【レビュー】重低音コンパクトスピーカー『ULT FIELD 1』実機レポート! 12年ぶりにウーファーユニットを内蔵した新型コンパクトスピーカーの登場
4年ぶりにモデルチェンジしたソニーの主力ワイヤレスコンパクトスピーカー『ULT FIELD 1』の実機レポートです。
今回のワイヤレスポータブルスピーカーですが、実はものすごいモデルになっています。なんと12年ぶりにウーファーユニットを内蔵したコンパクトスピーカーになります。このスタイルのアクティブスピーカーでウーファーユニットを搭載していたのはなんと2012年発売の「SRS-BTD70」以来となります。
「サイズなりには低音が出ている」とかではなく、このコンパクトスピーカーは「重低音」が鳴ります。こんな製品は初めてです。
実機レポートをお届けします。
こんにちは、店員佐藤です。
すごいスピーカーが発売になります。なんせ、12年ぶりですよ。ウーファーユニットを内蔵したコンパクトタイプのワイヤレスアクティブスピーカー。個人的にはこれを待っていたというか、やっとこれで買い換えができる!という最高の製品が登場しました。
こうしたコンパクトなバースタイルの最小型アクティブスピーカーの初代モデルは2012年7月発売の「SRS-BTD70」だったかと思われます。
さすがに12年前のモデルなので時代を感じさせます。なんせ、商品ページをご覧いただければわかると思うんですが、接続する製品がウォークマンNW-Z1000シリーズとか、Sony Tablet Sなどが一緒に紹介されているんです。
おそらく、こうしたスタイルの片手持ちするバースタイルのアクティブスピーカーでBluetooth接続機能が搭載されたのはこれが初めての機種だったんじゃないかと思います。
バッテリーは単3電池×3だったり、電源も専用のACアダプターを使っていて、今時のUSB端子を使うモノではありません。当然、NFCなども付いていないのでボタン長押しのペアリングだけで運用するスタイル。
しかし、この時にだけ採用されたのがウーファーユニットだったんです。
このモデルにだけ、左右のステレオスピーカーに加えてウーファーユニットを内蔵しており3スピーカースタイルで作られていました。これよりも大型の上位モデルになるとこうしたスタイルのものはあるんですが、全長20cm前後のバースタイルのスピーカーとしては、これが最初で最後のウーファーユニット内蔵モデルでした。
その後「SRS-BTS50」「SRS-X3」「SRS-X33」「SRS-XB20」「SRS-XB21」「SRS-XB22」「SRS-XB23」と、製品ラインナップは次々とモデルチェンジをしてスタイルをつないで行くのですが、これらのモデルはすべてスピーカーユニットを2基搭載しているものの、ウーファーユニットの搭載はなくパッシブラジエターの搭載というのがレギュラースタイルになっていきます。
2019年5月発売の『SRS-XB22』まではこうしたスピーカーユニット×2機と、パッシブラジエター×1機というデザインが主流。
その後、2020年に登場した『SRS-XB23』ではボディ左右にパッシブラジエーターを搭載する二つの低域強調デザインになっていましたが、それでも上位モデルでウーファーユニットを内蔵しているモデルや、フルレンジスピーカーでも一定のサイズ以上のものに比べると低域の音が不足はしないものの、重低音が鳴っている、という感じのモノではないので、どうしても見劣りしていたのは事実です。
店頭で購入相談があるときも当店では「SRS-XB23」は展示していたので、それを試聴していただいて、低域の音に不満がないかをご確認いただいていました。
しかし、今回の新製品「ULT FIELD 1」はウーファーユニットを内蔵して2ウェイスピーカースタイルのウーファーとトゥイーターという組み合わせで登場。実に12年ぶりのウーファーユニット搭載のコンパクトスピーカーになります。
あいにくステレオ音声ではなくモノラル音声になるのですが、それと引き換えに「重低音」が鳴ります。
倍音構成により、あたかも「重低音が鳴っている様な音」でバランスを取るのではなく(最近のソニーさんはこういうのがすごく上手いんですが)、本当に重低音を鳴らすコンパクトスピーカーとして登場しました。
先行機種になる「SRS-XB23」との比較をすると下記の通りです。
SRS-XB23 | ULT FIELD 1 | |
ストア価格 | 15,400円 | 19,800円 |
発売日 | 2020.7.3 | 2024.4.26 |
スピーカー | フルレンジ×2 | ウーファー、トゥイーター |
低音強化ボタン | × | ULTボタン |
ステレオ再生 | 〇 | × |
防水 | IP67+防錆 | IP67+防錆 |
ショックプルーフ | × | 〇 |
コーデック | LDAC/AAC/SBC | AAC/SBC |
Stereo Pair | 〇 | 〇 |
パーティーコネクト | 〇 | × |
内蔵充電池 | 約10時間(EXTRA BASS) | 約12時間(ULT ON時) |
マルチレイアウト | 〇 | 〇 |
ストラップ | ストラップ | マルチウェイストラップ |
.
