
馬場先生のセミナーではNEX-7の裏技というか、フラッシュの変わった使い方を伝授していただきました。へぇ~、なるほど、その使い方は気がつきませんでした!という話なんですが、これはまだセミナーを受講された方だけの話にしておいた方が良さそうなので、ここで披露するのはやめておきます。
当店店頭にお越しになったお客様で、どうしても、という方にはお答えしますが、ちょっと私には思いつかない技でした。
そして、3限目にはあのテクニカルライターの小寺さんが登場。PlayMemories のサービス全般の案内をしてくださっているんですが、なんかもったいないですね。ビデオエンジニアから見たαの動画撮影についてのセミナーとか聞いてみたかったです。
圧巻だったのはPlayMemories StudioというPS3でのビデオ編集のデモなんですが、編集点、素材のそろえ方などが一流すぎてデモが見事過ぎ。超わかりやすいセミナーでした。これを見たらPS3とPlayMemories が欲しくなっちゃいます。
というところで、あとはソニー“α”がらみの展示が他にないかぐるっと一周。
まずはSIGMAさん。
こちらには新しいミラーレスカメラ向けレンズということで19mmの単焦点レンズの展示があります。撮影した写真の展示などはなく、レンズがただぽつんとあるだけになるんですが、参考出品だとこうい感じになりますよね。
こちらはタムロンさん。すでに発売になっていますが18-200mmのズームレンズの展示を行っています。ソニーのSEL18200よりも細く小さく軽く、そしてレンズ筒はブラックカラーとシルバーカラーの2色が用意されています。
ソニー“α”レンズの質感とは違っていますが、使いやすそうなレンズです。サードパーティで出来ているので、ソニーさんでも出来ないですかね。レンズ筒の2色展開。
そして、こちらはトミーテックさん。「BORG」というレンズシステムを販売しているところです。
こちらにもNEXが装着されて展示されています。写真のレンズの先の方の白い部分がレンズ本体で、それに各種アタッチメントを装着して焦点距離を稼ぎます。400mm~560mm相当の単焦点レンズとして使えて、それでいて重さは1kgを切る様なレンズシステム。
野鳥撮影などにはもってこい。フォーカスがマニュアルになるんですけど、手軽な望遠レンズとしてはこれもありですね。
雑誌などを見て、存在は知っていたんですがはじめて実際に使うことができました。
あとはニコンさんのD4、D800などの新機種に人だかりができていて、人が集まっているとそこに寄っていってしまうんですが、長蛇の列過ぎて触ることはできず。オリンパスさんでもOM-Dというミラーレスの新機種が人気を集めていて、プレミアムタイムで約20分、一般公開が始まったら約40分の待ち時間でタッチ&トライをされていました。これも触ってみたかったんですが断念。
最後にソニーブースに戻って一回りしていると、ソニーのフォトコンサイト「α cafe」のコーナーを見つけて、アンケートをお願いしているというので、なにかもらえるかと思い、アンケートに答えてきたんですが、特に景品はないそうです。(^_-) 他のブースはいろいろグッズを配ったりしているんですが、そういえばソニーブースでは今回はそういうのがなかったなぁ。
【追記】
α cafeのサイトによると、ここでアンケートに答えるとα cafeで使える10beanがプレゼントされるそうです。ラッキー♪ 詳しくはこちらにて。
ということで、私の見てきたCP+のレポートでした。
CP+は12日の日曜日まで開催。日曜日には三好和義さんがソニーブースでセミナーを開催するんですが、おそらくこれもはじめてのこと。日曜日にもう一度行ってこようかなぁ。
☆カメラと写真映像の情報発信イベント「シーピープラス」の公式ホームページはこちらから
☆ソニー報道資料「カメラと写真映像の情報発信イベント「CP+(シーピープラス)」ソニーのデジタルイメージング商品の出展概要」
☆ソニーデジタル一眼“α”「Eマウントレンズ ロードマップを公開」
【CP+に関連する当店blogエントリー】
☆当店blog 12.2.8「カメラ写真イベント『CP+2012』でのソニー出展概要発表」
☆当店blog 11.2.10「『CP+ 2011』次世代α中級機レポート」
☆当店blog 11.2.10「『CP+ 2011』ソニーブースレポート」
☆当店blog 10.3.15「『CP+』レポート 新型αボディ 詳細編」
☆当店blog 10.3.14「『CP+』レポート ミラーレスα詳細編」
☆当店blog 10.3.11「『CP+』レポート ソニーブース速報編」
☆当店blog 10.3.4「『CP+』ソニーのデジタルイメージング商品の出展概要」