20mm単焦点レンズ『SEL20F28』のレンズ補正とワイコンの話

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お客様からまたもお問い合わせをいただき、ちょっと時間のかかる検証だったため週があけてしまったんですが、調べてみたらいろいろなことがわかりましたので、まとめてレポートをしたいと思います。

今回のお問い合わせは新製品の20mm単焦点レンズ「SEL20F28」でレンズの歪曲補正ってどんな具合ですか?というもの。併せて、ワイコン「VCL-ECU1」も普通に使えるかどうか、ちゃんと検証をしたかったので、レポートします。

今回もかなり話が長くなるんですがNEXユーザーさんは知っておいて損はないお話だと思います。是非、最後までおつきあいください。

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さて、話をすると長くなるんですが2011年モデルのNEX-5N世代からレンズ補正機能というのがデジタル一眼カメラNEXシリーズに搭載されるようになりました。周辺光量落ちという画像の四隅が光がやや弱く暗くなってしまう状態や、やはり画像の四隅で像がにじんでしまうような現象、そして画像全体の歪みを電子的に補正する機能になります。

☆当店blog 11.9.14「NEX-5Nのレンズ補正機能の話 part.2」 
☆当店blog 11.9.12「NEX-5Nのレンズ補正機能の話 part.1」 

普段はあまり気にしていなかったんですが、一度補正された映像をみるとその効果はてきめん。とくに歪曲収差という画像全体の歪みについては一目瞭然。

補正によってどれくらい画質が向上するのかは簡単に見比べることができます。

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私の場合はこうしてマンションの壁で実験をしているんですが、正確にマス目が並んでいるこうした壁などを撮影して、レンズ補正のあり、なしで比較しているとレンズの補正量がわかります。

ちなみに、今回いただいたお問い合わせは複数あるんですが、レンズ補正機能を搭載していない初代NEX-5で利用する場合はどうでしょう?ということと、ワイコンをSEL20F28に装着したときにレンズ補正機能がなくても使えますか?というもの。

どうせなら、20mm単焦点レンズとワイコンだけではなく16mm単焦点との比較、あとワイコンとフィッシュアイコンバーターの効果も検証してみよう、ということで、考えられる組み合わせを全部試してみました。

その結果、意外なことがわかったというか、20mm単焦点レンズの良さもわかったので今回はその結論にたどり着くまでのテスト画像を全部掲載してしまおうと思います。

まずは、20mm単焦点レンズ「SEL20F28」のレンズ全体の歪曲補正、周辺光量の補正の様子を見てください。

レンズ補正比較

これはマウスオーバーするとレンズ補正なしの画像が表示されるようになっています。マウスカーソルを乗せたり外したりするとレンズ補正の有無の画像が切り替わるのでお試しになってみてください。

画像はレンズ補正ありでRAW+JPEG撮影をして、レンズ補正ありはJPEG画像をそのまま。レンズ補正なしの画像はRAW現像でわざわざ周辺光量補正と歪曲補正をせずに出力して作成しました。

いきなりこれだけ見させられても補正量が多いのか少ないのかわからないし、NEX-5の場合はレンズ補正が必要なレンズだったらSEL20F28を買うことができない、と結論づけられてしまいそうですが、これ、補正量は少ない方だと思います。なにと比べてって話でいくと、SELP1650とかSEL16F28とか。

後ほど、SEL16F28の補正比較の画像も出てきますがあとで見比べてみてください。NEX-5+SEL16F28で使うよりも補正なしのSEL20F28で使った方が、はるかに良いかと思います。

なお、絞りは基本的に開放状態で比較をしていますが、絞ると周辺光量も落ちなくなるし、倍率色収差なども軽減されます。なので、今回はF2.8とF8と2種類の絞りで比較画像を撮っているんですが、それを見比べてもSEL20F28の画質の良さがわかると思います。

