α7R VIのHLG静止画で谷川岳・一の倉沢を撮る Ultra HDRで持ち帰る山の絶景

α7R VIのHDR表示対応ファインダーで、HLG静止画を撮ると風景写真はどう見えるのか。梅雨空の切れ目を狙って、谷川岳・一の倉沢へ行ってきました。
6680万画素の高解像度とHEIFによるHLG静止画、さらにLightroom経由のUltra HDR出力まで試した、少しマニアックな実写レポートです。

こんにちは、店員佐藤です。
6月5日発売のデジタル一眼カメラ「α7R VI」ですが、個人的に非常に気になる機能が搭載されています。新開発の電子ビューファインダーで、総画素数の944万ドットは変わらないものの3倍の輝度を実現し、αシリーズとして初めてHDR表示に対応しています。
色域も広く、10bit表示にも対応したαシリーズ最高のEVFを搭載しています。

単にファインダーを明るくするだけであれば、ファインダーの明るさをマニュアルにして+4まで上げると、なるほど、これは3倍くらい明るくなっているかも、を簡単に味わえますが「HDR表示」というのが気になります。
当初、発表があった際にはファインダーをのぞけばHDR表示になっているものと思っていたのですが、そうではなく、HDR撮影をしているときにHDR表示になるもの、というのを後から知りました。
HDR撮影というのは動画撮影時のピクチャープロファイル10を使った、HDR-HLG撮影の際が思いつきますが、実は静止画でもHDR撮影ができます。
「HEIF」フォーマットでの記録の際にHDR撮影ができます。

ソニーαのファイル形式は主にJPEGとRAWを主にお使いの方が多いと思いますが、他にHEIFというファイル形式もあります。
HEIFはJPEGに代わる次世代フォーマットとされていて、同等画質ならファイルサイズを抑えやすい特徴があります。現在まで、さほど対応製品が増えていなくて、αで撮影した後に、α本体からHDMI出力をして、HDR対応の4Kブラビアなどで鑑賞するくらいしか活用方法がなく、私も今まであまり使ってきていません。
ですが、撮影時にHDR表示ができるファインダーでHDR記録ができる、となると話は別です。
これまでは「あとからHDR表示で楽しめる」というイメージで撮影していましたが、α7R VIでは撮影時にリアルタイムでHDRの映像を確認しながらシャッターを切ることができます。
ということで、α7R VIをHEIFフォーマットに設定して、「HLG静止画」の機能を入れて試してみます。
こちらは撮影した画像をモニター表示して、それをキャプチャーしたものになりますが、上記が通常のRAW撮影をしているシーンです。記録はSDR静止画になります。
HEIFに切り替えてHLG静止画撮影にしたものがこちら。
SDR表示になってしまうので、実際のファインダーの見え方とは違うのですが、イメージはこんな感じで、白飛びしていた蛍光灯の形がはっきりと視認できて、さらに蛍光灯部分は3倍輝度になっているという感じです。
すごい! これがHDR表示のファインダーだ! これは撮影する写真の世界がまた変わるかも!
なお、HLG静止画の撮影は「HEIF」フォーマットのみで記録する際に使えて、「RAW+HEIF」での撮影では設定ができなくなっています。
HEIFでHLG撮影をしつつ、あとから加工しやすいようにRAW撮影のバックアップもしておこう、ということができません。どちらかの記録になります。
とはいえ、HEIFはJPEGと違ってかなり広い輝度差を記録しているし、4:2:2で記録することができるなど、加工できる範囲は広いフォーマットになってはいます。RAWよりもファイルサイズの小さな画像フォーマットとも言えます。
とはいえ、やはり不安なのでHEIFとRAW撮影を簡単に切り替える方法は用意したいところ。
そこで利用するのが「MR 撮影設定登録」です。
あらかじめHEIFフォーマット記録+HLG静止画撮影モードにしておいて、それをメモリーリコールに登録しておくことで、簡単に呼び出すことができます。
こうしてモードダイヤルの1にHEIFのHLG静止画モードを呼び出せるようにしました。これでモードダイヤルを1にするだけでHLG静止画で撮影できます。RAW撮影は普通にPASMモードを使います。
さらに、撮影したHEIF画像ですが、試してみたらAdobe Lightroomで読み出せるんですね。今さらの話だとは思いますが、私は知らなくて今回試してみて初めて知りました。
Lightroomで編集できるなら、RAWほどの自由度ではないものの、露出や色味を調整して作品づくりに活かせる画像フォーマットとして扱えそうです。
そしてAdobe Lightroomからは、Googleが推進する「Ultra HDR」対応のJPEG画像として書き出すことができます。
むむむ!これでUltra HDR対応のXperia 1 VIIIとつながったかも!
