2019年8月22日

【レビュー】プロ用ヘッドホン『MDR-M1ST』試聴レポート

tecstaff Headphone, Portable Audio MDR-M1ST 0 Comments

8月23日発売のプロフェッショナル用モニターヘッドホン「MDR-M1ST」の試聴モデルを当店にて期間限定で展示していました。

製品の様子を簡単にレポートしたいと思います。

こんにちは、店員佐藤です。

ソニーストアで7月2日より、従来は一般向けには販売されていなかったプロフェッショナル用のヘッドホンの取り扱いが始まりました。従来はソニーミュージックにて業務用の販売としてしか出荷されていなかったモデルが一般のコンシューマー向けに販売を開始することになりました。

業務用ヘッドホンの世界では1989年発売の「MDR-CD900ST」という非常に有名なモデルがあるのですが、これがレコーディングスタジオではスタンダードな業界標準のヘッドホンとして使われています。

小型スピーカーとしての試聴にはYAMAHAのスピーカーが使われているのですが、高音質なモデルだから選ばれている、というわけではなく、どこのレコーディングスタジオに行ってもこれが使われているから、これで揃っている、というものになっているとのこと。

「MDR-CD900ST」もずば抜けて良い音で鳴る、というものではなく、音の違いを聞き分けるときに、どこのスタジオに行っても同じ音が聞けるよう、同じヘッドホン、スピーカーで揃えているというわけです。

なので、音質が良くないのかというとそんなことはなく、それだけ信頼のある音で鳴るヘッドホンということなんだと思います。

新発売の「MDR-M1ST」はそのハイレゾ対応版。1989年発売と言うことは音楽CDの普及が始まった頃になります。今は可聴域を超える超高音域までも使ったハイレゾ音源の作品作りをしているわけで、これから「MDR-CD900ST」からハイレゾ対応の「MDR-M1ST」に切り替わっていくんでしょうね。

パッケージはご覧の通り、茶色い箱にシールが貼られただけの簡素なものです。中もヘッドホンの形に合わせたクッション材などがあるわけでもなく、白いクッションが挟まれただけの状態で入っています。

さすが業務用です。出荷本数が一般向けのヘッドホンとは桁違いに少ないんでしょうし、これで済ませてしまうんですね。

取説の内容もこれだけです。プラグを奥までしっかり入れて使ってください、というだけの案内になっています。

また、この製品は通常のソニー製品の様なメーカー保証がありません。無償修理期間の設定はなく全て有償での修理対応になっています。初期不良については発売しているソニーミュージックまで連絡をください、という対応です。初期不良はソニーストアが窓口ではないんです。

通常の製品だと抜き打ち検査でチェックをしていると思うんですが、これはおそらく全数チェックをして出荷しているんでしょう。

付属のケーブルは2.5mの長さのステレオ標準プラグになっています。ウォークマンなどで使われているステレオミニプラグではありません。このままではウォークマンなどでは使えないのでケーブルを自分で用意するか、変換プラグを用意することになります。

ヘッドホン側の端子は4極のミニプラグになっているのでMDR-1Aなどのバランス標準プラグ付きのケーブルなどを用意すればNW-WM1Z/WM1A/ZX300などと使えるかと思います。

	ヘッドホンケーブルφ4.4 MUC-S12SB1
	ストア価格23,880 円+税
	メーカー商品情報ページはこちら
	対応モデル ●MDR-1A、MDR-100A ●h.ear on（MDR-100A）

発売日：2016年10月29日
ソニーストア購入特典：　提携カード決済で3％オフ

ちなみに「MDR-1ABP」の付属ケーブルであれば、パーツ取り寄せで2,000円です。

ウォークマンで使いたい、という方はこれらの方法で使えるかと思います。

ドライバーユニットは40mmドーム型で、MDR-1Aと同じドライバー径になっています。グリルの形状も同じものの様に見えます。

ジョイント部にはシリコンリングを採用し、体を動かした際に発生しやすいノイズを徹底的に低減。人間工学に基づいた立体縫製のイヤーパッドで長時間の装着も快適に行うことが出来るようです。また、可動部の耐久性や耐落下強度も向上させ、プロユースに耐え得る品質を実現しているとのこと。

