【レビュー】新型ワイヤレスマイク『ECM-W3』ショールーム実機レポート かなりの音質向上が期待できます!
11月17日発売の新型ワイヤレスマイクロフォン「ECM-W3」の実機展示が先週末から始まっています。当店も早速、取材でお邪魔させていただいてきました。
写真を中心に製品の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
コロナ禍前の発売前先行展示では行列ができることが当たり前だったソニーストア銀座での新製品先行展示ですが、今はLINEを使った事前予約が浸透していることもあり、最近は行列ができることはない感じですね。今回もタイミングをみて空いている時間に拝見させてもらってきました。
マイクロフォンの音質などの実力は、使い慣れていない私などの場合は時間をかけてテストしないとわからないので、今回は写真を中心にしたレポートと、最後に少しだけテスト録音させてもらってきましたので、レポートしたいと思います。
「ECM-W3」は2021年発売の「ECM-W2BT」の上位モデルという位置づけではありますが、機能的に完全に被っているので事実上の後継モデルということになると思います。
ワイヤレスマイクとレシーバーが1対1の組み合わせだった「ECM-W2BT」でしたが「ECM-W3」は2台のマイクと専用充電器でまとめて使う、というスタイルになっています。マイクとレシーバーが1対1に鳴っている製品もあり、そちらは「ECM-W3S」という製品で登場しています。
ECM-W3 |
ECM-W3S |
ECM-W2BT |
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ソニーストア価格 | 60,500円) | 45,100円 | 27,500円 |
通信方式/コーデック | Bluetooth 5.3 LC3plus |
Bluetooth 5.3 LC3plus |
Bluetooth 5.0 aptX Low Latency |
使用距離 | 約150m | 約150m | 約200m |
収音モード | マイクのみ 全指向性 |
マイクのみ 全指向性 |
マイク&レシーバー 全指向性で収録切替 |
送信マイク数 | 2つ | 1つ | 1つ |
ノイズカットフィルタ | 〇 | 〇 | ✕ |
USB端子形状 | USB Type C | USB Type C | micro USB |
マイク使用時間 | 約6時間 | 約6時間 | 約9時間 |
レシーバー使用時間 給電あり/なし |
約3時間 給電時18時間 |
約3時間 給電時18時間 |
約3時間 給電時18時間 |
充電ケース | 〇 | 〇 | ✕ |
マイク重量 | 17g | 17g | 28g |
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通信コーデックに「LC3plus」という文字が見えますが、これは次世代Bluetooth規格のLE Audioを使ったコーデックで、従来のSBCなどと比べると2倍の圧縮効率を低消費電力で使えるようになります。
結果から言うと、このLE Audioを使った通信というのが破壊力満点で、テスト録音を少ししてきただけですが、ECM-W2BTよりも猛烈に音質が良くなっていました。
低消費電力の通信方式になっており使用可能距離は200m→150mに短くはなっていますが、聞いた感じでは音が潰れるところもなくかなり良い感じでワイヤレス伝送ができます。ECM-W2BTの音質に不満がある方は乗り換えても良いかも。
LinkBuds SやWF-1000XM5などでもLE AudioのLC3コーデックの利用ができるようになっていますが、こうしたワイヤレスマイクなどの専用機の場合はClassic Bluetoothの搭載は必要ないので、LE Audioだけの搭載になるわけです。なるほど、今後のLE Audioってこうした形での普及が進むんですかね。
さて、まずは製品の外観をチェックしていきます。ECM-W2BTの時はマイクとレシーバーをそれぞれ自分でUSB接続して充電しておいて使う必要がありましたが、新型ECM-W3は専用の充電ケースでまとめられて、レシーバー、マイクをケース内で充電して使うことになります。
ワイヤレスマイクにはウインドスクリーンが付属しますが、充電時にはウインドスクリーンを外しておく必要があります。なにか小さめのポーチを用意してワイヤレスマイクセットみたいにして、充電ケースとウインドスクリーンをまとめて収納できるように準備しておくと良いかも。(製品にはキャリングポーチが付属するので、それにひとまとめにするのが良いようです)
2つのワイヤレスマイクがついてくるECM-W3ですが、ワイヤレスマイク自体にCH1とCH2の区分けはありません。なにもマーキングがないのでスイッチを入れてどちらがCH1なのか、どちらがCH2なのかをチェックする必要があるんですが、よく見るとウインドスクリーンの内側に1番と2番の文字が見えます。
