【レビュー】2周目のVlogcam『ZV-1 II』ブラッシュアップカメラのショールーム実機レポート
ソニーのVlogcamの1号機「ZV-1」がブラッシュアップして新登場しました。5月23日プレスリリース、5月30日10時予約販売開始で6月23日から出荷がはじまる「ZV-1 II」のショールーム実機レポートをお届けします。
こんにちは、店員佐藤です。
週末の5月27日(土)からソニーストア銀座にて先行展示がスタートした「ZV-1M2」を早速、拝見させていただいてきました。
先代の「ZV-1」は2020年6月に発売されたVlogcamの第1号機でした。コロナ渦の中で発売された製品はすべて運が悪かった製品に思えてしまうのですが、おそらくこのカメラも直前で開催中止になった「CP+2020」で発表になり思い出に残る新ジャンルの製品になるはずだったんだと思います。
CP+2020の開催前のソニーさんのサイトもやたらと「Vlog」旋風が巻き起こっていましたからね。
その後、APS-Cセンサー搭載の「ZV-E10」が登場し、先月はフルサイズセンサー搭載の「ZV-E1」も発売になりVlogcam誕生から3年経って、機能も充実。つい先日、自宅でZV-1を使って店頭セミナー動画の撮影をしたんですが、つい使い慣れてきたZV-E1のつもりで操作して「あれ?この機能ってついてないんだっけ?」「これってZV-1ではできないんだっけ?」の連発でした。
ちょっと操作性が違ってるなー、と、思っていたところに「ZV-1 II」が本当にタイミングよく発表になりました。ZV-1をブラッシュアップして、2周目のVlogcamが登場!という感じです。
ちなみに2023年冬シーズンのドラマですが日本テレビさんで「ブラッシュアップライフ」というドラマが放送されていたのはご存じでしょうか? 今世紀放送されたドラマの中で一番面白かったと思うんですが「ZV-1 II」のプレスリリースを目にしたときに、まさにドラマ「ブラッシュアップライフ」を彷彿させました。
ドラマは若くして事故で亡くなった主人公が、2度目の人生を過ごすことができるようになり、生まれ変わったときにもっと良い生き物になるべく「徳」を積みながら二度目の人生を歩む」という内容。
この新型Vlogcam「ZV-1 II」もまさにたくさんの「徳」を積むべく生まれ変わったVlogcamになっているように思えます。
どんなところで「徳」を積んでいるのか紹介しながら先代「ZV-1」からパワーアップしたポイントをご案内したいと思います。
先代の「ZV-1」は現在も販売されていてソニーストア価格:99,901円のモデル。新型の「ZV-1 II」は予定価格120,000円のモデルで価格は約2万円アップとなるのですが「ZV-1とZV-1 IIとどっちを買おうかなー」と、悩む方はいらっしゃらないと思います。余裕で2万円分以上のパワーアップをしているので、どんなに無理をしてでも「ZV-1 II」を買いたいところ。
なんせ、搭載されているレンズが違います。
「ZV-1」はサイバーショットRX100M5Aと同じ24~70mmのズームレンズ搭載になっていて、正直、自撮りするときの画角が狭いんです。新型「ZV-1 II」では新開発の18~50mmのレンズを搭載。RX100シリーズではRX100M2からずっと使われていた24-70mmのズームレンズを搭載していましたが、ここにきてVlogcam専用のレンズを開発、搭載したモデルになります。
本体を見比べると外観上は違いがわかりませんが、搭載されているレンズが違います。(ZV-1にはZEISSのバッジがデザインされていてZV-1 IIにはそれがありませんが、搭載されているレンズはZEISSのものです。デザイン上の理由でバッジがなくなったと聞いています)
写真はテレ端(一番ズームが効いている状態)でのレンズの繰り出し量になります。電源を入れるとこうしてレンズがせり出してくるのですが、その飛び出し量はほぼ同じ。
一番、威力を発揮するのがワイド端での自撮りをしているときの画角になります。自撮りというか友達や仲間と一緒に撮影するときに二人までしか映らないか、4人くらいまでいけそうか、という違いがあるかと思います。
実際にZV-1 IIとZV-1で撮り比べをしてみました。
