ガイガーカウンターを作ってみました

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本当は別のネタを今日は用意していたんですが、そっちが泥沼にはまってしまったのでネタを差し替えて、今日は突然ですがガイガーカウンターの話です。

放射能を測る線量計を作ってみました。

 

3月11日の東日本大震災のあと、福島原発の事故のせいで福島周辺、東北、関東地方では放射能汚染についての情報がいろいろ錯綜しています。放射能についての詳しい知識はないまでも、常識的に考えて、関東地方では大きな影響はないと思っています。

普通に生活はできているんですが、先日の世田谷区での高濃度のホットスポットのニュースについてはびっくりしました。昔、蛍光塗料に使われていたものの中に放射能を出す物があり、そういうものがかなり昔に埋められてそのままになっている、と。

実は私も子供のころ、小学6年生くらいまでは世田谷に住んでいてニュースに登場する場所もそれほど遠くはないところだったりするんです。うちは子供もいないし、現時点で放射能の影響を強く心配する必要はないんですが、自分が子供の頃にそういうところがあったら影響を受けている可能性があるんだなぁ。。。と、ぼんやり思いつつ、そうだ、もうまもなく年末年始で帰省する機会もあるし、そのときにそうやって自分が過ごした身の回りの放射能の影響とかを調べに行くチャンスでもあるんだな、と思いを巡らせていました。

で、amazonさんでガイガーカウンターについて調べてみると、今はもう結構安くなっているんです。原発の事故があった直後は10万円前後していたガイガーカウンターも現在は2万円くらいから買えます。

ラジオライフ 2011年 12月号 [雑誌]

ラジオライフ 2011年 12月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 三才ブックス
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 雑誌

で、こちらの本を買ってみて放射線対策グッズを勉強しつつ、ガイガーカウンターの性能比較もしていたので、それを参考に品調べをしてみました。

結論から言うと、正確な値を調べるのには「校正」をする必要があり、市販のものをそのまま使うのでは正しい線量は調べられないことがわかります。機種によってもばらつきがあるものの、長時間計測をすると、ほとんどの機種で累計総量は正しくわかることも判明。

なるほど、で、あれば、安くても良いので相対的な感じで測ることができればいいか、という軽い気持ちで一度ガイガーカウンターを使ってみよう、ということになりました。これで自宅と実家などの周りを比較することができれば、それでちょっと安心を得ることもできそうです。

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ということで、オーダーしていて、物が到着したのが先週です。全部amazonさんでそろえました。3箱もそろっているのには理由があります。

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じゃーん。購入したのはこちらの3点です。なにやらずいぶんパッケージがシンプルに思われるかもしれませんが、私が購入したガイガーカウンターはこちらのものなんです。

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「電子工作キット(ガイガーカウンターキット)GC10」です。

電子工作キット(ガイガーカウンターキット GC10)

電子工作キット(ガイガーカウンターキット GC10)

  • 出版社/メーカー: 株式会社ネットIO開発
  • メディア:

そう、購入したのは、普通のガイガーカウンターではなく、電子工作キットという自分で組み立てる工作キットなんです。これで11月下旬の価格で9,800円でした。

どうせ、校正をしないと正確な値ははかれないんです。なるべく安く入手したかったし、これで相対的な値が割り出せればいいや、と、思いっきり割り切ってみました。

さて、早速、組み立ててみましょう。

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パッケージを開くと出てきたのはこちらの2点です。制作&操作マニュアルと部品のキットです。

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入っている部品はこちらです。結果から言うとこの中に余るパーツは2つあります。その2つも最後には自分で使うことになるので、ひとつも余計な物はこのなかにありません。

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こちらは袋のひとつを広げてみたところ。これは抵抗ですね。よく見ていただくと同じ物に見えて、実は茶色い抵抗部分に縞模様があり、それぞれ全部色が違うんです。

なんか思い出してきました。これらの色の違いによって抵抗値が違っていたりするんですよね。

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で、説明書はこちら。しまった。。。てっきりプラモデルみたいなものを想像していてパーツに何番とか番号がついていて、それをその通りに組み立てればよいものと思っていたんですが、もうちょっとランクが上の内容になっていました。

ここで軽く後悔。

あ、ちなみに私はソニーショップの店員ということになっていますが、いわゆるそういう電気屋さんとかではなく、家電アドバイザーの資格は持っている物の、電気技術士とかではなくそういう免許もありません。

半田付けなんてやるのは、ほぼ20年ぶりくらいなんです。(^^;) うわー、やってしまったかもしれません。もちろん覚悟はしていて、それで半田ごても一緒に買ってはいるんですが、これはちょっと気合いを入れて取り組みましょう。

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やったことその1。まずは取説なんですが、WEBでカラーのものを公開しているとのことなので、それをまずはダウンロード&プリントしました。これで組み立て写真がカラーになる(同梱の説明書はモノクロプリントなんです)ので、多少私みたいな知識も経験もないものにも情報が増えます。

