スピード一眼『α55』で撮るインディジャパン2010

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先週の日曜日に観戦してきた「インディジャパン300マイル」の観戦記はこちらで紹介していますが、佐藤琢磨選手の写真ばかりになっていました。休日になって天気も悪くどこにも行けないので、ようやく写真整理ができたので、その中から何枚かピックアップして、α55でどんな写真が撮れたのかを紹介したいと思います。

 

何度も言いますが、私はレース観戦が初めて。α55の高速連写機能を試してみたい!ということでやってきた国内最速レースになるであろうインディジャパンなんですが、なんせ平均速度が300km/hを超えていて、自由席のあるターン2では320km/hを超えるほぼ最高速に近いスピードが出ているところでの撮影。

ちょっと無謀すぎるんじゃないか?と、同行の方にも言われていて、こういうレース写真の場合は何百枚も撮って、その中から数枚、良いものが撮れたらよし、という世界なんだよ、とも教わりました。

ある程度覚悟はしていて、大量のシャッターを切る必要はあるんだろうなぁ、とは思っていて、それで1枚でも2枚でもばっちりな写真があればいいや、と覚悟もしていたんですが、撮ってきた写真を見てみると意外や意外。

失敗している写真がないとは言いませんし、やはり山ほどピンぼけ写真、フレームアウトしている写真があるんですが、上手く撮れている写真が予想外に多いんです。

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今回は自由席スタンドから撮れる写真を狙い所別に紹介してみたいと思います。と言っても、これは定石とか決まり事ではなくて、私が思う撮影方法の一例なので、レース写真撮影のベテランの方からすると「違うよ~、佐藤さん」なんてところが山の様にあるとは思うんですが(^_^;)、そういうところがありましたら、是非、それはそれでアドバイスしていただけると助かります。

まず、私が考えた撮影ポイント3つですが、手前から柵越しのレースマシンの横顔。それとわずかなスペースですが柵がなくコーナーの入り口付近でこちらに正面を見せてくれるポイント。そして一番向こうにはやはり内側の柵が途切れている直線部分の最後の部分で手前とは車体反対側が見える部分があります。

この3ポイントを狙いつつ撮影。

まずは一番手前の柵越しの流し撮りから。

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α55 + SAL55200 F5.0 1/800秒 焦点距離160mm WB:太陽光

こういうサーキット撮影の際にどれくらいの焦点距離のレンズを使えばよいのか検討が着かなかったんですが、こうして目の前を走るレースマシンを撮るのなら200mm程度あれば十分ということがわかりました。

本番のレースの前にCR-Z、耐久レースのデモ走行などがあるので、この時に撮影練習というか、シャッタースピード、絞りなどの設定をしていき、同時に使用レンズも決めていきます。使用レンズと言っても、そう何本も持ってきているわけではなくて選択肢は少ないんですが、実際に試してみたところではα55のWレンズキット付属のSAL55200が一番具合が良かったようです。

何が良かったってレンズの軽さ。

振り回しやすいんですよ。ほかにSAL18250や高額なSAL70300GというGレンズもお借りして撮ってみたりしたんですが、全然、楽。

Gレンズとは写りもおそらくAFの追従性も差があるんでしょうけど、初めてのレース撮影にはSAL55200の方が良いみたい。

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α55 + SAL18250 F14.0 1/60秒 焦点距離250mm WB:太陽光

コースマーシャルのコースチェックなどで何度も何度もクルマがやってくるので、出来るだけ望遠でそれを撮影できるように練習。本当は流し撮りのためにシャッタースピードを遅く設定して走行感を出したいところなんですが、それよりは10枚/秒の高速連写を使って下手な鉄砲を数多く撃つ方が成功率が高そうなこともわかり、その場でモードダイヤルは高速連写固定にしてしまいました。

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α55 + SAL55200 F5.6 1/640秒 焦点距離200mm WB:太陽光

パレードラップが始まって、まずはゆっくりと走ってくれるので、ここでも練習、練習。ディズニーランドにあるスプラッシュマウンテンも大きく落ちる前に2回ほど小さな落下をしてくれて覚悟ができるんですが、それと同じ感じです。

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α55 + SAL55200 F5.6 1/500秒 焦点距離200mm WB:太陽光

