【プレスリリース】α7 V 徹底解説:部分積層CMOS・30コマ連写・16ストップDRの全貌

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12月2日23時にソニーからデジタル一眼カメラのニュースタンダードモデル『α7 V』が正式に発表になりました。

市場推定価格は約42万円前後という設定になっています。12月9日10時よりソニーストアにて予約販売が開始になり12月19日(金)より出荷がスタートします。

モデルの詳細をご案内します。

 

こんにちは、店員佐藤です。

2025年はサイバーショットRX1R IIIや、FX2、FX3AなどのCinema Lineのカメラ類の発売がありましたが、デジタル一眼カメラの新型ボディとしては2024年12月13日発売の”α1 II”以来となります。

ちなみに「塗り替えろ。Redefine basic」のコピーにあるデザインですが、これを見て「おや?」と、思った方はいらっしゃいませんか?

DSC00002.jpg

12年前に発売された初代α7とα7Rのコピーで「誰も作らなかったカメラ。」としてフルサイズのミラーレスカメラ1号機がソニーから登場しているんですが、これをすぐに思い出してしまいました。

これがα7シリーズ、フルサイズのベーシック機の第1号だったので、12年かかって5世代目のモデルが登場したということになります。感慨深いモノがあるというか、この頃のαにはたくさん思い入れがあるんですが、ここでその話をすると長くなるので、それはまた店頭にて。

カメラの商品担当とか、責任者さんが同じ方だったりするんですかねー。

 

さて、今回の新型モデルの登場で、いよいよ、ソニーのフルサイズモデル”α”シリーズが全てAI被写体認識の搭載モデルに切り替わります。α7S IIIがまだと思われるかもしれませんが、個人的にはα7S IIIはZV-E1にモデルチェンジしていると思っています。

これで全部、AI被写体認識ができるカメラになるわけですが、α7 Vの進化はそれだけではありませんでした。

なんと、新開発の部分積層型CMOSセンサーを搭載してきました。画素数こそ3300万画素とα7 IVと同じになりますが、α1 IIのメモリーを一体型にした積層型CMOSセンサーを部分的に採用し、高速処理と高画質撮影を両立しています。

部分積層型CMOSセンサーの搭載により、センサーの読み出し速度はα7 IV比で約4.5倍。シャッタースピードも電子シャッターで最高1/16000秒に対応しています。

連写速度もAF/AEトラッキングで秒30コマ撮影が可能。連写撮影時の測距回数も毎秒60回と、α9、α9 IIと同等の性能をたたき出します。(α1 IIとα9 IIIでは秒120回演算)

連写撮影時に画面が暗くならない「ブラックアウトフリー」撮影も可能になり、猛烈な進化を果たしています。

これがソニーのベーシックカメラとは。。。まさに「ベーシックを再定義する」カメラになっていますね。

そして、このタイミングで画像処理エンジンが刷新されました。「BIONZ XR2」となっています。前回のBIONZ XR登場時は先代エンジンより8倍の高速化を果たしたというのが自慢でしたが、今回はプレスリリースを読む分にはそうした記述がないものの、処理速度の向上とともに省電力設計になっているということがアピールされています。

詳細がわかりませんが、商品概要を見ても「AIプロセッシングユニット」の記載がなく、AIを活用したリアルタイム認識AFやリアルタイムトラッキングに対応するとあるので、BIONZ XRとAIプロセッシングユニットが一緒になったのかもしれませんね。(未確認情報です)

Exmor RSセンサーとBIONZ XR2の組み合わせにより、すべてのRAWフォーマットで14bit RAW記録に対応するのはα1 II並みとなります。(α7 IVは連写時圧縮RAWで12bit記録)

 

新開発の部分積層型CMOSとBIONZ XR2の組み合わせでスゴいコトがおこっており、ダイナミックレンジが最大約16ストップを実現したとなっています。(静止画、メカシャッター撮影時)

従来の”α”シリーズでは15ストップが主流で、唯一、α7S IIIが15+ストップという最大ダイナミックレンジとなっていました。今回のモデルではα7S IIIを超えるダイナミックレンジとなります。


“α7S III”+SEL35F14GM F1.4 1/5000 ISO80 Creative Look:NT

たまたまですが、こちらは先日、α7S IIIで撮影してきた写真です。クリエイティブルックは「NT」にしてできるだけ階調が残るような写真を撮っていたのですが、さすがに完全逆光だと被写体はこんなに暗くなってしまいます。

