α写真路『船の科学館』

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今週、突然耳にしたニュースがこちら。東京・台場にある「船の科学館」が来月9月30日をもって展示公開を一時休止する、再開時期は未定。展示船の「羊蹄丸」は無償譲渡、もしくはスクラップにすることで船の科学館での展示はなくなる、というものでした。

子供の頃からある船の科学館がなくなるわけではないんですが、何度か訪れた思い出のある場所でもあるし、これは気になります。もしかしたら最後の展示になるかもしれない、という想いを胸に行ってきました。

愛機、NEX-5とともに。

 

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今日は限定公開されている「海の森」へ行くつもりでいて、朝8時すぎに自宅を出発したんですが予報によると雨は午後になると軽くなるらしいので、予定を変更して先に「船の科学館」へ来てしまいました。

開場前についてしまい、シャッターの前で雨宿りしながら待っていたんですけどシャッターが開いたらたまたま私の目の前が入り口の扉で、そこから入って券売機で入場券を買ったらなんとこの日の入場券の発行番号1番と2番をゲットしてしまいました。(^_^)v 先日のサンシャイン水族館と言い、入場運みたいなのが私は今月良いようです。

この入場券は記念にずーっととっておこうと思います。

なお、船の科学館の入場料ですが通常は大人一人700円なんですが、休館が決まったところから入場料が値下げになっていて、9月30日の閉館まで特別料金200円になっています。大人二人で来ても400円だけ。すんごい安さなんです。(クルマで来ると駐車場料金が最初の1時間が300円でその後は30分100円がかかるのも併記しておきます。)

その割には人も少ないし、うーん、なんか寂しいですね。

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さて、船の科学館は現在、ごらんの様な布陣になっているそうです。私が子供の頃に来たときは南極観測船の「宗谷」とかあったかな? 青函連絡船の「羊蹄丸」にいたってはまったく記憶にないんですが、船の科学館を含めて3つの船の展示になっています。

子供の頃はプール目当てて来たこともあったんですが、展示内容を含めてなぜかあまり印象がないのか、私があまりにも来ていないので忘れてしまったのか。。。新鮮な気持ちで見学をしたいと思います。

本館にはちょっとだけ入場待ちの行列ができてきたので、せっかくだし、無人状態の「宗谷」から攻めてみようと思います。

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こちらが南極観測船の「宗谷」です。この宗谷だけは10月以降も展示公開が続くそうなので、特に今、行かないといけない、というものではないんですが、この宗谷がおもしろかった。

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なんていうか、時代を感じる部分がいっぱいあるんですが、一番時代を感じさせてくれるのがそのサイズなんです。通路の狭さ、天井の低さ。私でも気をつけないと頭をこする部分があちこちにあって、昭和の時代の平均身長の低さを感じさせられました。

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こちらは士官食堂。ブラウン管のテレビと、冷蔵庫が時代を感じさせます。これくらいはまだつい最近な感じがするんですが。。。

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こちらが普通の乗組員さんの部屋。ベッドが子供サイズみたいで寝返りが打てそうもないくらいの幅に、足をのばすことができそうもないくらいの長さのミニサイズベッドにびっくり。

これは厳しい船旅になりそうです。

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通信室も通路からガラス越しに見学が可能。各種無線装置がずらっと並んでいますが、今、おなじ事をしようとしたらもっとコンパクトにできそう。

壁をみると昭和53年に退役したらしく、部屋にメッセージが残されていたりするんですが、昭和53年でもこれくらいの装備でいたのにちょっと衝撃を感じました。1978年ってそんなに大昔ではないような感覚なのに。

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オレンジ色の「宗谷」の見学を終えたら、続いてはその隣の青函連絡船「羊蹄丸」へ移ります。

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こちらが羊蹄丸。青函連絡船としてトンネルができるまでは青森と函館を結んでいた船で、船尾からは列車を入れてそのまま運ぶということをしていたんだそうです。

