【レビュー】Signatureシリーズ『MDR-Z1R』実機レビューレポート(発売当時記事の再掲載)
先週の11月20日に発表になったステレオヘッドホン『MDR-Z1R』の販売終了案内ですが、その後、複数のオーダーをいただいています。
20万円を優に超えるSignatureシリーズのヘッドホンですので、年に数本程度しか当店ではオーダーはないのですが、これで販売終了になると二度と新製品は手に入らなくなります。
ソニーのフラッグシップモデルの音を手に入れられる最後のチャンスということでご注文をいただいている方がいらっしゃいますので、今回は発売当時の当店のレビューレポート記事を再掲載したいと思います。
まだSo-net Blog時代の記事になりますので、ss-blog、Seesaaブログと二度の引越により画像リンクがすべて消えていたのですが、復元して記事を再掲載します。

こんにちは、店員佐藤です。
2016年当時に「Signatureシリーズ」として当時話題になった30万円の金のウォークマン「NW-WM1Z」やヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」などとラインナップを組んでいた、ハイレゾオーディオのフラッグシップモデルのステレオヘッドホンとして登場したのが「MDR-Z1R」でした。
今週はラストチャンスとして、店頭でのMDR-Z1Rの試聴コーナーを急造しました。店頭展示しているMDR-Z1Rはレンタル品のため、販売が終了したところで展示が終了することになります。なので、購入だけではなく試聴する最後のチャンスでもあります。
当時のレビューレポートもご覧いただけるようになっていれば、リンクで紹介させていただくところだったんですが、今になると読みにくくなっている部分もありますので、転載する形で紹介したいと思います。
【レビュー】空気感を表現する『MDR-Z1R』展示レポート:2016年9月20日
こんにちは、店員佐藤です。
ソニーストア大阪で取材させていただいて(当時、ソニーショールームが引越のため休業していました)きましたSignatureシリーズの展示製品レポートですが、第3弾は「空気感の表現」を目指したというソニーのフラッグシップヘッドホン「MDR-Z1R」の紹介です。
是非、最後までおつきあいください。
空気感の表現を追求したという、12年ぶりのソニーのヘッドホン・フラッグシップモデルが「MDR-Z1R」です。
12年前のフラッグシップモデルというのがQUALIAブランドの「QUALIA 010」でその再生周波数帯域は5-120,000Hzを記録していました。当時の価格は262,500円です。
☆ソニープレスリリース「人の可聴帯域を越える高音域も余すことなく再現。 「音質」と「装着感」を徹底的に追求した“QUALIA”ステレオヘッドホン 発売」
このモデルのさらに15年前に「MDR-R10」というケヤキをつかった木製ハウジングのヘッドホンがあるそうなんですが、なるほど、本当に10年に一度出てくるようなヘッドホンがソニーにはあるんです。
「追求したのは空気感の表現」というのがMDR-Z1Rのキャッチコピー。「空気の音なんて聞こえないよね?」ということではなく、ここでいう空気感というのは、生で聞いている、その空間で感じられる反響音や静粛音さえも表現することを指しています。

生で音楽を聴くときはコンサートホールの反響音、アーティストが演奏を始めるまでの動作音、息なども聞こえます。音が消え入るその瞬間の静粛までも人間は音として感じ取っているわけで、それをヘッドホンでも再現できるようにする、というのがMDR-Z1Rで目指した音作りとなっています。

ソニーストア大阪での展示はご覧の通り。ハードディスクオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES(189,000円)」とステレオアンプ「TA-A1ES(189,000円)」を接続して、MDR-Z1R付属のアンバランスケーブルで鳴らしています。

