NEX-5RのファストハイブリッドAFの効果 その2
先日blogでレポートした「NEX-5RのファストハイブリッドAFテスト」ですが、その後、また新たなことが判明しましたので、追加してレポートをしたいと思います。
NEX-5Rユーザーさん、NEX-6ユーザーさん必見です。
今年の秋に発売されたNEX-5R、NEX-6に新搭載の「ファストハイブリッドAF」システム。従来のコントラストAFに加えてCMOSセンサーの中に「像面位相差AF」のためのセンサーが仕込まれており、この二つのAFシステムを使ってより正確に速いAFを実現、とあるのですが、実際に使ってみると2011年モデルのNEX-5Nと2012年モデルのNEX-5Rで体感上の違いが得にくい、という話もあります。
そこで「像面位相差AF」についての効果が出やすい条件というのを当店なりに研究してみたのが先日のblogレポートになります。
☆当店blog 12.12.12「NEX-5RのファストハイブリッドAFテスト」
像面位相差AFを利用するための条件があるのと、それを満たしての実験をすると確かに差が出るんですが、もっとわかりやすい話が雑誌に掲載されていました。
今月号のデジタルカメラマガジンです。
普段はこの雑誌、あまり買うことがないんですが、1月号だけは特別付録でカレンダーがついていて、これを毎年ウチに飾っているモノで記事とは関係なく買ってきているんですが、これが今回はヒットでした。
NEX-6/5Rの高速AF&高感度についてのレポート記事が掲載されていて、ここにファストハイブリッドAFについての詳細な記事が掲載されていました。
これはむちゃくちゃわかりやすい話だったんですが、AF-C(コンティニュアスAF)を使ったときに背景などがビヨンビヨンと揺れる様な現象って体験したことありますか? AF-S(シングルAF)ではシャッター半押しでフォーカスが一度あったら、それでロックするところなんですが、AF-Cにするとその後もAFを合わせ続けようとします。
被写体が動いている場合に有効なAFモードで、ミラーレスカメラの場合はそれをコントラストAFで行います。コントラストAFの場合は一番輝度差があるところ、シャープな映像が得られたところをピントが合っていると判断するので、自分でフォーカスをずらして一番コントラストが得られるポイントを常に探し続けるわけです。
なので、そうやって背景が揺れても不具合ではなく、そういうことをしないとAF-Cにならないというわけです。
ところが今回のファストハイブリッドAFでは、AF-CにしたときにコントラストAFを使わずに像面位相差AFを使って、それでフォーカスを合わせ続けるんだそうです。
背景の揺れ(ウォブリング)というのも、体験したことがない人(私も普段はAF-Sを使うので)にはわからないと思うんですが、それを実際に試してみました。その映像がこちらです。
動画の流れですが、最初はコントラストAFのみのNEX-5NにSEL24F18Zを装着してテストしています。ウォブリングがどういうモノかおわかりいただけると思います。
次にNEX-5Rを使って同様のテストをしており、それで像面位相差AFの効果がおわかりいただけると思います。
さらにNEX-5Rの絞りを操作して、どこまで像面位相差AFが効いているのかをテストしています。意外だったんですがF7.1にすると像面位相差AFが使えなくなりコントラストAFになるんですが、F6.3までは像面位相差AFが利用できました。
前回の記事では「絞り値がF6.3以上のとき」は位相差AFは機能しない、と言う話だったんですけど、どうやらF6.3の時は利用ができるみたいです。
なんだ、それだけの話?というところですが、実はこれがでかい。
SEL18200やSEL55210という望遠ズームレンズなんですけど絞り開放にしていても一番望遠域にズームすると絞り値はF6.3になってしまうんです。その状態では位相差AFは利用ができない、ということになっていたんですが、少なくともコンティニュアスAFの時は像面位相差の利用ができています。光学的な問題がないのであれば常時F6.3でも像面位相差は使えるんでしょう。
望遠ズームレンズを使って望遠側で利用しているときに位相差AFが使えないって、すごく残念な話に思えていたんですが、良かった、像面位相差AFは絞り開放でなら使えるみたいです。
※SEL55210、SEL18200でテストしてみたところ、F6.3でならテレ端でもAF-Cのウォブリングは発生しませんでした。
俄然、NEX-5Rでの望遠撮影が楽しくなってきました。
その他にも記事には2013年の各メーカーさんのデジタルカメラの進化についてのインタビュー記事が掲載されており、フルサイズNEXについてはもう既定路線になっていることを知りました。
そうか、ソニーのフルサイズ祭りはまだ終わらないんですね。来年はフルサイズセンサー搭載のNEXシリーズの登場が期待できるのと、あとは今年から始まった4Kテレビの出荷があるので、きっと今後出てくる“α”シリーズも4K出力対応とかになってくるんだろうなぁ。
以上、NEX-5Rのレポート記事、追加情報でした。
像面位相差AFについてのお話、詳細は雑誌「デジタルカメラマガジン 2013年1月号」にてご確認ください。
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Noir
2012年12月27日 @ PM 3:55
すばらしい情報です。
しかもF6.3対応は朗報です!!
ホームページには、F6.3「以上」ではなく「より上」とか「より大きい」と記述されるべきでしたね(^^ゞ
CB-7
2012年12月27日 @ PM 4:02
いいお話をお聞きしました! じつは55210を買ってから気になっていた部分なんです。 開放の時だけでも望遠端で位相差AFが使えるということが分かったのは大きな収穫です。 いつも貴重な実験ありがとうございます。
店員佐藤
2012年12月27日 @ PM 5:39
♪Noirさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
実は前回のテストのときもSEL55210で比較テストをしていて
それでファストハイブリッドAFの効果って出ていたんです。
ですが、説明文にあるとおりだったので像面位相差は機能
せず、きっとコントラストAFの方も進化しているんだな、という
ことに思っていたんですが、どうやらそうではなく、F6.3でも
像面位相差は効いていた、ということみたいです。
たった1段ですが、これで機能するシーンが大幅に増えそうです。
店員佐藤
2012年12月27日 @ PM 5:48
♪CB-7さん、こんにちは。
α99みたいに像面位相差が働いているときに
画面表示があるとありがたいんですが
NEXシリーズにはそれがないですからね。
でも、こうして実験してみた限りはどうやら
F6.3でも像面位相差は働いているみたいです。
確かに比較してみるとフォーカスが合うのも
早いですし。
是非、NEX-6でお試しになってみてください。