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そしてパーツ表をみて、該当するパーツがどれになるのか、並べていきます。特にこの抵抗については、間違いなく抵抗値があっているところに付けないと正しい動作をすることがなさそうなので、慎重に色の模様を見て、抵抗値が間違いないように並べます。

(結論から言うと、これはかなり大事な作業でした。組み立て自体はすぐに慣れるので、サクサクと半田付けをしていけるんですが、抵抗を間違えたところに付けちゃうと動作しなくなります。慎重にやりましょう。私もルーペを持ってきて色を確認していました。)

さぁ、心の準備ができたら、ここから組み立て開始です。

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まずは抵抗の仮組みです。先ほど番号通りに並べて、それをプリント基板の指示されたところにはめて行きます。

抵抗値で探すのではなく「R1」「R2」と抵抗に部品番号が割り振られていて、それをプリント基板のR1、R2という穴に挿していくだけなので、この当たりはプラモデルみたいなものです。

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正しく仮組ができたら、プリント基板を裏返して、いよいよ半田付けを始めます。

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はんだごてなどはなかったので、これもamazonさんで調達しました。ちょうど良い具合に電子工作用の半田ごてキットが千円ちょっとで買えました。

goot 電子工作用はんだこてセット X-1100

goot 電子工作用はんだこてセット X-1100

  • 出版社/メーカー: 太洋電機産業
  • メディア: Tools & Hardware

これと一緒に失敗した時用のはんだ吸引セットも買ったんですが、はんだ吸引線も買っておいたんですがこれにずいぶん助けられました。(^^;) 初めてというか慣れていない方が使われるなら絶対に必要だと思います。

それと、ありものを使ったんですがニッパがあれば、それで組み立てに関しては問題なしです。

キットにはんだセットに吸引線。。。これでもまだ総額11,000円くらいです。(^_^)v

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はんだセットに入っているのはこちら。はんだペーストは今回は使いませんでした。はんだ自体はキットの中に入っていませんでしたが、こちらのはんだセットについているお試しセットだけで、今回のキットは組み立てられたので、それも必要なし。

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コンセントにつないではんだごてが温まるのを待ちます。途中で盛大に煙が出ますが、それがでなくなったら準備完了です。

根本を温めてはんだをそこにさわって、ちょっとだけ盛ります。

昔、ラジコンをやっていたときに断線したところをつないだり、モーターにコードを付けるときにちょっとだけ使ったことはあるんですが、こういうプリント基板に半田付けをするのはこれが初めて。

悪戦苦闘の末。。。

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なんとかグラグラするところもなく、しっかりとはんだを付けることができたようです。あとは余っている線をニッパで切ればOKです。第一次半田付け作業は終了。

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続いて、第二弾はこちら。。。うわー、いきなり高度になりました。CPUソケットです。このたくさん並んだゲジゲジの足をはんだ付けするって、人間には無理なんじゃないですか!?

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これも根本を温めて適量のはんだを付けてすぐに離して。。。を繰り返して見事大成功。

人間、やればできるものですね。

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さぁ、こうなるとすっかり自信がついて、パーツをドンドン基盤に載せてははんだ付け、を繰り返していくだけ。

どうやら、そういう初級者のことを考えてのことか、組み立てやすい順番でパーツ装着をすることができるように工夫されているみたいです。

電子工作知識がほぼゼロの私ですが、最初はやたら難しく見えた付属の説明書がやけに親切に感じられてきました。極性(プラスとマイナス)が必要なところはそういう風に指示があるし、極性を気にしなくてよいところは、その旨のことも書いてありました。

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似た形のパーツがあるときにだけ、パーツ番号の記載があって、番号を確認の上で組み込んでください、と、あるので、私もその都度、似たパーツがどれになるのかチェックしながら作っていきました。

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そして最後の盛り上がりがこちらでした。LEDディスプレイの装着用のソケットと。。。

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LEDディスプレイ基盤へのソケット装着。これが一番込み入った半田付けになっていて、かなり大変だったんでした。だいぶ時間をかけてはんだを付けていたんですが、無事に完成したのは奇跡に近いと思います。

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ということで、作業時間は2時間ほどで完成しました。はんだごてに付属のはんだもこれくらい余らせて余裕です。

スイッチと外部機器接続用のピンが余るんですが、これは後から使いました。これは使わなくても機器は動作します。

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で、まずは試運転。電源は指示通りに組み立てると6P電池というのを使います。この四角いのは電池で、電気屋さんに行くと今でも売っていました。ひとつ525円。かなり高いです。

ま、最初の試運転用に使うのに必要なので、ここでは奮発。

電池を接続するとそれで起動するんですが、どうも説明書通りの動作をしません。ここでいきなり放射線のカウントを始めるはずなんですけど、どうも調整中みたいな画面にしかならないし、こんな表示なるという説明もありません。

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ということで、一度LEDを外してもう一度半田付けしたところを見直します。ルーペでチェックしてはんだの付け方が綺麗ではないところを再度はんだ付けするのと、説明書を見直して装着してある部品が間違っていないかどうかもチェック。