運用時にはここを見て1番と2番マイクを区分けして使う感じですかね。
ワイヤレスマイクのサイズを比較してみました。左が新型のECM-W3で、右がECM-W2BTです。
サイズにして高さ67.6mm→52.5mmと、15mmの小型化をしているのですが、二回り小さくなっている感じです。
重量も27g→17gとさらに軽量化されています。この10gの軽量化も威力が大きく、W2BTもずっしりとした感じはなかったものの、それなりの重量はあるのでポケットなどに付けたときにややたわんでしまうのですが、17gだとそれも軽減されます。
実際にほら!というのをやりたかったのですが、私のヨレヨレのワイシャツではそれなりにたわんでしまいまいました。w スーツやジャケットのポケットだったらこんな風にはならないですかね。
ワイヤレスマイク本体のスイッチ類です。本体右側面は特に違いはありません。写真右のECM-W2BTにはUSB端子のフラップがありますが、ECM-W3にはそれがありません。
ECM-W3のマイクにはUSB端子が装備されていないため、充電は専用ケースに入れて行う必要があります。マイク単体では充電ができません。
こちらはマイク本体の左側面になります。ノイズカットのスイッチが新たに増設されています。これはECM-W2BTにはありませんでした。
これもなかなかの効果があります。ソニーストア銀座さんのショールームですが、今日はそれほど混雑はしていませんでしたが、それでもエアコンの音や周りのお客様の声をあったものが「NC」では大幅にカット。「LC」もエアコンの低音をかなり吸収してくれています。さほどうるさくないショールームでも「NC」にしておいた方が音声は綺麗に録れます。
マイク上部にはマイク部と3.5mmのマイク入力端子が装備されています。
写真左のECM-W3はマイク部がかなり大きくなっていて、これも高音質化に大きく寄与しているかもしれません。
マイク入力端子には「ECM-LV1」などの外部マイクを接続することができます。ECM-W2BTではマイク入力端子はステレオ端子になっていましたがECM-W3ではモノラル端子になっています。
マイク本体にはレシーバーと無線接続したときのリンクを知らせるランプがついているのですが、ウインドスクリーンを装着すると、このランプがやや見えにくくなります。
ウインドスクリーンを少しめくると分かります。このランプはレシーバー側にもついていますので、両方で確認するようにすると失敗がなくなります。
こちらはレシーバーのサイズの違いです。写真左がECM-W3で右がECM-W2BTです。
レシーバーもサイズが一回り小さくなっていて、重量も10%ほど軽量化されています。
機能的な違いもあり、写真左のECM-W3では音声出力のデジタルとアナログの切替があるのは同じですが、2CHのマイクと接続できるECM-W3ではその音声をMIXで出力するかCH1とCH2で分けて出力するかが選べます。
ECM-W2BTではレシーバーにもマイクが装備されていて、ワイヤレスマイクとレジーバーマイクのどちらを録音するか、MIXで録音するかの3通りが選べる様になっています。
こちらはレシーバーの左側面です。USB端子はType Cのものになりました。
W2BTでは充電端子としてだけの利用でしたが、ECM-W3ではUSBオーディオ出力に対応しており、USB Audio Class 1.0対応機器に接続した場合はデジタル音声(48kHz/24bit)での出力が可能だそうです。スマートフォンやPCで利用ができるそうですのでデジタル一眼”α”ではない機器での利用も可能です。
写真左がECM-W3のレシーバー本体背面で「SAFETY」というボタンがあります。デジタル出力でMIXモードの時にのみ利用が可能で、CH1には通常のMIX音声を、CH2には-20dBの音声を記録します。突然の大音量収録があったときの音割れをこれである程度救済することができます。(通常はMIX音声の場合CH1とCH2に同じ音声が記録されます)
実機に接続して無線接続を試してみました。
Bluetoothを使っていますが、スマートフォンやPCの様にペアリング作業などは必要なく、メーカー側で出荷前にペアリングしてあるので、接続設定などは気にせず、電源を入れたらリンクする仕組みになっています。
スマートフォンのBluetooth機能と違って、その安心感たるや山のごとしです。ECM-W2BTを使わせてもらっていますが電源の入れ忘れ以外で失敗したことは一度もありません。
ECM-W3の場合は2つのワイヤレスマイクが同時に使えますが、レシーバーにはLINK1とLINK2のランプがそれぞれあります。
切替スイッチをセパレートにするとマイク1とマイク2の音声がそれぞれステレオで記録されます。レベルメーターの動きをみて接続がチェックできます。
スマートフォン「Xperia 1 V」にVlog Monitorを装着して、Vlog Monitorのマイク入力端子に、ECM-W3の音声出力を入れてみました。この状態でもワイヤレスマイクの収録ができました。