ところがRAW現像で暗部を持ち上げてみると、こんなに綺麗に暗部が浮き出てくるんです。ダイナミックレンジの広いカメラってこんなにすごいことになっているんです。


“α7S III”+SEL35F14GM F16 1/80 ISO80 Creative Look:NT

こちらも同様に多摩湖の風景です。日が沈むところで光源がフレームに入っている、厳しい状態で、手前の岸はすっかり影に隠れています。

これがLightroomで現像して持ち上げてみると、暗部からこんなに綺麗な画像が浮き出てきます。”α7S III”すごーい! 露出を失敗してそれを救い出すとかではなく、これだけの明暗を1枚で切り取ってもしっかりと階調が残っていて暗部にノイズがないって驚きです。

これで15+ストップという性能。α7 Vはα7S IIIを超える16ストップです。このダイナミックレンジの広さに惚れてα7S IIIを購入されている方が多数いらっしゃいます。α7 Vはこうしたダイナミックレンジの広さでも最高最強カメラになるかもしれません。

なお、15ストップと16ストップでは階調は2倍になると言われています。解像度も高く、ダイナミックレンジも広く、なんか、これはスゴいカメラになっていますね。

ホワイトバランスも進化しています。ホワイトバランスの光源推定にAIディープラーニングを使用しておりオートホワイトバランスの精度がさらに向上しているとのこと。

α1 IIでは赤外線センサーも使ってホワイトバランスを調整していましたが、α7 VではCMOSセンサーの入力光だけで、AIを使って光源の推測をしているですかね? 作例を見ると相当な効果がありそうです。

こうした緑の多いシーンだとどうしても青っぽくなってしまうので、太陽光に設定したりして調整していましたが、これは期待ができそうです。

 

「コンポジットRAW」というのはα9 IIIやα1 IIユーザーさんにはおなじみだと思います。α7 IVユーザーさんですと聞き慣れない言葉になると思いますが、これは複数枚のRAW撮影をして、あとでPCを使ってImaging Edge Desktopにてスタック合成を行い、ノイズ低減などを行う技術です。

α9 IIIにはノイズ低減用撮影の機能が搭載されていたのですが、α7 Vでは「HDR用撮影設定」が新搭載されています。露出を変えて連続撮影を行いあとからHDRの画像合成をするみたいですね。

これも秒30コマの高速連写が可能にした撮影方法で、手持ち撮影でデータを作ることができます。やってみたいですねー。

さらに「エクステンデッドRAW処理」という新機能も搭載されています。これはコンポジットRAWと違って、連写せずに1枚のRAW撮影で、あとからの画像処理により高画質化した出力が得られる機能。

ノイズを低減する「エクステンデッドNR」と、4倍の画素情報に拡張する「エクステンデッドHi-Res」の2つのモードを用意しており、撮影時に設定してRAW撮影後、メーカー純正の現像ソフト「Imaging Edge Desktop」で処理を行います。

「エクステンデッドHi-Res」での撮影の場合、3300万画素を元に4倍の解像度でのRAW現像が可能になります。従来モデルの”α1 II”などに搭載されているピクセルシフトマルチ撮影と同様の効果が得られることから、やや乱暴ではありますが、それぞれの撮影で出力できる解像度を比較したものがこちらになります。

  撮影方法   処理後画素数
α7 V エクステンデッドRAW 手持ち1枚撮影 1億3090万画素
α1 II ピクセルマルチシフト 三脚撮影 1億9900万画素
被写体動き自動補正
α1 ピクセルマルチシフト 三脚撮影 1億9900万画素
α7R V ピクセルマルチシフト 三脚撮影 2億4080万画素
被写体動き自動補正
α7R IV ピクセルマルチシフト 三脚撮影 2億4080万画素

解像度もさることながら1枚撮影で済むため、三脚が必要なく手持ちで撮影出来るというのはメリットが大きいかもしれません。

また、他社製カメラだと、こうした機能を有料ソフトで提供するケースもあるそうですが、ソニーの「Imaging Edge Desktop」は無料でこの機能を使えます

コンポジットRAW撮影が難しい動きのあるスポーツシーンなどで威力を発揮すると思います。

待望のプリ撮影もα7 Vに搭載されます。0.03秒~1秒の設定でシャッターを押す前の時間にさかのぼって撮影ができる機能です。秒30コマでの撮影で利用が可能。α1 IIやα9 IIIと同等の機能が搭載されます。

さて、これも新項目になります。RAW撮影時の記録方式が3種類にまとめられます。非圧縮RAWがなくなり、ロスレス圧縮と圧縮(高画質)と、圧縮RAWの3種類になります。