自由席の前にある柵というのがこれまた上手くできていて、上手く行けばこうしてちょうど柵の縦棒の間にマシンが1台はまってくれます。

時速320kmで走っているマシンでそれをうまく撮ることはまずできないので、これこそ運です。高速10枚/秒連写で撮って、偶然間にくるものを選ぶしかありません。

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α55 + SAL55200 F5.6 1/500秒 焦点距離200mm WB:太陽光

こんなに手前に柵があるのに、よくマシンにピントが合うなぁ。。という感じですが、これはもちろん上手く撮影できているものだけをピックアップしているだけの話で柵にフォーカスがあっている失敗写真も多数あります。

ただ、柵のないところからずーっと追いかけて、柵がそのまま重なってもα55はマシンの方を追従してくれることの方が多いので、確実、100%ではありませんが、AFに頼ってしまったほうが良いみたいです。

置きピンと言って、あらかじめ撮影場所にフォーカスを合わせておいて、そこにクルマが来たらシャッターを切る、という方法もあるようですが、私の様な素人にはそれは無理です。そういう置きピンの方が無駄になる写真が少なくてよいとは思いますが、今はデジタル時代。1000枚写真を撮っても無料なんです。ジャンジャン撮っちゃった方が良くないですか!?

 

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α55 + SAL55200 F5.6 1/640秒 焦点距離200mm WB:太陽光

続いてはターン1、コーナー入り口付近のマシンが正面をむくところ。フェンスの上
にある路面の部分を狙うと柵の無いすっきりした写真が撮れます。ただ、場所的にやや逆光になるところでもあり光の反射でマシンの判別がしにくいんです。

こうして写真として後で見てみるとどれがペンスキーで、どれが赤いターゲットのマシンなのかわかりますが、α55のEVFでのぞくとなにもわからないんです。

幸いにもオーバルコースでコース全周が見渡せるので、追いかけるマシンを見つけたらずーっと1周の間、目を離さずに追い続けると間違いなく撮ることはできます。

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α55 + SAL55200 F5.6 1/640秒 焦点距離200mm WB:太陽光

ちなみにラインの内側はどうやらピットアウトしたクルマが加速するためのレーンみたいで半周の間はここから出てはいけないことになっているようです。半周加速したところで本コースに出るんですがそれでも本線を走っているマシンとは速度差がかなりあるようで、合流シーンではちょっとひやひや。

ここを見ているとどのマシンがピットインしたのかがわかる仕組みです。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

さて、ここからはレフレックスレンズを使って超望遠撮影に臨みます。すでに生産終了しているレフレックスレンズなので紹介したところで、もう購入することができないんですがすみません。軽いし小型だし、扱いやすいんです。こういう時に予備のレンズとして持って行っておくと助かることが多いんです。生産終了が本当に残念。

あの、遠かったコーナー入り口がご覧の通りの大きさで撮影できます。断っておきますが、これはノートリミングです。

どうやらα55は向かってくる被写体についてはややAFの追従が甘く、遠ざかっていく被写体には鋭く追従してくれるみたいで、こういう構図は苦手なはずなんですが。。。これが結構、上手く撮れています。

コーナーを立ち上がってメインストレートを全開で加速。コーナーの飛び込みになるここで並ぶことが多く、数多くのバトルを撮影することができました。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

こちらはもう一人の日本人ドライバー武藤英紀選手。偶然撮れたわけではなくて、これも1周前から目で追いかけておいてやってきたところを連写!って感じで撮っています。

これはもっとクローズアップしてトリミングしても良い感じ。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

何度もセーフティーカーが入ることになるんですが、こうして腕を上げて走行すると次の周でセーフティーカーが抜ける合図。セーフティーカーが抜けて、さらにもう1周してからレースが再スタートになります。

インディのレーススピードになれてしまうと、もうこんなセーフティカーの撮影なんてお茶の子さいさいです。箱もののレースの撮影だったら、もうこれで楽勝気分かもしれません。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

ということでイエローコーションが解けて、レーススピードに戻るわけですが、そうやってレースが再スタートしてから数周の間はこういう火花が出るようです。

昔の90年代前半までのF1だと車体と路面が当たって出る火花は日常茶飯事でしたが、最近は最低地上高が高めに取られているようでF1では火花をみることはありませんが、インディではまだそれが見られるようです。

ハンディカムNEX-VG10では何度も撮影ができたんですが、α55ではこのシーンだけでした。上手く撮れたのが。

ちなみに4台のマシンがひしめき合っていますが、これはイエローコーションの時ではありません。レース再開直後の2位争いでこれだけひしめき合いながら、300km/hオーバーでコーナーに入ってくるんです。