「TA-A1ES(189,000円)」はバランス出力こそ用意されていないものの、専用のヘッドホンアンプを新規開発して搭載しており、ハイインピーダンスのヘッドホンをドライブできるよう、3段階の切替ができるようになっています。
50Ω未満のものはLOW、50Ω~300Ω未満がMID、300Ω以上でHiを利用し、それぞれLOWに対して+10dB、+16dBに設定をされています。
「MDR-Z1R」は64Ωのインピーダンスになりますので、ここではMID設定にして鳴らすのが正解。試聴しているときはその事を知らなかったのですが、こうして写真でチェックしてみるとちゃんと「MID」設定になっていました。さすがです。

「HAP-Z1ES(189,000円)」に入っているのはハイレゾ楽曲だけではなく、CD楽曲も数多く入っているのですが、これが不思議と私の知っているなじみのアルバムが多く、個人的に、非常に嬉しかったりします。
このJUJUの「DELICIOUS」というのは、銀座ソニービルショールームでスヌーピーフェアをやっていたときにJUJUがコラボして出したCDアルバムでソニービルの来場記念で買って聞いている私の愛聴盤。
CD音源ではありますが、うわー、これは本当にすごい音を聴かせてくれます。まるでハイレゾ。録音フォーマットが良ければ良い音ということではなく、録音状態が良くなければどんなフォーマットで再生してもダメな物。良い音はなにで聞いても良い音で聞かせてくれます。

こちらも私の大好きな映画のサントラです。「I Am Sam」という映画でビートルズのカバー楽曲だけで構成されているアルバムです。CDからリッピングしてウォークマンのメモリーに入れて聞いているのですり切れることはありませんが、それでも形容詞としてメモリーがすり切れるほど聞いているアルバムです。
こんな私好みのアルバムが2枚も入ってるなんて嬉しー!
こちらもハイレゾ楽曲は公開されていないのでCD楽曲のリッピングになりますが、今までに聞いたことのない音で鳴らしてくれます。HAP-Z1ESとTA-A1ESという再生側の性能も良いのはもちろんですが、MDR-Z1Rの鳴りっぷりが一番大きく影響しているのは間違いありません。

ハイレゾ楽曲ももちろん収録されていて、バイオリン楽曲を聴くと、これまた生演奏かと思えるほどの臨場感、空気感を感じられます。これはすごい。
この空気感を再現するために必要な3つの要素がこちら。
-
高域再生の実現
超低周波数4Hzから120kHzまでの超高域を再現し、どの音域も忠実に表現すること -
広ダイナミックレンジの実現
ハイレゾコンテンツに含まれる微少音さえもしっかりと表現すること -
平面波サウンドの実現
大口径ドライバの平面波により、生で演奏を聴いているような自然の音の聞こえ方を実現すること
これらの必要条件を満たすためにこだわったMDR-Z1Rの主な特徴をご案内していきます。

まずは120kHzの超高域再現を実現するための振動板の中心部分には軽量・高剛性を兼ね備えた薄膜の「マグネシウムドーム(写真のグレーの小さな円)」を採用。
MDR-Z1Rは空気感を再現するために可聴帯域をはるかに超える120kHzという超高音域の再生を実現しています。その高音域を再現するためには振動板中央のマグネシウムドーム部分がたわまず素早く動いてボイスコイルからの信号を超速く伝える必要があり「軽く」「薄く」「強い」要素を兼ね備える必要がありました。
ソニーは約10年前からドームの素材としてマグネシウムに着目して研究開発してきているのですが、薄く、かつドーム部分として最適な形に作る技術が非常に難しく研究段階から10年越しでようやく商品化にいたったというこだわりの歴史があるそうです。
そう、ここでも「10年」というワードが出てきました。振動板の開発に10年かかって登場するモデルです。こういうモデルは本当に10年に一度のモデルチェンジになるんですね。
周りを囲むエッジ部分には適度な柔軟性が求められるため「アルミニウムコートLCPエッジ」を採用。LCPというのは実験室レベルでしか使われない稀少素材の液晶ポリマーフィルムです。これもクセのない音がするんですよね。