これもBIONZ XR2の搭載により処理能力があがったことで実現したものと思えます。

動画撮影時に手振れを抑えられる「アクティブモード」では4K  120P撮影に対応。またダイナミックアクティブモードもベーシックモデルのα7 Vに初搭載です。アクティブ手振れ補正よりも約30%の効果向上があるので、ジンバル風の撮影も可能になります。

α7 IVに欲しかった機能が全部載せですね。

 

続けてハードウェア、外装についてです。

ボディは”α7 IV”から進化。上記の写真は新型α7 Vを下敷きにしてα7 IVのボディを重ねたところですが、若干形状が違っているのがわかります。α1 IIやα9 IIIとも違うボディになっています。

こちらも影になっている部分がα7 Vになるのですが、グリップサイズがやや大きくなっているように見えます。サイズが違うというよりも傾斜角が変わっており、握った時の安定性が向上するとのことです。

液晶モニターは待望の4軸マルチアングルが採用されました。バリアングルになれている方も、チルトが使いたかった方も両方満足です。

放熱構造も進化していてイメージセンサーを支えるシグマ形状の黒鉛構造体をα7 IVでは2基使っていたそうですが、α7 Vでは4基採用とのこと。本体内部の熱を効率的に放出可能。60Pの4:2:0 8bit撮影が室温25度で90分連続撮影ができるとなっています。

ボディは天面まで含めてすべてマグネシウム合金ボディになっています。このクラスであれば一部樹脂製となることが多いのですが、堅牢なボディはα1シリーズ譲りと言えるかも。

 

そして、ソニー”α”でははじめて、6GHzが使える「Wi-Fi 6E」を2✕2のMIMOアンテナで採用します。従来のWi-Fi5と比較しても帯域幅が増えるので、対応するルーターを使えば高速転送が可能になります。

さすが、1年ぶりに登場する新機種だけあって、新機能満載ですね。

ということで、比較表を早速作ってみました。今回は発売時期が近いこともあって、キヤノンさんの同クラスの新型機種「EOS R6 Mark III」のスペックも調べて並べてみました。違いのありそうな部分だけ抜粋しています。

  α7 V α7 IV EOS R6 Mark III α1 II
発売日 2025年12月13日 2021年12月17日 2025年11月21日 2024年12月13日
ボディ価格 約42万円前後 361,900円 429,000円 990,000円
レンズマウント
(フルサイズ対応)
FEマウント
(57本)
FEマウント
(57本)
キヤノンRFマウント(50本前後) FEマウント
(57本)
画素数 3300万画素 3300万画素 3250万画素 5010万画素
AF認識対象 オート、人、動物、鳥、昆虫、車、
列車、飛行機
人、動物、鳥 自動、犬、猫、鳥、
馬、車、バイク、
鉄道、飛行機
オート、人、動物、
鳥、昆虫、車、
列車、飛行機
手振れ補正 中央7.5段
周辺6.5段
5.5段 中央最大8.5段
周辺7.5段
中央最大8.5段
周辺7.0段
動画撮影時手振れ補正 ダイナミック
アクティブ
アクティブ補正 動画電子IS ダイナミック
アクティブ
常用ISO 100-51200 100-51200 100-64000 100-32000
拡張ISO 50-204800 50-204800 50-102400 50-102400
連写速度 最高30コマ/秒 最高10コマ/秒 最高40コマ/秒 最高30コマ/秒
連写枚数JPEG(FINE) 185枚 1000枚以上 330枚 400枚
連写枚数RAW(圧縮) 95枚 1000枚以上 150枚 240枚
プリREC 最大1秒 30コマ なし 最大0.5秒 20コマ 最大1秒 30コマ
シャッタースピード最高 1/16000 1/8000 1/16000 1/32000
ダイナミックレンジ 約16ストップ 約15ストップ 公表値なし 約15ストップ
測光センサー 1200分割 1200分割 384分割 1200分割
低輝度合焦限界
(静止画)
EV-4.0 EV-4.0 EV-6.5 EV-4.0
クロップ条件 4K 120P撮影時
(約1.5倍)
4K 60P撮影時
(約1.5倍)
4K 120P撮影時
(約1.6倍)
4K 120P撮影時
(約1.1倍)
ビューファインダ 0.5型 0.5型 0.5型 0.64型
  368万ドット 368万ドット 369万ドット 943万ドット
  0.78倍 0.78倍 0.76倍 0.9倍
アイポイント 23mm 23mm 23mm 25mm
モニター 3.2型 3.0型 3.0型 3.2型
  209万ドット 103万ドット 162万ドット 209万ドット
角度調整 4軸マルチ
アングル
バリアングル バリアングル 4軸マルチ
アングル
カードスロット CF TypeA & SD✕1、SD✕1 CF TypeA & SD✕1、SD✕1 CF TypeB✕1、
SD✕1
CF TypeA& SD✕2
撮影可能枚数
(ファインダー)
630枚 520枚 270枚
(省電力390枚)
420枚
撮影可能枚数
(モニター)
750枚 580枚 510枚
(省電力620枚)
520枚
Wi-Fi Wi-Fi6E
2✕2 MIMO
Wi-Fi5 Wi-Fi5 Wi-Fi5
2✕2 MIMO
Bluetooth Ver.5.3 Ver.4.1 Ver.5.1 Ver.5.0
大きさ
(幅、高さ、奥行)
約130.3 x 96.4
x 82.4 mm
約131.3 x 96.4
x 79.8 mm
約138.4×98.4
×88.4mm
約136.1 x 96.9
x 82.9 mm
重量(撮影時) 695g 658g 699g 743g
その他 エクステンデッド
RAW
  オープンゲート
7K撮影
ピクセルシフト
マルチ

