2025年3月5日

【Tips】写真も動画もワイヤレス転送『Creators’ App』と『Creators’ Cloud』を使ってみよう！

tecstaff デジタル一眼“α”, カメラ FTP転送, Creators' App, Creators' Cloud, Transfer & Tagging 2 コメント

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使っている人は使ってるけど、なんか難しそうで取っかかりがなくて難しそうと思えてしまうソニー”α”の「Creators’ App」と「Creators’ Cloud」のサービスなんですが、必要に迫られて？チャレンジしてみました。

最初のとっかかり（設定）が難しそうに見えるだけで、利用しはじめると超便利。これは使わないとソニーライフの半分を損したことになるかも！？　”α”からXperiaとVAIOへの画像転送全般をいろいろ試してみましたので紹介します。

設定すれば、撮影後に自動でXperiaの中に転送されていてRAW現像できたりしますよ。

こんにちは、店員佐藤です。

少し懐かしい話になりますが、PlayMemories Camera Appというアプリをデジタル一眼カメラのAマウントボディやNEXシリーズや、サイバーショットに搭載がありました。

自分で必要なアプリをダウンロード＆インストールすることでカメラの機能が増えていく面白い仕掛けだったのですが、その中に「スマートフォンシンク」というアプリがあって、これが非常に便利でした。

最初にスマートフォンと連携設定をしておくと、カメラの撮影後に電源を切ったところでスマートフォンとWi-Fi接続をして撮影した写真データをすべて自動でスマートフォンに転送してくれるんです。

とてもシンプルなアプリで、それ以上の機能はなにもついていなかったんですがとても楽に”α”やサイバーショットで撮影した写真データをスマートフォンで扱えました。

なんせ、山歩きしながら写真を撮って歩いて、そのままハイキングを楽しんでなにも操作をしていなくても休憩ポイントに着くとスマートフォンに写真が全部転送されているんです。

それをまたやりたいなー。当時は「PlayMemories Mobile」という、VAIOに搭載されていたPicture Gearの延長線上にあるようなPlayMemories Homeと連携していて扱いやすかった記憶があります。

その後「Imaging Edge Mobile」に切り替わり、今は「Creators’ App」というなにやらかっこよさそうなアプリにモデルチェンジしています。

「Creators’ App」は、ソニーのクラウドサービス「Creators’ Claoud」のサービスから提供されているアプリみたいで、どうも業務用というかプロカメラマン向けのサービスの様なイメージ。なんか難しそうに見えるんですが、実際に出来る事は「PlayMemories Mobile」とか「Imaging Edge Mobile」の機能を内包しています。

操作画面が洗練されていて親しみやすい感じはないかもしれませんが、まずは基本的なカメラ画像の転送方法を試してみようと思います。

写真左は”α7C II”とアプリ「Creators’ App」をインストールしたXperia 1 VIです。「Creators’ App」は使い始めるときにMy Sony IDでのログインが求められるので、”α”を購入したときのIDでログインしておけばOKです。

なお「Creators’ App」の対応機種は下記のモデルになります。

■発売当初から対応 ILCE-1M2、ILCE-9M3、ILCE-7CR、ILCE-7CM2、ILCE-6700、ZV-E1、ZV-E10M2、ZV-1F、ZV-1M2、ILX-LR1

■要本体ソフトウェアアップデート ILCE-1、ILCE-7RM5、ILCE-7SM3、ILCE-7M4、ILME-FX3、ILME-FX30

かなり新しい機種からの対応になっていて、”α7C”や、”α7R IV”、”α7 III”、”α6400″、ZV-1などは非対応になっていて、その場合は以前の「Imaging Edge Mobile」を使うことになっています。

対応カメラの場合は撮影後に画像再生をして、転送したい画像を表示して「Fn」キーを押せば、転送モードになります。

表示している1枚だけを送りたいときは「この画像」、その日に撮影した画像を全部転送したいときは「この日付の全画像」などを選択します。

「画像選択」を選ぶと、画像一覧が表示されてチェックを入れた画像だけ転送するということもできます。

スマートフォン側ではカメラが転送モードに入ったら「Creators’ App」アプリを起動して待っているとWi-Fi接続して画像を転送してくれます。

PlayMemoris 時代は2.4GHzでの低速での転送だったため4K動画などは事実上転送することができませんでした（数十秒の動画を30分くらいかけて転送してました）が、現在は5G WiFiを使えるので、感覚的には10倍速くらいで転送ができます。

