【レポート】『新製品 WH-1000XM6 リリースイベント』開発者トークショーレポート「360Upmix」詳細解説&完全新設計デザインの話

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連日のイベントレポートになりますが、今日は乃木坂にある「ソニー・ミュージックスタジオ」で開催された「WH-1000XM6」の体験イベントにお邪魔させてもらってきました。

本物のミュージックスタジオで開催された珍しいイベントなんですが、そこにはその理由がちゃんとありました。レポートの様子を簡単ではありますが報告します。本日発表になった「WH-1000XM6」の魅力もできるだけ簡単に紹介したいと思います。

 

 

こんにちは、店員佐藤です。

昨日のXperiaイベントに続いて、今日はワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM6」の体験イベントになります。乃木坂にある本物のソニーのミュージックスタジオに入れていただける、非常に貴重な機会。

イベントの進行は通常はソニーの社員さんがすすめていかれるのですが、今回はおそらくプロの進行の方が務められているようで話し方が完全にプロ。トラブルがあったときの進行も手慣れていて、なにもかもが本物感のかたまり。

なお、本当に稼動しているミュージックスタジオなのでセキュリティも厳重でお手洗い以外の導線はすべて塞がれていて、入口からスタジオまで、スタジオから出口までも完全護送状態でした。(勝手にスタジオ内を歩き回らないように厳重監視されていました)

すごいところに入ってきました。

プログラムは3部に分かれていて、第1部は3月にデビューしたばかりのkucciさんの演奏をレコーディングする風景を見学させていただきました。(ここのパートは録画・撮影禁止)

アレンジャーの江口亮氏もメインの卓に座って、解説をしてくれて、レコーディングやマスタリングという作業を垣間見せてくれつつ、レコーディングの際に聴いている音を体験させてくれました。

調整卓の向こうの壁に大きなスピーカーが見えますが、ここから流れてくる音はかなりの大音量で、それを聴きながら収録していくんですね。この音質を耳にしているのがプロなわけですが、それをまずは自分たちの耳に入れてくれました。

第2部はWH-1000XM6の製品開発者さんが登場して、製品開発の話をしてくれます。

温室設計担当の井出さんからは「著名な音楽制作スタジオのサウンドエンジニアと商品共創」をしたという話を聞かせてくれました。

話を録音していないので、私の意訳になりますが海外のBattery Studiosというところにいるサウンドエンジニアの元へ行き、試作モデルのヘッドホンを試してもらい、そこから共創をしていったとのこと。

最初は「うん、これで良いんじゃない」というようなそっけない返事しかもらえず、簡単なコミュニケーションしか取れなかったそうですが、通っていくうちに徐々に音作りについて本気のフィードバックがもらえるようになっていったとのこと。

音楽が完成するまでにはレコーディングがあり、ミックス作業があり、最後に全体の音を調整するマスタリング作業があるそうですが、彼らはその最後のマスタリング作業を行っているエンジニア達で、先ほどのスタジオの大型スピーカーで調整している音を、ヘッドホンでも再現できるようにしていったそうです。

アリアナ・グランデなどの海外アーティスト以外にも日本人アーティストでは宇多田ヒカルさんなどの楽曲のマスタリングも担当されたことがあるとのこと。そうした4人のサウンドエンジニアと音質の調整をしていったそうです。4人の中にはボブ・デュランやジェームス・ブラウンの楽曲を手がけた方、スター・ウォーズのサウンドトラックを手がけた方などもいらっしゃるとのこと。伝説級のサウンドエンジニアさん達ですね。

こういう音のいじり方をしたら、こうやって聞こえるはずだよね、というところで不満があると、それを改善していくということをされているそうです。

7倍の処理速度をもつという新開発のプロセッサー「QN3」では「先読み型ノイズシェーパー」ということをやっているとのこと。入力信号の音の立ち上がりでヒゲのように瞬間的にレベルが上がってしまうモノをノイズの先読みをして防ぐと言うことをしているとなっています。

他にもドライバーのドーム部の硬度を変えて、中高域の音質をチューニングしたり、いろいろなご苦労があったそうです。

山嶋さんは「360 Upmix」をずっと手がけているそうで360 Reality Audioから立ち上げはじめた時から担当されていて、「360 Upmix」はまさに自分の分身みたいな想いで担当されているそうです。

Xperiaに搭載されている「360 Upmix」も山嶋さんが担当されていたそうで疑問に思っていたことをいろいろうかがうことが出来ました。

「360 Upmix」は2chソースの映画音源を、立体音響にして聴かせてくれる技術です。Xperiaにも搭載されているんですが、Xperia + WH-1000XM6で使う場合、重ねがけしてもよいものなのか、それともどちらをオンにした方が良いのか聴いてきました。

XperiaとWH-1000XM6を重ねがけするのは推奨していなくて、どちらかだけを使うのがセオリーなんだそうです。本来ならXperiaで360 UpmixがかかっているならWH-1000XM6の方は外れるべきなんですが、現時点ではスマートフォンもヘッドホンもどちらもどんなエフェクトがかかっているのか判別する手段がお互いにないそうで、面倒ではあるんですが、ユーザーが自分で設定をみるしか方法がありません。

そしてXperiaとWH-1000XM6の360 Upmixのどちらを使えば良いのか、ですが、それは「WH-1000XM6」の360 Upmixをオススメするそうです。理由は二つあって、WH-1000XM6の360 Upmixの方はヘッドホンの専用チューニングがされているということ。Xperiaの360Upmixは一般的なヘッドホン全般を考えて作られているので、専用ヘッドホンの方が有利とのこと。

