新型ハンディカム『HDR-CX720V』の空間手ぶれ補正を試してみました
この春、新発売の新型ハンディカムで最上位機種に搭載された「空間手ぶれ補正」の効果を試してきました。
久々のハンディカム製品レビューレポートです。
サイバーショットやデジタル一眼“α”にも動画撮影機能が搭載されて、AVCHDのフルハイビジョン動画が撮れる、というのは今やハンディカムの専売特許でもなく、どういう特長があるのかな?手軽にハイビジョン動画を撮るならサイバーショットで十分ですよ。
とも言えるんですが、ハンディカムにはハンディカムのメリットもしっかりと用意されてます。一番大きな違いは長時間撮影。サイバーショットやデジタル一眼“α”ではヨーロッパの関税の問題があるそうで、最長で29分までの長時間連続撮影ができないところが、ハンディカムは30分以上の撮影が可能。(30分以上の動画が撮影できるとビデオカメラとしてより高い関税がかかるということを聞いたことがあります。)
それと共に用意されるバッテリーの容量も違うしセンサーの熱対策もされているしで、やはり動画撮影を主に考えられている製品はいろいろなところで制約が無くなっています。
で、今回のモデルではさらにその差別化が進んだというか、決定的な違いを見せつけるわかりやすい機能が搭載されました。それが「空間手ぶれ補正」です。
従来はレンズの一部を動かしてそれでブレを吸収していましたが、レンズユニット全体を本体から浮かせて、レンズ全体からセンサーまでを動かしてブレ補正を行うため画質劣化もなくさらにズームをかけた時の効果があがるというもの。
早速ですが、その違いを動画で撮影して比較してみましたので、こちらをご覧ください。すごい効果があるんです。
ちょっと長いムービーになってしまいすみません。最初の2分位を見ていただければ、大体の効果がおわかりになると思います。現実的には手ぶれ補正オフにして撮影することはまずないと思うので、手ぶれ補正なしと比較してもしかたがないんですが、効果の高さを実感していただくために最初に1回だけ入れてあります。
あとはサイバーショットとの比較をメインにしたかったので、昨年モデルになりますが、手ぶれ補正アクティブというサイバーショットシリーズでは最強の手ぶれ補正機能を搭載した「DSC-HX9V」とその差を比較してみました。
撮ってみると、その差、歴然です。新型ハンディカムHDR-CX720Vで撮影するとまるでオイルフリュードヘッドを装備した三脚に載せて撮影しているがごとく、撮影している映像がピタッと被写体に吸い付く感じ。
動画撮影の基本はカメラを静止させておくことで、ズームやパン、チルトなどはあまりやってはいけないとは言われているんですが、ついついそれをやりたくなってしまうし、こういう飛行機の撮影では固定では撮れません。すんごい楽しいんです。
こりゃ、すごい。
さらに、新型ハンディカムで進化したのは空間手ぶれ補正だけではなく、サウンド面でも大きな進化をしています。ここで用意したのはヘッドホンとソニーハンディカムのカタログから抜粋した女の子の写真です。
これでちょっとした実験をしてみたいと思います。音声を出して次の動画を再生してみてください。
わかりますか? 女の子の顔がフレームに入るとハンディカムが顔認識をして四角いフレームで顔をマークするんですけど、それと同時にノイズ低減を行っていて、人の声が入りやすい様にしてくれているんです。
この実験では女の子がしゃべっていませんので、聞き取りやすさまではデモができないんですけど、人の顔を認識してくっきりした音声録音を実現しています。さらにそれと同時に。。。
これは私も後から気がついたんですが、スマイルシャッターと連動しているので、女の子の笑顔を認識すると同時に静止画記録もしていました。動画は動画で撮影をしているんですが、ここ一番の笑みは静止画データでも記録。
なるほど、こういう進化をしているとは。
で、今回は羽田空港まで撮影テストをしに行ってきているんですがANAに就航したボーイング787を見るのが目的でした。
この空間手ぶれ補正の威力を発揮するのがお子様の撮影だけなんてもったいない。ボーイング787が離陸するまでのドキュメンタリーとか撮りたくなってしまって、展望デッキから2時間くらいかけて撮影したのがこちらのムービーです。
簡易編集ですが、このムービーをBRAVIAで再生できたときは嬉しかった。(^^)/
撮影は一切三脚を使っていません。一応、マルチポッドを持って行っていたんですが羽田空港の展望デッキの柵って意地悪く足場が手前に出っ張っていて、三脚などを立てて撮影するのには向いていないんです。
それもあって、完全に手持ち撮影だけで撮ったにしてはBRAVIAで見ても見苦しくありません。すげー! 空間手ぶれ補正!