ヘッドホンのドライバー部をのぞくと見えるのがドライバーユニットのグリルです。写真左のMDR-Z7では強度がしっかりしていますが桟の部分が少し太く開口部分が狭くなっています。
MDR-Z1Rではフィボナッチパターングリルを採用。穴の面積が均一で桟も細くしているので空気の伝搬を阻害しないデザインになっています。
強度を優先させて桟を太くしてしまうと、わずかながら超高域や微少音再現に影響があるためこれを改善するためのグリルの開発となっています。
ドライバー径はMDR-Z7、MDR-Z1Rともに70mmの大口径ユニットを採用。これにより平面に近い波面を再現します。

自然界の音などの伝搬やスピーカー再生の音は耳元に到達するときは平面波となっています。ヘッドホンでもハイレゾ再生に必要不可欠な自然な響きを生む平面波を再現するため、耳の大きさの平均サイズと言われている65mmを上回る70mmの世界最大級の大口径ドライバーユニットを採用しています。
これにより平たい大きな波面で音が耳に届くので、理想的なサウンド再生を実現できています。
ヘッドホンらしくない、スピーカーの音や生音に近い聞こえ方をするのはこういう特徴があるから、というわけです。

非常に大きなハウジングも特徴。これが微少音をあますことなく再現するために開発された「レゾナンスフリーハウジング」です。

貝殻を耳に当てたときに「サーッ」という波の音が聞こえるという経験をしたことがあると思うのですが、この音は周囲の音が貝殻の中で反射し共鳴して鳴っている音です。
密閉型ヘッドホンでも同じ事が発生しており、ハイレゾに含まれる微少音をしっかりと耳に届けるためには、その共鳴音を抑制する必要があります。
そこでハウジング部に通気性のあるパルプ素材の高通気抵抗の音響レジスターを採用し、通気度をコントロールすることで共鳴を抑制しています。

ハウジングプロテクターはしっかりと固さのあるステンレス素材の編み込みになっていますのでベコベコしてしまうことはありません。そして、この曲面も共鳴を抑制しているポイントの一つ。
平面があると天板が太鼓のような働きをしてしまい、音に悪影響があるため異種材料の組み合わせとシームレスに曲率を変化させた平面のないハウジング形状に行き着いたとのこと。
もちろん装着性と耐久性を追求したヘッドバンドを採用。ヘッドバンドカバーには牛革を採用し、ヘッドバンド自体もメガネフレームに使われるβチタン素材を採用。
エルゴノミック立体裁縫のイヤーパッドは肌触りも滑らかな羊の革を採用しています。イヤーパッドの形状は多くの方の頭部をスキャンして3Dデータにしたものを参考にしながら作られ内部には低反発ウレタンフォームを使い、圧力を分散して耳に密着する装着感を実現。
これにより空気感の再現のために重要となる低音域の再生を実現しています。
またイヤーパッドは”α”レンズのレンズフードのように軸回転させることで簡単に外すことができるシステムになっています。痛んだイヤーパッドの取り替えは自分で交換ができるメンテナンス性の高さも実現しています。