昭和63年まで運行していたそうですが、昭和って何年までありましたっけ? そうです。翌年、平成に元号が変わっているので、まさに昭和を代表する乗り物になるんじゃないですか。今日知りました。

テレビでやっている「無償譲渡」の譲渡先を募集しているのはこちらの船になります。譲渡先が決まらない場合はスクラップにすることも検討されているそうです。

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これが羊蹄丸のロゴマークだそうでかわいいですね。これ、絶対に私は初めてみました。子供の頃に3回くらい、それと大人になってから結婚前に妻とデートできた時にはこれ、見ていません。

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一歩中に入ると、ものすごい広いロビー。まるでホテルの入り口みたいなんですが、そうか、これはフェリーなんですもんね。元々たくさんのお客さんに乗ってもらう船だったんです。作りがこうなっていても不思議はありません。

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そして、展示パネルをみて納得しました。昭和63年(1988年)に退役してから、平成4年(1992年)にフローティングパビリオンとしてイタリア・ジェノバで博覧会展示をして、平成8年(1996年)からさらに改装して、船の科学館の展示物になっているんだそうです。

どうりで。。。以前、私がやってきたのは1996年よりも前だったってことになります。

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入場フロアから展示会場に入ると、なるほどパビリオンとしての展示がそこには広がっていました。海の世界を紹介する昭和のパビリオン風景が広がります。一昨年、筑波に言ってつくば博の展示を見たときと同じような感じのものになっています。

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これはイルカにまたがると、イルカが上下して前面のスクリーンに泳い
でいる風景が映るというアトラクション。たまに自分の姿が映って、まるでネプリーグ状態になるんですが、17年前のアトラクションとしては、これも斬新だったんでしょうね。

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こちらは水中スクーターをイメージした乗り物。ハンドル操作にあわせて左右に傾くんですが、当時は未来感をこれで感じていたんでしょう。なるほど、羊蹄丸ってこういう展示をしていたんですか。

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フロアをひとつ下がると、また展示会場があります。青函連絡船として使っていたときの座席や当時の風景はまったくなく、完全に中身は作り替えられていて展示スペースだけになっていました。

トイレとか、昔のものが使えるのかと期待していたんですが、それも大理石風のとてもきれいなトイレに作り替えられていました。

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こちらが地下階に当たるアトラクションスペースの風景なんですが、これがまたすごい。昭和30年当時の青森の風景を再現しているそうで、船の外観からは想像もつかないような本格的な展示内容にびびりました。

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これは焼き芋屋さんの風景。近くまで人がくると音声を再生するようになっているらしく、おじさんが焼き芋買うかい?と、聞くと、子供が「近くにいると暖かいからそれだけでいいや」という会話も聞こえてきます。

昭和30年代ってこんなに昔だったんでしょうか?というくらい、ちょっと展示内容が素朴すぎるんですが、そうか戦争が終わってから10年くらいしか経っていないんですから、こういう世界になるわけですね。

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ここの展示が他と違うのはこれらの展示物に自分が混ざることができる点。どこにもさわらないでください、という注意はなく、ここは全部なんでもかんでもさわり放題。妻もこの風景に溶け込んで写真を楽しんでいました。

今時の格好ではなく、和装してくるとここは楽しいかもしれません。

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売店をのぞいてみると、ここもまた素朴なものが売っています。当時のお土産、嗜好品ってこんなものだったんですね。

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新聞も売っていて、たまたまなのかもしれませんが、売店のテーブルの上に置かれた北海道新聞には「原子力三法案可決」の文字が。。。日付は昭和30年12月15日となっています。わざわざ、この記事を選んで展示物にしているとしたらすごいですね。

現在の原子力行政の始まりの話がこんなところで読めてしまいました。

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他にも食堂風のテーブルで献立表があるんですが、食事メニューの安いこと。

