NEX-5RのファストハイブリッドAFテスト

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新型デジタル一眼カメラ「NEX-5R」の記事が続きますが、今日はNEX-5R、NEX-6に新搭載の「ファストハイブリッドAF」の効果について実験をしてみました。

 

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従来のデジタル一眼「レフ」カメラでは、TTL位相差AFというピントのずれの量(距離)までわかるセンサーを使ってピントを合わせていました。ミラーレスカメラ、コンデジの場合はTTL位相差AFシステムを搭載していないため、コントラストAFという、センサーに写った映像から判断してピントを合わせるシステムを利用しています。

TTL位相差AFに比べるとピントを合わせるのが遅くなる、移動する被写体にフォーカスを合わせるのが難しいなどの欠点があったんですが、新型カメラの「NEX-5R」「NEX-6」では「像面位相差AF」という、被写体の距離をはかる位相差AFシステムを、センサーの中に埋め込むという新しい技術を使っています。(ちなみにセンサーを実際に見てみても像面位相差AFというのは見つけられませんでした。)

従来のコントラストAFと併用することで、より高速なAFを実現する「ファストハイブリッドAF」を新搭載。どれくらい従来のモデル(NEX-5N)と違うのか興味があったので、実際に比較をしてみます。

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なお「ファストハイブリッドAF」ですが、機能をメニューからオンにしたりオフにしたりする仕組みはありません。常時利用するようになっているみたいで、メニューの中でなにかファストハイブリッドAFに関するモノがないのか探してみると、唯一「位相差AFエリア表示」というのが見つけられます。

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これは位相差AFが利用できるエリアを画面に表示するだけのものなんですが、なるほど、像面位相差AFセンサーはこのエリアに埋め込まれていて、画面全域で利用ができるものではないようです。

仕組みとしては、ここに人間の左右の目みたいなイメージのものが埋め込まれていて、それで距離を測っているんだとか。(具体的な仕組みについては私も知りません。)

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で、NEX-5Rが発売された直後にお客様がお買い上げになったNEX-5Rを当店に持ち込んでくださったことがあって、そのときに同じレンズを装着して従来機種のNEX-5Nと、使い比べをしたことがあります。

このときにもNEX-5Rの方が迷わずにAFが合うのを体感していて、こういう違いなのか、と、思ったりしていたんですが、どうやらそうではなかったみたいなんです。コントラストAF自体も進化をしているのか、どうやらそのときは位相差AFは機能していなかったようです。

というのも、ソニーさんのサポートページにあるQ&Aに下記の様なことが掲載されていて。。。

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重要なのは一番下。絞り値がF6.3以上の時は位相差AFは機能しないんだそうです。

※その後の当店のテストにより利用ができないのはF7.1以上になることが判明しました。絞り値F6.3でも像面位相差AFは条件により動作します。詳しくはこちらにて

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望遠レンズの方が位相差AFの違いを感じやすいですよ、と、聞いていたんですが、ソニーの望遠レンズ「SEL18200」も「SEL55210」も最望遠にすると絞りはF6.3になってしまうんです。広角側で使っていると絞り値をF5.6以下にすることもできるんですが、それだと焦点距離も短くなり望遠で効果がある、という感じでもなくなります。

暗いところでAFに強くなる、ということでもないそうですし、うーん、意外とシチュエーションを選ぶんですね。

とりあえず、絞りについて条件があるのはこれを見て初めて知りました。F値が小さい明るいレンズの方が位相差AFの恩恵が大きそうなので、では、像面位相差 AFに対応しているレンズの中で、一番明るいレンズになる、カールツァイス「SEL24F18Z」で実験をしてみます。

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NEX-5RとNEX-5Nを用意して、絞り優先、絞り開放、フォーカスを中央重点に設定。AF-SモードにしてこれでAFの10本ノックをしてみます。

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こんなシチュエーションを室内に用意して手前と奥の花をシャッター半押しで、フォーカス行ったり来たりをします。手前の花に10回フォーカスを合わせてその時間を計測してみましょう。(相変わらずアナログな計測方法ですみません。)

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AFの様子はこうして別のサイバーショットを用意して動画で撮影をします。これで撮影したAFテストの様子がこちらです。

ちょっと説明が必要ですね。最初に試しているのがNEX-5Rです。この段階で使ってみてNEX-5Nと比べてフォーカスが合うのが早い!って感じられる方もいらっしゃると思います。迷わずにサクサクとAFがあっていきます。

次にNEX-5Nで同じ事をするんですが、NEX-5Rと同じように赤い花でフォーカスを撮ろうとしても迷ってしまって合いません。コントラストが十分にない被写体ではこうして迷ってしまうんです。これではテストにならないので、コントラストが高い白い花の部分にAFを合わせることにしました。

3つめはTTL位相差AFを利用するAマウントのα77でテストしています。レンズは24mmのものがなかったので、一番近い画角の30mmマクロレンズ「SEL30M28」を装着しました。

それで10往復のピント合わせにかかった時間が下記のものになります。

   AFシステム  10本ノック秒数
 NEX-5R+SEL24F18Z  ファストハイブリッドAF  16.03秒
 NEX-5N+SEL24F18Z  コントラストAF  22.43秒
 α77+SAL30M28  TTL位相差AF  16.60秒

なんと、NEX-5Rはα77よりもフォーカス性能が早いことになってしまっています。

手動計測による誤差もありますし、あとはレンズのフォーカスモーターの性能もあるかもしれません。

TTL位相差AFをしのぐフォーカス性能!というつもりはありませんが、シチュエーションによっては肩を並べるくらい威力を発揮するのがファストハイブリッドAFシステムです、とは言えそうです。

 

NEX-5R、NEX-6で新搭載されたファストハイブリッドAFシステムはハードウェア的に搭載されているモノなので、NEX-5Nなどが後日ファームウェアアップデートで実現するとかいうことはありません。NEX-5R、NEX-6に乗り換えないと利用はできない新機能です。

新製品体験会でNEX-5RやNEX-6を手にしてAFのスピードを体感しようと試してみて、それで違いを感じられなかった、という方もいらっしゃるかもしれませんが、確かにNEX-5NのAF性能も決して劣っているものではなく、十分速いんですよね。私も最初にNEX-5Rを初めて触ったときはそう思いました。

でも、こうやって像面位相差AFが性能を発揮するシチュエーションを知ると、比較的簡単にその差を知ることができます。

今のところファストハイブリッドAFシステムに対応するレンズは「SELP1650」の他「SEL1855」「SEL55210」「SEL18200」「SEL24F18Z」の5本だけなんですが、今後「SEL50F18」「SEL30M35」「SEL35F18」「SEL1018」などが対応する予定になっています。

追加で対応するレンズってどれもみんなF値の小さな明るいレンズばかりなんです。SEL24F18Zでもこれだけ違いが出ますので、SEL50F18とかSEL35F18で使ったらもっとわかりやすい差が出るかもしれません。

 

NEX-5R、NEX-6のオーナーさんでファストハイブリッドAFの効果ってあるのかな?と、疑問に思われていた方は絞り値に注意して試してみてください。

やっぱり、この冬はNEX-5R、NEX-6がお買い時ですよ!

 

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