電子書籍『Reader』ファーストインプレッション

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昨日、ソニーさんから電子書籍「Reader」の製品発表と、書籍販売サービスの「Reader Store」の発表がありました。その話と前後して、製品担当の方から直々に熱のこもったプレゼンテーションもうかがっておりまして、それらの話と、今日から参考展示の始まったソニービルショールームでの実機の様子をレポートしたいと思います。

例によって、話が長くなりますが、是非おつきあいください。 

 

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さて、ソニーの電子書籍「Reader」ってなんぞや?という話ですが、最近、ニュースにもなっていますが、音楽についで、ついに本もインターネットを介した電子化が始まっていて、現在、各社で電子書籍のプラットフォームが立ち上がってきています。

大きく6つの団体があるそうですが(すみません、私もあまり詳しくありません)、その一つの勢力になるのが、このソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞の4社が合同で立ち上げた「ブックリスタ」による、電子書籍になります。

ブックリスタでは「Reader Store」というサイトを12月10日にオープン。XMDFファイル形式という、シャープさんが開発した著作権保護をしたファイル形式を採用しており、そのフォーマットでダウンロード購入を行うそうです。4つの会社が合同で運営する電子書籍の販売サイトになりますが、運営を任されたのはソニーになるそうで「Reader Store」ではMy Sony IDでの購入を行い、ソニーポイントを使った書籍ダウンロードなどができるとか。

まだ「Reader Store」が正式オープンしていませんが、私の聞いているところでは自分のIDにヒモ付けしたReaderであれば、何度でもダウンロード、転送ができるとのことですので家族で1IDなどの運用であれば、著作権保護ファイルとはいえ融通の利く使い方ができそう。(まだこれらの件について正式発表の文章がありません。私の勘違い、聞き間違いの可能性もありますので、話半分で聞いてください。正式な情報は12月10日のReader Storeオープンの際にご確認ください。)

そのほかに自分で用意したpdfファイルや、テキストファイルの読み込みも可能だそうです。

 

電子書籍については私も全然知識がないもので、先ほどこんな本を買ってきてみました。

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中をざっと読むとかなり後ろ向きな話で、電子書籍を否定するような内容になっているんですが、こういう方が問題が浮き彫りになるというか読む方も斜めになって読めるのでよいかと。

電子書籍の正体 (別冊宝島) (別冊宝島  ノンフィクション)

電子書籍の正体 (別冊宝島) (別冊宝島 ノンフィクション)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/11/13
  • メディア: 大型本

これで、ちょっと電子書籍の業界については私もこれから勉強をしてみたいと思います。

 

さて、音楽を持ち歩けるようにしてくれた「ウォークマン」と同じノリで、今度は本棚を持ち歩けるようにしてくれるのが「Reader」なのかな?と、ソニーが運営するとことでちょっとワクワクした感じになるんですが、その「Reader」の端末がどんなものなのかというのを案内させてください。

「Reader」の5つの特長を挙げてみると。。。

  • 紙のように読みやすい「E-Ink」の採用
  • ポケットサイズに1400冊
  • 10000ページのスタミナ性能
  • 使いやすいタッチパネル
  • 文字拡大、辞書機能、メモ書き機能などの電子書籍ならではの機能装備

と、なります。

2004年頃に行っていたリブリエで、私も機械を貸し出していただいて数ヶ月間使わせてもらったことがあるんですが、この「E-Ink」は、子供の頃に遊んだ砂磁石のお絵かきのおもちゃと同じ様な原理。

電荷をかけると黒く見える性質のデバイスを使って、それで文字や図形を表示します。4階調16階調のモノクロ表示になりカラー表示は不可。液晶と違って自発光せず反射光でのみ見ることになり、紙に近い質感で文字を読むことが可能。これが「Reader」の最高のウリどころになるのかも。

リブリエの時よりも1.5倍ほどコントラストが出るようになった新しい方式のE-Inkになっているそうで(比べてみないとわかりませんが(^_^;))、ポケットエディション(販売価格19,800円の小さい方の端末)に搭載の2GBメモリーに約1,400冊の収納が可能。

ページを書き換えるときに電子ペーパーに電荷をかけるとき以外はほとんど電力を使わないため、スタミナ性能もかなり優れており10,000ページの描画が可能。どれくらいの量になるのかというと文庫本で約30冊分くらいになるそうです。おおよそ2週間くらい利用する事ができるくらいのスタミナ性能になるそうで長期の出張、旅行などでも充電をする必要がないくらいの性能を目指しているわけです。

これがVAIOだったりウォークマンだったりするとそのスタミナ性能の半分くらいが実際のところ?なんて勘ぐってしまうところですが、Reader Pocket Editionの場合、ページをめくる以外のことでバッテリーを使うことがないため、本を読むだけの作業だったら多分、この数字に偽りはないでしょう。

そしてリブリエとの最大の違いがタッチパネルになっていることで、これにより手書きメモ機能が利用できる様になっています。

 

