有効約2億画素のスマートフォン用イメージセンサー『LYTIA 901』を商品化発表

昨日のニュースになりますが、ソニーセミコンダクタソリューションから1/1.12型のモバイル用イメージセンサーで有効2億画素の高解像度を備えた「LYTIA 901」の商品化が発表になりました。
ソニーの部品パーツのニュースはよくわからないし、特に興味はないかな?「LYTIA(ライティア)」というのも知らないし。という方がほとんどだと思うのですが、これが来年登場するであろう新型Xperiaのメインカメラのセンサーになる可能性がある、というとムクムクと興味が出てこないですか?
なにやらスゴいセンサーが発表になったみたいです。2億画素ですよ、2億画素。

☆ソニーセミコンダクタソリューションズグループ お知らせ「有効約2億画素、AI技術を内蔵したモバイル用イメージセンサーを商品化 ~単眼カメラで高倍率のズーム時にも高精細・高画質を維持~」
こんにちは、店員佐藤です。
昨日、有効2億画素という桁違いのセンサーの商品化が発表になっています。「モバイル用イメージセンサー」という言い方をするとふんわりしてしまうかもしれませんが、これはスマートフォン用のセンサーになります。
1/1.12型のセンサーサイズはスマートフォン用としてはかなり大型。Xperia 1 VIIに搭載のExmor-T for mobileセンサーが1/1.35型になるので、サイズ的にはXperia 1 VII搭載のメインセンサーよりも1.2倍の大型センサーになります。
総画素数はXperia 1 VII搭載のExmor-T for mobileが約4800万画素に対して、なんと2億画素! 桁違いの多画素センサーなんですが、そうするとひとつひとつのセンサーサイズは相当小さくなりそう。
大丈夫なの!?とか不安になりそうですが、実はすごいことをやっているんです。

まずは「LYTIA」ってなんなの?というところの話からご案内するんですが、これはソニーのモバイル向けセンサーのプロダクトブランド名です。
発表があったのは2023年5月2日でプロダクトブランドって何だろ?とか思っていたのですが、そのまんまで、モバイル用イメージセンサーのブランドとして展開をしています。

その後、Quad Bayer配列の「QBCセンサー」が発表になり、4つの画素をひとつの画素として扱うのと、配列変換処理(リモザイク)を行い4つの画素をそれぞれ全部使う出力を切り替える事ができるセンサーが発表になります。

それが、あとからわかるんですが、2023年モデルのXperia 1 Vに搭載された「Exmor-T for mobile」センサーの仕組みと同じ様なものだったことがわかります。
ということは「LYTIA」=「Exmor-T for mobile」と思ってしまいがちなんですが、多くの技術が共通しているものの「Exmor-T for mobile」はXperia用の独自のチューニングをされたセンサーになっています。共通している技術は多いのですが、ソニーとしては別のセンサーとして説明をしているというところです。
「Exmor-T for mobile」搭載の「Xperia 1 VI」と「Xperia 1 VII」にはピクセルビニング解放という技術を使って、デジタルズーム的な2倍ズーム時に1200万画素センサーを4800万画素センサー相当として使い、解像度を上げることをしていますが、まさにそこにこうした技術が使われているというわけです。
さて、ここからは昨日発表になった新型の2億画素搭載の「LYTIA 901」の説明です。
Xperia 1 VII搭載のExmor-T for mobileは本当は4800万画素なんだけど、4ピクセルを一つのピクセルとして扱い1200万画素センサーとして使っています。
「LYTIA 901」はなんと、2億画素のセンサーを1250万画素センサーとして使うことをしています。これがQuad Quad Bayer配列(QQBC配列)という新技術になります。なんと16ピクセルを一つのピクセルとして扱っているんです。

QBCでは4つのピクセルを4つ使った配列になっていましたが、QQBCでは16ピクセルを4つ使った配列にしていて、ズーム撮影時などに全画素を使って解像度を上げる、ということをしています。
図でみるとピクセルのカラーフィルターが変更されているようになっていますが、物理的なカラーフィルターは変わっていなくて、それをAIを使って配列変換処理「リモザイク」をして出力するというわけです。
普通に考えたら、こういうのはプロセッサーの処理で行うものに思えますが、スマートフォンなどのモバイル機器の場合はそれをやるとSnapDragonなどのSoCに負荷をかけることになるため、センサーのハードウェア側で処理をしてしまうとのこと。それによりSnapDragonへの負荷軽減とバッテリー消費の軽減にもなる、というわけです。
解像度を上げるためにXperia 1 VII搭載のQBCセンサーでも1200万画素→4800万画素を行えるんですがそれはビニングをやめているだけで、「LYTIA 901」では1250万画素→2億画素がAIの処理によってより高画質にできるというわけです。

