ScanSnap S1500で初めての『自炊』挑戦レポート

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明日、13時から受注開始になるソニーの電子書籍「Reader」ですが、その直前レポートの代わりに今日は「自炊キット」を用意しての文庫本取り込みPDF化作業に挑戦してみました。

「自炊」って言葉、blogをご覧になっている方々でしたらご存じだとは思いますが、うちの社員と話をするとほとんどの人が知りませんでした。「自炊」って書籍の電子データ化のことを言うらしいんです。

自炊キットというのは本の分解グッズと、PDFファイルに取り込むためのスキャナを差します。私もやったことがないんですが、初めての「自炊」に挑戦です。

 

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本当であればソニーの「Reader」に取り込みができる「Reader Store」の情報をここでドバッと紹介するはずだったんですが、なんせ本家の方で情報開示になっていないので当店の方でもなにもわからないんです。

皆さんも思いは一緒で電子書籍の何が一番重要って、端末とかWi-Fi搭載とかではないと思ってますよね? 一番重要なのは、そこで流通するソフトウェアです。どんな書籍がダウンロード購入できるのか、それと、ダウンロード購入したデータは普遍性のあるものでこれから半永久的に使える物なのかどうか?というのも重要。

本って一度買ったら、それはずーっと自分の財産になるものじゃないですか? 端末の売れ行きが悪いからと撤退されて数年でコロコロとフォーマットが変わって本のデータを買い直さなくては行けないようでは、とても現在流通している書籍の代わりにはなりません。それくらい本気でソニーを含めて電子書籍の関連会社さんがフォーマット普及に乗り出してくれるなら、期待はできるんですが、まだ、その姿が見えないというのが何とも。。。

個人的な意見ではありますが、正直言って電子書籍の将来性というかフォーマット乱立状態の現段階ではまだ様子見をせざるを得ないと思います。

 

で、そんな状況って実は音楽のダウンロード配信が始まった頃と似ていて、moraによるAtracフォーマットでのダウンロード販売と、自分で取り込むMP3フォーマット、両方を扱って、私も音楽フォーマットをCDからシリコンオーディオに切り換えました。

CDから自分でPCにMP3にリッピングしたものは別段、セキュリティがかけられているわけではないですし、2000年頃に取り込んだMP3楽曲は今でもたまに自宅のPC、カーオーディオ、ウォークマンで楽しめています。

音楽の場合はそういうずーっと使えるフォーマットがなんとか存在するんですよね。

それの書籍版の話が今回の「自炊」になるのかと思います。対語として「外食」というのもあり、それはMP3の時もそうでしたが違法コピーのことを言うそうです。違法コピー=MP3みたいに言われるとMP3が違法性のあるものに見られがちでしたが、今回の自炊に関しても人にコピーして制限なく渡すのがいけないわけで、自分で電子化して自分で楽しむ分には問題なし。

挑戦してみましょう。

 

まず、今回は実験編です。自宅から同じモノが2冊あった「法律事務所」(ジョン・グリシャム)の文庫本を持ってきました。

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ブックオフさんで105円で何年か前に買った本みたいです。

この本は平成6年初版となっているので15年くらい前の本になりますね。法学校を卒業したばかりの新人の弁護士さんの話で、とにかくがむしゃらに仕事をする話。小さな法律事務所なんですが待遇が非常によくて、新婚のカップルなんですが未来を夢見て仕事をするんですが、その法律事務所が実は裏家業があって、徐々にその全貌がわかる、という話。

映画ではトム・クルーズが主演していたんですが、映画は別物。小説の方が500倍くらい楽しめると思います。まだ、20代の頃にコレを読んでテンションをあげて当時は仕事をしていた覚えがあります。(私も新婚だったし、自分を重ねていたのかも)

で、その思い出の小説を今回は電子化してみましょう。

まずは分解です。

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用意したのはこんなペーパーカッターです。

うちも社員150名くらいいる会社なので探せば裁断機とか出てくるんですが、せっかくなのでななめったりしないような、ラクに正確に裁断できる「ローラーカッター」というのを買ってみました。

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ちょっと失敗したのが、これでかすぎたこと。ちゃんとサイズを見ないでオーダーしてしまった私が悪いんですが、A3対応になっているみたいで、届いてみたらすごい巨大なものが来てびっくりしました。

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文庫本の裁断にこれだけのサイズは必要ありません。買い直せるなら下記の小型バージョンを買いたいところです。(>_<)