ここから以下はレンズの周辺部分の画質の様子をわかりやすくするために画像を左下部分の1/4の面積を拡大しています。画面の左下がレンズの周辺部分、右上がレンズの中央部分になります。それを踏まえてご覧になってみてください。

レンズ補正比較

↑こちらは絞り開放のF2.8です。

レンズ補正比較

↑こちらは絞りをF8にしています。

正直、それほど画質は変わっていないですよね? それがすばらしいんです。

このあと、SEL16F28が出てきますので、そっちと見比べてみてください。

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で、まずはその前にワイドコンバージョンレンズを試してみます。

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☆当店blog 11.8.21「α写真路『船の科学館』」 
☆当店blog 11.8.15「那須平成の森 ガイドウォーク体験記」 
☆当店blog 10.12.29「羽田新国際ターミナルへ写真遠足」
 
☆当店blog 10.12.9「ウルトラワイドコンバーター『VCL-ECU1』開梱レポート」 

メーカーでは対応製品としての掲載がないので、なにかしらメーカーで保証できない問題がある可能性もあるんですが、物理的な装着は可能ですし写ることは写るし、その写りについても私の目で見たところでは問題はなさそう。

とりあえず、レンズ補正の様子をF2.8とF8.0で比較してみます。

レンズ補正比較

↑こちらは絞り開放のF2.8での撮影です。左下のレンズ周辺部がやや描写が甘くなっています。

レンズ補正比較

ですが、こうしてF8に絞るとそれも解消。

SEL20F28+ワイコン「VCL-ECF1」ですが、全く問題なく使えるレベルだと思います。

レンズ補正比較

なお、風景撮影もしてきました。あまりわかりやすい良い作例ではないんですが、こういうのを見ても問題はないかと思います。

レンズ補正比較

というか、この後にSEL16F28+ワイコンの画像も用意してあるんですが、それよりもこっちの方が画質的に有利に見えます。 

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続いてはSEL20F28+フィッシュアイコンバーターレンズ「VCL-ECU1」の作例です。

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☆当店blog 10.9.15「フィッシュアイコンバーターって接写ができるんですか?」 
☆当店blog 10.7.7「フィッシュアイコンバーター『VCL-ECF1』店員の声」 

フィッシュアイレンズでの魚眼撮影をソニーの純正レンズだけでしようとすると、まずはフルサイズセンサーの“α99”を購入して、その後にフィッシュアイレンズを買わなくてはいけないため、いきなりものすごい出費が必要になるんですが、SEL16F28があればたった+14,175円で魚眼撮影ができる、というのがウリ。

☆当店blog 12.10.27「フィッシュアイコンバーターで東京まちさんぽ」 

フィッシュアイレンズだけで1日の風景を撮ってみると、これまたおもしろい写真が撮れるんです。使いどころの難しいフィッシュアイコンバーターですが、もう今日はこれしか使わない!って思うとこれはこれでありなんです。

ただ、設計はSEL16F28用になっていて、SEL16F28に装着したときに対角で180度画角が撮れるように設計されているはず。フルサイズ用のフィッシュアイレンズをAPS-Cセンサーのカメラで使っている様な感じになります。

比較してみると。。。 

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↑こちらがSEL20F28にフィッシュアイコンバーターを装着した場合の図。

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↑こちらがSEL16F28にフィッシュアイコンバーターをつけた時の図です。広がり感が全然違うので、これはやはりSEL16F28専用になります。ただ、使えないわけではないので、これにはまるシーンを見つけたら利用することは可能。

レンズ補正比較

ただ、これは今までの癖がもっとも顕著にでるというか、絞り開放だとかなり隅が甘くなります。

レンズ補正比較

F8で絞ればここまで周辺解像度があがります。ワイコンもそうなんですが、コンバーターを使うときはせめてF4以上に絞るように気をつけた方がよいかと思います。

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そして、こちらは比較対象としての紹介にしか今回はならないんですが、初代パンケーキレンズ、16mm単焦点レンズの「SEL16F28」です。

