USBポータブル電源の電力実調査レポート決定版!

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超大容量ポータブル電源「CP-B20」発売時に一度レポートをしているのですが、あのときはたった2日くらいでレポートをしていたので、あまりたいした検証もできず、また調査した数も少なかったんですが、その後、再検証をしたり調査機器を増やしてみたりしました。

USBポータブル電源の実際の5V出力の電力量と、手持ちのUSB充電が可能な機器バッテリーの必要な電力量を可能な限り調査してみました。夏休みの旅行前に是非、参考にしてみてください。

 

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さて、今回の検証を進めるのに役だったのがこちら。ルートアールのUSB簡易電圧・電流チェッカーです。

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積算機能付きということで、瞬間的な電圧、電流量に加えて、mAhで出力された電力量を表示してくれる機能がついています。電圧は瞬間的なボルト。電流は瞬間的な量ですが、mAhは電圧×電流×時間の量ということになります。

ソニー製のUSBポータブル電源には電力量の記載がありますがこれは3.7Vの内蔵されたリチウムイオンの電圧での電力量になります。実際にはUSB出力の場合5Vに昇圧させて出力する必要があり、その際に損失などもあるはずで揃った単位になっていないわけです。

対する充電される側の機器についても同様で充電に必要な電力量がまちまちでわかりません。損失がどれくらいのものなのか、という目安も検討も私にはわかりませんので、じゃあ、実際に計ってみよう! という話しなわけです。

カーです。

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amazonで1380円で購入した、このチェッカーで今回も試してみます。

ルートアール USB 簡易電圧・電流チェッカー 積算機能・VA同時表示対応 RT-USBVAC

ルートアール USB 簡易電圧・電流チェッカー 積算機能・VA同時表示対応 RT-USBVAC

  • 出版社/メーカー: ルートアール
  • メディア: エレクトロニクス

機器の作りは価格なりでボタンを押し込んだときの感触もふにゃふにゃだし、ページ切り替えの具合もちょっとおかしく、長押ししたときの動作もなんか変な点滅をしたりするんですが、前回のレポート後に誤差がないか、再度同じテストをしてみたところ、ほとんど誤差がなく正確な数値が出ています。

このチェッカー自体の単位の正確さを計る機会がないので補正はできませんが、これ単体で全部計れば、相対的な値ということであれば信頼が出来ると思います。

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実験はこんな感じでポータブルUSB電源からUSB充電対応機器に充電をしたり、ときにはポータブルUSB電源からポータブルUSB電源へ充放電をさせたりしながら計測。

まずは新発売の20,000mAhの大容量ポータブルUSB電源「CP-B20」の測定値からなんですが。。。

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★ソニーストア USBポータブル電源(20,000mAh)「CP-B20」のご案内はこちらから

3回ほど計測しましたがほとんど誤差のない数値が出ています。カタログ数値で付属のACアダプターを使っての満タンまでの充電時間は約15時間となってますが、実際にやってみると15時間8分とかで満タンになったりします。すごい正確。

3.7Vの内蔵リチウムイオン電池で20,000mAhのCP-B20ですが、充電にかかった電力量、放電できた電力量は下記のとおりでした。(3回平均)

 5V計測時  充電容量  放電容量
 CP-B20  19,275mAh  12,420mAh

充電はACアダプターから5V電源で行っていて、出力も5Vで出力してます。わかってはいるんですが、充電した電力量がそのまま同じ量が出力されるわけではなく、結構損失が大きいんです。CP-B20の場合は充電した電力の64%が放電できる電力となる計算でした。

水をバケツからバケツに移していくとちょっとずつこぼれてしまって水の量が減ってしまいますが、それと同じことでポータブル電源からポータブル電源へ電力を移していくと、ちょっとずつ減っていってしまうわけです。

 

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★ソニーストア ポータブルUSB電源(10,000mAh)「CP-F10LA」のご案内はこちらから

続いては2番目に大きな容量の「CP-F10LA」です。CP-B20の容量の半分のモデルです。CP-B20をひとつ購入するよりは「CP-F10LA」を2コ買った方が使い勝手は良さそうな気もするんですけど、CP-B20は充電してから1年経っても80%の電力が残っているという放電に強い仕様になってます。防災グッズとしてCP-B20は頼れる、という点もあります。

CP-F10LAの測定結果は下記の通りです。

 5V計測時  充電容量  放電容量
 CP-F10  8,825mAh  6,379mAh

充放電の効率を計算すると72%と効率よく電力を出力してくれます。20,000mAhのCP-B20の約半分ほどの数値になっており、確かに容量は半分になっている感じがします。

この感じで手持ちのソニー製品全ての電力量を計っていきたいんですが、さすがに全部は当店にもありません。ある物だけ計測していきます。

 

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★ソニーストア ポータブルUSB電源(3,000mAh)「CP-V3A」のご案内はこちらから