さて、ミソはそこだけではありませんでした。責任はすべて私にあるんですが、どんな仕組みでカットするのが知りたくて最初にカッター部分を分解してみてみます。

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なるほど、ローラーカッターをスプリングで押しつけるようにしていて、これを黄色いガイドに沿って回転させて、それで紙を切り落とすわけです。厚さは40ページくらいまでまとめて切ることができるんだとか。

で、このローラーの刃がちゃんとネジ部分にかかっていないままで再装着してしまったものですから。。。

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あっという間に刃を割ってしまい、いきなり使い物にならなくなってしまったんです。(>_<)

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で、本体には替え刃が2枚ついています。これを使って事なきを得たんですが、いやぁ、びっくりしました。

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今度はガイドにかからずちゃんと刃を装着できたようです。こんな要領の悪いことをする人もあまりいないとは思いますが、ご注意を。

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さて、では、この文庫本を分解してみましょう。

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まずはカバーを外して。。。

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そしてチカラを入れて背表紙をはがします。簡単にこれははがれます。

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そのあとは20枚くらいずつにして本の中身を分解、分解。ちょっとずつはいでいくんです。

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具合のよいことにページ数が振ってあるので、それを見ながら分解していくとちょうど20枚ごとに分けることが可能。はいだ部分にはノリが残っていますが、それも気にしません。

なぜなら。。。

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はい、そこでノリの付いていた部分を裁断していくんです。特に決まりはないので大体4~5mmくらいを切り落とすようにガイドを決めてあとは次々とカットしていきます。

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カッターはローラーになっているので特にチカラをいれる必要もなく、数回ガイドを行き来させると紙がドンドン切れていきます。

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ページを間違えないように切り落としていくだけ。

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あっという間に1冊分が分解できました。

実際の分解も10分かかっていません。慣れたら5分くらいの作業になるかと思います。ちょっと短く編集した動画も用意しました。

こんな感じで分解するので、簡単、簡単。

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「法律事務所」は上下巻があるので、2冊分を分解。これでカッターの使用は終わりです。

 

続いては、いよいよ、興奮のスキャナーでの取り込みです。

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amazonさんで調べてみたところ、もう、これ以外は考えられない、というくらい人気があるのがこちらの富士通さんのScan Snap S1500というモデルです。

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500

FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500

  • 出版社/メーカー: 富士通
  • メディア: Personal Computers

価格は4万円ほどします。ですが使ってみて思ったんですけど、これしか考えられません。クラスしたのFI-S1300が分速4枚の取り込みなのに対して、こちらのFI-S1500は分速20枚。文庫本だともっとすごいスピードで読み込んでくれると思います。400ページの法律事務所が大体6分で取り込めたので200÷6で分速33枚くらいでしょうか? すごいんですよ。これ。

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早速、開梱してみましょう。こちらがScan Snap FI-S1500の同梱品です。本体以外にはACアダプターとUSBケーブル。あと「キャリアシート」というのが入っているんですが、A3サイズなどの大型の紙を折って、これにはさんで両面取り込みすることでA3片面を取り込むというもの。

A4まで対応のFI-S1500ですが、なるほど両面スキャンだからそんなことができるのか。

あとは取説というかクイックスタートガイドとソフトウェアCD-ROMが2枚あります。

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1枚はScan SnapのCD-ROMですが、もう1枚はなんとAdobe Acrobat 9 standardのバンドル版が入っていました。すごーい、これはお買い得かも。(私はすでに持っているのでもったいないんですが。。。)

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で、スタートガイドに従ってまずはソフトウェアのインストールです。先にドライバーをインストールしてから本体をUSB接続してください、と、なっています。

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「ScanSnap Organizer」という基本ソフトがこれで使える様になるんですが、これが良くできていて、これさえあればpdfファイルの取り込み、編集から管理まで一通りできるようになっています。

Evernoteとの連携もできるようになっているし、これは重宝しそう。

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ソフトウェアのインストールが終わったらPC本体とUSB接続をします。

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Scan Snapですが、使わないときはこんなコンパクトスタイルで、なにかのミニスピーカー然としているのですが。。

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いざ、取り込みに使う時はこんな風に広げて利用します。サイズはA4プリンタを超小さくした感じ。

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最初にテストプリントしましょう、ということで紙を入れて本体のScanボタンを押します。

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なるほど、これだけでPC側で専用ソフトが自動で起動するし、すぐに電子化できると。

富士通さん、やりますね。これ、結構使いやすいです。

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ということで1巻、400ページもある文庫本を早速取り込んでみます。30枚くらいずつトレーに入れて読ませると、これがまた気持ちいいくらいのスピードでジャンジャン取り込んで行くんです。