写真左が「MDR-Z7」で写真右が「MDR-Z1R」になります。MDR-Z7もドライバーユニットは70mmの大口径ドライバーユニットを搭載していますが、並べて見るとこれだけのサイズの差がでます。
改めてスペックを比較して見ると下記の様になります。
| MDR-Z7 | MDR-Z1R | |
| ストア価格 | ||
| 発売日 | 2014.10.18 | 2016.10.29 |
| 形式 | 密閉ダイナミック | 密閉ダイナミック |
| マグネット | ネオジウム | ネオジウム |
| 感度 | 102dB/mW | 100dB/mW |
| 再生周波数帯域 | 4~100,000Hz | 4~120,000Hz |
| インピーダンス (1kHzにて) |
70Ω | 64Ω |
| 最大入力(IEC) | 2,000mW | 2,500mW |
| ケーブルタイプ | 両出し | 両出し |
| 質量 (ケーブル含まず) |
335g | 385g |
最大入力というのはヘッドホンに入力できる電流の大きさです。これを超えるとコイルなどのパーツが焼き切れる可能性があり、MDR-Z1Rの方がゆとりがあるのがわかります。
付属ケーブルは3mのアンバランスケーブルが1本と、MDR-Z7では2mのバランスケーブル(3.5mm×2端子)、MDR-Z1Rでは1.2mのバランスケーブル(4.4mm端子)が付属します。
![]() MDR-Z1R, MDR-Z7, MDR-Z7M2向け |
||||
| ヘッドホンケーブル MUC-B20SB2 |
ソニーストア価格: 28,600 円 税込 |
|||
| 発売日 | 2023年5月12日 | メーカー商品情報ページはこちら | ||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
| テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
当店店頭にて実機展示中
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
|||
両出しのケーブルジャックは同じ規格で付け替えが可能なので別売りのキンバーケーブルの購入で新型ウォークマンにて採用された4.4mmバランス標準ケーブルをMDR-Z7で利用することも可能。
なお、MDR-Z1Rに付属してくる4.4mmバランス標準プラグ付きの1.2mケーブルはパーツ価格7,200円です。
※2025年11月現在、ソニーのサービスパーツの取り扱いは終了しています。

さて、購入に関してですがメーカー直販のソニーストアでは12月28日までキャンペーン販売を行っておりメーカー直販ならではのサービスを用意しています。
==購入方法のくだりは割愛させていただきます==

オーディオシステムの音の性格を決める一番大きなファクターは「音の出口」になります。スピーカー、ヘッドホンのアップグレードがもっとも効果的です。
今回は「Signature Series」としてウォークマン「NW-WM1Z」や、ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」が同時に登場。当然、これらの機器との組み合わせを念頭にチューニングしているでしょうからまとめて全部購入できれば一番良いのですが、WM1Zを入れて3モデルを同時購入すると総額749,760円にもなってしまいます。
目指すところはそこで、まずはヘッドホンから、というのも良いかもしれませんね。
購入時にはソニーストア限定販売のDeff製オリジナルヘッドホンスタンドのオーダーもお忘れ無く!
※Deff製オリジナルヘッドホンスタンドは販売終了しています(2025年11月 追記)
【レビュー】未体験の感動ヘッドホン『MDR-Z1R』開梱レポート:2016年10月20日

音質の追求の先にある、音楽の感動を求めたプレミアムヘッドホン「MDR-Z1R」の発売前店頭特別展示を本日より当店にて開始しました。製品版の実機がパッケージに入って当店に特別入荷しています。
10月29日発売の製品ですが一足先に開梱レポートさせていただきます。

こんにちは、店員佐藤です。
空気感の表現までも追求したという12年ぶりのソニーのヘッドホン・フラッグシップモデルが「MDR-Z1R」です。発表直後に大阪まで行って試聴させてもらってきましたが、今回は自分のお店でパッケージ開梱からセッティングまで全部自分でやらせてもらいます。正直言ってソニーストア大阪さんで聞かせてもらったときは機材も全部良すぎて、どこで高音質になっているのか分からないところがあったんですが、そういうのの切り分けができます。
「MDR-Z1R」の単品の実力もこれでわかると思うのですが。。。まずはパッケージの開梱からしていきたいと思います。外箱のパッケージを開けるとまず出てくるのが不織布で、これにハードケースが入っていて、それを袋ごと引き出します。

こちらがハードケースです。単なる製品パッケージではなく、このケースはずーっと使っていただけるように、かなりしっかりと作られています。フラップをロックしている留め具などもこれはメタル製で触るとひんやりしています。

