『Masterd in 4K』ディスクと4Kブラビアでタイムトラベル
春先に買わせていただいた55型の4Kブラビア「X9200A」。自宅に映画館がやってきた感じで、普段使いにはしていないんですが確実にBDソフトを買うことが増えていて、映画を見まくっています。
やってきた当初は毎週日曜日は映画の日になっていたんですが、ここ最近でちょっと感動したことがあったのでそれをレポート。
☆My Sony Club 特集「いつものTV番組も美しい4K画質で見られるソニーの超解像エンジン『4K X-Reality PRO』」
ソニーのブラビアに搭載されている「4K X-Reality PRO」は通常のHD画質の映像も4K相当にアップコンバートしてくれるという機能。詳しい機能の案内はMy Sony Clubで紹介があるのですが、これの威力は確かにすごいんです。
10年ちょっと前にあったSD画像もハイビジョン画質にするというDRCがもともとのベースになるわけですが、あの時よりも効果は数倍あって、DRCのときもそうだったんですがこういうアップコンバート技術ってノイズが入ると効果が薄れる感じがします。
SD画質の時は地上アナログ放送だったり、VHSや8ミリテープなどのアナログ記録をしたものがベースになっていたのでもともとの映像ソースにノイズがあり、アップコンバートというよりはノイズ除去を一生懸命していたものだったのが、今回の「4K X-Reality PRO」では、デジタル放送やブルーレイディスクなど、デジタル素材でノイズが極端に少ないものをソースにしてます。
ハイビジョン時代のDRCよりもはるかにアップコンバートの威力があり、4K素材がまだそろっていなかった今年前半までの「ハイビジョン映像を最高にきれい見るための4Kテレビ」というのは、ありだな、とか思っていました。ま、それもあって春先に4Kブラビアを買わせてもらっています。
55型もの超大画面になるとハイビジョンテレビでは画素が目立ってしまい、粗さが気になってしまうところが全くなく、まさにいつものテレビ番組が4Kで見られる!を体感。
以前のアナログSD放送をハイビジョンテレビで見た時のイマイチ感もなく、また個人的にはnasneの3倍録画の映像もはっきりくっきり見られるのでそれも満足。動きの激しいときにだけビットレートが低いことを感じますが、普通にバラエティ、映画、ドラマを見ている分にはnasneの3倍モードでも十分!とか思う始末。
しかし、逆に画質の良さを感じられなかったのが「Mastered in 4K」のディスクでした。
「Mastered in 4K」というのはソニーピクチャーズから出ているブルーレイディスクソフトで、元のマスター映像が4K素材になっていて、それをハイビジョン画質にダウンコンバートしてBDに書き出したもの。特典映像などは入っていなくてディスクの容量をすべて本編映像のために使うことでビットレートを極限まで上げた高画質ディスクとなっています。
以前、DVDの時も本篇映像のデータ量を増やすためにそうしたつくりのソフトを販売していたことがありましたが、それのブルーレイ版です。
ソニーピクチャーズで4Kから2Kにダウンコンバートするときのロジックを4Kブラビアにも搭載していて、逆の手順でアップコンバートするため、単に4K素材のハイビジョン映像をアップコンバートするよりもアップコンの効果が高い、と説明されています。
それでダ・ヴィンチ・コードシリーズの「天使と悪魔」や「アメージング・スパイダーマン」などを4Kブラビアで見てみるんですが、特別画質が良いような気もしないんです。
2年ほど前のソニーフェアの時に4Kアップコンバートの効果についてプロジェクターを使ってデモを見せてもらったことはあって、その時には微細な部分のディティールがくっきり出る、というのを体感させてもらったりもしていたんですが、2つの映像を同時に見比べながらそういうシーンを探すとか、そういうことができないと素人には難しいレベルなのかな?
機能としては画質設定の項目に「Mastered in 4K」という機能があり、自分で機能のオンオフを試すことができます。
こうして設定項目を出して入れたり切ったりしながら映像を見たりもするんですが、どうも「切」にした方がシャープネス感も高く、一概にこれで4K映像をよりシャープにするためのもの、ということでもないことがわかってきます。
ま、これが2010年代の最新の映画を見た時の感想で「Mastered in 4K」のディスクを用意しなくても、なんでもきれいになるじゃん、というのがこの時点での私の結論でした。
ちょっと変わってきたのがこれを見たとき。
今年は作品上映から30年の節目にあたるとのこと。ミュージックビデオも30年前に大ヒットした「ゴーストバスターズ」です。特に画質にこだわった作品でもありませんが、これがMastered in 4Kで発売されています。面白半分で買ってみたんですが、なるほど、こういうことなのかなぁ。
音楽と違って映像って、ものすごくたっぷりと人間の記憶に残るじゃないですか。音楽は「音」だけってこともあるので情報が足りない分、何度でも聞くことができますが、映画などのコンテンツは「映像と音」で直接人間にイメージを植え付けるので、音楽ほど繰り返し何度も体験をしたいと思わないですよね。特に映像は最初に体験したときの画質でそのままイメージが作られてしまいます。
映画「ゴーストバスターズ」はおそらく私はVHSビデオで最初にみているはずで、そういうイメージが今でもずーっと残っているんです。この映画観たことあるよ、ストーリーも大体覚えているんだよ、と言いつつ「Mastered in 4K」のディスクで見てみると「あれれ!? こんなに映像って鮮明だったっけ?」が始まり、さらに一番イメージが違っていたのがゴースト捕獲装置の光線の色。
全体に古いフィルム撮影の映画、という画質なんですがゴーストの姿や光線の色などの特殊効果のあるところだけやけに色が鮮明になります。
どうやら、これが「広色域による色彩豊かな映像」「広色域の再生にはX.V.Colorに対応したテレビとBDプレーヤーが適しています。」によるもののようですね。