実験の結果、HEIFファイルを読み出しできるのはPC版のLightroom Classicと、Lightroom クラウド版だけで、XperiaにインストールするLightroomモバイルでは対応していませんでした。
ですが、PC版のLightroomクラウドでHEIFを読み出して、クラウドに書き出すとLightroomモバイルでも編集ができるようになります。
外出先のその場でPCレスでXperiaにHLG静止画を表示させることはできないのですが、PCを介して転送すれば、α7R VIで撮影したHDR写真をXperiaで閲覧することができます。今までブラビアとPCでしか見られなかったものが、これでスマートフォンにも世界が広がったかも。
なにより、HDR表示されるファインダーで写真撮影をしてみたい!
ということで、梅雨時期の晴れ間を見つけて、まだ観たことがない絶景を求めて出かけてきました。
行ってきたのは谷川岳のふもとにある「一の倉沢出会」です。谷川岳に登るのではなく下から見える絶景を狙ってきました。
梅雨時期ということもあり、前後の天気予報はずっと雨と曇りでしたが、月曜日の9時から1時間くらいだけチャンスがあるかも、ということなので、朝の5時に出発して行ってきました。
高速で水上ICまで行き、そこから30分ほどで「谷川岳インフォメーションセンター」というところまで車で行きます。ここは24時間200円で車が止められます。ここよりも少し上に行ったところに谷川岳ロープウェイの駅があり、そこは1日500円です。500mほどの距離の違いで300円節約できるのと、こちらのインフォメーションセンターも設備がかなり充実しているので、こっちに停めた方がお得かも。
インフォメーションセンターの営業は9時~16時です。駐車場は自動ゲートなので24時間利用可能。この日の朝7時半に到着しましたが、お客さんは数えるほどでした。
あ、この写真からα7R VIによるHEIFのHLG静止画の写真です。Ultra HDRで出力して掲載していますので、HDR対応デバイスで、Chromeブラウザ、Edgeブラウザを使ってご覧いただくとUltra HDR写真でご覧になれます。
非対応デバイスでは通常のJPEG画像として見られますが、少し暗めの画像に見えるかもしれません。
谷川岳インフォメーションセンターから歩いてロープウェイ駅をまずは目指します。
この先は車両通行止めになっていて、ここのロープウェイ駅が車で行ける最終ポイントになります。
谷川岳ロープウェイ駅に来ました。6年ぶりです。谷川岳に登る際はここから上がっていきます。日帰りで登山してこられます。それなりに長い行程だし、急登するところもありますが、比較的簡単に制覇できる百名山です。
天気が良かったら上まで行きたいところですけど、山の上の方は雲で覆われていますね。
谷川岳山岳資料館まできました。
クルマはここでUターンしてください、ということになっています。本来はこの道は国道として新潟までつながっていたらしいんですが、開通して2か月で土砂崩れがあり、それから100年以上に渡り通行止めになったままとのこと。
ハイキングルートとして歩いていくことはできます。
谷川岳山岳資料館からは、こんなかわいらしい電気バスが走っています。ガイドさん付きで500円で一の倉沢まで乗せていってもらえます。2年前までは8人乗りのもっと小さなバスだったそうですが、現在は14人乗りに大きくなったそうです。
9時半からの運行だそうですので、私はここから歩いて一の倉沢を目指します。約50分の道のりです。
ガイドさんいわく、今、一番質問が多いのが「熊は出ますか?」ということだそうです。出ないとは言えなくて、実際に2年前にルート上で熊を見かけたこともあるし、1週間前には雪渓を歩いている姿も目撃されているそうです。
グループで歩いたり、熊鈴をつけるなどして、こちらから存在をアピールしていけば近寄ってくることはないとの話でした。気を付けてすすみます。
一の倉沢までの道のりは9割以上がこうした木陰です。夏場のハイキングにいいかもしれませんね。
そして、こうした木漏れ日があるところ、HLG静止画で撮ると、気持ちが良いんですよ。白く飛んでいるはずの空が、晴れているとちゃんと青い色が乗っていたりします。新緑の明るい緑色もしっかりとわかります。
実際には撮影しているときよりも、帰ってきてXperiaに転送して見てみると、Xperiaで見た方がやや暗めに見える感じがするんですが、ファインダーで見た雰囲気はそのまま残っています。HEIFからUltra HDRの変換ですが、大きく崩れることはなさそうです。
こうしたシーンもファインダーで見た時に花が白く飛ばず、ちゃんと色が残った状態で撮影ができます。
HLG静止画モードにするとクリエイティブルックなどは使えなくなります。なので、意図的に画の印象を変えたい、というときはホワイトバランスを操作するのと、露出を変えるようになります。
↑こちらは+2.3EVまで明るくした写真です。これをやるとさすがのHLG静止画でもヒストグラムで明部がペタッと壁についてしまって白飛びしていました。
でも、こうした演出は可能。
ダイナミックレンジはとにかく広く、カメラ任せで撮っていても白飛びをかなり抑えやすい印象です。
日陰から空の白い雲まですべて階調が残っているうえに、HDR加工をしたように塗り絵のようにはならず、ちゃんと明るさが残っているのを確認しながらシャッターが切れます。
これはすごい!