「ULT FIELD 1」がウーファー内蔵と引き換えにステレオ再生ができなくなったというのは、一見、残念な仕様変更に見えるんですが、実際にこの手のスピーカーを使ってステレオ再生した際に、幅20cmの長さのスピーカーでステレオ感はあまり出ません。
おでこのところにスピーカーを持ってきて、それで鳴らすとさすがにステレオ感は出るんですが、あまりそういう使い方はしません。それどころか、SRS-XB23にしても初代モデルSRS-BTD70にしても縦置きで使うことを重視したデザインにしています。縦置きにしているときはステレオ感は上下に広がることになり、人間の左右の耳ではステレオ感としては伝わらないですね。
なので、ボディの2/3を使ったウーファーユニットを内蔵することで、シリーズ初の「重低音の鳴る」コンパクトスピーカーとした特徴を打ち出してきたわけです。
聴き比べてみるとその差は歴然。今までの「倍音構成があるので低域の音がバランスよくなっている感じで聞こえる」のではなく、本当に「重低音」が鳴ります。
低域の音を確認するのに、私はマイケル・ジャクソンの「Billy Jean」をリファレンスにしているのですが、ドラムパートの後に続く、超低音ベースの音がしっかりと聞こえてくる、初めてのコンパクトスピーカーに驚きました。
SRS-BTD70もウーファーユニットを搭載していますが、ウーファーユニットサイズは2つのサテライトスピーカーのおかげで1/3ほど。倍以上の容量を使った「ULT FIELD 1」とは比較になりません。
パーティーコネクトやステレオペアなどの、2つのスピーカーを使ったときの連動というのも、もしかすると「SRS-XB23」ではあまり利用されていなくて、それでドロップしたのかもしれないですね。
※試用機にはステレオペアの動作が確認できませんでしたが正式発表した製品ページにはステレオペアの対応が記載されていました。お詫びして訂正させていただきます。
「SRS-XB100」などのキューブタイプの超小型アクティブスピーカーだと、店頭でも複数同時購入されてステレオペア機能を使って楽しみたい、ということで購入されている方を見ていますが、そういえば「SRS-XB23」を2本同時購入されているという方はいらっしゃらなかったかも。
ということで、前置きが非常に長くなりましたが、実機のサイズはこんな感じです。
全長205mm、重量約650gでイメージとしては600mlペットボトルくらいのもの。
「ショックプルーフ」対応となっており、1.2mからの高さの落下試験をしています。スピーカーの両端は樹脂製になっているんですがショックを吸収できるようにするためか、やや柔らかい素材になっています。
防水、防塵はIP67となっていて粉塵は中に入らず、1mの水深のところに30分沈めても中に浸水してこない性能。また防錆仕様になっているので、キャンプなどのアウトドアだけではなく砂浜などのビーチでの使用も問題ありません。
防水仕様のため、USB Type C端子は分厚いキャップで覆われています。充電にのみ使われる端子で、満タン充電で約12時間のスタミナ性能となっています。
縦置きができるようにバスレフポートが下向きになっているときもスリットから背圧が出せるようにデザインされています。
やや裾広がりになっているため安定度もあります。
マルチウェイストラップは横向きにも縦向きにもぶら下げて使える様に進化しています。カラビナなどと合わせて使うと、よりアウトドアっぽい使い方ができるかも。
本体に装備されているボタン類はシンプルに電源、Bluetooth、再生停止、音量マイナス・プラスと「ULTパワーボタン」となっています。
ULTボタンの威力はすさまじく、これは誰に聞かせても「重低音出てるねー」という感想しか出てこないと思います。
すごい昔の話になりますが、自宅のテレビでMTVに登場するマイケルジャクソンのビリージーンしか知らなかったときに、お金持ちのお友達の家で聞かせてもらったステレオシステムの音に驚かされたのを今でも覚えています。テレビのスピーカーでは鳴ってなかったけど、ビリージーンのベースってこんなに低い音で鳴ってたんだ、みたいな楽器をひとつ増やした様な感覚だったんですが、その重低音が「ULT FIELD 1」では鳴るんですよ。
EDMとか、重低音が鳴っていないと聞いた意味がないような音楽も「ULT FIELD 1」なら再現可能。防水・防塵になっているので、お風呂に持っていって重低音を鳴らすこともできますが、それよりは自宅のベッドルームとかでひっそりと小さな音で音楽を楽しむときに、この重低音があれば、鳴らす音楽ジャンルを選ばすに楽しめます。
ULT ボタンによる重低音ブーストをオフにしたいシーンというのもあって、たとえばテレワーク中のBGMを鳴らすのに使うときなどは重低音が鳴ると気になりすぎる、ということもありました。そういう際はオフにすると、普通のスピーカーとして当たり障りない主張の音質になってくれます。
それと、通話機能も搭載しているので、スマートフォンから音楽再生をしている際に着信があると、音声が切り替わって通話モードになります。スマートフォンのマイクを使わずに「ULT FIELD 1」のマイクを使って通話が可能。
あいにく自分の声のモニターはできないので、こちら側の通話品質がどうだったかはわからないのですが、特に会話に間があくとか変なことは起きなかったので、問題ないかな?と、思います。