こちらがハードケースの中身です。ヘッドホンのイヤーパッドがへんな形でクセがつかないように保護して収納できるケースになっており、さらにケーブルをヘッドホンに接続したままでもケーブルをそのまま収納できるよう設計されています。
ケースの向かって右側にはケーブル収納スペースが用意されていて、ここに2本程度のケーブルが収められるようになっています。別途、購入したキンバーケーブルも収納ができるように設計されているそうです。

自宅に置いておき、ヘッドホンを使うたびにハードケースをご利用いただくことを提案しているとのこと。
良いですね。音楽を聴く前の儀式としてハードケースを開くところから始めるの。

こちらが同梱品の一覧になります。ケーブルは2本入っており、ひとつはバランス接続の4.4mm径のバランス標準プラグのケーブル。長さは1.2mとなっています。
もうひとつはステレオミニプラグのついているケーブルで長さは3mあります。金メッキのステレオ標準⇔ステレオミニジャックの変換アダプターもついており、アンバランスの標準端子、ステレオミニ端子の利用ができます。
他に取説類となります。

通常の取扱説明書の他に、ハイレゾ対応の周辺機器、リケーブル製品の案内がはいっているのと「プロダクトインフォメーション」という見慣れない冊子が入っています。
MDR-Z1Rのホームページにも記載があるのですがMDR-Z1Rに詰め込まれた高音質技術について改めて説明をしているものになります。

なるほど、こういうのは嬉しいんですよね。まず、製品パッケージを開いて最初のお試し試聴をするわけですが、レコードジャケットを読むがごとく、音質を楽しみながらこういうのを眺めるわけです。
改めて、紹介するとMDR-Z1Rのキモは、開発に10年かかったという「マグネシウムドーム」です。高域の音を大音量から小音量までしっかりと鳴らすことを目的に固くて薄いドームが必要で、採用しているマグネシウムドームは30mmミクロンという世界中のヘッドホンの中でももっとも薄い振動板を使っているそうです。ちなみに髪の毛の太さが100mmミクロンだそうで、髪の太さの1/3程度しかない、ほとんど膜みたいな物を使っているそうです。
そのドームを支えるのが液晶ポリマーフィルムをアルミニウムコートしたエッジ部分になります。MDR-Z7はドーム部分までこのアルミコート液晶ポリマー振動板を使っているわけで、ここに違いがあることにあります。
その振動板を守るためにグリルも太い桟があると高域の音が耳に届くのを阻害してしまうので、細く桟の開いている面積が均一になるフィボナッチパターングリルを採用。すべては120kHzまでの高域の音を鳴らすために開発された技術になります。

その振動板をのぞいてみたところがこちらです。70mm径の振動板は平均的な耳のサイズ65mmを超える大きさで、これにより耳には平面波として届き、自然界にある普通の音の届き方に近い音になります。
空気感を聞かせるための技術をふんだんにつぎ込んでいます。

ちなみに、このドライバーを覆っているイヤーパッドですが簡単に外れます。デジタル一眼カメラ”α”のレンズマウントのごとく、イヤーパッドを持って5度ほど回転させるとぱかっと外れて、イヤーパッドだけ取り外すことができる仕様になっています。

オーバーヘッドタイプのヘッドホンの場合、このイヤーパッドが傷んで製品の寿命が終わる、というところがあります。パーツでイヤーパッドだけ取り寄せができれば、これで製品寿命を伸ばすことが可能。
なお、パーツ取り寄せですが片側で7,800円(税別)となっています。当店店頭でお申し付けいただければ数日でお取り寄せできます。