さらに、その夜には東京タワーが1日限りの特別イベントで5色のイルミネーションで演出されるというので、それも撮りに行ってきました。
撮影してきたのものを簡単に編集したものがこちらになります。
ハイビジョンカメラは暗いところに弱いというイメージがありましたが、今時のハンディカムはすごいことになっています。解像感そのままでしっかりと夜景がハイビジョン動画で撮影できます。
ここでもサイバーショット「DSC-HX9V」との撮影比較をしようと思ったんですが、フォーカスがまったく合わせられなかったのでここでは比較はしませんでした。
ちなみに、夜景撮影の際はカメラをマニュアル操作していま
す。
デジタル一眼カメラ、サイバーショットなどの静止画撮影の際はフォーカスが重要になりますが、動画撮影の場合は基本的にフォーカスはオートフォーカスのままで、それよりも露出を重視して撮影します。
夜景撮影の際も、オートのままでそのまま撮ってしまうと暗いところを持ち上げてしまいイルミネーションを白飛びさせてしまうんですが、ここではカメラの露出を暗くすることで、イルミネーションの色を付けつつ、夜の暗い雰囲気をそのままで撮ってます。
調整方法はレンズ下部にあるマニュアルダイヤルを利用。
ダイヤル設定をご覧の7つのモードから選び、それぞれをマニュアルダイヤルにあてて調整を行います。この場合は「カメラの明るさ」を選択して、液晶モニターで見た目に調整。
この操作を覚えるだけで、ほぼ思い通りの映像が撮れる様になります。
普段はデジタル一眼“α”野郎になっていて、動画も“α”で!って感じで静止画を撮影するついでに動画を撮る、というスタイルでしたが、久しぶりにハンディカムを使ってこうして動画メインで撮影をしてみるのも楽しい。
撮影した動画の再生をするメイン画面がブラビアになり、大画面での再生を前提に考えると三脚を使ってカメラを固定した撮影でないと見るに堪えない、という気がしていましたが、空間手ぶれ補正のおかげで撮影は手軽に、見るときは高画質に、が両立できるようになってしまったかも。
サイバーショット、デジタル一眼“α”の進化もこの数年、すごいものがありましたが、ハンディカムも負けじと進化をしています。
イメージャーも16:9になっており、それのおかげでレンズを一番有効に使って撮影をしているのもハンディカム。今やワイドコンバージョンレンズを使わなくても、そのままのノーマル状態でワイド側の焦点距離は26mmを実現しています。
お子さんが大きくなって、しばらくハンディカムとか使っていないなぁ、という方も、このモデルを使うとちょっと考え方が変わるかもしれません。
メーカーさんのハンディカムのセールスがすっかり子供撮り専用みたいなパンフレットイメージになってしまっていますが、以前、PC1とかPC5が登場したときは旅撮影にハンディカム!ということをやっていました。
「HDR-CX720V」とか、旅行に持っていくのも面白そうです。
「空間手ぶれ補正」が搭載されているのは「HDR-PJ760V」と「HDR-CX720V」の2機種になります。上位機種の「HDR-PJ760V」はプロジェクター内蔵モデル。コンパクトモデルの「HDR-CX720V」はプロジェクターを搭載していないんですが、同時にビューファインダーも非搭載になります。
カメラ部はほぼ同じ仕様なんですがPJ760VとCX720Vの主な違いは下記の通りとなります。
HDR-PJ760V | HDR-CX720V | |
レンズ | カールツァイス・バリオゾナーT* 光学10倍・エクステンデッド17倍 |
カールツァイス・バリオゾナーT* 光学10倍・エクステンデッド17倍 |
液晶モニター | 3.0型/92.1万ドット エクストラファイン液晶 |
3.0型/92.1万ドット エクストラファイン液晶 |
ビューファインダー | 0.2型20.1万ドット相当 | - |
内蔵記録 メディア容量 |
96GB | 64GB |
プロジェクター明るさ | 最大20ルーメン | - |
連続撮影時間 (付属バッテリー) |
約1時間55分 | 約1時間50分 |
本体質量 | 約580g | 約540g |
ソニーストア価格 | 138,000円 | 118,000円 |
