『VAIO Pro 13』の無線LAN規格『802.11ac』を試してみました

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春モデルの「VAIO Pro 13」の店頭展示機がやってきました。このマシンを実は首を長くして待っていました。今年の1月にドラフト規格から正式規格に変わった新しい無線LAN「802.11ac」を搭載したモデルになっていて、当店の展示機ではこれが唯一の802.11ac搭載機になるんです。

展示機のセッティングをしつつ、今回のために無線LANルーターも用意しましたので、これでテストをしてみたいと思います。

 

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こちらが当店にやってきたVAIO Pro 13の展示機のパッケージです。ソニーさんから送られてくるVAIOの展示機としてはこれが最後。2006年頃から展示機の貸し出しをしていただけるようになって、数多くのマシンを当店blogでも開梱レポートで紹介してきましたが、これが最後になります。

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VAIOのパッケージデザインもいろいろと変わってきましたが、この最後のデザイン良かったですよね。パソコンらしからぬデザイン。

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展示機ラストモデルはシルバーカラーのVAIO Pro 13になっています。先週完売したred editionと入れ替えで今日からこのモデルを店頭展示します。

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送られてきたVAIO Pro 13はVGAアダプターや有線LANアダプターなどフルセット。拡張シートバッテリーまでついてきてスタミナ性能26時間仕様になっています。最後にこのVAIOを持ってスタミナテストに行きたいんですが私の完敗です。24時間稼働するVAIOを作っちゃうんだもんなぁ。

と、VAIO Pro 13本体の様子はそこそこに、今回の目的は無線LANです。

 

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こちらが今回、当店で用意した802.11ac対応の無線LANルーターです。

BUFFALO 11ac/n/a/g/b 866プラス300Mbps 無線LAN親機 WHR-1166DHP

BUFFALO 11ac/n/a/g/b 866プラス300Mbps 無線LAN親機 WHR-1166DHP

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • メディア: Personal Computers

価格は今日現在で6,760円とかなりの安価ぶり。

 

今までも802.11bから始まり、5GHz帯を使う802.11aや、高速化された802.11g、そしてバンド幅を広げた802.11nなど年々進化してきた無線LAN規格ですが、昨年からは802.11acというさらに広帯域を使う規格が登場し、今年の1月に正式な規格となったそうです。

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これはあくまでも理論値なので、実際にここまでスピードが出るかどうかは別として、規格の上では802.11acでは最高で6.9Gbpsというとんでもないスピードが出ます。従来のVAIOに搭載されていた802.11nのMIMO 3X3でも最大で450Mbpsだったことを考えると規格の上では10倍以上のスピードが出ることになります。(ちなみに資料はバッファローさんの製品ページのものです)

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802.11acのことを調べてみると2.4GHzと5GHzの帯域を使っておりパワーアップするのは5GHz帯の方。当初、802.11a規格ではチャンネル帯域の20MHzという幅が規格で決まっていたものが802.11nになって倍の40MHzまで利用できるようになっています。

それが802.11acでは規格の上では160MHzまで広げられるようになり最大で8倍もの転送幅を使えることになります。

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帯域幅拡張だけではなく、他の技術も使って転送できるデータ量を増やすのが11ac。

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なお、現在製品化されているルーターは80MHz幅のものまでで、MIMO(通信するアンテナの数)も2×2と3×3のものがあるそうですが、当店で用意したのは2×2の最大866.7Mbpsのものになります。

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VAIO春モデルでも一部機種で新規格の802.11ac対応の無線LAN機能を搭載をしており、Tap 11、Tap 21、Fit 13A、Pro 11、Pro 13の5シリーズで搭載が始まりました。おそらく次の夏モデルではそのほかのシリーズにも広がって全機種搭載になるところだったと思うんですが、ご存じの通りPC事業の売却が決定したため、VAIOの802.11ac搭載はこの5シリーズのみとなっています。

VAIO Pro 13の仕様を調べてみると最大速度は866MHzまでとなっているので搭載されているアンテナは2×2のものになるみたいで、このルーターがあればOKってところでしょう。

実際のところ、どんな速度差になるのかを、いつも通り手動計測のストップウォッチベンチマークしてみます。

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新橋という土地柄もあって、当店店内には無線電波は飛びまくりなんですが、それでも一応なるべく条件を整えるため、計測に利用するVAIO以外はすべてシャットダウン。スマートフォンやタブレットも無線LANをオフにしています。