「プロダクトインフォメーション」に戻ります。「レゾナンスフリーハウジング」の説明についても記載があります。
MDR-Z1Rは密閉型のオーバーヘッドホンなんですが、装着して聞いてみるとオープンエア型の様な開放感のある音がする、という評価になります。これ、実際にはどっちなの?という話なんですが正確には密閉型です。
ただ、開放型のように聞こえる工夫がされていて、それが「レゾナンスフリーハウジング」の事を指します。
密閉型というのは完全に耳を覆った密閉空間で音を鳴らします。簡単に実験ができるのですが手の平でドームを作ってそれで耳を覆うと「サーッ」という音がします。貝殻を耳に当てると波の音がする♪というのもそうですが、密閉型だと、こうして音が反響して特定周波数が強調されて聞こえてしまう、ということが起こります。
開放型ではそれがないのですが、そのかわりに外からの外音がもろに耳に入ってきてしまいます。
MDR-Z1Rではハウジングの形状を工夫して平行面がなく反響をしにくい形を作るとともに音響レジスターというパルプ素材の膜を中に入れることで、そうした特定の周波数が増幅しないような仕組みを作っています。

ハウジングのプロテクターの膨らみはそういうヒミツがあります。MDR-Z1Rを装着したときに密閉型ヘッドホン独特の「音」が聞こえないところでまずは感動できます。

そしてバランス接続ケーブルについての説明も記載されていました。
すでに昨年からソニーのPHA-3で実現しているバランス接続。従来は3極を使って、左右の+極と、共通の-極を使ってヘッドホンを鳴らしていたのですが、共通の極を使うことで左右の信号が影響し合ってしまうことが避けられませんでした。
バランス接続では4極の信号を伝送できるようにして左右それぞれに+極と-極をつかえるように完全分離して伝送をします。これなら左右の音が影響しあうことがなくなります。
MDR-Z1Rではコードが両出しになっていて左右のハウジングにケーブルをさせるのと、新型ウォークマン「NW-WM1」シリーズや、PHA-2Aで採用された4.4mm径のバランス標準プラグ搭載ケーブルを同梱しています。

こちらが4.4mm径のバランス標準プラグを使った付属ケーブルです。4極と言いつつ、プラグを見ると5極ありますが、一番根元の広いところはグランドと言ってステレオミニの3極端子の共通チャンネルと同じ働きをします。
今後、そういう変換アダプターが登場するかわかりませんがアンバランス3.5mmステレオミニ→4.4mmバランス標準の変換アダプターなどがあれば4.4mmバランス標準ケーブルでアンバランス信号を伝送することができる、ようになっているというわけです。
規格は今年の春に業界統一ということで決まっていたそうですが、よく考えられています。

まだ製品として世にほとんど出ていないので、4.4mm径バランス標準端子を見たことがない、という方がほとんどだと思います。
写真左からステレオ標準、バランス標準、ステレオミニ端子になります。ステレオミニ端子よりも太く接触面積が増えるので音質的に有利なのと、ステレオ標準ほど大きくはないのでウォークマンなどのポータブル機器でも採用がしやすい端子になっています。

さて、いろいろウンチクばかり紹介してしまいましたが、やはりまずは音を聴いてみないと♪ 今日から当店店頭で展示を始めた新型ウォークマン「NW-WM1Z」で音を出してみるのですが。。。超絶良い音がします。
すごい、これはもうヘッドホンの音ではないというか、スピーカーで聴くよりも良い音。音質がどうこうというよりも、もう感動してしまうだけです。
何を聞いても気持ち良くて、ずーっと音楽を聴いていたい気持ちになります。

MDR-Z1Rはインピーダンスが64Ωとかなり高いのでウォークマン「NW-WM1Z」で聴く場合は「設定」>「出力設定」>「ハイゲイン出力」にて、バランス標準端子の方だけハイゲイン出力にしておくのがオススメです。
これで通常のインナーイヤーヘッドホンはステレオミニ端子で使って、MDR-Z1Rはバランス標準端子で聴くというオススメ設定にできます。