複数枚の画像転送でも割とすぐに転送できます。

ただし、この方法は自動では転送されず、どこかのタイミングをみて手動で転送することになります。でも、これが普通の転送方法なんですよね。

で、特殊な転送方法をしたくなるシチュエーションというのもあって、例えばこんなことが私の場合はあります。

以前、お話ししたことがありますが私はGoogle マップの「ローカルガイド」登録をしていて、現在レベル8まで来ています。

前回お話ししたときは37000ポイントくらいのときだったんですが、それから1か月ちょっとで現在は46000ポイントくらいまで来ています。そう、この1か月くらいで1万ポイント近く稼いでいるんです。

『Xperia』でGoogle マップのローカルガイドになってカリフォルニアへ無料で行ってみよう！

ローカルガイドというのは上記リンクで詳細を説明していますが、要はGoogle マップに実在する場所の写真データをアップロードしていくと効率よくポイントがもらえます。

先日、ここ3年くらいに撮影した写真データを見ながら、Google マップに投稿で来そうなものを探してアップロードしまくったら、それだけで5000ポイントくらい稼げたんです。次のレベルになる50000ポイントまであと少しとなると、そこからターボがかかります。

例えばですが、近所の散歩をしながらGoogle マップを見て、ポイント頃に写真を撮ってアップロードしていく、ということをしてみたら1時間少々で1000ポイントほど稼ぐことができました。そうなるとあと1万ポイントは10時間の散歩で達成できそうです。

ということで「Xperia」を持って、片っ端から写真を撮ってアップロードしていくことをしていたのですが、その方法だと効率が悪いことに気づきます。

Google マップとカメラアプリを行ったり来たりしながら操作するのが手間に感じます。

それをデジタル一眼”α”、もしくはサイバーショットを使って写真だけ撮って、自動でXperiaに転送されたら、スマートフォン側はGoogle マップだけの操作で写真投稿をドンドンできるわけです。

それに挑戦してみようと思います。

なお、FTP転送機能ですが”α6700″やZV-E1は搭載していません。

ここで利用するのが「FTP転送」機能です。これは初代”α9″からカメラ側に搭載されている機能で、スマートフォン側で「Creators’ App」を使う必要もありません。その代わり、スマートフォンの中にFTPサーバーを作る必要があるんですが、大丈夫です。

難しい知識がなくても使えます。

まずはスマートフォンに「Wi-Fi FTP Server」というアプリーをインストールします。このアプリは広告が表示されますが無料で使えます。広告非表示のためのpro版は99円で移行できるので、気に入ったら99円でpro版の購入がお勧めです。

スマートフォンの設定でテザリングをして、カメラをスマートフォンのWi-Fiに接続できるように準備。その後、アプリ「Wi-Fi FTP Server」を開いて「スタート」ボタンを押せば、それだけでスマートフォンの中にFTPサーバーができあがります。

簡単に使えるように、アプリの設定でFTPユーザーIDと、パスワード、ルートフォルダは設定しておくと良いと思います。

ユーザーIDとパスワードは短く簡単に入力できるように「ad」とかにしておくと、カメラでの設定時が楽です。ルートフォルダは転送したファイルをどこに置くのか指定できる機能です。Xperiaの本体内メモリーに入れると大切な本体メモリーを圧迫してしまう可能性があるので、マイクロSDカードを挿しておいて「disk」>「DCIM」>「FTPserver」とかにしておくとわかりやすいと思います。

スマートフォン側のFTPサーバーの設定はたった、これだけです。PCと比べると超簡単なんです。

【Tips】ソニーデジタル一眼”α”の写真画像をWindows 11搭載VAIOへFTP転送に挑戦

ちなみにWindows 11でのFTPサーバーの作り方は上記のリンクで紹介しています。私もやり方が覚えられなくて、再設定するときは上記のblog記事を見ながら設定しています。

これを使うと自宅や職場での無線ルーター経由でPCにじゃんじゃん写真が転送されます。お店で記事作成をするときは、これを使って画像転送しているので、SDカードの抜き差しとかは今はしていません。

残るはカメラ側の設定になります。

カメラのネットワーク機能を開くと「FTP転送」というものがありますので、ここを開いて「FTP転送機能」をオンにします。

ここでサーバー設定を行います。サーバーは1～9まで記憶できます。ここでは「サーバー2」のところにXperiaへの転送設定を入れます。

他にサーバー3を職場のVAIOに、サーバー5に自宅のVAIOに、など、転送先を9つ記憶できるので、転送したいデバイスがいくつかあっても、これで設定を記憶させておくことが可能です。

サーバーの設定では「転送先設定」と「ユーザー設定」を行います。

FTPのホスト名には、テザリング接続したときのスマートフォンのIPアドレスを入力します。”α”とテザリング接続してから「Wi-Fi FTP Server」アプリをスタートさせて、最上段に表示されているIPアドレスを入力すれば大丈夫です。

ユーザー名はカメラ内のソフトウェアキーボードを使って入力するので短くて簡単なものを設定しておくと入力するのが楽です。「aa」よりも「ad」にしておいた方が入力は楽です。

