VAIO Zのカラーマネジメントの話
Adobe RGB 96%再現ができるVAIO Zの広色域ディスプレイ。今日はカラーマネジメントの設定を見直してみました。
ちょっと難しい話になりますが、VAIO Z2シリーズを購入されてディスプレイを1920×1080ドットにアップグレードしている方には是非知っておいていただきたいお話を紹介したいと思います。
まずは以前、VAIO type AでPhoto Editionが登場したときに購入したx-rite社のi1 displayという製品を使って、カラーマッチング作業をして、より正確な色再現ができるように調整をしようと思っていたんですが。。。どうやら、これが壊れてしまっているようで、どうやって調整しても色温度が正しく表示されないんです。
プログラム自体はWindows 7対応のものも用意されていて最新バージョンをダウンロードしたらちゃんと使えていたんですが残念。ま、ここ2年くらいほったらかしにしていたので仕方がありません。
なので、カラーマッチングできないかと思えばそうではないんです。VAIO Zには最初からメーカーさんの用意したICCプロファイルが用意されているんです。
まずはWindowsのプログラムボタンを押して検索窓を出し、ここに「色の管理」というのを入力してください。ひとつだけプログラム表示があるので、それを起動します。
開いた窓にはなんの表示もない白枠の窓がでると思うんですが、そこで「追加」ボタンを押してカラープロファイルの関連づけをします。
カラープロファイルの窓にはいろいろなものが表示されているんですが、その中に「Sony VAIO display profile_D65」というものが見つかるはず。これを選択している状態でOKボタンを押します。
ここでは3つのプロファイルが表示されていますが下の二つは私がi1 displayで作ったちょっと不具合のあるプロファイルです。普通のVAIO Zには存在しません。「Sony VAIO display profile_D65」がディスプレイデバイスの「既定」に設定されればこれでOK。
ここでICCプロファイルを指定していないとsRGBでの色表示になるんだと思います。Adobe RGBでの色表示をしたいようであればICCプロファイルの設定が必要になるはず。本当は自分で手元にあるVAIO Zのディスプレイにあわせたプロファイルを作らないといけないんですが、そういう測定機器がなくなってしまった以上、メーカーさんが用意してくれているプロファイルを使うしかないですからね。
LEDは全部が同じ色ではなく個体によってほんのちょっとずつ色が違うらしいんですが、ソニーさんが用意してくれているICCプロファイルはその平均的なものになっているはずなので、とりあえずはこれでVAIO Z Photo Editionになります。(今までのVAIO type AやVAIO Fシリーズのクリエイティブエディションでは最初から設定をされていたと記憶しているんですが、今回は設定がされていませんでした。私の勘違いですかね?)
VAIOの設定に「色モード設定」というのがあるんですが、これは自動でプロファイルが変更されてしまうようなので切っておいた方が良いでしょう。私は「色モードを適用にしない」にしています。
※お客様からご指摘いただいたんですが最初から設定があったとのお話をいただきました。VAIO Zを一度リカバリーして再度確認しますが、色の管理の所にSony VAIO display profile_D65」が最初から設定されている場合はそのままにしておいてください。
さて、カラープロファイル、カラーマッチング、カラーマネジメントの話をするときはまず、この画面から説明をしないといけないんです。
VAIO type Aが登場したときの永山昌克さんの「VAIO Photo Edition 活用ブログ」です。第3回エントリーで「Adobe RGBの色域フルカバーの実力」というのがあるので、これを参考にさせていただくんです。
ここを使ってFirefoxとIE9で表示される色の違いを説明しないといけないんですが。。。あれ? これもなんか予定していた色と違う表示になっています。
インターネットエクスプローラーではカラーマネジメントの概念がないため、sRGBとAdobe RGBの写真を2枚並べて表示させるとsRGBの方が色がはっきりしていてAdobe RGBの写真は薄い色の表示になってしまう、という説明をしないといけないんですが、IE9を使って永山さんのblogを表示させても色の違いがでません。
どうやらIE9もカラーマネジメント対応になったみたいです。でも、表示されている色を見るとまったく同じ色になっているので、sRGBの色域の中だけで色のマッチングをさせているみたいです。
なるほどIE9ってこういうところでも進化をしていたみたいです。
こちらはFirefoxというブラウザで同じ画面を表示したところ。こちらはちゃんとカラーマネジメントに対応したブラウザになっていて、sRGBもAdobe RGBも正しい色で表示されます。
それをキャプチャーして取り込んだ画像なんですが、これで違いがわかるでしょうか? 上の写真ではエメラルドグリーンの海の色が右のAdobe RGBの方が鮮やかに出ています。下の写真では道路も空も同じ色なのに、高速道路の看板の色だけがAdobe RGBの方が濃くなっていると思います。(私もIE9の画面で見て確認しているので、どのブラウザでみても差はわかると思うんですが。)
ほかにもICCプロファイルを使ったカラーマネジメントに対応したソフトがいくつかあります。Photoshopがその代表格ですし、Windows Media Playerもカラーマネジメントに対応しています。Firefoxもそうですが、これらのソフトウェアで写真をみるとかなり正確な色で見ていることになります。
逆に対応していないソフトウェアというとIE9(理屈はわかりませんが一部対応しているようです)、PMBなど。
カラーマネジメントの世界の話はそれほど重要な話ではないんですが、一度理解をすると正確な色、というのを意識せざるをえなくなります。興味のある方はVAIO type Aの時の当店blog記事。それとVAIO type Aの永山さんのblogなどでごらんになってみてください。