ソニーストアでは3年保証ベーシック付きで販売。同時購入のアクセサリーがソニーポイント5%の特典付きで用意されています。アクセサリー類も是非一緒にご購入ください。
★ソニーストア ハンディカム「HDR-PJ760V」のご注文はこちらから
★ソニーストア ハンディカム「HDR-CX720V」のご注文はこちらから
Virgo
2012年3月19日 @ PM 11:33
あーー、やはりハンディカムですよね。
こういう時に一番輝くのは。
独り身ではこんな時ぐらいしか使い途がないのでもうとんとご無沙汰でしたが、異常な進化をしてるんですね今時のハンディカムは(^_^;;
muk
2012年3月20日 @ AM 5:33
娘達が専門学校に進学で教育費がかさむので新しいものが買えない中、魅力的な記事・・・。欲しくなります。
油圧式ですか。卒業式入学式とビデオを撮る機会が増えるので・・・。まだまだSR12で我慢かなあ。
店員佐藤
2012年3月20日 @ AM 8:40
♪Virgoさん、こんにちは。
イベントごとに動画の撮影シーンというのもあるんですよね。
ハンディカムならではの威力もありますし、是非、機会が
ありましたら是非。
店員佐藤
2012年3月20日 @ AM 8:42
♪mukさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
三脚固定をしなくても、それっぽく撮ることができるようになります。
荷物を減らせますよ。空間手ぶれ補正ハンディカムは!
ねこちゃん
2012年3月21日 @ PM 7:03
こんにちは。
youtubeでdsc-hx9vとcx720vの手ぶれ比較動画を拝見させて頂き、ここに流れつきました。
cx720vを買うつもりでその資金もすでに確保済みなのですが、ここに来て少々迷っています。動画を撮るならdsc-hx9vや一眼“α”でもかなりイケるのでは?いっそプールしているお金で一眼“α”を買い、動画もスチルも撮った方がオトクなのでは?という迷いです。←かなり揺れてます(笑)。
もし店員佐藤さんが動画とスチルを6対4くらいの頻度で撮るなら、ソニー製品の何をお買いになりますか?もしよかったら一点だけ挙げて頂ければ嬉しいです♪(一眼“α”とcx720vの二つというのは、かなりムリです(笑))。
店員佐藤
2012年3月21日 @ PM 7:23
♪ねこちゃんさん、こんにちは。
動画に6割の重きを置かれるならハンディカムじゃないですか?
デジタル一眼“α”もサイバーショットも動画を本気で、となると
制約のあるところがいろいろ出てきます。
両方を兼ね備えたカメラとなると。。。NEX-VG20がありますが
予算的にはちょっと厳しくなるでしょうか?(^_-)
手軽に動画でしたらCX720Vで、三脚を用意しての
本格的な撮影ができるなら“α”で、というところではいかがでしょう?
Saudade
2012年7月31日 @ PM 3:28
CX720Vを購入してしまいました。やはり動画はビデオカメラ、写真は一眼レフで決定ですよ。小生は昔フイルム時代にミノルタのアルファーを使っていました。しかしミノルタのカメラ事業がソニーに譲渡されてそれは別にかまわなかったのですが、ソニーがアルファ・デジタル一眼を販売するまでに半年のブランクが開いてしまいました。もしブランクなく発売されていれば、レンズもそのまま使用できるのでソニーのアルファーデジタル一眼を間違いなく購入していました。しかし旅行、野外が好きな小生にとって旅行シーズンにデジ一がないのはキツイ。それでキャノンのEOS kissシリーズにシフトしてしまい、持っていたアルファーのレンズは売却。今年はソニーのHDR-CX720VとキャノンのEOS Kiss X6iの購入に踏み切りました。
店員佐藤
2012年8月1日 @ PM 3:27
♪Saudadeさん、こんにちは。
そういえばソニーがデジタル一眼参入のニュースと共に
安くなっていたミノルタレンズが中古市場で急騰したって
言ってましたね。あのときに私も安くミノルタレンズを
買っておけばよかったと、すごく後悔をした覚えがあります。
STFレンズやカールツァイスなど、ソニーαならではの
レンズラインナップもありますので、またいつか
αの世界に戻ってきてください♪