※キヤノン機についてはキヤノンさんのホームページから抜粋しています

撮影可能枚数がファインダー撮影で630枚、モニター撮影で750枚と飛躍的に増えています。これもBIONZ XR2による電力効率の向上により大幅に増えたスタミナ性能ということになります。

 


☆ソニーグローバルサイト「Photo Gallery」

α7 Vの作例が日本の製品ページには掲載されていませんが、ソニーのグローバル向けのPhoto Galleryでご覧になることができます。

現時点で20点の作例を見ることが可能。そのうちの9枚は新発売のキットレンズによるものとなっています。

 

ザッとしたご案内になりましたが、新型”α7 V”の主な特長のご案内でした。

ボディ単体での価格は約42万円前後で、来年の春発売予定でキットレンズ付きのモデルが約44万円予定で登場します。キットレンズは新発売の「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」が用意されています。

「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」は連写速度が秒120コマに対応し、ボディとレンズの協調手振れ補正にも対応、ブリージング補正にも対応するレンズになっています。レンズ構成は変わっていないのですが、猛烈にコスパの良いレンズになっています。”α7 V”の最初のズームレンズはこれで決まりと言えるかと思います。

 


★ソニーストア「α7 V 発売前先行体験・展示について」

“α7 V”は金曜日の12月5日より全国のソニーストア店舗にて先行体験展示がスタートします。先行体験は予約制になっており、お一人様1回15分で予約は12月3日(水)11時から受付開始となっています。

また「α7 V発売記念 スペシャルトークイベント」も企画されており12月7日のソニーストア札幌から順次全国にて土日に開催されていきます。こちらも予約制となっています。満席の場合も立ち見で参加は可能となっています。

 


★ソニー「 α7 V発売記念キャンペーン 」のご案内はこちらから

また、α7 Vの発売を記念したキャッシュバックキャンペーンも開催されます。期間は3月23日までで、ボディとレンズを購入されたときに、レンズについて最大3万円のキャッシュバックがあります。

一緒に購入する必要は無く、期間中に購入されたレンズは何本でも対象になります。(同一レンズの複数本購入は対象外)

 

ソニーストアでの予約販売は12月9日(火)10時から開始されます。当店も来週火曜日は9時30分から開店して特別早朝営業を行います。ご出勤前に予約購入をご希望の方は店頭まで、お気軽にお越し下さい。

実機についての追加情報が得られましたら、また追ってblogやXにてお伝えしたいと思います。

 

デジタル一眼カメラ α7 V
ILCE-7M5
市場推定価格:
約420,000円前後税込
ソニーストアのご利用はこちらから
発売日 2025年12月19日 メーカー商品情報ページこちら
延長保証 5年ワイド:**,000
3年ワイド/5年ベーシック:**,000
3年ベーシック:無償
ソニーストア
購入特典
ソニー提携カード決済で3%オフ
テックスタッフ
店頭ご利用特典
☆テックスタッフ店頭ご利用特典

 

★ソニープレスリリース「ベーシックモデルの基準を刷新する、フルサイズミラーレス一眼カメラ『α7 V』 発売 ~新世代のAI認識性能とスピード性能で、大切な瞬間を意のままに切り取る~」

 


★ソニー α Universe「α7 V Debut Redefine basic 塗り替えろ。」

 


★ソニーストア ラッキー抽選会のご案内はこちらから

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