☆当店blog 08.11.11 『VAIO type A』第5話「Image Data Converter SR」
☆当店blog 08.11.6 『VAIO type A』第4話「Photoshop Lightroom 2」
☆当店blog 08.9.25 『VAIO type A』第3話「AdobeRGB」
☆当店blog 08.9.22 『VAIO type A』第2話「液晶の階調再現性」
☆当店blog 08.9.19 『VAIO type A』第1話「はじめのご挨拶」
☆永山氏のVAIO Photo Edition活用ブログ
☆永山氏のVAIO活用ブログ「写真編集に最適なVAIOが登場する」
☆永山氏のVAIO活用ブログ「液晶の階調再現性をチェックする」
☆永山氏のVAIO活用ブログ「Adobe RGBの色域フルカバーの実力」
☆当店ホームページ VAIO Zシリーズ オーナーメードレポートはこちらから
☆当店blog 11.8.18「VAIO Zシリーズで『BD-J』作成に挑戦」
☆当店blog 11.8.18「スティックACアダプター『VGP-AC19V50』入荷しました」
☆当店blog 11.8.17「VAIO Zシリーズのキャンペーン切り替え」
☆当店blog 11.8.9「VAIO Zシリーズ 実機レビュー店員の声」
☆当店blog 11.8.6「日本一早いVAIO Z開梱レビュー」
☆当店blog 11.8.5「VAIO Zオーナーメード速報 第4弾【第一次先行予約エントリー編】」
☆当店blog 11.8.4「VAIO Zオーナーメード速報 第3弾【5,000STAR以上の方編】」
☆当店blog 11.8.4「VAIO Zオーナーメード速報 第2弾【ロイヤルカスタマー編】」
☆当店blog 11.8.4「VAIO Zオーナーメード速報 第1弾【超ロイヤルカスタマー編】」
☆当店blog 11.7.28「VAIO SAシリーズ vs VAIO Zシリーズの話」
☆当店blog 11.7.25「VAIO Zで使えるPORTERプレミアムPCケースが入荷!」
☆当店blog 11.7.20「VAIO SAシリーズで使う天体画像処理ソフト『Registax』」
☆当店blog 11.7.14「VAIO Zに使えるキャリングポーチ『VGP-CP24』開梱レポ」
☆当店blog 11.7.13「VAIO Zのバッグ大考察大会」
☆当店blog 11.7.12「VAIO Z専用マウスをゲット!」
☆当店blog 11.7.9「銀座ソニービルのVAIO Zタッチ&トライイベント」
☆当店blog 11.7.5「新型VAIO Z2シリーズ ファーストインプレッション」
比較検討中の者
2011年8月21日 @ AM 9:59
なるほど、できあいのプロファイルを使えば簡易的なカラーマッチングは取れると言うことですね。まじめにやるなら、キャリブレータが必要でしょうけど。
ところで、AdobeRGBで思い出しましたが、デジカメで色空間をAdobeRGBにして撮影した画像を、PS3のフォトで見た場合ってどうなるのか解ります?
店員佐藤
2011年8月22日 @ PM 1:19
♪比較検討中の者さん、こんにちは。
今までのフォトエディション、クリエイティブエディションのモデルは
最初から設定をしてあるんですが、VAIO Zはどうやらそれがない
みたいです。一度リカバリーをかけて、再検証してみようと思います。
(VAIO F 3Dを今試して見たら、これはディスプレイICCプロファイルが
設定されていました。ルールがよくわかりません。)
PS3の件、試してみましたが、PS3はどうやらカラープロファイルには
対応をしていないみたいで色管理をしていないIE8とかで
見ているのと同じ感じで表示されていました。
比較検討中の者
2011年8月22日 @ PM 8:42
うむむ、PS3は非対応ですか…残念ですが、わかりました。ありがとうございます。画像のオプションを見た時に、sRGBとか出てたので一瞬どうかなと思ったんですが、仕方ないですね。
じゃあAdobeRGBで撮ったものをPS3に持っていく時は、sRGBに変換するしかないってことか…。
あとそう言えば、Google Chromeもカラープロファイルには非対応なので、注意していないと自分で撮影したものが正しく表示されない、みたいな事故をやらかしそうです。
店員佐藤
2011年8月23日 @ PM 10:41
♪比較検討中の者さん、こんにちは。
いろいろ言っていますが、Webでの写真だしが基本なので
私はカメラの設定をAdobe RGBにすることは滅多にありません。
sRGBで撮影しておくのが今のところは一番安心かなと。
PS3を含めテレビの世界に入るとDeep colorとかX.V.Colorとか
違う規格になってしまうのもわかりにくいですね。
比較検討中の者
2011年8月24日 @ PM 12:50
テレビ側にX.V.Color<-->AdobeRGBエミュレーションみたいな機能があれば、テレビで見る場合に色再現域を拡げることはできるのではないか?などと安易なことを考えてしまいます。あれ、じゃあX.V.Color対応のBDレコーダで見れば…(←しつこい)
AdobeRGB対応のディスプレイで正確にsRGBエミュレーションを行うためには、8ビットだと階調喪失が起きるのではとか、そもそもZのパネルは何ビットなのかとか、またややこしい話に発展してしまいそう。
店員佐藤
2011年8月25日 @ AM 12:11
♪比較検討中の者さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
カラーマッチングを追い込むと結局、照明の色温度などの
調整までしないといけなくなるので、あまり神経質にならない
こと。。。というのが私の結論でした。間違った色でなければ
いいかなと。
そういう意味ではVAIO ZのICCプロファイルですが設定を
しておいた方が安心ですよね。って話でした。
ブラビアで正確に色再現をするならVAIOとHDMIで接続して
キャリブレーションですかね。一度あわせたらブラビアの
画質設定は変更しない、という使い方で?