こちらのレンズも同様のテストをしてきたので一緒に紹介したいと思います。

レンズ補正比較

レンズ補正比較

これはSEL20F28の時と同様に同じテストをしています。開放絞りのF2.8とF8でそれぞれレンズ補正の比較をしているんですが、コンバーターをつけていなくてもSEL16F28ってこれだけ周辺の描写が甘いんです。

F8に絞ってもレンズ補正がないと厳しいかな。

これと先ほどのSEL20F28の描写を比べると、これだけでもかなり良くなっていることがおわかりになると思います。

やってやれないことはないんですが、絞り開放でワイドマクロ的な撮影を高画質に楽しめるのが「SEL20F28」になるんです。なるほど、見比べてみると自分でもこんなに違いがあるのかとびっくり。

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続いてはSEL16F28とワイコンの組み合わせです。焦点距離は12mm(35mm換算で18mm相当)になります。

レンズ補正比較

レンズ補正比較

画角が違うので比べても意味がないんですが、これがOKならSEL20F28のワイコン利用の方がアリじゃないかと。。。(^_^;)

この組み合わせでも絞らないと周辺解像度はかなり落ちます。コンバーターレンズを使うときは絞りをできる限り絞る、というのが鉄則みたいです。

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ということでSEL16F28+フィッシュアイコンバーターです。

レンズ補正比較

レンズ補正比較

これも絞るとだいぶ周辺解像度があがります。SEL16F28の弱点がこういうところみたいです。

SEL16F28はできる限り絞って使う単焦点パンケーキ。SEL20F28は絞り開放でじゃんじゃん踏み込んで撮ることができるパンケーキレンズというイメージになりました。

20mm単焦点レンズは絞りを開いて使わないともったいないですね!

ちなみにフィッシュアイコンバーターですが、レンズ補正をすると微妙に画角が変わります。歪曲補正をしているからなんですが、フィッシュアイコンバーターを中心に使うのならレンズ補正機能で歪曲補正だけはオフにするか、もしくはレンズ補正機能を搭載していないNEX-5を使うと良いかも。それで絞りをF8くらいに絞ってもらえれば完璧です!

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なお、先週から使い始めているSEL20F28ですが、やっぱり邪魔になるのでレンズフードは装着していません。より小さく持ち歩くのがパンケーキレンズの魅力。

その代わり、レンズの前面にすぐレンズがあるので、このレンズに限ってはMCプロテクターを装着しておいた方が良いかも。ソニーの純正のMCプロテクターだったら黒枠で赤い「T*」のロゴも見えて、なかなか締まった感じになります。

画質を重視した新しいパンケーキ「SEL20F28」で是非、絞り開放写真を撮りまくりたい!という方は今すぐソニーストアでご購入を。水没・落下時にも補償してもらえる3年ワイド付きで35,800円にて販売中。

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是非、お得に高画質パンケーキレンズを!

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☆当店blog 3.3.10「NEX-5R+SEL20F28と『多摩森林科学園』」 
☆当店blog 13.3.9「NEX-5R+SEL20F28でおやすみ動物園」 
☆当店blog 13.3.8「NEX-5R+SEL20F28で羽田空港タイムラプス撮影」 
☆当店blog 13.3.7「Eマウント単焦点レンズ『SEL20F28』開梱&試し撮りレポート」 
☆当店blog 13.2.28「『SEL20F28』ショールーム展示レポート」
  

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蛇足ではありますが、広角ワイドな写真を高画質に撮影したい、ということでしたら、ワイドズームレンズの「SEL1018」もラインナップされています。

レンズ補正比較

レンズ補正比較

こちらは絞り開放でも端までちゃんと映ります。ワイド端は10mm(35mm判で15mm相当)という“α”レンズでももっとも広角なレンズになります。

建物などをすっきりと撮りたい方は是非、こちらのレンズでご検討ください。 

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☆当店blog 12.11.2「Eマウントレンズ『SEL1018』展示レポート」 

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