画角も違うんですが、かなり映りも違っています。ZV-1 IIのほうはちゃんと設定をみていなかったんですがショールーム仕様というか美肌補正が全開になっていて、かなり明るく撮れるようになっていたみたいで、ノーマル状態のZV-1と比べると顔の明るさがかなり違っているんですが、ま、これくらい盛れるものだと思っていただければ幸いです。w
両機種とも「手振れ補正アクティブ」というビデオ用の強力な手振れ補正機能が使えるんですが、それを使うと一回り画角が狭くなります。実際に使われる際は「手振れ補正アクティブ」を入れっぱなしで使って、あともうちょっと広く画を撮りたい、というときに広角ブースター発動!みたいにして手振れ補正をオフにすると一番広い画が撮れる、という使い方をすることになると思います。
最短撮影距離も変わっています。ワーキングディスタンスという一番近い撮影方法でワイド端の場合はレンズ前から被写体まで焼く15cmというのは変わりません。
ですが、テレ端側はZV-1が30cmほど必要になるのに対してZV-1 IIは約15㎝と、かなりの接写ができます。
グルメ撮影、スイーツ撮影の時にぐっと寄れるので不自由さを感じないようになっているのが新型「ZV-1 II」になるかと思います。
細かいところを見ていきたいと思います。グリップ部ですがZV-1では異素材を使っていたものが新型ZV-1 IIではボディと同素材でグリップが作られています。
これはZV-1のほうが手触りが違うのでリッチな感じになるのですが、ここが「ZV-1 II」ならではの「徳」を積んでいるところなんです。
これはSDG’sの観点から異素材を使わずに環境負荷を軽減するために採用したデザインとのこと。
ソニーのサステナビリティの取り組みは製品としてはワイヤレスイヤホンの「WF-1000XM4」から始まっています。プラスチックフリーで環境負荷を軽減するために再生資源、紙素材を使ってパッケージするようになったのですが、それを知らない方からは「手抜きでやすっぽっくなった」という評価をされていたりします。
実際のところは手抜きどころかコストとしては割高になっているのですが、そうした取り組みを知らない人からは評価されない、という残念なことになっています。それもあって企業側でSDG’sの取り組みについて懸命にPRをしているのですが、こうしたデザインの変更もその一端のようです。
ウインドスクリーンもフルサイズセンサー搭載の「ZV-E1」から、より目の細かい細い毛のものに変更されています。これもペットボトルの再利用をしているものに変更されたそうで、SDG’sな取り組みによるものです。
「徳」を積んでいますねー。こうした製品を選んで購入すると自分自身の「徳」もあがるような気がします。(ドラマ「ブラッシュアップライフをご存じない方はなんのことだかわからないと思いますがすみません。)
ボディ背面にもサステナブルなデザイン変更で親指の置き所の異素材がなくなっているようです。
ゴミ箱ボタンのところに「C2」ボタンが配置されていたものが、新型ZV-1 IIでは商品レビューボタンに変更され、カスタムキーでの機能変更ができなくなっています。これはSDG’sの取り組みとは別で、タッチパネル操作の機能が大幅にアップしており、カスタムキーとしてではなく固定機能で使えるようにしてユーザーの混乱を起こさないようにするためのものとなっています。
このモデルではタッチパネルでの操作が5倍くらい増えていて、それに加えてカスタムキーでユーザーが自由にカスタマイズできるようにしてしまうと収拾がつかなくなるのでは?ということのようです。
天面をみるとマイク部のデザインが変わっているのと、モードボタンが変更されてモード送りのボタンに変更されています。
「モードボタン」というのは静止画撮影、動画撮影、スローモーション撮影の切り替えを行うもので、従来モデルのZV-1ではモードボタンを押してから画面上でダイヤルを回して指定のモードにする、ということをしていました。
新型ZV-1 IIではボタンを押すごとに静止画撮影、動画撮影、スローモーション撮影が順番に切り替えられます。
静止画から動画撮影に切り替える際に、以前は最低でも3アクション必要だったものが新型ZV-1 IIでは1ボタンプッシュだけで切り替えができます。
超絶便利になっています。ほかのモデルではスライド切り替えスイッチだったりして、VlogcamではZV-1だけ操作性が違っていたものが、これで共通化されていく感じです。さすがVlogcamを一通り作り上げた2周目のVlogcamです。すべてが使いやすいほうに変更されています。
