【レビュー】映像世界に新しいスタイルを『Cinema Line FX3』ショールーム実機レポート
昨日まで開催されていた「CP+ 2021 ONLINE」にてα1と並び猛プッシュされていたモデルがCinema LINEの小型軽量モデル「FX3」でした。
昨年秋に発売されたα7S3の兄弟機で、さらに動画に特化したようなモデルですが、α7S3と比べてどんなカメラになっているのか、発売前先行展示が行われているソニーショールーム/ソニーストア銀座の展示機の様子をお伝えしつつご案内したいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
昨年秋に発売されたα7S3以降、α7Cにしても横開きのバリアングル液晶を搭載していたり、業務用ビデオカメラのシリーズ「Cinema Line」からもFX6、FX3というα7S3をベースにした動画カメラが投入されていたり、思えば昨年春に発売されたVlogcamの「ZV-1」以降、ソニーから発表されるカメラは”α1”をのぞくと5機種連続で動画撮影カメラのオンパレードになっています。
写真ファンの方からすると、一体、ソニーの”α”はどこへ向かっているんだ!?ということになるかもしれませんが、昨日まで開催されていた「CP+2021」でのソニーブースのセミナー&ワークショップを見ていて、それが私は理解できてしまいました。
ちょっと前だと趣味として写真撮影を楽しんでいた方が、ウェディングフォトや、ファミリーフォトなどの出張撮影でプロになってしまう方が続々といらして、当店のお客様でもソニーのプロサポートにステップアップしていってしまう方が何人もいらっしゃいました。
すごいなー、趣味のものが収入源になってしまうなんて、うらやましいなー、とか思っていたのですが、それが今は写真だけではなく動画の世界にも広がってきているんですね。
写真の場合はプロとアマチュアの境界線があまりなくて、プロもアマチュアも同じカメラを使っていますが、動画の世界だとプロは業務機、アマチュアは民生機という明確な違いが製品にもありました。
動画のプロというと、テレビ局だったり、制作プロダクションだったり、企業VPだったりと、まさに動画撮影をするためのプロ集団が行うモノ、という感じでしたが、昨日まで開催していたCP+2021のソニーセミナーを見ていると、趣味で撮影していた動画から、ウェディングムービーなどのムービー作品撮影を業務にしてしまう方が現れてきていて、その世界が今、爆発的に増えてきているのを感じました。
動画撮影をして収入を得ているのはユーチューバーさん、ばかりではありませんでした。
業務用カメラと、民生用カメラの間にある大きな差のある部分を埋めるべく登場してきたのがα7S3をはじめとするCinema Lineの小型モデルで「FX6」「FX3」「α7S3」の3モデルで一気に溝を埋めに来ているのか2020年から2021年にかけてのトレンドなんだと理解しました。
ちなみに私も業務の傍ら、出来る限りCP+2021のソニーセミナーを見ているんですが、さすがに全部は見られませんでした。タイミングもあって、中井精也さんのセミナーは4回とも全部見ているんですがw、一番見たかった「FX3」のセミナーがまだです。
今日から3月いっぱいは期間限定でアーカイブを拝見できるそうなので、そこで見て、より知識を深めたいと思っています。
かなり感化されて、今年は「シネマチックvlog」の年にしようと決意したところであります。
さて、そんなところで登場する「FX3」ですが、業務用カメラスタイルの「FX6」とデジタル一眼カメラの”α7S3”のまさに間に入ってくる様なモデルになっています。どちらかというとα7S3に近いコンセプトのカメラにはなりますが、仕様は業務用カメラのスタイルそのもの。
ユーチューバーさんや、今までデジタル一眼カメラで動画収録をされていた方々に、機材はそれほど大きくなく、操作性も大きく変わらないけど、Cinema Lineによる動画専用カメラのクオリティってこういうものなんですよ、ステップアップしてみませんか、というカメラになっています。
「FX6」と「FX3」とα7S3でそれぞれ違いがあるんですが、FX6とFX3の違いでここの違いが大きいな、と思えるのが動画の記録フォーマットです。
従来から私たちアマチュアが使っているのが「XAVC S」というフォーマットで、これでハイビジョンでも4Kでも撮れていましたが、プロ用のカメラでは「XAVC S」は搭載されていませんでした。「XAVC」というもっと大きなファイルになる形式で「FX6」もそうなっています。
「FX3」はα7S3同様ですがXAVC Sのイントラやより高圧縮になるXAVC HSなどを搭載。アマチュアからひとつ上のフォーマットに行けるようになっています。