それを表しているのがこちらです。こちらの写真はXperia 1 VIIでいうところの48MPモードで撮影した画像との比較になると思いますが、「LYTIA 901」で200MPモード(仮)で撮影するとこれくらいの違いが出る、というデモなんだと思います。(48MPモードはXperiaのカメラアプリの名称なのでLYTIAにはこうした機能名称はついていないと思います)
Xperia 1 VII の48MPモードは「ビニングしない=4画素をそのまま使う」だけで、画素配列を再構築する処理はありません。LYTIA 901 は “16画素をAIで切り分けて配列を作り直す” 点で大きく異なります。

本技術をセンサー内に搭載したことで高速処理が可能となり、4K解像度で4倍ズームまでの動画を最大30fpsで高画質に撮影することが可能です。
とのことですので、これはおそらく動画撮影での画質比較になると思います。動画のデジタルズームで4倍までできるってすごいですね。
■QBC配列とQQBC配列の違い
QBC(4画素ブロック)では「まとめる or 4画素を個別扱い」の切り替えでしたが、QQBC(16画素ブロック)では「16画素をまとめる + AIが切り分けて再配置する(リモザイク)」という、より高度な処理が可能になります。

さらに異なるゲイン設定(感度設定)で読み出したデータを合成する「DCG-HDR」技術と、分解能を従来の10ビットから12ビットに向上させた「Fine12bitADC」技術を搭載しています。4倍までのズーム全域において高いダイナミックレンジと豊かな階調表現が可能。
DCGデータに短時間露光で撮像したフレームを合成する技術を使い、従来のHDR技術からダイナミックレンジを大幅に向上させることを実現。
解像感が上がるだけではなく、ダイナミックレンジ性能の向上も行えるとのことです。
従来、スマートフォンや“デジタル一眼ではないカメラ”で“高倍率ズーム + 高画質 + 高感度 + 高ダイナミックレンジ”をすべて満たすのは難しいことでした。画質か感度か、どちらかを犠牲にすることが多かったわけです。
「LYTIA 901 」はそのトレードオフを大きく改善し、「スマートフォンでのズーム撮影でも “画質の妥協を最小限にした写り” 」を目指す設計。スマホカメラの表現力を一段――いや二段飛ばしくらいに押し上げる可能性があります。

どのような使われ方をするかがわかりませんが、Xperiaのメインカメラである24mmレンズに「LYTIA 901 」が使われると、このレンズだけで24mmから4倍ズームの96mmまでカバー出来るようになります。もしかしたら望遠レンズを必要としないほどの威力を発揮するかもしれないですね。
現時点ではどのスマートフォンに採用される予定、などの発表はありませんし、Xperiaの次期モデルに搭載されることも発表になっていませんが、量産出荷は2025年11月からとのことですので、早ければ来年早々には「LYTIA 901 」が搭載された製品が出てくるかも。
| 型名 |
『LYTIA 901』 |
|
|---|---|---|
| イメージサイズ |
1/1.12型(対角14.287 mm) |
|
| 有効画素数 |
約2億画素 |
|
| ユニットセルサイズ |
0.7 μm(H)×0.7 μm(V) |
|
| カラーフィルター |
Quad Quad Bayer Coding |
|
| 最大フレームレート (全画素AF) |
200M (4:3) |
10 fps (Full RAW) |
| 50M (4:3) |
30 fps (2×2 Bin) |
|
| 12.5M (4:3) |
60 fps (2×2 Bin Crop, AD12 split-HDR / 4×4 Bin, |
|
| 8K4K (16:9) |
30 fps (2×2 Bin) |
|
|
4K2K (16:9) |
120 fps (4×4 Bin) |
|
|
電源電圧 |
アナログ |
2.8 v/1.8 v |
| デジタル |
0.82 v |
|
| インターフェース |
1.8 v or 1.2 v |
|
| 出力インターフェース |
MIPI® C-PHY 2/3 trio, Max. 6.0 Gsps/trio |
|
有効画素が仕様には4:3 となっていますが、Xperia 1 VIIに搭載されているExmor-T for mobileは4.3:3という変則的はアスペクト比になっているため、それで12Mサイズ、48Mサイズという表記になるんだと思います。こうしたセンサーのアスペクト比の違いがXperia用のチューニングになるんだと思います。
こうしてフレームレートを見ると、8K/30fpsまでの撮影も可能なんですね。Xperiaに搭載されて8K撮影ができるかどうかは、Xperia側のカメラアプリの仕様によってくるので、それも確実ではないのですが、かなりワクワクするスペックのカメラセンサーになっているかと思います。
☆ソニーセミコンダクタソリューションズグループ お知らせ「有効約2億画素、AI技術を内蔵したモバイル用イメージセンサーを商品化 ~単眼カメラで高倍率のズーム時にも高精細・高画質を維持~」

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