今年の春発売になった新型のかまぼこ形ポータブルUSB電源です。これのブルーを私は買って毎日カバンに入れて持ち歩いています。一緒にマイクロUSBケーブルも入れてあるので、ウォークマンでもサイバーショットでも、α7でも、スマートフォンでも充電を忘れたりバッテリーを使い切ってしまったときにちょっとだけ充電出来る様にしています。

 5V計測時  充電容量  放電容量
 CP-V3A  2,834mAh  1,642mAh

カタログでは3,000mAhとなっていて、5V出力時の電力量は上記の通りとなります。スマートフォンXperia Aの実測での充電容量が2,251mAhだったのでCP-V3Aの放電容量1,642mAhではスマートフォン1台を満タンにすることはできません。Xpeira Aの場合は約7割の充電、ということになります。

軽量バッテリーで、自宅までちょっと電力が足りないとき、などに利用するものとなります。

 

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★ソニーストア ポータブルUSB電源(4000mAh)「CP-A2LAKS」のご案内はこちらから

続いてはちょっと変わったポータブルUSB電源で「CP-A2LAKS」です。現在はフラット型のポータブルUSB電源が主流ですが、サイクルエナジーブランドで展開をはじめたときはこのホワイトデザインのバッテリーの製品が多数登場していました。

コンセント部を取り外すことができてバッテリー単体で持ち運ぶことができるんですが、うっかりコンセント部だけを持ち歩き、バッテリー部を自宅に置いてきてしまうというミスもしやすいモデルでした。

現在はこの手回し充電器がついたフルセットのモデルのみが販売を継続しています。

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バッテリー容量は4,000mAhとなっており、当時は比較的大容量でした。今でもどこか遠出をするときは、コンパクトさにひかれてこれを私は持って歩いているんですが、そうだ、せっかく手回し充電器があるんですし、このハンドルを回してどれくらい自力で電力を発電できるものなのか実験してみましょう。

コンセントにつないで満タン充電したときと、15分間手回し充電したときの結果がこちらです。

 5V計測時  充電容量  放電容量
 CP-A2LAKS  コンセント充電のため計測不能  2,323mAh
 CP-A2LAKS  手回し充電15分  11mAh

手回し充電は放電しきってからの充電なのと、あまりにも発電出来た電力が少ないのでかなり誤差があるような気もするんですが、うーん、手回し充電ってこんなものですか。

15分間、かなりマジメにハンドルを回していて筋肉痛になりそうな予感すらしているのに、意外な結果です。

コンセントからの満タン充電の際の放電容量はCP-V3Aよりは大きい物の私が想像していたほどではありません。CP-F10LAとかの数値を見てしまうとやはり頼りなく感じてしまいます。でも、これを使うとXperia Aをちょうど1台分、満タンにできるんですね。感覚的には確かにそんな感じがします。

 

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続いてはこちら。「EnargyLINK」とありますが、これはソニーのポータブルUSB電源の元祖です。「CP-3H2K」と言うモデルで単3電池2本を収納して電池の力でUSB出力を行います。また裏にはコンセントがあるので、充電池をこのケースで充電することもできる、とおいうモデルです。

当時の担当セールスSさんに「この製品に力を入れているんで応援してください!」と言われて使い込んだ覚えがあります。

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★ソニーストア 充電式ニッケル水素電池【単3形】「サイクルエナジーゴールド」のご案内はこちらから

すでに販売が終了している製品ですし、この後に後継モデルとして登場するCP-Hシリーズも販売終了になっているんですが、参考までにどれくらいの出力ができるのが試してみると。。。

 5V計測時  充電容量  放電容量
 CP-3H2K
 初代サイクルエナジー電池
 コンセント充電のため計測不能  440mAh

単3充電池2本の電力容量ってこんなものだったんですね。現在のUSBポータブル電源に使われているバッテリーがいかに効率よく出来ているかわかります。

 

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★ソニーストア ポータブルワイヤレスサーバー「WG-C10」のご案内はこちらから

これはポータブルUSB電源ではありませんが、その機能を内包している製品ということで試してみました。Wi-Fi機能を内蔵したポータブルワイヤレスサーバー「WG-C10」です。

メモリー
カードスロットを装備し、そこに入れたファイルをWi-Fiで接続したみんなと共有できる、というサーバー。自身のWi-Fi機能を駆動させるのと同時にUSB出力でスマートフォンの充電もできるため、ポータブルUSB電源と同じ働きをすることができます。

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本体電源を入れるとUSB出力をするのですが同時にWi-Fi機能もオンになってしまうため、ちょっと不利なんですが計測結果は下記の通り。

 5V計測時  充電容量  放電容量
 WG-C10  2,113mAh  1,030mAh

本体サイズがかなり小さく、メモリーカードスロットやWi-Fi機能も内蔵しているためそんなに期待していなかったんですが、意外にも大容量です。1,000mAhの出力ができるならウォークマンくらいだったら満タンにできます。