臨場感満点なので動画再生やゲームプレイ時にも、この重低音は威力を発揮します。さすがにサラウンド感とか包まれる感じこそしないものの、パーソナル空間でスマートフォンやタブレットの画面で楽しむのには、この方がバランスが良いかも。
サイズも小さく、持ち運びに困らないサイズなのでホテルなどでの長期滞在のときには「ULT FIELD 1」を持っていきたくなりますね。
それほど大きなスピーカーを置くスペースもなく、でも音質にはこだわりたい、という方に、まさに「お待たせしました!」という感じのウーファーユニット内蔵のコンパクトスピーカーです。
私もこれは自宅に購入しようと思います。これはきっと永く使えるアクティブスピーカーになると思いますよ。
SRS-XG300 | ULT FIELD 1 | SRS-XB23 | SRS-XB100 | SRS-XB01 | |
ストア価格 | 39,600円 | 15,400円 | 11,000円 | 5,500円 | |
発売日 | |||||
パワフルさ | ★★★★★☆ | ★★★★☆☆ | ★★★☆☆☆ | ★★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆☆ |
重低音 | LIVE SOUND MEGA BASS |
ULT POWER SOUND | EXTRA BASS | - | - |
スピーカー 構成 |
ウーファー×2 トゥイーター×2 |
ウーファー×1 トゥイーター×1 |
フルレンジ×2 | フルレンジ×1 | フルレンジ×1 |
防水性能 | 防水防塵IP67 | 防水防塵防錆 IP67 |
防水防塵防錆 IP67 |
防水防塵IP67 | 防水IPX5 |
バッテリー | 約25時間 | 約12時間 | 約12時間 | 約16時間 | 約6時間 |
オーディオ入力 | 〇 | × | × | × | 〇 |
質量 | 約3kg | 約650g | 約580g | 約274g | 約160g |
こちらは比較検討できそうなコンパクトタイプのスピーカーの比較表です。クラス上のSRS-XG300まで含んでしまっていますが、1kgを切るコンパクトスタイルのスピーカーの中では「ULT FIELD 1」が最上位モデルになると言えるかも。
今回は実機の様子、音質をお伝えするためにYouTube動画での商品案内もしています。ULTボタンの働きなどはこちらでご覧いただけます。
ULTボタンの働きなど、銅鑼が鳴る感じで面白くないですか?(^^)
4色のカラーバリエーションからどれを選ぶか、ですが、当店で試用させてもらったのはブラックとホワイトでした。ホワイトは純白という感じではなくオフホワイト調なので、あまり使用感とか出てこないと思います。
ブラックカラーがやはりド定番で、おそらくこのモデルが一番の売れ行きになるでしょうね。
グリーンは実物は見ていませんが、私が使わせてもらっている「Xperia 1 V」のカーキグリーンと合わせるのにスゴく良いかも。カラーを揃えての一体感がたまらないというか、なかなか、このグリーンでモノを揃えるのって難しいですよね。「Xperia 1 V」のカーキグリーンを使っている方は迷わずグリーン一択でしょう。
アクティブカラーは唯一のオレンジです。デジタル一眼”α”のシナバーカラーのおかげで、オレンジがあるとそれに目が行ってしまうのは”α”ユーザーの性ですねw
メーカー直販のソニーストアでは不慮の事故で壊した際も無償で修理ができる「ワイド保証」へのアップグレードを用意して販売中。
また、6月26日まではMy Sony IDで抽選をすることで最大10万円のお買い物券をプレゼントしてもらえる「ラッキー抽選会」を開催しています。クーポンの発行は翌日になってしまいますが「ULT FIELD 1」の購入前に抽選してオトクにお買い上げください。
ワイヤレススピーカー SRS-ULT10 ULT FIELD 1 |
ソニーストア価格: 19,800円 税込 |
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発売日 | 2024年4月26日 |
メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:2,200円 3年ワイド/5年ベーシック:1,100円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
発売後、当店店頭にて実機展示予定 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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まさ
2024年4月18日 @ AM 10:57
公式にはステレオペア対応になってますが、どちらが正しいのでしょうか・・・・・
tecstaff
2024年4月18日 @ AM 11:04
コメントありがとうございます。
試用機ではステレオペアの動作が確認できませんでしたが、製品ページに機能の記載がありますので対応しているものと思われます。お詫びして訂正させていただきます。