さて、能書きはこのあたりにして、先ほどソニービルショールームへ行って拝見してきた実機の様子を早速レポートしていきたいと思います。

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まず、今回はお断りしておきますが、個人的に興味のある「Pocket Edition」の方を中心にレポートします。後ほど「Touch Edition」についての案内もありますが、理由はその時に。

さて、その「Reader Pocket Edition」ですが、最初から書籍が12冊分入っています。ユーザーガイドなどもあるので実質10冊分。その中にちょっと異色の1冊があります。

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こちら「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」です。ライバルのアップル社さんの本とか載っけちゃって良いんですかね!?って、昨日のUstrea
mでのプレゼンの時には変な空気になっていましたが、これはアップルさんの話ではなくて単純にジョブズさんのプレゼンの良さについての内容。

プレゼンターとしてのジョブズ氏についての本で、なるほど、目次しか目を通していませんが読んでみたいですね。これがなんと最初から無料で入っています。すごーい。

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ジョブズさんの他には「ソニー自叙伝」というのも入っています。

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こちらは井深さんの写真ですが、なるほど、こういうレベルで表示が出来るようであれば、モノクロにはなりますけどフォトビューワ的に使うこともできそうです。

ファイルの対応形式にはjpegもGIFもあります。

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本のページは本体下部にある左右ボタンでページをめくるか、画面をなぞることでページの送り、戻しを行います。自分の本でここだ!と思えるところにページの折り込みを入れる人とかいると思いますが、それもできます。

画面の右上で画面をダブルタップすると、ご覧の様にページの上に折り目がはいって、ブックマークを付けたような形になります。

さらにここでタップをすると。。。

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こうしてメモ入力の呼び出しが可能。

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手書きメモを選ぶと、付属のタッチペン(本体の右肩のところに収納できます)を使って、こうした図形を書くことができます。

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テキスト入力の場合は簡易キーボードが画面に表示されるので、これをタップして文字を入力することもできます。

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こうしてマークしたものはすべてノートとして扱われて、ノート一覧を呼び出すと、こうしてマークしたところ、手書きメモ、テキストがアイコンで区別されて呼び出すことができるようになっています。

ここ最近、フォトマスター検定とか受けるのに勉強用のテキストを読んだりしていたので、こういう機能があると助かることが身にしみています。理解力の足りないページにだけ、こうして折り目を付けておいて、あとで二度読みするとか実際にやっていましたからね。先週まで。

基本的な本としての使い方は以上。

メモ書きは本だけでなく単体として使えるので、電子書籍として使わない!という人も、手書き&テキストメモ入力マシンとして使えそうです。

 

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続いては本体のサイズとか、使い勝手感。サイズは「Reader Pocket Edition」で。ご覧のサイズです。ほとんど文庫本と同じくらいのサイズになります。

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表示面積だけ見ると文庫本にはかないません。面積比でこれだけになります。1ページで読める量をもっと増やしたい、と言う方は大型サイズの「Touch Editon」の方が良い、ということになりそう。

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文字のサイズですが、デフォルトでこんな感じです。比較しているのは角川文庫の「ダ・ヴィンチ・コード」ですが、見ての通り、ほぼ文字サイズは一緒。よく見ると「Reader」の方がホンのわずかに一回り文字が大きいかな?という感じです。

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ここで本体下部のボタンから虫眼鏡ボタンを押すことで文字サイズの変更ができるようになります。6サイズあるウチの下から2番目「S」がデフォルトの文字サイズ。これよりも小さな「XSサイズ」にすると。。。

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これがXSサイズです。文字が小さくなる分だけ文字の表示量が増えますので、これならページ送りの回数が減らせます。小さな文字を読むことが苦にならないならこの方が良いんでしょうね。

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ひとつ大きくした「M」サイズでこれくらいの文字になります。思ったんですが、これ、老眼の方とか小さな文字を読むのがつらい、という方には朗報かも。メガネ無しで小説を読むことができそうじゃないですか?

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最大サイズのXXLにするとこんな感じ。ほとんど小学1年生の教科書よりも大きな文字、というサイズになっていますが、こんな表示の仕方もできるんです。

この文字サイズ、Pocket Editionでは使い物にならないように思えますが、Touch Editionだと、これが結構良いのかも。

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というのもですね。画面サイズの違う「Touch Edition」(写真左)と「Pocket Edition」(写真右)なんですがよく見ると、文字の表示サイズは一緒なんです。これ、ちゃんと文字表示のサイズを確認したんですが、両方とも「S」サイズ表示になっています。

並べて見比べてみると文字のサイズはほとんど一緒。画面サイズが違っていますが、これ、両方ともパネルの表示解像度は800×600ドットになっているので解像度は一緒なんです。それで文字の大きさが一緒と言うことは。。。そうなんです、1文字に使うドット数は「Touch Edition」の方が少なく「Pocket Edition」の方が多いんです。

なので、それを理解した上で文字を読んでみると「Pocket Edition」の方が文字が鮮明に見えて「Touch Edition」の方が粗く見えるんです。

その代わり、こうして文字の表示量が違うので文字サイズを大きくしたときに1ページに表示される文字の大きさは「Touch Edition」の方が多く、読みやすくなっています。