 

ポータブルUSB電源の充電量、放電量をまとめたものがこちら。

   充電電力量  放電電力量
 CP-B20(20000mAh)  19275  12420(64%)
 CP-F10L(10000mAh)  8825  6379(72%)
 CP-V3A(3000mAh)  2834  1642(58%)
 CP-2LA(4000mAh)  -  2323
 WG-C10  2113  1030(48%)

あれですね。3.7V表記の電力量の約6割強が5V出力時の電力容量って感じ。これを参考に続いてはUSB充電される側の満タンまでに必要な電力量を調べてみます。

 

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まずはスマートフォン、タブレット類で、私の身の回りにある物を片っ端から計測してみます。スマートフォン、タブレットについては各機種2回ずつ測定をしているんですが、やや誤差が出ます。充電は電源オフにして行っているんですが、充電量を見るためにたまにモニターを入れたりしていて、それで誤差が出やすいのかも。

次いでにAndroid搭載のウォークマンなども計測しています。平均値は下記の通りです。

   充電電力量
 スマートフォン Xperia A  2,251mAh
 Xperia Tabet Z  6,274mAh
 Xperia Z Ultra  3,176mAh
 Xperia Z2 Tablet CP-2LA  6,151mAh
 Walkman NW-ZX1  885mAh
 Walkman NW-F886  929mAh

こうやって比較してみるとタブレットってやはり大容量の電池を内蔵しているんですね。CP-F10Lの放電量をそのまま全部飲み込めてしまうくらいです。

逆にウォークマンはモバイル通信の必要がないため電力量もそれほど必要がないんでしょう。スマートフォンの半分以下の電力容量になっており、その分、かなり軽量化しているんでしょう。スマートフォン用のポータブルUSB電源と、ウォークマン用のポータブルUSB電源は分けて考えた方がよいのかも。

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その他にも今回はいろいろな製品の電力量を調べています。生産が完了している物も含めて、何がどれくらいの充電量が必要なのか一気に調べてみます。それほど誤差がないこともわかっているので、こちらのものは複数回の計測はしていません。

   充電電力量
 ウォークマン NWD-W273  100mAh
 Blutoothレシーバー DRC-BTN40  185mAh
 Blutoothヘッドセット MDR-AS700BT  179mAh
 ポータブルナビ NV-U37  1,294mAh
 PlayStation Vita PCH-1000
1,827mAh

もうちょっと面白いモノが身の回りにあれば良いのですが、これでちょっとした目安になるでしょうか? ウォークマンNWD-W273よりも単なるBluetoothのヘッドセットのMDR-AS700BTの方がバッテリー容量が倍くらいになっていますが、それくらい無線で音を飛ばす、というのには電力が必要なのかも。

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すでに販売が終了している製品ですがポータブルナビ・ナブユーのハンディモデルですが、これはゲーム機よりも小さなバッテリーで稼働していたんですね。バックライトをオフにしたサイクリングモードで約9時間動作するので十分と言えば充分なんですが、もうちょっとバッテリーをおまけしてくれても良かったかも。

 

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最後はハンディカムやデジタル一眼カメラ”α”、サイバーショットなどで使うバッテリーの本体内充電をしたときの電力量です。

   充電電力量
 ハンディカム用 NP-FV70  3,756mAh
 デジタル一眼”α”用 NP-FW50  2,110mAh
 サイバーショット用 NP-BX1  1,225mAh
 サイバーショット用 NP-BN  608mAh

NP-BX1というのはサイバーショットRXシリーズなどで使われている大容量バッテリー。NP-BNというのはサイバーショットWXシリーズで使われている小型軽量バッテリーになります。NP-BX1は外見上かなりコンパクトに見えますが、こうして計測してみると、なんと”α7”で使われているNP-FW50の半分以上の容量をもっている計算になります。

パワフルです。

CP-B20が放電できるのが12,420mAhで、CP-F10LAが6,379mAhとなっています。キャンプなどにカメラを持ち込んでバッテリーを消費した際もCP-B20だったら”α”のバッテリーを6本、CP-F10LAでも3本は満タン充電ができる計算。テントの中で旅館にいるみたいな充電をすることができそうです。

 

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★ソニーストア USBポータブル電源「CP-B20」のご案内はこちらから

☆当店blog 14.7.10「ソニーポータブル電源の電力容量を実証レポート」
☆当店blog 14.7.9「20000mAhの大型ポータブル電源『CP-B20』開梱レポート」  

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☆当店blog 13.5.15「『CP-F10LSAVP』スタミナテスト」
☆当店blog 13.4.17「サイクルエナジー『CP-F10LSAVP』店員レビュー」

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☆当店blog 14.4.11「USBポータブル電源『CP-V3A』を買ってきました」

 

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