説明書にはこの製品専用のBBS(掲示板)のURLも掲載されていて、そっちをみたら、うまく動作しないときは基盤を写真に撮ってメールで送ってくれればチェックします、という親切な書き込みも見つけられました。

そのメールを送る直前まで私は追い詰められていたんですが(^^;) はんだを付け直したらうまく動作してくれました。いやー、良かった。

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ということで、昨日の帰りに身近なところから放射線測定です。

あくまでもこれは校正をしていない(と、言ってもまったくあてずっぽではなく、メーカーさんである程度はチューニングしてあるそうです。)ので参考数値ということになりますが、ウチのお店の中で0.110マイクロシーベルト/毎時だったものが、外に出てみると0.160マイクロシーベルト/毎時くらいになっています。

※掲載している数値は校正をしていない手作りガイガーカウンターキットの数値です。なんの目安にもなりませんのでご注意ください。

掲示板での情報によると、ある程度通電させた後でないと安定した数値が出ないらしいんですが、なんとなく、それに近い数値は出ているみたいです。

ちなみに、イメージにあるみたいな放射線の数値の高いところに持って行くとすぐに数値が上がる、とかいうことはなくて、同じ場所で1分くらい測定して初めてアテになる数値になるんだそうです。

表示されている1段目がμSvとなっていて、これが/hがついてませんが毎時のマイクロシーベルトという線量になります。

2段目のCPMというのは1分間の間に測定される放射線の数で、これを元にしてマイクロシーベルト/毎時を推定で表示しているそうです。Totalとあるところはその場所で測定したときの放射線の累計数量です。

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手前に見える金色の管が「GM管」というもので、中にはハロゲンという気体が詰まっているんだそうです。ここに放射線が入ると電荷があるそうで、それをカウントするという仕組み。

このGM管はロシア製のものなんだと、説明がありました。

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四ッ谷の駅前で計測してみたところ、ここでも0.120μSv/hです。

この数値が正しい物かどうかは校正をしていないので何とも言えないんですが、今回は相対的に測ることができればいい、ということですので、これだったら四ッ谷の当店店内もお店の前も駅の前も大して違いはないと、言えそうです。(すごいおおざっぱなはかり方なので、世田谷みたいなもっと局所にあるようなホットスポットの計測はもっと時間をかけないといけないんですが。。。)

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こちらは地下鉄駅の中。0.053μSv/hになりました。本当は地下の方が放射線の線量が高くなるそうなんですが、こうなると、これが本来の自然な線量で多少地上は影響を受けている、という風になるんですかね?

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地元駅に戻ってきて駅前で0.133μSv/hです。本当に線量の高いところへ持って行って本当に数値が増えるのか、確かめないとこれはなんとも言えないかも。

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自宅近くのいつも雨が貯まっている側溝の上で計測。0.166μSv/hなんですが、これくらいだと誤差の範囲内ですね。

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今朝の通勤時に今度は別の地下鉄駅で計測してみたところ。0.093μSv/hになりました。

まだ機械が安定していない可能性があり、たまに極端に高い数値が出たりもするんですが、概して地下の方が線量は少ないみたいです。

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さて、このメードインジャパンの手作りガイガーキットですが、ケースがないのが問題。それと、もう一つ電源が6P電池というのも問題で
す。この電池はそうそう売っていないし、高いんですよ。

ケースの方は適当なルアーケースを見つけてきて、それに入れてしまえば良いのですが、電源はなにか一工夫しないといけません。

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ということでスマートフォン用のポータブル電源「CP-ELSVP」を用意して、あとは雑誌のおまけでついてきたスマートフォン用のUSBケーブルも使って、電源を使い回せる物にしたいと思います。

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これは説明書に書かれているんですが、安定した5V電源が用意できるならジェネレータを使わずにここに線をつないでください、という指示があるんです。なので、そこにUSBケーブルをはんだで付けてしまえば難しいことを考えずに利用することができるようになります。

それとせっかくなのでスイッチも使ってこれをケースにはめれば外から電源操作ができるようになります。

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ということで、これでガイガーカウンターキットの完成です。しばらく通電させると機械の動作が案手するらしいので、これでしばらくの間通電させて、表示が安定するようになったら、自宅や職場の周辺を中心に測定してみたいと思います。

もしもこれで高い数値のところが見つかったら、それで世田谷の時みたいに調査依頼ができるかも。 

 

 

電子工作キット(ガイガーカウンターキット GC10)

電子工作キット(ガイガーカウンターキット GC10)

  • 出版社/メーカー: 株式会社ネットIO開発
  • メディア:

 

 

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☆当店blog 11.10.17「リチウムイオンタイプのポータブル電源『CP-ELS』シリーズ受注開始」
☆当店blog  11.9.2「USB出力機能付きポータブル電源の新製品登場」 

 

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☆当店blog 11.4.12「ポータブル電源『CP-A2LS』店員の声」 
☆当店blog 11.3.24「大容量4000mAhのポータブル電源セット『CP-A2LS』発売!」 
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