FTP転送の設定ができたら「FTP自動転送」を入りにします。カメラによってはFTPの自動転送をする対象ファイルをある程度設定することが可能です。

これがまたややこしい話になるんですがカメラによってはプロテクト画像のみ転送する、ということができます。”α7C II”や”α7R V”はダメですが、”α9 III”は設定が可能です。

“α7C II”や”α7R V”の場合は撮影した写真データを片っ端からFTP転送してしまいますが、”α9 III”は連写した写真から「これ！」というものだけプロテクトをかけてFTP自動転送することができます。

プロテクトをかける作業ですが、再生時のカスタムキー設定でどこかのボタンに「プロテクト」を設定しておき、再生しながら写真選別をしてボタンをポチポチと押していけば設定ができます。

転送するファイルですが「JPEG or HIEF」にするか「RAW」にするか両方転送するか、などが指定できます。

以上でFTPの自動転送ができるのですが、自動転送が始まった時に途中でカメラの電源を切ると、転送中のファイルはエラーになってしまい転送されなくなります。撮影してFTP転送が始まったら、転送が終わるのを確認するか、しばらく撮影後も電源を入れっぱなしにしておく必要があります。

転送に失敗したときは手動でFTP転送ができるので「FTP転送」から行います。

ここでも転送する対象ファイルを指定できるので、ここで「未転送画像のみ」としておけば、転送済みになっていないファイルだけを転送することが可能。

ここではプロテクト画像のみの指定ができるので、自動転送を使わないで手動転送でプロテクト画像のみの転送もできます。

転送した写真はすぐにGoogle フォトで表示されるので、Google マップアプリでもすぐにアップロードができます。これを使って近所の写真散歩を数回して4000ポイントほどローカルガイドのポイントをあげることができました。

☆Google Play「Transfer & Tagging」

ちなみにソニー純正アプリでもFTP転送ができます。このアプリもスマートフォン内にFTPサーバーを作って、カメラからFTP転送でファイルを取り込んでくれます。純正アプリらしくカメラと無線接続したところでFTP転送の設定を書き込んでくれたり、FTP転送中に電源を切ってもエラーにならず、再度電源を入れたときに続きから転送を始めてくれるなど安定性は抜群です。

ですが、取り込んだ画像は「Google フォト」アプリで観ることができなくて、普通にAndroidの中で写真データとして扱うためには画像を選択して共有からGoogle フォトにアップロードする、という作業が必要になります。

自動転送してくれるんですが、その後に一手間かかるので「Google マップの片っ端から写真データをアップロードする作戦」には向かないという感じでした。

「Transfer & Tagging」は、やはり仕事で写真を扱っている方が、会社のFTPサーバーに転送するためのアプリという感じなんですかね。

そして、最後に「Creators’ App」を使った「Creators’ Cloud」へのアップロードの紹介をします。これも、なんかやけに難しそうに見えるかもしれませんが、昨年11月から「Adobe Lightroom」と「Google ドライブ」との連携ができるようになり、これが超便利に使える様になっています。

というか、今まで面倒だったRAW現像がこれのおかげで劇的に楽に作業出来るようになりました。

グローバルシャッター搭載秒120コマ連写が可能な”α9 III”でのスポーツ撮影やシマリス撮影の後とかって、とても気が重くて、数千枚の写真カットを持ち帰ってPCに取り込んで、そこから写真選別するだけでも時間がかかっていたんですが、今は撮影時、もしくは撮影帰りにカメラの中でプロテクトを付けて転送する画像を選択しています。

プロテクト選択した後にスマートフォンとテザリングで接続するとスマートフォンアプリを介さずにカメラが自動で「Creators’ Cloud」にプロテクト画像のRAWファイルだけをアップロードしてくれます。

同時に「Creators’ Cloud」から「Adobe Creative Cloud」へデータが転送され、Xperiaにインストールした「Lightroom mobile」で閲覧＆編集することができます。そこで簡易現像しておいて、帰宅したらPCの「Adeobe Lightroom」で編集の続きを行い記事作成に使っていたりします。

“α9 III”の記録ストレージからスマートフォン、PCでの編集作業まで一度もメモリーカードを抜き差しすることなく、全部、ワイヤレスで作業出来るようになりました。

もう劇的に便利で人生が変わってしまったかも。

「そんなに急いで編集する必要はないし、ゆっくりデータをPCに移してからじっくり編集して良い物作ればいいじゃない」というご意見もあると思いますが、そういう方はそうして作業していただければよいかなーと。私も昨年まではそうやってやってましたから。