歩き始めて30分ほどで「マチガ沢」に到着。ここに昔は3件の宿があって「まちがみえた」という言葉が出たのが名前の由来なんだとか。
今は休憩ベンチとスマホ撮影スタンドがあるだけですが、ここの広い土地に宿が建っていたのかもしれませんね。
このマチガ沢から見上げたところにあるのが谷川岳山頂の「オキの耳」と「トマの耳」らしいのですが、あいにく雲が出ていて、この時は見られませんでした。帰りに雲が取れていたら良いのですが、なんせ9時から1時間くらい晴れ間があるだけで、そのあとは午後は雷雨になる予報なので、厳しいかな?
先を進みます。
樹齢200年前後のブナ林です。木肌が灰色で新緑の緑もあいまって、とても明るい森になっています。
Ultra HDRで見ると葉の隙間から見える光の当たっているところの明かりがよくわかります。
↑こちらも+2.0EVで撮影しました。
HLG静止画の働きがわかってきたというか、こうした逆光状態のときは暗部ではなく明部に露出を合わせていくので、やや明るめに撮った方が見た目に近いイメージになるかも。
9時には一の倉沢に到着する予定だったのですが、寄り道してゆっくりしてきたら9時半になってしまいました。途中から大きな雪渓が見えてきて、雪に陽が当たるとキラキラとまぶしいくらい反射します。
なるほど、これが一の倉沢なんだ。確かに絶景かも。
ということで、一の倉沢に到着しました。やたらきれいなお手洗いがあり、手前のロータリーは電気バスだけが使っているようです。
だいぶ雲がかかっていますが、こちらの背中側は青空ものぞいているし、ちょっと待てば晴れてくるかな?
一の倉沢出会から見上げた谷川岳一の倉です。
世界の8000m級の山は14座あり、合計で約600名の方が遭難されているそうですが、谷川岳ではこれまでに800名以上の遭難者が出ているとのこと。あとで資料館で知ったのですが、昭和30年代の登山ブームの中で、一の倉沢周辺の岩壁に挑む登山者が多かったことも、その背景にあるそうです。
しかし、そういう歴史を知らなくて、これはすごい絶景ですね。
山の岩肌が迫力満点なのと、雪渓の輝きがまぶしく、これはまさにHDR静止画で撮影するのに持ってこいです♪
ここは「滝沢下部」というところらしいのですが、あちこちに登山ルートがあり、それを次々と制覇されていったそうです。
命がけで挑んだ登山者たちの熱量には圧倒されますが、同時に安全に楽しめる現在の環境のありがたさも感じます。
こちらは「衝立岩」ルートで1950年代終わりごろまで誰も登ることのできない難航ルートだったそうです。
blogに掲載する写真は解像度を落とす必要があるのでオリジナルをご覧いただくことができないのですが、オリジナルの6680万画素の解像度は9984×6656ドットもあります。
HLG静止画で撮影すると階調表現に余裕があるからか、岩肌の細かな質感まで見えやすく感じます。
少し待っていると、雲が取れてきました。天気予報に感謝! ほんとに一瞬だけ晴れてきましたよ。
ですが、まだ、もうちょっとです。今度は手前側に雲が出てきてしまい、せっかくの雪渓に陽が当たらなくなってしまいました。
6月24日にはここの雪渓を熊が横切ったところが目撃されているそうです。
熊が出てこないかなー、と、持ってきたおにぎりを食べながら待つこと数十分。
雲が増えてきましたが、陽が差してきて狙っていた絶景になりました。雪渓もキラキラまぶしく輝いて、白い雲もモクモクとわきたっています。
SDRでご覧になると、おそらく全部白で表現されてしまうのですが、Ultra HDRでご覧になっている方は雪渓が一番明るく輝いているのがおわかりになると思います。
この日いちばん見たかった景色が撮れました。
あいにく、HEIFのHLG静止画も、Ultra HDRもプリントすることができなくて、HDR対応ディスプレイでないと表示ができないのですが、ディスプレイ表示で写真を見るときの最高の方法じゃないですかね!?