ちなみにメニュー構成はFX3はα7S3シリーズと同じUIになっています。FX6はCinema Line専用のUIを使っているので、ここでもα7側に寄った作りになっています。
そしてα7S3と決定的に違うのがボディです。空冷システムを内蔵していて内部のセンサーや映像エンジンの熱を強制的に排気できるため、連続撮影時間について制約がありません。
吸気はボディの下側にあり、ここから空気を取り入れています。
なお連続撮影時間に制約がないと言っても13時間で動作はストップするように設計されているそうです。FX3に限らずソニーのカメラは最上限でそうした制限をつけているとのこと。
なお、ファンの制御も行えるようになっていて、撮影時にファンの音が邪魔になるシーンではファンが回らずRECを止めたときにだけファンが回る、などの設定ができるそうです。
この空冷ファンシステムのおかげでボディに厚みが出来てしまっているわけですが、逆にそのおかげで便利になっている部分もあって、α7S3では、HDMIケーブルを接続しているとバリアングル液晶が干渉してしまっていたのですが、FX3ではギリギリケーブルに当たらないいようになっています。
微妙なところですが、こういうところで使いやすくなっています。
グリップの形状も変わっていて私たちがいつも使っている”α”シリーズではシャッターボタンよりも握りの部分の下の方が膨らんでいますが、FX3は明らかに上部が前にでています。
これは上からボディをつかむ形でグリップすることが前提になっていて、シャッターボタンを親指で操作できる形にしているからです。
フォーカスエリアの移動に利用するマルチセレクターもボディ背面ではなくボディの上面に位置しており、これもボディの上から見下ろす形で操作する形状になっているからこそのボタン配置になっています。
XLRアダプターが付属しているハンドルが同梱されているのも特徴です。マイクは別売りになっていますが性能的には別売りのXLRアダプターキット「XLR-K3M」(ソニーストア価格:56,000円)が同梱になっている形になります。
XLRとTRSのジャックに対応していてこれにより4ch収録が可能になっています。XLRはキャノン端子と呼ばれる業務用のマイク端子で、TRSというのは私たちも昔よく見ていた標準ジャックです。両方に対応しています。
カメラの持ち歩きに我々アマチュアはストラップを付けて方からぶら下げて持ち運びますが、業務用カメラでそういうことをしているのは見たことがありません。カメラをしっかりと握って運搬するため、こうしたハンドルの装備も必須ということになるわけです。
「FX3」ならではの装備というと、こちらのコントロールボタン6の装備があります。これは自撮りをする際のRECボタンになっていて、カメラを自分に向けながら録画するために用意されています。
カメラの上面にRECボタンがあると、録画をはじめたときにカメラを上下方向で動かしてしまう恐れがあるんですが前面にボタンがあればカメラが前後に動くだけで画角が大きく変わる恐れがなくなります。
α7S3にも、FX6にもないFX3の特徴になります。
手振れ補正機能はα7S3同様に「アクティブモード」を搭載しています。FX6では手振れ補正機能自体が搭載されていないのでこれもFX3、α7S3ならではの機能。
FX6の場合、というか動画撮影の基本は三脚固定での撮影になるし、雰囲気を出すために手振れ感を出すときは演出としてわざとゆらすわけで手振れ補正があるとかえって邪魔になる、ということになります。これも自撮り撮影向けの機能ということになるのかも。
なお、あとからソニーの動画プレビューソフト「Catlyst Browse」を使うコトで手振れ補正機能をソフト上で利用することができます。このときの条件として撮影時に手振れ補正をオフにしておく必要があるのですが、なんのためにあるのかというと、演出上手振れをした映像を撮りたかったんだけど、やり過ぎてしまって手振れをもうちょっと抑えたい、というときに利用するものみたいですね。
私もFX6発表のときに「Catlyst Browse」の手振れ補正機能を試しました補正量を調節できるなどの機能があって、なるほどと思いました。
その他「FX6」では写真撮影ができないんですが「FX3」にはシャッターボタンもあり写真の撮影もできるようになっています。
ただ、シャッターボタンのところにあるレバーは電源スイッチではなくズームレバーになっています。電動ズームレンズの利用時、または単焦点レンズ装着時は超解像ズームを使った電子ズーム機能として利用します。
電源ボタンがどこにあるのかというと左肩のところにスライドスイッチがあり、ここで電源の投入を行います。
ボディのどこにも見当たらないモードダイヤルも、FX3の場合はボタンで用意されていて、ZV-1同様にメニュー画面でモードを選びます。