その気持ちよく取り込んでる様子が、こちらの動画になります。このペースでジャンジャン読み込まれるって。。。フラットベッドスキャナーとは大違い。これはすごい。自炊欲がかなり高まります。

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途中、1回だけ紙がくっついてしまって給紙が止まったことがあります。そうするとご覧の用に最後に読み取った現行を表示して、これを残すか残さないかの選択ができるし、ちゃんと読み込みを待ってくれるので、そのまま先に進まないようになっています。

これなら失敗もないですよ。

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都合、3回ほど紙を切らしてしまい、取り込んだのは4つのファイルになってしまったんですが、ちゃんと編集ソフトが用意されていて、これら4つのデータを一つのデータに結合することもできます。

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中抜けで真ん中にドバッと抜けたページがあっても大丈夫。こんなコマンドで好きな場所にページを挿入することができます。

 

ところで全400ページあったはずなんですが、取り込めたのは397ページ。

あれれ?3ページほどどこかで飛ばしたのかな?と、思いきや、

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実は白紙のページがあると、それは飛ばすように出来ているんです。数えてみたら3枚の白紙ページがあったので、ぴったり全部、取りこぼしなく読み込めていたことがわかりました。

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せっかくなので表紙も取り込みたいんだけど、こんなブックカバーだと編集が大変かな? と、思いきや。

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これも編集ソフトでトリミングすることができるので、ちゃんと本の表紙を付けることもできました。至れり尽くせりです。

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さらに、Adobe Acrobatを使うと「スキャンされたPDFファイルを最適化」というものが用意されていて、微妙に斜めになってしまっているページやノイズが多いページも自動補正してくれたりします。

なるほど、これはすごい。PDFファイル作成ってあまり経験がないんですが、これでノイズを消したり背景をキレイにしたりもできるわけです。

これ、自宅のブックライブラリーを全部PDF化するときはもうちょっと補正のやり方を勉強してからにしよっと。

 

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さて、そんなわけでPDFファイルになった私の文庫本。ソニーReaderの画面は解像度が800×600ドットの16階調となっています。それに合わせて、今回のPDFファイルを800×600ドット表示して、ソニーReaderの原寸大モックの画面サイズに合わせてプリントをしてみます。

実機でどれくらいの文字のサイズで今回のPDFファイルが読めるのかを実験。

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写真の右側が文庫本のオリジナル。真ん中が800×600ドットにしてReader Pocket Editionの画面サイズに合わせてプリントした用紙。

なるほど、文字のサイズはオリジナルの文庫本の半分くらいのサイズになってしまうかも。完全に持ち歩きの便利さからPocket Editionを買おうと思っていたのに、これは自炊ブックの読みにはつらいものがあるかも。

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こちらは画面サイズが大きくなるTouch Editionです。こちらと比べて見ると、まだ文庫本オリジナルよりも文字が小さくなるんですが、文字サイズはかなり文庫本に近いところまできます。

そうか、5型と6型でここまで文字サイズが変わるんですね。画面解像度は同じ800×600ドットなんですが、表示面積が違うので文字もその分大小あります。

自炊派には6型の「PRS-650」の方がよいかもしれません。

 

どうしましょう。さっきまではPocket Editionのボディカラーで悩んでいるだけだったのに、急に画面サイズも気になり始めました。解像度は同じなので文字の大小があるだけ。読みやすさは同じ様な気がするんですが、実際の文字サイズをみるとなぁ。。。

pdfファイルの上下を切ってトリミングできるともうちょっと文字の表示サイズも変えられるし、Adobe Acrobatの操作方法ももうちょっとまじめに覚えないといけなさそう。

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ま、でも、これでなんとなく自炊の目処がつきました。実機が来てからPDFファイルの設定をもうちょっと追い込みますが、雰囲気はわかりました。

これで、私はやりますよ。自宅の本棚にあるジョン・グリシャムと、トム・クランシーの小説を全部PDFファイル化して、持ち歩くんです。それとついでに
雑誌類も取り込んで、ドンドン捨てていきたいと思います。カラー取り込みができるので、そういうものは全部Evernoteに飛ばして、文庫は全部ソニーReaderです。

 

ソニーReader、いよいよ明日13時からの受注開始です。

モニタープレゼントに外れた方は3年ワイドクーポンを確認の上、オーダーしましょう!

 

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☆当店blog 10.12.3「電子書籍『Reader』先行予約販売スタート!」 
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