これでデモ用の楽曲を聴きまくってみるのですが、どれを聴いても今までにない音質で楽しめます。マイルス・デイビスの「So What」とか、いろんなところで聴いてきているはずなのですが、MDR-Z1Rで初めて聞いた音が味わえます。
高域の伸びが良いとか、キメが細かい音がするとか、音像定位が良いとか、そういう次元を超えた感動の音が楽しめます。奥行きのある音がして、無音部分にも雰囲気を感じられて、これが空気感なんだろうなぁ。
自分に、こういう高音質ヘッドホンの良さがわかるのかな?とか、思っていましたが、プレーヤーもWM1Zで、ポータブルで聞ける音としてはこれがもうソニーの最高スペックの音になるわけです。
感動しますね。

ということで、10月29日発売予定の「MDR-Z1R」ですが、本日から当店店頭でも発売前特別先行展示をしています。
ウォークマン「NW-WM1Z」や「NW-WM1A」と一緒に試聴することもできますし、昨年のトップモデル「MDR-Z7」や、ハイレゾヘッドホン「MDR-1A」との比較試聴なども可能。よりパワフルなPHA-3での試聴もできます。
※現在は他の機種の展示がありません。NW-WM1ZM2、NW-WM1AM2での試聴が可能です
是非、静かな店内でじっくりとご試聴になってみてください。
【2025年11月20日付けで販売終了案内が出ています。在庫限りで販売終了になります】
![]() |
||||
| ステレオヘッドホン MDR-Z1R |
ソニーストア価格: 251,900 円 税込 |
|||
| 発売日 | 2016年10月29日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| ソニーストア 購入特典 |
5年ワイド:22,000円 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円 3年ベーシック:無償 |
|||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 残価設定クレジットの分割払手数料が【0%】 期間限定:24回払いまで分割払手数料【0%】 |
|||
| テックスタッフ 店頭入特典 |
店頭にて実機を展示中です テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
|||
![]() MDR-Z1R, MDR-Z7, MDR-Z7M2向け |
||||
| ヘッドホンケーブル MUC-B20SB2 |
ソニーストア価格: 28,600 円 税込 |
|||
| 発売日 | 2023年5月12日 | メーカー商品情報ページはこちら | ||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
| テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
当店店頭にて実機展示中
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
|||
![]() MDR-Z1R, MDR-Z7, MDR-Z7M2向け |
||||
| ヘッドホンケーブル MUC-B12SM1 |
ソニーストア価格: 23,650 円 税込 |
|||
| 発売日 | 2014年10月18日 | メーカー商品情報ページはこちら | ||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
| テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
当店店頭にて実機展示中
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
|||
【レビュー】Signatureシリーズ『MDR-Z1R』実機レビューレポート(発売当時記事の再掲載)
先週の11月20日に発表になったステレオヘッドホン『MDR-Z1R』の販売終了案内ですが、その後、複数のオーダーをいただいています。 20万円を優に超えるSignatureシリーズのヘッドホンですので、年に数本程度しか当 […]
11月29日土曜日のソニーショップ営業案内 『MDR-Z1R』最後の試聴会&ソニーストアBLACK FRIDAY開催
Fle 新橋のソニーショップテックスタッフの今週土曜日の営業案内です。 現在、ソニーストア的BLACK FRIDAYが開催されています。PlayStationは12月1日まで、BRAVIAは12月3日まで、INZONEは […]
ついに終幕…Signatureシリーズ『MDR-Z1R』が1,100円値下げ! ソニー最高峰ヘッドホンが販売終了へ
こんにちは、店員よねっちです。 なんとステレオヘッドホン『MDR-Z1R』が販売終了に伴い1,100円の値下げになりました。ソニー最高峰の技術を注ぎ込んだフラッグシップモデルがこれで終了になる模様です。 ストア価格は […]
簡単なアンケートに答えて抽選で50名にソニーポイント1万円分が当たる! 「あなたはどっち派?」 7月のMy Sonyキャンペーン開始!
ソニーストアにて「あなたはどっち派?」My Sonyキャンペーンがスタートしました。 簡単なアンケートに答えることで、抽選で50名にソニーポイント1万円分がプレゼントされます。7月のテーマは< 音楽を聴くとき、あなたはど […]