3カプセルマイクも新型モデルでは指向性のコントロールができるようになっています。前方、後方、全方位の3種類が使えるようになっていて「オート」にすると、画面に顔認識で人の顔があるときは前方指向、画面に人の顔が検知されなかったら全方位指向に切り替えをしてくれています。以前のZV-1は前方固定だったので、自撮りをしているときに自分がカメラ背面に移るとスピーチしている声質が変わってしまっていたのですが、それを均一にして収録することができます。
これも実機で試してみました。
これはぜひ、スマートフォンやPCのスピーカーで音声を聞いてみてください。相当な効果があるかと思います。
これも今時の話になりますがUSB端子がマイクロUSBからType Cに変更されました。ZV-1が発売された2020年はまだ過渡期だったんですが、この機種を最後にカメラ製品もUSB Type C端子搭載に舵を切られた感じ。
スマートフォンの充電ケーブルでZV-1 IIも充電ができます。
それと、PCとのUSB接続の際に、USBストリーミングモードをケーブル接続時に選べるようになっています。ZV-1ではあらかじめUSBストリーミングモードに切り替えてからケーブル接続をしなくてはいけなかったのですが、新型ZV-1 IIは事前操作なしでいきなりケーブル接続でOKです。
なお、ZV-E1はUSB-PDに対応しており高速充電ができますがZV-1 IIはUSB 2.0になっておりUSB-PDには非対応です。このあたりはSDG’sではなく、単に製品の仕様というか目的がイージーな使い方を想定されてのことなんでしょうかね。
なお、従来は付属していたACアダプターや充電用のUSBケーブルは付属しません。スマートフォンのUSBケーブルを利用してください、という案内になります。これはSDG’sの観点から配慮された仕様変更になります。ご注意を。
三脚のねじ穴も位置が変更になりました。これは単焦点レンズ搭載のZV-1Fと同様でバッテリーフラップから離れたところに移動しています。
これにより、ほぼ標準装備で使われているであろうシューティンググリップを装着したままでもバッテリー交換やSDカードの取り出しができるようになります。
また、バリアングル液晶を開いたさいの見かけのバランスも良くなります。新型だとだいたいカメラの中央部分にシューティンググリップが位置します。
こちらはZV-1にシューティンググリップを装着した時の図です。液晶モニターやレンズなどが向かって右側に全部いってしまっている感じです。
さて、詳細解説はここまでで、取材時間がなくなってきてしまったので、ここからは駆け足で紹介です。
撮影オプションの中に機能設定一発でシネマティックなvlog撮影ができる「シネマティックVlog設定」があります。上位機種のZV-E1とほぼ同じ機能なのですがソニーご自慢の「S-Cinetone」というルックが使えません。
なにかしらの事情によるものと思われますが、それに似たルックとして「CLASSIC」というルックを搭載しており、一見するとS-Cinetone風の映像が撮影できます。これもちょっとだけ試してきました。
私も最近になって使い慣れてきた「S-Cinetone」なんですが、明暗差のあるシーンでもフィルム風にぐっとコントラストを低めにして助けてくれる感じで、撮影がイージーになる、という面もあります。
ムードとしてゴールド、フォレストなどを使うと、まんま映画風になります。手軽に映画ごっこをして遊ぶことができますね。
そして細かい話ですが「記録中の強調表示」というのも搭載されるようになりました。これもZV-1以外のVlogcamには搭載されているというかZV-E10の時に開発された機能なんでしょうね。
録画中にモニター画面に赤枠を表示してくれるというものなんですが、これがワンマンオペレーションしているときには大助かりというか事故を防いでくれる大変大事な機能。
自撮りしているときに自分でRECしてから撮影を始めるんですが、20分くらい話してからふと画面をチェックしてみたら録画されていなかった、という青ざめるようなことを私は何度もやらかしています。
特に、このZV-1に機能が搭載されていないので、2週間ほど前にもやらかしたばかりです。ただ、録画中に赤枠が出るだけなんですが、これだけでREC確認ができるので自撮りする際には必須の機能。
いいぞ! 2周目のVlogcam!
