BIONZ X搭載の生まれ変わったサイバーショット『DSC-HX60V』実機レビューレポート
3月7日発売の新型サイバーショット「DSC-HX60V」を使わせていただく機会をいただきました。30倍高倍率ズームレンズ搭載モデルで、昨年モデルのHX50Vからハードウェア的な進化はNFCくらいで、あとは中身のソフトウェアがちょっと変わったくらい、と思われるかもしれませんが、このモデル、すんごい変わってしまっていました。
デジタル一眼カメラ“α”ユーザーさんのサブカメラに最高の機種になるかもしれません。おすすめポイントだらけなんですが、それを全部お伝えしたいと思います。
さて、並んでいるのは2013年モデルのDSC-HX50V(写真左)と、今年発売になったDSC-HX60V(写真右)です。外見はほとんど変わらず、スマートフォンとの連携を楽にしてくれるNFCが搭載になったのと、映像処理エンジンにBIONZ Xが搭載されただけなので、そんなに変化のないモデルなのでは? というのは私も思っていたんですが、使ってみたらこれが全然違う中身になっているカメラだったんです。
電源を入れてみるとすぐにわかるんですが、写真左のDSC-HX50Vはサイバーショットの操作メニューで画面左側にアイコンが並ぶタイプのもの。写真右のDSC-HX60Vはメニュー画面がデジタル一眼カメラ“α”のものとなっていて、タブ操作でメニューを切り替えるものとなっています。
このカメラだけ使っているのであればどちらも違和感なく使えるんですけど、”α”のサブカメラとして持ち歩くと、設定メニューが違っていて交互に操作すると違和感があります。
”α”ユーザーには使い慣れた画面操作ができてうれしいポイント。
わかりにくいかもしれませんが、撮影時の情報表示についても”α”のものとなっており、画面両サイドにアイコンが並ぶスタイルになります。
そして、”α”ユーザーにとって最大のメリットがこちら。
こちらは旧型モデルのDSC-HX50Vのものですが、静止画サイズは4:3と16:9の2つの画角からしか選べません。以前はデジタル一眼カメラ“α”と同じ3:2の画角もあったんですが、イメージセンサーが4:3のサイバーショットの場合、3:2に設定するメリットが少ないのか、数年前から設定ができなくなっていました。
それが、DSC-HX60Vになって「3:2」が復活しているんです。
サイバーショットと”α”の2台を使って交互に撮影すると画角が違う写真が並んでしまい、どうもそれが気持ち悪いので私などはサイバーショットは4:3画角で撮影しておいて、後でフォトショップなどで3:2に整形することをしているんですが、これなら”α”とサイバーショットを混在して使っても同じ画角でそろいます。
個人的には待望の「3:2」アスペクト比復活です。
マルチインターフェースシューも装備しているので、アクセサリーの有機ELビューファインダーの装着も可能。
どことなくクラシカルな雰囲気になって、極限まで小さくしたデジタル一眼カメラみたいな雰囲気に見えなくもありません。
作例と言えるものは私の腕では撮れませんが、試し撮りしてきて撮影してできたのがこんな写真です。
DSC-HX60V F6.3 1/250秒 ISO200 焦点距離720mm相当
光学30倍ズームの威力は絶大で、足場がなく離れた被写体もこうしてぐっと寄せて撮ることができます。ワイド端で5cm、テレ端で200cmが最短撮影距離になるため、テレマクロの様に望遠で近くのものを撮ろうとするとなかなか難しいんですが、そういうときはテレ端を使わずに途中くらいの10~20倍ズームくらいを使うと良いみたいです。
DSC-HX60V F6.3 1/250秒 ISO200 焦点距離390mm相当
これで15倍ズームくらいになります。ここからテレ側いっぱいまで使うと。。。
DSC-HX60V F6.3 1/250秒 ISO250 焦点距離720mm相当
こんなに寄れてしまいました。ここからさらにソニーさんお得意の超解像ズームを使うことができます。
DSC-HX60V F6.3 1/250秒 ISO200 焦点距離720mm相当
目いっぱい使うと60倍ズーム。ドットパーピクセルで大きくしてみると、やや塗り絵っぽい質感になることもありますが、ノイズだモザイクの様なガタガタの画にはならないところはさすが。プリントしたときもきっとこの方がきれいに見えますよね。
DSC-HX60V F3.5 1/160秒 ISO80 焦点距離28mm相当
そして、昨年末に”α7R”を使う様になってから思うんですが、やたらと高画質で高精細な写真が撮れるα7R。フルサイズセンサーの威力ってすごいぞ!と、思うのと同時に画像処理エンジンBIONZ Xの威力もあるので、どこまでがセンサーの威力でどこまでがBIONZ Xの威力なのかわからないんですよ。私には。
ですが、こうしてサイバーショットに搭載されたBIONZ Xの映像を見ると、画像処理エンジンの威力も相当ある様な気がしてきます。こういう写真を撮った時の高精細感は”α”の画質を感じさせてくれます。
この何でも撮れちゃう感、すごいですよ。
で、DSC-HX60Vの進化の話はまだ終わりません。
手ぶれ補正機能に「インテリジェントアクティブ手ぶれ補正」なるものが搭載されるようになりました。これもBIONZ Xが搭載されたことにより高速処理ができて実現した機能のようですが、光学手ぶれ補正と電子手ぶれ補正を合わせて使っているようなものなのかな?
その違いを確かめるべく、こんな風にDSC-HX60VとHX50Vを連結して同じ動画を撮って試してみました。カメラを別々に持って走ってみて手ぶれ補正の効果をはかる、なんてことをするとどうしても手心が加わってしまって正確な比較にはなりませんが、これならばっちり。
連結して同じところで同じ動画を撮影して、それをマルチビュー編集したのがこちらです。
上段がDSC-HX50Vで下段がDSC-HX60です。違いがおわかりになりますか?