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レビの再現色域を広げて映像の色全体を広げてしまうと人の肌の色などが不自然に見えるところですが、そういう不自然さもなく派手なところだけが派手になるというのを体感。
30年ぶりにVHSテープで観たであろう映画「ゴーストバスターズ」の頭の中の映像が上書きされた気がします。80年代の映画、ほかにも観たいものはいろいろあるんですが、そういうのも「Mastered in 4K」で出てくれないかなあ。
そして、もうひとつ。今度は70年代代表ということでロバートデニーロの「タクシー・ドライバー」も買ってみました。
こちらは新橋のガード下の写真なんですが、ここに8月いっぱいまで映画館がありました。長らくずーっとここで営業していたそうですが、おそらく山手線の陸橋の補修工事のためなんでしょうね。手前からお店がどんどん改装工事をしていて、ついにその順番が映画館まで来てしまい、ついに営業を終了してしまった、ということのようです。
営業最終日にはたくさんのお客さんが詰めかけて記念写真を撮っていました。
その最後の上映作品が「タクシー・ドライバー」だったんです。私は見たことがない作品なんですが、そういう映画館の最終上映作品に選ばれるくらいなのですごい映画なんだろうなぁ、ということで興味を持ち購入。
作品は70年代のアメリカ・ニューヨークが舞台でベトナム帰還兵の心の闇をテーマにしたものでした。不眠症のロバートデニーロがタクシードライバーに就職して、なかなか世間に溶け込めないでいるところで事件を起こしてしまう、というのが大筋。
なにも知らずに見ていたので、途中で感動してしまったんですが、なんと、作品の後半では子役でジョディ・フォスターが登場。目を疑ってしまったというか、これジョディ・フォスターじゃないの!?と、彼女を見つけたときはびっくりしてしまいました。
この映画もX.V.Colorによる広色域を使った収録をされていて劇中、多数登場する夜のシーンではネオンが、これでもか!というほどのネオンカラーで表現されます。やはり赤の表現が飛び抜けてて、これまでのテレビではなかった色を見せてくれるのですが緑色の信号の色についても今までスクリーンで観ることができなかった色かも。
あれですね。「映像のハイレゾ」って感じです。今まで出せなかった周波数ではなく、今まで出なかった色が見られるという。
で、色の話ばかりになってしまいましたが、4Kばりの解像感に驚いたのが発売されている中でももっとも古い映画、1963年の「アラビアのロレンス」でした。
これは当店がお世話になっている営業所の所長さんにお勧めいただいたのですが「アラビアのロレンス」の画質がかなり良いらしいと聞いて、これも予備知識無しで見させてもらいました。
再生をはじめると画面が真っ暗で音だけしかしないんですが、この頃の映画ってそういうのがスタンダードだったらしく、2部構成になっているんですが、それぞれの冒頭はフィルムでの映像はなく音楽だけが流れていたんだそうで、それを忠実に再現しているそうです。
で、その後映画が始まるんですが、これは確かに驚きました。
ブルーレイのソフトも4Kみたいに見られる、と言いつつも、4K素材の映像をみてしまうとやっぱりハイビジョンじゃん、と思ってしまうんですが、この映画だけは別格。よく見ればやっぱりハイビジョンなんですが遠目に見る(画面に寄らずに画面全体が見られる距離で見る)と、4Kネイティブにしか見えないというか、すんごい情報量なんです。
なんで、この映画だけこんなに映像が細かく、情報量が多いんでしょう。まるでデジタル一眼カメラでGレンズとかのブランドレンズを使った時みたいな見え方をします。
60年代の映画ですから、当然まだCGを使うこともできず、移っているのはすべて実写。大量のエキストラを動員して撮影したと思われる圧倒的な物量にも圧倒されました。
調べてみると、この映画は70mmフィルムというかなり大きなフィルムで撮影をしていたらしく、それをさらに8Kでスキャン。4Kで編集したそうですが100人で1年がかりで補正をしているんだそうです。
☆ITmedia LifeStyle > 麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
最終的には2Kに解像度を落とすわけですが、なるほど、結局元のフィルムのデータの質にもよってくるわけですか。
「Mastered in 4K」あなどれません。
私はこれらの「Mastered in 4K」をamazonで買っているんですが、どれも半額程度で現在は買えます。マスターは4Kで作られているので、いずれソニーピクチャーズからこれらのタイトルもネイティブ4Kで見られる日がそう遠くない日にやってくるとは思いますが、2Kから4Kへの移行期に、こういうのを見ておくと、4K時代が来たときに感動がまた大きくなるかも。
ところで当店の4Kブラビア「KD-65X9200B」でも「アラビアのロレンス」を再生しているんですが、最初、自宅で見たときよりも画質が落ちるというか、あの圧倒的な情報量が感じられず困っていました。
画質モードにある「Mastered in 4K」がグレーアウトして機能をオンにすることもできなくて原因を探っていたんですが、原因はAVアンプにありました。
「STR-DN1050」を使っているんですが、このアンプには4K Scalingという機能がついていて、アンプ側で2K映像を4Kにアップスケールする機能がついているんです。これがオンになっているとこっちで4K出力されてしまってブラビア側の機能が使えなくなるようです。
ブラビアで「Mastered in 4K」のアップスケールができるのは1080/24pの入力時のみとなっていますのでご注意を。
これらの「Mastered in 4K」ですが、私物を今はお店に持ってきています。ご興味ある方には、そのワンシーンだけですがご覧いただけるようにしてあります。明日のご来店をお待ちしています。
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