アナログでのマイク入力の場合、ケーブルを触ったときに「ガリッ」というノイズがはいる可能性があるので慎重に扱わないといけないのですが、Miシューを使ったデジタル伝送の場合はそうした心配がありません。信頼度が高いのはMiシューを通したデジタル伝送、次がMiシューを通したアナログ伝送で、それでも対応しない場合に3.5mmステレオジャックの出力という感じです。
Miシューを使って給電およびデジタル音声入力を行う「ECM-W3/W3S」ですが、デジタルインターフェースを搭載した完全対応のカメラは”α9 II”および”α7R IV”以降のモデルになります。それ以前のモデルでもアナログ接続での音声入力に対応。一部のモデルではカメラの給電ができないモデルもあるので使用するカメラにはご注意を。
インターフェース | 給電可能 | |
α1 / α9 II / α7 RⅤ/ α7 RIV / α7 SIII / α7 IV / α7 C / α7CR/ α7CII/ α6700 / ZV-E1 / ZV-E10 / FX3 / FX30 / FX6 |
デジタル対応 | 〇 |
α9 / α7RⅢ / α7Ⅲ / α7 SⅡ / α7 RⅡ / α7Ⅱ / α7S / α7R / α7 α6600 / α6100 / α6400 / α6500 / α6300 / α6000 / α99II / α77II / PXW-Z150 / Z90 / RX10 M4 / RX10 M3 / RX10M2 / RX10 |
アナログのみ | 〇 |
ZV-1 / ZV-1 II RX1RM2 / RX 1R / HX400V |
アナログのみ | ✕ |
RX100M7 / RX0M2 / RX0 ZV-1F |
Miシュー非搭載 マイク入力のみ |
✕ |
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もっとも安価にデジタルでの音声収音をするなら「ZV-E10」とかお買い得ですね。
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最後にソニーストア銀座さんで試させてもらった実機の音声の様子がこちらです。
ECM-W2BTはどうも音声が割れやすくて0dBや-10dBだとレベルが大きすぎる感じがしていて、-20dBにして収録するようにしていたのですが、ECM-W3は0dBでも音が割れた感じはなく、非常に音質的に向上している感じがします。
レベル設定が最適化されたのか、LE Audioによる伝送の力なのか、はたまたワイヤレスマイクのマイク部の大型化が寄与しているのかわかりませんが、私にはかなりの音質アップに聞こえます。
ワイヤレスマイクは被写体中心での撮影に使うマイクになります。会話を中心にした録画をしたい、という時には一番強い味方になると思います。これから買うなら「ECM-W3」「ECM-W3S」がオススメです。
あとからマイクを増やすコトはできないので複数人数での収録をお考えの方は「ECM-W3」を。ワンマンオペレーションでひとりでしか録音することがない、という場合は「ECM-W3S」でご検討ください。
明日、10時からソニーストアで予約販売開始です。
ワイヤレスマイクロホン ECM-W3 |
ソニーストア価格: 60,500 円 税込 |
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発売日 | 2023年11月17日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
ワイヤレスマイクロホン ECM-W3S |
ソニーストア価格: 45,100 円 税込 |
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発売日 | 2023年11月17日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
【既発売のワイヤレスマイクロホンのご案内】
ワイヤレスマイクロホン ECM-W2BT |
ソニーストア価格: 27,500円 税込 |
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発売日 | 2021年4月16日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
ラベリアマイクロホン ECM-LV1 |
ソニーストア価格: 3,080円 税込 |
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発売日 | 2021年4月16日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
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