見比べれば一目瞭然ですが、DSC-HX60Vの方がショックにも強く、滑らかな手ぶれ補正になっていると思います。意識的にカメラをぶらしながら歩いて撮っているので、もうちょっと本気でぶれないように気を付けて撮影すれば、空間光学手ぶれ補正並みの動画が撮影できるかも!?
なにげにこんな進化もしているわけです。
そして、これも大きな違いで、NEX-5R、NEX-6、”α7”シリーズ、”α6000”と同様にPlayMemories Camera Appsのアプリケーションのインストールが可能。現時点で上記の4種類のアプリがインストールできます。
特にタイムラプスが必見で、まだ”α7”シリーズでも実装していない、AE追従を滑らかに行うことができます。従来のタイプラプスでAE追従をすると、露出は1枚ごとに行うため、ダイナミックに露出が変わってしまうと動画の明るさがガタガタになってしまうんです。
それを防ぐため露出追従をマイルドに行うことが可能。後日、”α7”シリーズでも搭載が可能になると思いますが、今日の時点ではDSC-HX60Vの方がタイムラプスの露出追従性は良いことになります。
最初の数秒程度でしかわかりませんが、確かに空の明るさに対して滑らかに色が変化していくのがわかります。
それと、タイムラプス撮影に便利な電子水準器も装備。これも先代のDSC-HX50Vにはありませんでした。※DSC-HX50Vにも電子水準器は装備されていました。お詫びして訂正いたします。
外観は同じでも中身はもう完全に”α”に入れ替えられてしまっている感満載です。
たくさんの進化を果たしたDSC-HX60Vですが、GPS機能も搭載。一時と比べるとGPS搭載モデルが減ってしまいましたが、まだDSC-HX60Vの様な全部載せモデルでは用意があります。
写真遠足をする前にDSC-HX60Vのメニュー画面を出してGPSログ機能をON。カメラの電源をオフにしても定期的にGPS信号を受信して自分の居所を記録していきます。
帰ってきてからPlayMemories Homeにデータを移してマップビューで見てみると、なるほど、写真に撮ってきた半島は真鶴半島だったみたいです。
こんなことができるのも今はDSC-HX60Vと4月発売のDSC-HX400Vの2機種だけになってしまいました。
ということで、ざっくりしたレポートでしたが新型サイバーショット「DSC-HX60V」のおすすめポイント列挙でした。
大きなセンサーを搭載しているわけでもありませんが、露出補正ダイヤルが搭載されるなど、”α”スピリッツを感じるモデルになっています。”α”のサブカメラにおすすめです。
★ソニーストア サイバーショット「DSC-HX60V」のご案内はこちらから
☆当店blog 14.3.6「サイバーショット『旅のキオク』キャンペーン発表」
☆当店blog 14.2.16「サイバーショットDSC-HX50Vで撮る『雪の上野動物園』」
☆当店blog 14.2.12「5分でわかる2014年モデルのサイバーショットラインナップ」
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Noir
2014年3月11日 @ PM 5:09
なんと、3:2が使えなかったんですね
1:1やGPSとGPSロガーがαにもほしいですね~
店員佐藤
2014年3月11日 @ PM 8:19
♪Noirさん、こんにちは。
確か2011年くらいのモデルからだったと思うんですが
3:2が使えなかったんです。RXシリーズでそれが復活は
していたんですが、4:3センサーでの3:2復活は久々!
GPSは”α77”などについていましたが、Eマウントの
カメラにはつかないですもんね。バッテリーにゆとりも
あるわけですし、GPSロガーは私も欲しいです♪
test
2014年3月15日 @ AM 1:13
自分の記憶が正しければ50vにも電子水準器は搭載されていた気がします。
店員佐藤
2014年3月15日 @ PM 2:15
♪testさん。こんにちは。
ご指摘ありがとうございました。
実機で確認したところ、確かにHX50Vでも設定が
できました。お詫びして訂正させていただきます。
ほろ酔い歌人
2014年3月27日 @ AM 9:15
hx60vの充実の解説、ありがとうございました。hx50vとhx60v(bions x)で同じ写真を撮って比較し、画質のどこが変わったのかを説明するレポートがあるとさらに嬉しいです。
店員佐藤
2014年3月28日 @ PM 2:56
♪ほろ酔い歌人さん、こんにちは。
長文blogにおつきあいくださりありがとうございました。
いただいたご意見を参考に、今後のblog記事作成に
つとめたいとおもいます。
今後もよろしくお願いします。
bohatei
2014年5月27日 @ AM 7:25
HX50VとHX60Vの違いをわかりやすく書いているページがほとんどないので参考になりました。
実際にHX60Vを使ってみると、ほかにも決定的な違いがありましたので報告します
・単機能しか登録できなかった「カスタムボタン」が、「Fnボタン」と名を変え、12個の機能を登録できるようになった
・Pモードで、プログラムシフトが使えるようになった
・フラッシュで調光補正が使えるようになった
撮像素子とレンズ性能以外の機能については、RX100と同等になったと言っていいと思います。
Fnボタンと調光補正の存在は本当に大きい。ゆっくりと風景を撮る人などにはプログラムシフトはとてもいいですね。
店員佐藤
2014年5月27日 @ PM 8:16
♪bohateiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
カスタムボタンからFnボタンというのは
まさにαシリーズっぽい操作方法ですね。
今年のサイバーショットはDSC-HX60Vに限らず
どのモデルもみんな使いやすくなりました。