よい子はまねできません。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

こちらもイエローコーションではありません、レーシングスピードで走っていて、後方の佐藤琢磨選手がオーバーテイクをしかける直前のものです。ターン1で抜くのは難しいようで、ここでスリップストリームに入っておいて、ターン2からの立ち上がりで抜いて、ターン3でかわしていくという流れが多いみたい。

こうして超接近戦が見られるのも自由席ならでは、なのかも。

 

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α55 + SAL55200 F5.6 1/500秒 焦点距離200mm WB:太陽光

そして撮影パターン3です。ストレートの出口というか、ターン1の入り口のところですね。内側フェンスがコーナーの途中から始まるんですが、その手前の部分が視界がわずかに開けているポイントになります。ここはさすがに200mm程度では遠くて、500mm級のレンズでないと撮影は難しいかも。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

ノートリミングでこんな感じです。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

さらに奥の方のグランドスタンド側を見ると、ストレートで全開加速中のマシンをみることもできます。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

さらに奥に目を移すと、オーバルの反対側を見ることもできます。これはサーキットの反対側を走行中の佐藤琢磨選手です。だいぶ小さくなっちゃいますが、見えちゃうんです、こうして。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

ところどころ切れるんですが、メインスタンドのところも流し撮りでダーッと、撮っておくとわずかな隙間からこうして佐藤琢磨選手の姿も見えます。

さすが300km/hです。ちゃんと、これで流し撮りになってしまうんですから。(本当はもうちょっと流れて欲しいんですが。)

 

さて、それ以外のシーンもあります。ターン2の出口に目を移すと。。。

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α55 + SAL55200 F5.6 1/1000秒 焦点距離200mm WB:太陽光

こうしてコーナーの出口をみることができるんですが、この時はクラッシュシーンをたまたまシャッターに収めていました。さすがに事故はどこで起こるのか予見できないので、クラッシュしたシーンを撮るのは至難の業。これ以外に炎を出す様な事故もあったんですが、それはNEX-VG10を持っていたときに起こったので写真はなしです。

今回はコーナリング中にバランスを崩してそのまま壁に当たる、という事故が続いたんですが、遠くで雷が落ちたよな「ドスン」という低い音が響いて、それとともにゴムの焼けるにおい(乗用車と違ってあまりいやなにおいではないです)がしてきて、これがまた結構ショッキング。

そのたびに帰りも安全運転で行こうと心に誓っていました。

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α55 + SAL55200 F4.5 1/640秒 焦点距離140mm WB:太陽光

セーフティカーが入ると、テレビ中継ではヒマになるし、CMタイムになるし、その部分をカットされてしまったりするんですが、現地では大忙し。こうして隊列を組んで何周もゆっくり走行してくれるので、ここぞとばかりに写真を撮るわけです。

レーシングスピードの何倍も撮りやすいので、柵越しのマシンの横顔はここでいっぱい撮ると良いかも。

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α55 + SAL55200 F4.0 1/800秒 焦点距離70mm WB:太陽光

また、コースマーシャルが事故の片付けをする様子もずーっと見ていられるので、イエローコーション中も飽きません。

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α55 + SAL500F80 F8.0 1/500秒 焦点距離500mm WB:太陽光 露出補正:-0.7EV

最後は優勝したカストロベネス選手のマシンです。

今回もすべての写真を横1600ドットサイズにして掲載しています。クリックするとちょっと大きな画像でご覧いただけます。前回のblogエントリーでは撮影した写真をほぼそのまま掲載していますが、今回は大幅なトリミングはしていませんが、若干平行を取り直している写真、それと露出をフォトショップで補正しているものもあります。

ですが、いかがでしょう? 世界最速のレースに初めて挑んだにしては上出来じゃないですか!? ベテランの方、プロの方からするとまだまだだとは思いますが、個人的には今回の撮影には超満足しています。

時速320kmのレーシングマシンの撮影が出来たんですから、もうこれでなんでも撮れる気がしてきました。このα55があれば運動会の徒競走くらい楽勝です。(^_^)v あ、でも振り返ってみるとレース最初の方と、レース最後の方では撮影成功率が大幅に違っています。いきなり本番ではなくて、やはり練習が大事ということですね。

 

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