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計測方法は2種類。VAIO Fitを無線LANで接続してSSDに保存してある1GBの写真データをコピーするのにかかる時間を計測するのと、ホームネットワークに有線で接続しているnasneから同じデータを転送してそれにかかる時間を調べます。

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転送時間はストップウォッチで手動計測なのであまりアテにしないでください。あくまで目安なんですが、従来の802.11n相当になる2.4GHz帯を使って転送するのと、802.11acの本領を発揮する5GHz帯を使っての転送と2種類を3回はかってその平均値を出しました。

VAIO Fit 15Aは2.4GHz帯の802.11nにしか対応していないため、VAIO Pro 13のアクセスを2.4GHzにすると上り下りを同じ帯域で使っていることになります。5GHz帯の11acを使うと上り下りが別の周波数を使うことになるので、これも高速転送をするメリットになります。

計測した結果がこちら。

 802.11n(2.4GHz帯)使用時  802.1
1ac(5GHz帯)使用時
 nasneからの有線転送  約156秒  約113秒
 Fit 15Aからの無線転送  約237秒  約96秒

さすがに10倍ものスピードアップにはなりませんが、無線LAN接続同士での転送で比較するとすごいスピードアップをします。これだけ差があると体感的にわかるというか、見た目に転送速度が速く感じられます。

コピー中のグラフを見ても5GHz帯を使うとすごく安定したデータ転送をするのに対し、2.4GHz帯を使うと転送速度がかなり波打つこともわかります。

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どうでもいい話ですけどWindows 8になってからコピー中のアナウンスがすごく良くなっていますよね。一時停止も出来るし同時進行でコピーすると作業ごとにグラフが表示されるのも助かります。

時間がないときに重要なファイルを先にコピーしていって。。。なんてことができます。

今回はファイル転送の時間だけで計測しましたが、動画の閲覧やこれから普及が始まるかもしれませんがYoutubeでの4K動画の転送などで威力を発揮しそう。

 

さて、802.11acの高速通信をするのにはVAIO側の設定をちょっといじる必要があります。

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無線LANのプロパティを開いてチャネル幅が当初20MHzになっているものを「自動」に、切り替えます。2.4GHz帯では40MHzまで広げられていますが5GHz帯では80MHzまで使えるようになります。デフォルトでは20MHzになっているようなので、これを自動に切り替える必要があります。

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無線LANルーターの設定画面もチェック。こちらにも「倍速モード・帯域」というのがあるので、設定を変更。あとは速度を優先させたいPCを5GHz帯のアクセスポイントで選んで接続するだけ。

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速度表示を見ると最大で780Mbpsまで上がったのが私には確認できました。転送速度もご覧の通り安定しています。

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ま、それもそのはずで、ご存じの通り2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothも使っている電波の密集地帯なんです。無線LANも今はあちこちで使われているので電波がひしめき合っているところ。

対して今のところはまだ5GHz帯はあまり利用されていないので新橋でもご覧の通りガラガラ。5GHz帯は気象レーダーが利用している帯域なので屋外での利用ができないのですが室内での限定的な利用なら問題ない、ということになっています。そういう制約はありますが家庭内で使うホームネットワークならベランダで使わなければ問題なしです。

厳密には気象レーダーで使っている周波数を除いた「屋外モード」がルーターのセッティングにあるので、それを利用すればなお安心。

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ちょっと難しい話になりましたが、これが最新の無線LAN環境という話でした。

スマートフォンのXperia Aも早速新しいルーターを使えるようにセッティングしたんですが、Xperia Aは5GHz帯に対応しているんですね。特に速度を優先したいものではないのでこれは2.4GHz帯に接続させておいて、動画などのデモをする機会のあるVAIOだけ5GHzでのアクセスにして使いたいと思います。

そんな中でもVAIO Pro 13だけは特に転送速度が速いと。

 

VAIO Pro 13は昨日で秋モデルの販売が終了してしまい、現在は802.11acを搭載した春モデルのみが販売されています。

ソニーVAIOファイナルモデルになんとか間に合った802.11ac。VAIO Pro 13を購入されたら、是非、ご家庭の無線LANルーターの買い換えもどうぞ。

 

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★ソニーストア「VAIO Pro 13」春モデルのご案内はこちらから

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