なるほど、そういう違いになっているんですか。

一概には言えませんが年配の方向けなのが「Touch Edition」で、まだ小さい文字に抵抗感のない方向けなのが「Pocket Edition」と、言えるかも。

私は近視です。裸眼であれば全然まだ小さい文字が読めるんですがメガネをかけると小さな文字が読めなくなってきてしまって、確実に老眼が来ている気がしています。裸眼で使うので「Pocket Edition」がいいかなぁ、というところです。

 

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ボディの軽さもReaderの特長のひとつです。「Touch Edition」でも215g。感覚としては薄いアルミ製の中が空のボディを持っている様な感じ。

初めて実機を見たのはソニーフェスタの時で、その時は完全に展示用のモックアップだと思ってblogでの速報レポートでも「残念ながら展示されているのはすべてモックアップです」と、紹介してしまっていたんですが、あとから全部が動作するUSA版の実機だったことを知り、慌てて訂正を入れさせてもらったくらいです。

軽さもそうですが、電子ペーパーも印刷物にしか見えないんです。

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本体カラーは表がメタリック調になっていますが、裏はマット塗装。

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うまく質感がある写真が撮れなかったんですがこれでわかりますかねぇ。表からつながっている右サイド部分はヘアラインのあるメタリック塗装になっているんですが、継ぎ目のところでマット仕上げになっています。

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専用のケースも各モデルに2サイズ3カラーずつ用意されます。2サイズというのは照明にするLEDライトの有無によるもの。

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これがLEDライトです。実際に暗いところで長時間試してはいないんですが、机の下に潜り込ませて照明の当たらないところで試した限りはこれで十分な明かりになることがわかりました。

夜、ベッドサイドで読書をしながら眠りにつきたい、という方にオススメ。ややサイズが大きくなるので通勤目的の方の場合はライト無しカバーで良いかも。

実際に使ってみるとわかりますが、液晶とは違って、これはまるっきり紙です。バックライトなしの液晶を見るわけではなくて、紙の本を読むつもりで必要かそうでないかを考えてよいと思います。

 

そして、ここからはちょっとスクープです。

ソニーストア銀座さんにも立ち寄って、ソニーストア限定の吉田カバンケースも見せてもらってきました。

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あいにく、Touch Editionのものしか届いていないんです、ということですが、十分です、十分です! ファブリック製の実物を触ってくることができました。

※写真のものはまだ最終デザインのものではありません。仕様が変更になる可能性がありますので参考程度にご覧ください。

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カバーの裏地はスウェード調のしっとりした感触で、Readerを使うたびに、この気持ちよさが味わえるのかと思うと、ちょっと嬉しくなります。

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これはケースの裏側にあたるところ。ここにポケットがあるとの話だったんですが、なるほど、こんな全面を覆うチャック付きの本格的なポケットになる予定なんですね。これはオリジナルのケースとはかなり違う部分じゃないですか。

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単にカードくらいしか入らないモノと思っていたんですが、これならカギとか定期、他にもおサイフとして使うこともできそう。

つまり、これだけ持って外出することが出来るくらいの超最低限のものが入れられます。

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良いですねぇ。天気の良い日曜日にポケットに小銭をちょっと入れて「外に行って本を読んでくる~」なんて言って、ペットボトルのお茶でも買って土手に座ってのんびり1日過ごす、なんてことができそう。

ソニーストアで4,980円での販売になるそうです。購入できるのはソニーストアで本体をオーダーする時に同時に申し込んだ人だけです。私も今回は絶対に買います。

 

わかっています。本体の様子だけではなくてこういう電子書籍の場合、どんなものが揃うかが重要で結局ソフトウェア次第ということも。

今のところ聞いているのは「価格は書籍と同じか、それよりも安く設定」されているものがいくつかある。と言う程度。他にもいろいろ聞いているんですが、まだ公表されていない話みたいなので、ここでは紹介を差し控えます。ですが、今回は貸本スタイルではなくて、一度購入したデータはそのまずーっと持っていられるとのことなので、サービスが万一終わってもPDFビューアとして使い続けることができる最低限の安心感があります。(リブリエの時はそれがありませんでした)

最初から入っている10冊の本(入っている本のデータは冒頭部分だけです。)のおかげで19,800円の元はすぐに取れそうな気がしますし、その後、PDFビューアーとして利用ができるなら、いいかなぁ。

できる事なら自宅の本棚にある50冊くらいかなぁ。。。その本をpdfで取り込んで、本棚を処分して、それでそのお気に入りの本を毎日ポケットに入れて持ち歩きたいですねぇ。

 

以上、実機のファーストインプレッションでした。

また、詳細情報が入ってきましたら、おっかけレポートしたいと思います。

ソニーストアではモニタープレゼントの募集を行っており、はずれても3年ワイド保証のクーポンがもらえるそうですので、まずはモニタープレゼントにダメもとで応募。

それと発売から1ヶ月以内にカスタマー登録することでソニーポイント1,500ポイントがいただけるそうですので購入宣言もお忘れなく!

さぁ、年内最後のお買い物はこれになるかな!

 

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