そのほか、被写体認識で人物以外に動物にも対応するようになりました。ペットVlogにも使えるようになりました。
設定項目をみていると「アクセシビリティ」という見慣れない項目があり「音声読み上げ」というものも搭載されています。これはどうやらアメリカの法律で弱視の方向けに機能搭載を義務付けられたとかで、それが日本語版にも載っているのでは?という話をお客様から聞いたことがあります。
この機能をオンにするとメニュー操作するときに片っ端から日本語で項目を読み上げてくれます。すごいうるさいカメラになるので、普通はオフのままで使うことになると思います。
そして動画撮影にはうれしいNDフィルターが内蔵されています。これで3段分稼げます。動画撮影の時にはオン、写真撮影ではオフで使うべしですね。
自動電源オフ温度の設定というのは、カメラが熱を持った時に自動でオフになる温度の設定です。いまだに「熱暴走した」とか誤った認識でいる方を見かけますが、普通、カメラは熱暴走しません。高熱で自動停止するのも機械が壊れる温度のもっと全然手前の温度です。
この機能はなんのためにあるのかというと撮影者の手を守るためのもので、低温やけどになる恐れがある温度にカメラがなることを防ぐためのものです。「高」にするのはカメラを手に持つのではなく、三脚やシューティンググリップに装着して撮影するときの設定となっています。
ちなみに「標準」のままで4K撮影すると5分で録画が自動停止するようになっています。4K録画する方は「高」に設定してお使いいただくことになるので、必ずカメラを保持する機器の用意もどうぞ。
スロー&クイック設定やタイムラプス撮影も機能が最新モデルのZV-E1と同様のものになっています。操作メニューUIも最新デザインのものになっているし、搭載されているプロセッサーがBIONZ Xではあるんですが、機能面は最新のソニー”α”なものになっていますね。
内蔵マイクは指向性はあるものの鋭指向性のものではありません。あくまで「前方」とか「後方」とかアバウトなものなのでナレーション収録などでは別途、アクセサリー製品のマイクを購入してパワーアップさせることもできます。
初心者向けのVlogcamという立ち位置ではありますが、その気になれば中級者が予備カメラとして使えるくらいの機能も搭載しています。
ブラッシュアップされた2周目のVlogcamで、あなたの日常生活の記録もブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか!?
ソニーストアでは明日、5月30日10時より予約販売開始で6月23日より出荷開始です。
レンズ一体型デジタルカメラ VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2/ZV-1M2G |
希望小売価格: 119,900 円前後~ |
|||
発売日 | 2023年6月23日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:12,100円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:6,600円(税込) 3年ベーシック:無償 |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
■先代モデル「ZV-1」
デジタルカメラ VLOGCAM ZV-1/ZV-1G |
ソニーストア価格: 99,901円~税込 |
|||
発売日 | 2020年6月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:11,000円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:5,500円(税込) 3年ベーシック:無償 |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
.
さて、ソニーストアでの購入時割引きの話もついでなのでご案内したいのですがZV-1 IIの購入時には「AV商品10%オフクーポン」が利用できるのと4~6月に開催している「ラッキー抽選会」のクーポンもダブルで利用することができます。
★ソニーストアご利用感謝 最大10万円分のお買い物券が当たる!ラッキー抽選会のご案内はこちらから
My Sony IDをお持ちでしたらどなたでも抽選会に参加可能。その場で当選金額が判明するのですが、クーポンが自分のIDにつくのは翌日のお昼頃となっています。まだ抽選会に参加されていない方は先にこちらで抽選してクーポンをもらってから応募されると良いと思います。
最高で10万円があたりますので、当選すれば10万円引き!です。ほとんどの方は「最大5000円」の大ラッキー賞が当たっているようです。
写真と映像のアワード『THE NEW CREATORS』を新設 2月10日まで作品募集中
ソニーグループ企業4社合同での作品コンテスト『THE NEW CREATORS』の新設がソニーマーケティングから発表になりました。 グランプリの賞品がスゴいことになっています。写真作品ならα7R V、映像作品ならFX3の […]
【11月15日開始】VLOGCAM 『ZV-1F』『ZV-1 II』が最大15,000円のキャッシュバック! 『冬旅満喫キャンペーン』発表
SONYより2024年11月15日~2025年1月14日までの期間限定で「冬旅満喫キャンペーン」が発表になりました。 このキャンペーンではVLOGCAM 『ZV-1F』もしくは『ZV-1 II』を購入し、応募することで最 […]
ワイヤレス映像モニタリング『Monitor & Control』アプリを使ってみた
『Monitor & Control』アプリって使われたこと、ありますか? 2023年7月にリリースされたアプリで、現在、ソニー“α”シリーズのカメラのアップデートにより続々と対応するモデルが増えています。 Xp […]
レンズ交換式VLOGCAM『ZV-E1』に大幅なアップデート! 「Ver.2.00」では18項目にも及ぶ機能追加や改善点
レンズ交換式VLOGCAM『ZV-E1』の本体アップデート「Ver.2.00」が公開になりました。 かなり大幅なアップデート内容になっており、撮影情報レイアウトの縦横対応やネットワークストリーミングの対応、Monitor […]