こういう紙モノはラミネート加工されているので手触りは楽しめませんが、見事な複製ぶりです。さわれる展示ってすごい。

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これはどのタイミングで作られたアトラクションなんでしょう。イタリアに行くときにはまさかここまでは作り込んでいないでしょうから、船の科学館向けに平成8年オープンの際に作られたんでしょうか? これはすごい展示内容でした。

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当時の青函連絡船としての資料はこちらのガラスケースに当時のモノが展示されているのと、あとはシアター上映があり、そこで当時の貴重なVTRを上映していました。

石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」が最後にかかるんですが、これが泣けるんです。

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船の模型展示も発見。こうして貨車を船に運び入れていたんだそうです。

私の母が北海道の人間です。もしかしたら最初に東京に来たときにはこの青函連絡船に乗って、上京してきたのかなぁ。今度、実家へ帰ったときに見せてあげるべく、大量の写真を撮ってきました。

 

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羊蹄丸の見学が終わると、すでに時間は11時半くらいになっています。10時の開場からもうすでに1時間半。全部みても1時間くらいで見終わっちゃうかな?とか心配していたんですが、ものすごい時間がかかってしまいました。

いそいで船の科学館本館に戻ってみると。。。

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うわ! ロビーは人でいっぱいになっています。駐車場も満車になっているし、そうか朝一番では人があまりきていなかっただけで、やはり人気は相当なものだったのか! しかもはとバスとかも来ているし、なんだ、ここってしっかりと観光スポットになっているんじゃないですか。

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ということで、急いで5Fにあるレストラン海王へ。観光バスも来はじめているし混む前に食事です。

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レストラン海王は11時~15時までやっているレストラン。ラーメン、チャーハン、うどんなどが1,000円前後で楽しめるんですが、ランチバイキングもやっています。一人1,800円なんですが内容的にはちょっと高かったかな。。。

でも、空いているウチに入れて、一番景色の良いところで食事ができたので良しとしましょう!

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12時すぎに食事を終えて出てきたときには大行列になっていて、おそらく1~2時間待ちくらいにはなっていたんじゃないかと。。。ここのレストランも9月30日で閉まってしまうでしょうから、思い出にここで
食事をしてみたい、という方は11時の開店と同時に入るのがおすすめです。

他にレストランはないので、ここで食べるしかありませんので。

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レストランから一番上の6階にあがるとお台場の景色が一望できます。これは隣にあるプール。小学3年生くらいのときに連れてきてもらった覚えがあります。こんなに小さなプールだったのかなぁ。当時は超巨大流れるプールだった気がしていました。

それと、このあたりは13号埋め立て地とか呼ばれていたんじゃないですかね。なんとなく記憶がよみがえってきます。

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本館は別に船でもなんでもなく単なる博物館としての建物なんですが外観は船の形をしていて、最上階には艦橋風の作りの部屋もあります。

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で、これ、おそらく本物のレーダーなんだと思いますが、窓から見える景色とおなじ形状になっていて、これにちょっと興奮。じりじりと時計回りに投影物が書き換えられていきます。そうそう、宇宙戦艦ヤマトでもなんでも私のイメージするレーダーってこういうもの。昭和のレーダーです。

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その後、上から下層階に向かって順路を逆に進む形で見学してきました。科学館らしく、ためになる展示物も多いんですが、ほとんど見覚えのないものばかり。

それもそのはずで、展示物は常に入れ替えられているんでしょう。だって、ここにある豪華客船「飛鳥II」なんて2006年に就航した船です。パネル展示になっていますが、これは5年以内に展示されたもののはずです。

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こちらはタンカーの模型なんですが、全長が5m以上はありそうな。。。こういう模型展示がやたらと多いんですけど、これだけで一財産ですよね。

ここが休館になってしまったら、これらの模型ってどうなっちゃうんでしょう? これを展示しないなんてもったいない。

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これは通路の壁にあった昔のお台場の写真。レインボーブリッジがかかっているんですが、まだフジテレビもなにも周りには建物がありません。船の科学館だけがあります。