製造もプロフェッショナル向け音響製品を生産しているソニー・太陽株式会社にて行なっており、プロ用製品で培われた品質管理のもと、熟練作業者により手作業で一つ一つ丁寧に造られ、厳しい検査を経て出荷されます。

当店で試聴用に貸し出していただいた「MDR-M1ST」ですが、推奨する再生環境はHAP-Z1ES＋TA-A1ESというスペシャルセット、40万円コースで音を出してください、となっています。

ソニーショールーム／ソニーストア銀座では、本当にこのセットで試聴環境を作っていましたが、あいにく当店ではこの再生環境がありません。はないのでヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」で再生をしています。

なるほど、これがモニターヘッドホンの音質なんですね。非常にまろやかな音というか、おとなしい音に聞こえます。出てきている音をそのままの音質で聞くというのはこういう音なんですね。

耐入力はかなり高そうで、接続したときにいきなり大音量で鳴らしてしまったのですが、歪みなどが少ないかも。業務用のヘッドホンということで、使用時間が長くても音質が変わらない特性になっているんでしょうね。

ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」ではオーバーサンプリングをして、それをDSD変換して鳴らすことができます。これで聞くとそうした高音質化回路の違いなどもわかるかもしれません。

逆にウォークマンなどの音を鳴らすと、言い方が難しいのですが素っ気ない音、という風に聞こえてしまうかも。高域が強調されていたり、低域の音がズンズン聞こえたり、というのがなく、非常にフラットな音で鳴るので、物足りない音質に感じられる方もいらっしゃいました。

店頭にて２週間ほど試聴体験会を開催させていただいていたのですが、あっと驚く様な高音質、という感じではないようです。

当店には「MDR-EX800ST」という2010年発売のプロ向けインナーイヤーヘッドホンの展示もあります。（こちらは常設展示しています）　音の傾向としてはかなり似ていて、これがモニターヘッドホンの音質なんだな、という感じ。

モニターヘッドホンとして「IER-M9」や「IER-M7」などもありますが、これらのモデルの方がまだ味付けがあったように思えます。

2019年夏、ソニーパークにて「Walkman in the Park」というイベントがあり、カセットやMD、CD、DATウォークマンなどの懐かしいモデルの展示＆試聴イベントがありました。

今までも懐かしい昔のソニー製品の展示イベントなどはありましたが、今回は実際にカセットやMDの音を試聴できるイベントになっていて、私も超久しぶりにカセットの音を聴かせてもらってきました。

「MDR-M1ST」はこういう使い方にも向いていそうです。

音楽だけではなくミュージックプレーヤーをハードウェアとして好きな方はリファレンス用にひとつ用意しておくと、一生使えるかもしれませんね。

通常のコンシューマー向け製品だと1年ごとにモデルチェンジしていってしまうため、生産終了から数年しか補修期間がないものが、これらのプロ用の機器は10年以上に渡り生産が続くので、そうした安心感もあります。

「変わらない音」が得られるモデルです。音楽が大好きな方にオススメです。


モニターヘッドホン MDR-M1ST		ソニーストア価格： 31,500円+税

発売日	2019年8月26日	メーカー商品情報ページこちら
ソニーストア購入特典	ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン
テックスタッフ店頭入特典	10%オフクーポン（併用不可）プレゼント中テックスタッフ店頭ご利用特典


モニターヘッドホン MDR-CD900ST		ソニーストア価格： 18,000円+税

発売日	2019年8月23日	メーカー商品情報ページこちら
ソニーストア購入特典	ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン
テックスタッフ店頭入特典	10%オフクーポン（併用不可）プレゼント中テックスタッフ店頭ご利用特典


インナーイヤーモニター MDR-EX800ST		ソニーストア価格： 24,000円+税

発売日	2019年8月23日	メーカー商品情報ページこちら
ソニーストア購入特典	ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン
テックスタッフ店頭入特典	10%オフクーポン（併用不可）プレゼント中テックスタッフ店頭ご利用特典