UHSスピードクラス3対応『SF-16UZ』開梱レポート
新発売のUHSスピードクラス3対応『SF-16UZ』の紹介なんですが今回はお詫びと訂正をしながらの開梱レポートです。
発売前にXAVC Sの4K動画撮影にどうぞ!と言っていましたが、これって4K撮影には使えないんです。そのあたりの話を検証しながら正確な話をお伝えしたいと思います。
さて、今回の新製品。先に64GBのSDXCカードが発売されており、追って、16GBと32GBのSDHCカードが登場しました。
UHSスピードクラス3に対応しており100Mbpsの4K動画撮影に使えるというのが64GBの「SF-64UZ」の特長でした。そのシリーズで16GBモデル、32GBモデルが登場するので当然4K動画対応のカードだと思っていたんですが、記録できないとは書いていないモノの「4Kで撮影した動画をSDメモリーカードに記録する場合はSDXCメモリーカードUHSスピードクラス3が必要です」ということが記載されていて、メーカーさんに確認したところ今回発売のSDHCカードは4K動画撮影には対応していない、ということが確認できました。
お詫びして訂正いたします。
じゃあ、4K撮影に対応していないのに、それを16GB、32GBの製品として販売する意味があるのか、というと、4K撮影のXAVC Sフォーマットの記録には対応していないモノの、高速連写を行うデジタル一眼”α”などの高速記録のニーズに応えるためのもの、ということになっています。
なるほど、当店で出来るだけの検証もしてみたいと思います。
まずは、本当に4K動画のXAVC Sフォーマット記録ができないのか、ということなんですが、4Kハンディカムの「FDR-AXP35」で試してみます。
「SF-16UZ」を購入してそのままメモリースロットに入れて撮影をしようとすると上記のメッセージがでて録画ができないようになっています。
ところがこれはFAT32でフォーマットされているのを検知しているからで、PCを使って「exFAT」というフォーマットにしなおすと、4Kハンディカムでは使える様になります。
FDR-AXP35では60Mbpsと100Mbpsの2種類のビットレートが選択できます。16GBだとそれぞれ32分、20分というかなり短い録画時間にしかなりません。
これで撮影を試してみると、一応、撮れることは撮れますが、メーカー保証外の使用方法になります。当店でもオススメはしません。
大事な4K動画記録で、あとから再生ができなかったとかあると非常に残念なことになりますからね。
デジタル一眼カメラ「α77 II」でもXAVC S動画の記録ができるようになっています。こちらにもexFATでフォーマットしたSF-16UZを挿してみるのですが、αではフォーマットではなくカードの種別を認識しているようで、記録はできませんでした。
おーくてぃさん、ご指摘ありがとうございました。当店でもその後、検証をさせていただき、回避策がないか試してみたのですが、どうやら利用は無理なことが判明しました。
お詫びして訂正いたします。
ところで、カードの書き込みスピードについてはどうなっているものなのか、手元にあるSDカードのすべての種別でCrystalDiskMark 4にてベンチマークを取ってみました。
ランダムアクセスはこの手のカードではあまり問題にはならないかな?ということで「Seq Q32T1」の数値だけ拾って比較します。(計測に使ったのはUHS-II対応のVAIO Z Canvasです。)
ソニーSDカード | Read | Write |
SF-16UZ | 83.59 | 78.56 |
SF-64UY | 43.36 | 32.35 |
SF-64UX | 84.14 | 48.99 |
SN-BA64 | 81.75 | 19.84 |
SF-8NX | 22.96 | 12.35 |
SF-8BF | 22.26 | 4.67 |
SF-4C4 | 22.33 | 4.69 |
※単位 MB/s
こういうのをグラフではなく表だけでお見せするとわかりにくいんですが、SF-16UZだけ書き込みの数値が異常に高いのがわかります。
同じSDXCカードでもSF-UXシリーズとSF-UYシリーズだと読み出し速度も書き出し速度もずいぶん差がでるんですね。「SN-BA64」というのはPCのSDカードスロットに挿したままで使うデータのバックアップSDカードです。読み出しは最高速度レベルですが書き込みが非常に遅いカードになっています。データのバックアップは特に急いで行うモノでもないので、うまいことチューニングしてあるんだなぁ、と、改めて感心してしまいました。
SF-8NXとSF-8BF、SF-4C4でも書き込み速度に差が出ます。ベーシックモデルと、ちょっと良いカードとの差ってちゃんとあるものなんですね。
ということで、この書き込み速度の差が、デジタル一眼カメラ”α”で使っている時に出るモノなのかも試してみます。
差が出やすそうな「SF-16UZ」と「SF-64UY」で高速連写の撮影枚数テストをしてみました。
「α77 II」を使って、秒12コマの速度優先連写にし24M JPEG FINEにて撮影。手動計測ですがストップウォッチを用意して10秒間だけシャッターボタンを押しっぱなしにして何枚の撮影ができるかをテストしています。
JPEG FINEで大体7秒くらいまでは連続で撮影ができて、その後はバッファが埋まってしまって、書き込み待ちでバッファが空くとその分シャッターが切れる、というのを最後は繰り返します。
3回計測して平均を出すと「SF-16UZ」が90枚、「SF-64UY」が77枚で、
ちゃんと差がでました。10秒間の撮影後のファイルの書き込み速度も断然SF-16UZの方が速く、なるほど、これがレッドブルエアレースの時にあれば、かなりの武器になっていただろうなぁ、と思えました。
スポーツ撮影などで連写することが多い方、XAVC Sフォーマットの録画にはお使いになれませんが、静止画撮影で高速連写を多用する方にオススメのメモリーカードです。
4K撮影などでXAVC Sフォーマットの記録をお考えの方は64GBモデルで。静止画撮影に使われる方は32GB、16GBも含めてご検討ください。
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