α7R VIのHDR対応ファインダーでみたままの景色を持って帰ってくることができました。
さらに自宅へ帰ってUltra HDRに変換済みの画像はXperia 1 VIIIに入れて持ち歩くことができます。これでいつでも、この日の感動を呼び出すことができますよ。
この日いちばんの景色だった瞬間は5分もなく、このあとはまた雲に覆われてしまいました。午後からの予報には期待ができないので、これで撤収です。
ちょうど、その時間に電気バスがきていたので、500円で帰り道だけ乗せてもらいました。ここで紹介したお話の半分くらいはガイドさんから伺った話です。(笑)乗ってよかった。
電気バスの終着駅にある「谷川岳山岳資料館」は古い山岳道具などが展示されているのと、昔の新聞、写真の展示があり、谷川岳の歴史を語る貴重な施設です。
今、安全な登山が楽しめるのはこうした先人たちの苦労があってのことだと思うと感謝しかありません。
駐車場として使わせていただいていた「谷川岳インフォメーションセンター」も開館していたので見学させていただきました。こちらは近代的な展示になっていて、今の谷川岳を知ることができます。
こんなドーム型の映像装置もあり、アクションカムで撮影された実際の登攀シーンなどを見ることができました。ロッククライミングはとても無理!と、思わせてくれる映像です。
まだ午前中なので、時間も余っていたのですが、谷川岳ロープウェイに乗っても、この日は見晴らしの期待ができそうもないので、スルー。
あとは日本一のモグラ駅、土合駅も近いので、時間があれば、こちらの地下ホーム散策とかも楽しいのですが、2回くらい来たことがあるので、この日はパス。(今思えば、HLG静止画の撮りどころだったので寄ってくればよかったと後悔しています。)
その他、水上ICまでの間にはドライブインとか道の駅がいくつもあります。お土産があちこちで買えます。私は道の駅で地元野菜を買ってきて夕飯にしましたが、この大きな「谷川茸」というのが気に入りました。厚めに切って食べると、歯ごたえもあってキノコのステーキみたいな感じです。
ガイドさんにお話をうかがったところ、1年で一番の観光シーズンは秋の紅葉シーズンなんだそうです。また、そのときに来たいと思います。「谷川茸」は、また、その時に買おう!
以上、α7R VIによる「HLG静止画」レポートでした。
しばらくの間、当店店頭展示しているα7R VIにはこの時に撮影したHLG静止画を残しておきます。再生画像ももちろんファインダーで観ればHDR表示になります。ブラビアでHDR再生することもできるし、Xperia 1 VIIIでのUltra HDR表示もできます。
ちなみに、BRAVIAのヘルプガイドを見ると、USBメモリーやホームネットワーク経由で再生できる写真形式としてHEIF(.heic / .heif / .hif)が掲載されています。
★ソニー ヘルプガイド「USB機器/ホームネットワークで再生できる画像形式」
そこで実際に、α7R VIで撮影したHLG静止画のHEIFファイルをUSBメモリーにコピーし、手元のBRAVIA X75WLで再生できるか試してみました。
結果、手元の環境では、HEIFの記録設定が4:2:0の場合はUSBメモリー経由でもBRAVIA X75WLでHDR表示されることを確認できました。一方で、4:2:2で記録したHEIFファイルはエラーになり、再生できませんでした。
つまり、HLG静止画をブラビアで手軽に楽しみたい場合は、HEIFの記録設定を4:2:0にしておくのがポイントになりそうです。4:2:2は色の情報をより多く記録できるメリットがありますが、ブラビアでUSB再生する用途では互換性に注意が必要です。
今回はLightroom経由でUltra HDRに変換してXperia 1 VIIIでも楽しめるようにしましたが、ブラビアの大画面で見るなら、USBメモリーにコピーして再生する方法も使えます。これはかなり手軽です。
α7R VIのようなファインダーでのHDR表示はできなくても、他のモデルにもHLG静止画モードは搭載されていますので、4KブラビアやXperia 1シリーズをお使いの方は、店頭でHLG静止画をぜひご体験ください。
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ソニーストア価格: 740,300円 税込 |
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| 発売日 | 2026年6月5日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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