もうひとつは360 Reality Audioで自分の耳型を測定して個人最適化されている場合は、そのデータがSound Connectで利用されるので、より正確な立体音響が楽しめるとのこと。(なお、Xperiaにもソニーアカウントを使わずに機種単体で個人最適化データを保存することは可能です)

Xperiaをお使いでWH-1000XM6を購入して使われる場合は、Xperia側の音声エフェクトはすべてオフにしてSound Connectを使って、WH-1000XM6側の機能を利用した方が高音質で楽しめる可能性が高い、ということになります。

あとは「2ch音源」を立体音響にするための機能ですが、Netflixやamazon プライムビデオなどのソースで立体音響になっている映画ソフトなどでは効果がないのかとうかがったのですが、現行、スマートフォンで再生される音源はすべて2ch音源になっているとのこと。ドルビーアトモスをドルビーデジタルで入力できたとしても、Bluetoothなどで出力する際にデコードされた音源は2chにしかなりません。どんなシーンででも「360 Upmix」は効果をもたらすという話でした。

なにやら面倒な話になっていますが、開発されている方は同じ方ですので、その辺はご安心を。今後は交通整理もうまくされている事に期待しています。

 

ノイズキャンセリング担当の伊藤氏、に続いてはプロダクトデザイン担当の隅井氏も登壇。WH-1000Xシリーズをずっと担当されてきているそうですが、普段は聴くことのできないデザインの話をたっぷりと聞かせてくださいました。

写真はWH-1000XM6(白)とWH-1000XM5(黒)ですが、こうして二つを持ってブラブラさせるとWH-1000XM5はフニャフニャとたわむんですがWH-1000XM6はしっかりとしていてたわむ感じがありません。

どういう違いがあるのかうかがうと、すごいたくさんのことを教えてくださいました。

写真左がWH-1000XM5で写真右がWH-1000XM6です。キープコンセプトで同じ様なデザインだし、共通部品も多くてコストダウンさせているんだろうなー、とか、素人は思ってしまうところですが、WH-1000XM6は完全新設計なんだそうです。見た目のデザインは同じ様になるようにしていますが、まるっきり違う作りになっているとのこと。

先ほどのブラブラした感じの違いですが、WH-1000xm5のキャビネットとバンドの接合部分はたんにヒンジで繋がっているだけでブラブラしているところが、WH-1000XM6は耳に密着するようにテンションがかかる作りになっています。

写真をよく見るとわかるんですがイヤーパッド部分が1000XM5はヘコんでいませんが、1000XM6のそれはギュッと潰れているのがわかります。

これでブラブラしないようになっているのと、イヤーパッドの密着度があがるんでしょうね。なるほど、こんなところに違いがあるんですね。

バンドもよく見ると太さが違っていて細い1000Xm5(左)と比べて1000XM6(右)は太さがあるのと、バンドの太さが部分的に太くなっていたりします。

1000XM5の時は無駄をそぎ落とす方向のデザインになっていて、ボタン類もシンプルなデザインになっていたんですが、おかげで左右の違いがわからない、ボタン操作がわからない、ヘッドホンの前後を間違えてしまう、などということが起こっていたとのこと。

それを是正すべく、手に持った感覚で左右がわかったり、前後を間違えたときにすぐ分かったり、ブラインド操作ができるようにボタンデザインを変更したりしているとのこと。

こうした変形バンドもそうした、わかりやすい、使いやすさを追求した形になっているようです。

ヘッドバンドの縫製にもこだわっていて、1000XM5は2枚の布を貼り合わせているので前後に縫い目があるんですが1000XM6ではシャツの袖と同じ様に1枚布で縫製をしているのは1カ所のみで包むようにしているそうです。

作るのは難しくなるらしいですが、これも使いやすさへのこだわりなんでしょうね。

他にも多数のデザインの工夫を教えていただいたのですが、それはまた今度、実機展示が始まったら店頭でお伝えしたいと思います。

 

こちらは1000Xシリーズの全機種ラインナップ展示です。WH-1000XM6の発表があったのが今日なので、初めて披露されることになりますが、そうか、1000Xシリーズだけでもこんなに歴史ができたんですね。

感動の体験イベントをありがとうございました!!

 

 

■ソニーストアで購入するメリット

販売方法が今回は変わっていて、どこで購入しても同じ価格になるというメーカーとしてもチャレンジした販売を行います。

ソニーストアではいつもご利用いただいているAV商品10%オフクーポンや株主優待クーポンなどは利用できない販売形態になります。また量販店などでのポイント付与も対象外になり、どこで購入しても原則、同じ価格になります。

3年ワイド保証の無料クーポンなどは利用できるのと、お手持ちの買い物券などの利用は可能となっています。送料無料クーポンについても利用ができました。同じソニー製品ではありますが、社外製品扱いになっているPlayStation製品と同じ扱いになっている感じですね。

「ベーシック」の補償内容が故障だけなのに対し、「ワイド」は故障、破損、水ぬれ、火災、水害、落雷など様々な事故に対応し、「無料」で修理をしてもらえます。これはソニーストアならではの施策です。期間は3年・5年からお選びください。

 

ワイヤレスノイズキャンセリング
ステレオヘッドホン

WH-1000XM6
ソニーストア価格:
59,400 税込
ソニーストアのご利用はこちらから
発売日 2022年5月30日
メーカー商品情報ページこちら
延長保証 5年ワイド:5,500円
3年ワイド/5年ベーシック:3,300円
3年ベーシック:無償
ソニーストア
購入特典
一部をのぞきクーポン対象外製品になります
テックスタッフ
店頭入特典
発売日以降 当店店頭展示予定
3年ワイド保証半額クーポンプレゼント他
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内

 

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