FX3を使われる方のほとんどが動画撮影に利用されるのがほとんどだと思いますので、こうして絞り優先とかシャッタースピード優先というのは利用しない、という前提なんでしょう。
一応、オートモードも搭載されているところがにくめません。
FX3ならではの機能として「フレキシブル露出モード」というのも搭載されています。
絞り、シャッタースピード、ISO感度の3つの項目を操作して露出を変更していきますが動画撮影時に、不意にダイヤルを触ってしまって意図しない設定になるのを防ぐため、これらの項目をロックする機能が搭載されています。
オートでカメラに頼って変更する際はその項目だけオートにするなどの切替がボタンの長押しで設定可能。動画撮影のためのノウハウがギッシリと詰め込まれています。
マルチスクリューボディと言って、ボディのあちこちにネジ穴がついているのが見えますが、これは従来の”α”シリーズではリグを組んでいたモノを、そのままパーツ装着ができるようにした工夫です。
せっかくボディを小型設計にしているのにリグを組んで大きくしてしまってはあまり意味がなくなってしまうので、コンパクトに使うための工夫となります。
録画したときのRECランプ、業界的には「タリーランプ」と呼ぶそうですが、それもかなり目立つ様に真っ赤なLEDが煌々と光るようになっています。非常に濃い色で真っ赤に点灯するので写真を撮るときは露出を下げ目にしてみました。
動画撮影あるあるなんですが、録画していたつもりが出来ていなかった、というのは誰しもやったことがあると思うんですが、プロでもそうなんでしょうね。
録画ランプの点灯箇所もこうしてメニュー操作から選択することができます。また録画時のモニターに赤枠が出るというα1と同じ動画強調表示ができることから、機能的にはα7S3もα1も内包した、一番新しい”α”という見方ができそうです。
展示が始まった2月27日土曜日の朝一番でお邪魔してきましたが、CP+2021の会期中ということもあり、α1同様に展示機に人が並ぶ状態になっていました。
業務用カメラだし、そんなに見に来る人もいないかな?と、思っていましたが、やはり動画撮影の需要は今、勢いがあるんですね。2台展示になっていたんですが、行列がすぐに出来てしまったため10分だけの取材になりました。
以上、簡単ですがCinema Lineの小型最軽量機種「FX3」の実機展示レポートでした。
撮影データの持ち帰りは可能なので、自分でCFexpress type Aカード、もしくはSDカードを持ち込めば録画データの持ち帰りも可能になっています。
それと3月末までは「CP+2021」連動イベントということで、スマートフォンでCP+2021のソニーサイトでαオーナーズラウンジにログインした状態の画面を表示して、スタイリストさんにお願いすると記念品のバッジがもらえます。
「α cafe 10周年記念イベント」のバッジがもらえるんですが「since 2011」と記載されていました。そうか、東日本震災の年にα cafeでオープンしてたんですね。3月にソニーショールーム/ソニーストア銀座へお出かけに鳴る際は、スマートフォンの準備をどうぞ。
Cnema Line FX3は希望小売価格は459,000 円+税となっており、ソニーストアでは3月2日10時より予約販売開始予定となっています。
FX6同様、AV商品10%オフクーポンの利用ができますので、購入の際は先に「My Sony ID」を取得の上、予約オーダーされることをおすすめします。
3月2日10時からの販売開始時には残価設定クレジットの価格も発表になりました。2年後に本体を返却することを前提に、残価額を先に設定して、その分の支払いを免除してもらう購入方法になりますが、2年後の価格設定は176,000円と設定率34.8%は上限ギリギリの設定になっています。
業務で使われる方ですと2年間で元が取れるかどうかの計算をされると思いますが、上記で掲載されている月々の支払いは割引き前の価格になります。My Sony IDをお持ちの方でしたら10%オフで決済ができますので月々の支払いは11,600円になります。
落下破損時も保証を使える「ワイド保証」にアップグレードしてお買い求めください。
CinemaLineカメラ FX3 ILME-FX3 |
希望小売価格: 459,000 円+税 |
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発売日 | 2021年3月12日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 | 5年ワイド:46,000円 3年ワイド/5年ベーシック:23,000円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
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