レインボーブリッジがかかる前は周りが全部「森」でしたもんね。

船の歴史展示、海の歴史展示とともに、ここはお台場の歴史展示もしていたんですね。

 

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そして、これは最後に1階で行われている「企画展」です。船の科学館の休止前の最後の企画展で、最終日は9月30日までとなっています。タイトルは「日本の海 まもるべき島々」となっています。

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そう、テーマは「日本の領海」なんです。私たちが子供の頃は「北方領土」が大きな関心事でしたが、今は竹島や尖閣諸島などで韓国、中国とも問題が発生してきました。

それをしっかりと認識してもらおうという内容で、日本の領土である竹島、尖閣諸島、北方領土を詳しく紹介してくれています。こういう大事な話を最後に企画展でやってくれているというのは知りませんでした。

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陸地だけ見ると日本の領土面積は世界で61番目と小さいんですが、領海の広さでみるとなんと日本は世界で6番目の海洋大国なんだそうです。

こうして領海でみると日本の中心って小笠原諸島あたりになりそうなのが不思議。

こういう話はもっと大きくアピールしてもらいたいなぁ。

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展示コーナーの一角にはこんな模型も展示されていました。これは海上保安庁の巡視艇で「ちくぜん」と「はてるま」なんですが、これって実際に尖閣諸島で不審船を警戒している船で、製品としてプラモデルが販売されているので、自分でジオラマを作れることを知りました。

1/700 スカイウェーブシリーズ 海上保安庁 巡視船 はてるま型 はかた (J42)

1/700 スカイウェーブシリーズ 海上保安庁 巡視船 はてるま型 はかた (J42)

  • 出版社/メーカー: ピットロード
  • メディア: おもちゃ&ホビー

 

1/700 スカイウェーブシリーズ 海上保安庁 巡視船 つがる型 ちくぜん (J41)

1/700 スカイウェーブシリーズ 海上保安庁 巡視船 つがる型 ちくぜん (J41)

  • 出版社/メーカー: ピットロード
  • メディア: おもちゃ&ホビー

 

ここは展示会場なので実際には買えませんが、これ、作ってみたーい!

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ということで、どんなものなのか様子だけ見に来たはずがどっぷりとはまってしまい4時間も滞在してしまいました。

駐車料金は900円。入場料よりも高くなってしまいました。(^_^;)

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こちらの船の科学館の建設目的というのもありました。

周りを海に囲まれた日本は、古来から海に資源を求め、海を利用し、船舶による物資輸送によって栄えてきたと。海事産業は日本にとって欠くことのできない重要産業なので、日本国民、青少年に対して海事産業についての興味をもってもらい、その科学知識を深め、未来に対する夢を与えようとするものである、となっています。

津波被害があり海からのダメージを受けている今だからこそ、日本の海の理解を深めるために必要な気がしました。

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船の科学館は9月30日(金)まで大人入場料200円で営業しているそうです。ご興味ある方は是非!

 

☆船の科学館公式ホームページはこちらから 

 

 

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それと、今回の写真散歩はNEX-5にウルトラワイドコンバーター「VCL-ECU1」を使って撮影してきました。16mm単焦点レンズ(35mm判換算で24mm)を超広角12mm(35mm判換算で18mm)にしてくれるコンバーターです。

こういう室内撮影の時は威力を発揮してくれて、特に宗谷の狭い船内の中ではこれがないと部屋の様子とか全然説明ができる写真が撮れないんです。

非常に使いどころの多いコンバーターなので、NEXシリーズをお使いの方は是非、ポケットに1個!

 

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☆当店blog 11.8.15「那須平成の森 ガイドウォーク体験記」 
☆当店blog 10.12.29「羽田新国際ターミナルへ写真遠足」
 
☆当店blog 10.12.9「ウルトラワイドコンバーター『VCL-ECU1』開梱レポート」 

 

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