ただ、余計な作業がなくなったのが超嬉しい。

流れを簡単に紹介したいと思います。

最初に自分で画像を選択して転送するのに使っていた「Creators’ App」を使います。接続するカメラを選んで「クラウド機能」というところを使います。

すでに当店の”α9 III”ではクラウド機能が連携されているのですが、連携は特に難しいモノではなく、My Sony IDをお持ちの方でしたらすぐに利用が可能です。

My Sony IDをお持ちの方は無料で5GBの容量が使えて、ソニー”α”のユーザーであれば25GBの容量が使えます。有料プランで100GBと500GBの用意があります。（料金ですが100GBで月額770円、500GBで1,540円なのでさほど高いわけでもありません。）

なんだ、それだけしか使えないんじゃバックアップにならないよ、という方もいらっしゃると思います。25GBでは一度の撮影データも全部アップロードできないと思いますが、ここは考え方を変えて、バックアップのための場所ではなく、編集の場所だと考えて、プロテクト画像のアップロードだけにすれば、割と使えます。

編集作業が終わったら、撮影日付でどんどんファイルを削除して使う、という感じで利用します。

スマートフォンの画面でクラウド機能を設定していくと、この設定がカメラに書き込まれていきます。

アップロードするファイル形式を私の場合は「RAW」にしてアップロード先のフォルダは「ILCE-9M3」としていますが、撮影の都度、フォルダ名を変更しても良いかも。

「外部クラウドサービスへの自動転送設定」は今は「Adobe Lightroom」だけにしています。

↑こちらは「外部クラウドサービスへの自動転送設定」で設定できる「Adobe Lightroom」と「Google ドライブ」の設定項目です。

両方試してみたんですが「Adobe Lightroom」への転送機能は「神」です。

“α9 III”のプリ撮影+秒120コマ連写だと一瞬で100枚近い画像ファイルが出来てしまい、それを全部転送したら大変なことになるんですが、その場でOKカットだけをプロテクト設定して、ジャンジャン転送しておきます。これだけでCreators’ CloudとAdobe Creative Cloudに直接転送されて、スマートフォンにファイルがコピーされないところがすごい。

「Google ドライブ」への転送はあくまで「Google ドライブ」への転送なので、後でスマートフォンでGoogle フォトを開いても写真はすぐに見られません。一度「Google ドライブ」を開いて、転送されたファイルをダウンロードしないと写真が見られない、という感じです。

「Adobe Lightroom」を使っていない方や、JPEG画像の転送に使う感じですかね。

「Lightroom mobile」は有料プランで使うアプリ（月額：1,480円）なので、無料で使えた「Capture One Express」のときの様に手放しでお勧めすることはできないんですが、Creators’ Cloudと合わせて使うと便利すぎです。

クラウドで転送してくれている時点ではスマートフォンにデータはダウンロードされていないんですが、編集をはじめたところでクラウドのデータを使って編集。最後にJPEGファイルを書き出ししたところでGoogle フォトに入っていく感じ。

先日のハンドボールチーム「ブルーサクヤ鹿児島」の撮影の際も、ハーフタイム中と帰りの電車の中で写真選別をしながら、同時にアップロードしてXperiaでRAW現像しながら帰ってきました。

カメラで選別してプロテクトをかけた画像から、さらにXperiaで選別して現像して、翌日、VAIOで編集して記事作成に入っていますが、すごいシームレスです。

注意点があるとしたら、これらの転送設定をしたあとに撮影したモノしか転送はしてくれない点。設定した時間からさかのぼって、その時間の前に撮影したデータは転送されません。あらかじめ転送設定をしておく必要があります。

ちなみに、私は写真作業でだけで使っていますが、動画ファイルも同様に扱えます。運動会とか学芸会とかの長い動画撮影には向きませんが、完成動画が1分くらいのショートムービーとかだと同様の使い勝手になります。

それと注意点はひとつだけあってCreators’ Cloudも対応するカメラに制約があります。

FX3, FX30, α1 II, α1, α9 III, α7R V, α7S III, α7 IV, ZV-E1, ZV-E10 II, ZV-1 II, ZV-1Fです。これらのモデルの最新本体ソフトウェアで利用ができます。

驚いたことに”α7C II”や”α7C R”、”α6700″、”α6400″は非対応になります。同じコンパクト系なんですがサイバーショットベースのZV-1 IIが対応しているのに”α7C R”が対応していないのでご注意を。

モデルごとに使える機能、使えない機能が入り組んでいるのもアプリとサービスがわかりにくくなる原因かもしれません。

とはいえ、なんだかよくわからなかった「Creators’ Cloud」なんですけど、こうして使い方がわかると非常にありがたいサービスだったりします。

続々と新機能が発表されていっているので、まだまだ成長するサービスなんでしょうし、利用しないともったいないかも。

まずは「Adobe Lightroom」をご利用の方は試されてみてはいかがでしょうか？

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